第1917号(2006年5月8日)の内容


<1面>
<米中新対決>下の戦争的危機を根底から突き破る反戦の闘いを!
日米軍事同盟の対中国攻守同盟としての強化反対! 反安保の旗高く闘おう

教基法改定案の国会上程弾劾!

<4面>
日本金融システム再構築への試行錯誤
ホリエモン騒動の顛末

<5面>
防衛施設庁「官製談合」暴露の深層

<2面>
教基法改悪を絶対に阻止せよ
高揚するネパール反王制闘争

<6面>
リハビリ大幅制限を抜き打ち強行
酷書郵政職場 帰属先の強制的決定を許すな
Topics 職員会議での採決を禁止した都教委「4・13通知」

<7面>
鬼頭論文を学習して
「35歳のみ賃上げ」に怒り

<8面>
劣化ウラン弾の危険性を全面否定する日共系学者
自治労大会での闘いを担って

<3面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
イジメられっ子
凍えきった握手
「逆援助交際」
純正ポチ保守
率直自己批判?!

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号
 





  


<米中新対決>下の戦争的危機を根底から突き破る反戦の闘いを!


日米軍事同盟の対中国攻守同盟としての強化反対! 反安保の旗高く闘おう


教基法改定案の国会上程弾劾!


4・30 反安保・改憲阻止掲げ首都圏の学生が決起
(詳報次号)

 五月一日(現地時間)の日米安保協議委員会(2プラス2)において、日米の権力者は、「同盟の新段階」の名の下に、日米新軍事同盟の構築を再び傲然と宣言した。その構築のための全計画=「再編実施のためのロードマップ」を彼らは発表した。昨〇五年十月末の日米安保協議委員会「中間報告」において在日米軍再構築とこれへの日本政府の全面的協力の計画が策定されたにもかかわらず、その細目の詰めをめぐって生みだされた対立を、米・日両権力者は解決し強引に決着をつけた。いまや彼らは、「新・日米安保共同宣言」を公表する儀式(ブッシュ・小泉首脳会談)の準備を完成させようとしている。こうして、囲われ男妾(おかけ)が旦那(だんな)に莫大な持参金を要求され奉仕するという、どの世界でも類例のない醜悪な儀式が、わが労働者・人民の眼前で演じられようとしている。
 四月二十三日の額賀・ラムズフェルド会談において、在沖縄海兵隊の移転にともなうグアム基地施設建設費にかんするブッシュ政権の見積もりである総額約一〇三億ドルのうち、実にその五九パーセントにあたる六〇億九〇〇〇万ドル(七一〇〇億円)もの巨額の資金を負担することに額賀は同意した。それだけにとどまらない。同二十五日に米国防副次官ローレスは、日本政府にタガをはめる思惑から、在日米軍の再編全体にかかわる費用のうち日本側が大半の総額二六〇億ドルを支払う約束であることを先制的に明らかにしたのだ。
 小泉ネオ・ファシスト政権は、まさに日米安保同盟の鎖でしめあげられている忠犬ポチ公にふさわしく、戦争狂帝国≠フ属国軍として日本国軍を編入させてもらうために、三兆円もの巨費を米軍にみつぎ、しかもこのための資金を労働者・勤労人民の乏しいフトコロからむしり取ろうとしているのだ。この暴虐を、われわれは絶対に許してはならない。
 いま現に、「一超」世界制覇の再興に躍起になっているヤンキー帝国主義およびその属国≠ニ、「二十一世紀の超大国」をめざす胡錦濤中国ならびにこれと同盟的に結託したロシアとの政治的・軍事的角逐と経済的争闘戦が一挙に激化している。このもとで、アフガニスタン・イラクに続いて、中東のイラン・パレスチナを、そして、台湾「独立」を焦点として、新たな様相の世界的大戦が勃発しかねない危機が日に日に醸成されているのだ。
 われわれは日本の地において、ブッシュ政権のイラク占領支配と日米新軍事同盟構築の策動を打ち破り、中国・ロシアの対抗的核軍事力増強に反対する反戦反安保の闘いの爆発をかちとり、この闘いの国際的波及をかちとるのでなければならない。「反安保」なき日共系の「自治体ぐるみの米軍基地強化反対」運動をのりこえ、<反安保>の旗を高々と掲げてたたかおう。労働者・学生・人民の総力を結集し、ヨレヨレ小泉政権を打倒せよ!

