第1914号(2006年4月17日)の内容


<1面>
今こそ〈反安保〉の戦列強化を!
日本支配階級内権力抗争に揺らぐ小泉政権を打倒する力を創造せよ


<4〜5面>
「もうひとつの日本」の名による独占資本家どもへの秋波
      「全労連」春闘方針の反労働者性
◆「安保反対と言うな」と叫ぶ日共県議

<2面>
F15訓練場移転阻止の狼煙
    3・18築城現地に労学1600が決起写真へ
プルサーマル阻止に決起(3・19、佐賀)写真へ
大阪米総領事館へ怒りのデモ(3・17)写真へ
石原東京都当局による3・31教職員大量処分弾劾!

<6面>
教育のネオ・ファシズム的再編に抗する論議を創造
  ―日教組第55次教研集会

教基法改悪阻止に4000名結集(3・31)
Topics 教科書編集労働者は心身ボロボロ

<7面>
内なるNEET≠超克するために
◆2・12春闘集会に参加して

<8面>
「リサイクル製品」を偽装し有毒産業廃棄物を投棄
鳥インフルエンザの秘密

<3面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
◆「聖なる預言者」
◆これがアメリカ式
◆ヒスパニックの怒り
◆ウィンウィン?
◆天空にかける野望


週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号
 





  


今こそ〈反安保〉の戦列強化を!


日本支配階級内権力抗争に揺らぐ小泉政権を打倒する力を創造せよ

 四月七日に防衛庁長官・額賀は、辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部新基地建設について、「微調整」の名のもとに、政府の基本案たる「沿岸部案」のほんのわずかの修正案として「V字型滑走路(二本滑走路)」計画を提示し、名護市の島袋当局がこの提案を受け入れる態度をただちに表明した。沖縄県知事・稲嶺がなお難色を示しているとはいえ、この修正案への名護市当局の同意をもって、小泉政権は在日米軍再編計画の遂行にとって最大の懸案事項となっていた辺野古新基地建設に決着の目途をつけたと宣言した。この政権は、これを突破口にして、ブッシュ帝国の在日米軍再編にかんする日本政府の協力計画を早期になしとげるための策動に拍車をかけているのだ。
 四月十二日に予定されている日米外務・防衛審議官級協議において、在沖縄米海兵隊のグアム移転経費の負担問題についてのブッシュ政権による法外な要求(約一〇〇億ドルの移転費用のうち七五パーセントの負担を日本政府に要求)をさえも全面的に受け入れる意志を、小泉政権は打ち固めている。在日米軍再編計画の遂行をめぐって生みだされたアメリカ政府との軋轢を打開し、もって当初予定よりも遅れているところの日米新軍事同盟構築にかんする「最終報告」を発表する儀式をこの四月中にもおこなうために、小泉はブッシュ帝国の要求の一切合財を丸呑みしようとしているのだ。
 この小泉政権の策動がまさにブッシュ帝国への日本の属国化≠フ完成を意味するがゆえに、日本帝国主義支配階級の内部からの反発がいよいよ高まり権力抗争のいっそうの白熱化を招くことは必至である。民主党内においては、対米自立≠フ旗幟を一段と鮮明にしている小沢一郎が、米CIAのガセ・メール謀略の餌食にされた前原の小泉チルドレン℃キ行部を総退陣に追いこみ、ついに民主党代表の座を奪取した(四月七日)。これは、<ポスト小泉>における政界大再編の号砲にほかならない。
 いまや一気に激化している権力抗争のただなかで、今年九月に退任する小泉は、ブッシュ帝国の強圧の高まりに促迫されて、日米新軍事同盟の構築とこれに見合う内容での憲法大改悪、ならびに「構造改革」諸施策の遂行などの極反動攻撃を己れの任期中に貫徹するために、血道をあげている。われわれは、いまこそ、「自治体ぐるみの運動」を叫ぶ日本共産党の基地再編反対闘争の議会主義的歪曲をのりこえて、<米軍再編粉砕・日米新軍事同盟構築反対・改憲阻止>の闘いを、小泉式「構造改革」反対の闘いと結合しつつ、断固としておしすすめるのでなければならない。

以下、見出し

在日米軍再構築の強圧をかけるブッシュ帝国

日本政界再編を企むブッシュ帝国の謀略

白熱化する<ポスト小泉>の権力抗争

ブッシュ帝国を後光とした小泉・安倍の危機突破策

日米新軍事同盟の構築反対の炎を!

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石原東京都当局による3・31教職員大量処分弾劾!

「日の丸・君が代」強制攻撃を粉砕せよ

 三月三十一日、ネオ・ファシスト石原都知事が率いる東京都教育委員会は、今春の卒業式において「君が代」の起立斉唱やピアノ伴奏を拒否した教育労働者三十三名にたいして懲戒処分を発令した。「職務命令違反」などと称して「戒告」、二度目の処分者にたいしては「減給十分の一を一ヵ月」、さらに複数回の処分者にたいしては「停職一ヵ月」や「停職三ヵ月」の処分を加重して科したのだ。しかも都教委は、すでに、今春の再雇用希望者の中で「日の丸・君が代」の強制に反対して過去に処分された者をすべて不採用としたのだ。
 すべての教育労働者諸君! 既成教組指導部の闘争放棄をのりこえ、職場から「『日の丸・君が代』強制反対!」「処分・解雇・不採用粉砕!」の大闘争を巻き起こそうではないか!

生徒への指導を強要する「三・一三通達」弾劾!
 都教委は、ある都立定時制高校の卒業式において卒業生の大半が「起立斉唱」を拒否した事態に驚き慌てて、都立学校の卒業式シーズンの終盤の三月十三日に緊急校長会を招集した。そして、昨年末に都議会で教育長が予告したとおりに、