以下、見出し

冷戦的熱戦≠フ激化を告げた米中首脳会談

「一超」世界制覇の再興に狂奔するブッシュ帝国

反米国際包囲網の構築をおし進める中・露両権力者

ブッシュ帝国の強圧に屈従するポチ公政権

<反安保>の戦列を強化せよ

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日本金融システム再構築への試行錯誤

ホリエモン騒動の顛末


 世上を騒がせたライブドア不正蓄財事件で逮捕された社長(当時)ホリエモンこと堀江貴文が、保釈金三億円を払って保釈された(四月二十七日)。獄中でもみずからの罪を否認しつづけたこの徒輩は、数々の錬金術を駆使して蓄えた黒い資金を手下の野口某(事件暴露直後に謀殺された!)を窓口として小泉・武部・安倍ら政治エリートに横流しした事件の深層については、今後も黙り通すであろう。民主党が掴まされた「ガセ・メール」が、民主党を分解に追いこむことを狙ってブッシュ帝国・CIAが仕組んだものであることを、この徒輩も直感しているにちがいないのだからである。
 ライブドア不正蓄財の社会的暴露・摘発は、<反小泉>の旗幟を鮮明にした日本独占ブルジョアジー主流の手の者が、和製ハゲタカファンドを陰で操ってきたアメリカ金融独占諸資本の日本金融市場制覇の策動に歯止めをかけるために、その策動の呼び水となってきた小泉=竹中式「構造改革」政策にもとづく「金融規制緩和」の行き過ぎ≠フ修正を迫ることを直接的目的として、仕組んだものにほかならない。このことを、われわれは暴きだしてきた。
 現にいま、ライブドア叩きを区切りとして日本独占ブルジョアジーは、株式小口取り引き規制やM&A(企業合併・買収)の一定の規制などの「金融システム再整備」の必要性を叫びたてている。これは、郵政民営化の二〇〇七年施行を焦点としてアメリカ帝国主義との日本金融市場制覇をかけての抗争にのりだす意志の表明にほかならない。


以下、見出し

T 「金融の量的緩和」政策を転換した日銀

U 「規制緩和」の行き過ぎの是正を迫る独占資本家階級主流

V 激化する米・日間の日本金融市場争奪戦


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防衛施設庁「官製談合」暴露の深層

 「一超」軍国主義帝国のブッシュ政権とその忠犬たる小泉政権は、四月二十三日のラムズフェルド・額賀会談を区切りとして、在日米軍基地再構築計画の推進をめぐって生みだされてきた米日両政府間の軋轢の打開を図り決着をつけた。ここにおいて米・日両政府権力者がかわした最終的合意の内実は、米軍普天間基地の海兵隊主力八〇〇〇人のグアムへの移駐にともなう見積もり経費一〇三億ドルの五九l(六〇億九〇〇〇万ドル)を日本政府が負担するというものであり、まさに日米安保同盟の鎖に締めあげられているポチ公政権ならではの対米屈従≠フ証明以外のなにものでもない。
 ブッシュ帝国の途方もない要求への小泉政権の屈服・屈従は、もちろん、日米新軍事同盟の構築を日本帝国主義国家の「戦争をやれる国家」への飛躍のための絶対的基礎としているこのネオ・ファシズム政権の二十一世紀国家戦略にもとづく。とはいえ、それだけではない。
 このかん、在日米軍基地再構築の策動に反対する日本労働者・人民の鎮圧・懐柔に手を焼いていた小泉政権にたいして、ブッシュ帝国が「待ったなしだ」(米国防長官ラムズフェルド)の大音声をあげ公然と恫喝をくりかえすとともに、防衛施設庁の「官製談合」の暴露という術策をも弄してきた。この恫喝と術策に小泉政府は震撼させられ己れの存立の危機につきおとされたがゆえに、協議・交渉のたびごとに「移転費用」をつり上げてきたブッシュ帝国の傲慢な手口への内心の反発を募らせながらも、屈服せざるをえなかったのである。

以下、見出し

在日米軍再構築計画への全面的屈従を迫るブッシュ帝国

日本の政・官・財癒着構造を破壊するための策略

激化する米・日軍需独占体間の抗争

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教基法改悪を絶対に阻止せよ


 わが同盟は、すべての労働者・学生諸君に訴える。国会に上程された教育基本法改定案の採決・成立を阻止するために総力をあげて奮闘せよ!
 四月二十八日、ついに小泉内閣は、自民党・公明党の与党合意にもとづく教基法改定案――「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことを明記し、能力主義教育や教育の国家統制の強化を盛りこんだもの――を閣議決定し、ただちに国会に上程した。「会期延長しない」と宣言している小泉政権は、六月十八日の会期末までに教基法改定案を成立させるために、衆院に特別委員会を設置することを決定した。わずか一ヵ月余の国会審議をもって、改定案を成立させようとしているのだ。
 これにたいして日教組本部は、ようやくうちだした「教育の危機宣言」において与党協議の密室性≠もっぱら非難し、「慎重かつ時間をかけて国民的議論をおこなうよう」求めているにすぎない。そもそもこのかん、「ただちに『教育危機宣言』を発して反対運動にとりくめ!」という戦闘的・良心的組合員の声を無視して、「改正論議」を尻押しするものでしかない「教育基本法調査会」設置要求署名を組合員に強要してきたのが、日教組本部だ。愛国心教育の明記についても「『国を愛する態度』は無理矢理教え込むのではなく、子どもたちが自然に身につけるものではないでしょうか」と政府・与党に弱々しく訴えているにすぎない。「文科省とのパートナーシップ」を標榜して、教基法改定案において正当化されている小泉式「教育改革」の施策の実現に協力しているのが日教組本部だ。彼らには、教基法改悪に反対するパトスもイデオロギー的拠点もまったくないのだ。
 すべての諸君! われわれは、国家主義的・能力主義的な「教育改革」をすすめるための教基法の改悪を阻止する闘いを、日教組本部による「教基法を学び生かす」をシンボルとした「慎重審議」要求運動への歪曲や、全教本部による議会主義的闘争歪曲をのりこえ、<ネオ・ファシズム的教育再編反対>の方向性を鮮明にしてたたかおう!「日の丸・君が代」強制などの愛国心教育や能力主義教育、様々な労務管理の強化に反対することを任務としてたたかおう! 教基法改悪がブッシュおしつけ改憲の先取りであることを暴きだし、<「戦争をやれる国」づくり反対>を結び目とし、教基法改悪阻止闘争を<憲法改悪阻止! 日米新軍事同盟構築阻止!>の反改憲・反戦反安保の闘いと結合してたたかおう! 教育労働者を先頭にして、すべての労働者・学生は、職場・学園から教基法改悪阻止闘争を断固として推進せよ!
   (四月二十八日)

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イジメられっ子

みんなどこまで落ちられるか?

 〔党本部委員長室で……〕
 あー困った、困った。「元・最高幹部が、日々の党運営の仕組みから宮本顕治引退の真相まで、内情を明らかにする」なんていう謳い文句を掲げた本、『日本共産党』(新潮新書)を出版したフデちゃん〔筆坂秀世・元参議院議員・元日共政策委員長〕が、マスコミでひっぱりだこ。本はわが党内でひっぱりだこ。
 かのセクハラ問題にかんしては、「女性は大いに楽しんでいた」と開き直り。「所詮、女は色取り」と思ってた、なんて事件発覚直後の「自己批判書」に彼は書いてたけど、ちっとも変わってない。それどころか、「背後にベテランの参議院議員がいた」とぶちまけはじめた(『週刊朝日』)。いったい、いくらもらったんだ、裏切り者!
 ……でも、そんなことはどーでもいい。問題は……「志位氏が議題のまとめをするたびに、不破氏が『僕は違うな』といってひっくり返す」やら、「志位氏を幹部の面前でいじめのように叱責する不破氏のやり方」を見ている常任幹部会員や党本部の人間は「志位氏を軽んじ、ますます不破議長を絶対化していく」やら……ボクがいちばん気に病んでいることをバラすなんて、フデちゃんヒドイよ。名誉毀損だ!……いや、事実だから、個人情報保護法イハンかな?……どーせみんなボクのことバカにしてるんだ。イジイジ……
 フデちゃんの本が発売された直後に『しんぶん赤旗』に掲載された不破さんの論文(四月十九日付)と浜野副委員長の論文(四月二十日付)で、「反論は尽くされている」って、四月二十日の記者会見でボクは言ったけど……そう言え、余計なことは言うな、と指導部からクギをさされたんだよね。でも、あの二つの論文、「ここまで落ちることができるのか」ってフデちゃんを貶めてるけど、正直言って反論になってないよなあ。
 宮本顕治氏に議長からの引退を説得したのは不破氏だった≠ネどというのは「ガセネタ」だって不破さんは言うけど、その中身は説得したのは筆坂が言うような第二十一回党大会期間中ではなく、「大会開催まで」に「話し合いがまとまった」のだ≠ニいうだけ。「不破議長時代の罪と罰」と言うが、筆坂があげている事例は不破委員長時代のものだから「看板に偽りあり」=c…これじゃあ、白旗かかげたも同然だよね。
 自衛隊政策については、「自衛権や自衛隊に反対しているわけではありません」と論文(『議会と自治体』〇五年四月号)に書いた松竹伸幸クンにたいして、「党の立場と違う」という自己批判をさせたのは「言いがかり」だ、とフデちゃんは叫んでいる。ああ、そのとおりですよ。でも、当時、意見書を書いて抗議したフデちゃんにたいして、「改憲の動きが強まっているときに自衛隊活用論を唱えれば、改憲勢力に悪用されてしまう」と党中央が説明したことをもって、「自衛隊容認」から「自衛隊反対」への「大変更」だなんて非難するのは、まるでまちがっているよ。
 〇五年二月に当時の不破議長が「憲法と自衛隊との共存、海外での平和的活用が基本」と唱えたこと(『朝日新聞』)。これにたいして革マルが執拗に批判するものだから、わが党の内部から議長見解は憲法違反だ≠ニいう声がまきおこっちゃった。これを抑えこむために、慌てて「自衛隊は違憲」ということを党内むけにおしだすことにして、松竹クンに貧乏クジをひいてもらった、というコト。「国民合意」ができるまではずーっと自衛隊を容認し活用する、というわが党の自衛隊政策は、いささかも変わっていません。だから、「言いがかり」にはちがいないが、悪いのは革マルなのだ!……と上田耕一郎さんに言われたんだよね。
 ……フデちゃんがまちがってるのはこれくらいかな。あとは……
 「野党外交とは、中国の影響力を背景にしたもの」「特権階級の別世界」という指摘は、ズバリそのとおり。ボクなんか外遊に行かせてもらえないし……。
 「何をやっても三割程度の党員しか活動に参加しない」「多くの大企業の党支部は、自然消滅の道を歩んでいる」――わかってるよ、だから苦労してるんだ……。
 「〔会議で〕発言らしい発言をしたことがない副委員長や常任幹部会委員も少なくない」「あるのは、〔選挙で〕負けても負けても、党中央の責任を回避するためのレトリックだけ」――みんな事実だけどさ、いっしょに自己保身の知恵をしぼってきた仲じゃないか。お先にいち抜けた≠ヘズルイよ。
 あーあ、これからボク一人で不破さんのイジメに耐えて追従して生きていかなきゃいけないのか、グスン。いっそボクも……
 ルルル――ハイ。あ、不破さん。……いやあ、筆坂の奴、落ちるところまで落ちましたね。不破さんの論文を武器にガンバリマス! ……ガチャン。
 はぁ、ボクも落ちるところまで落ちた≠ネぁ……。

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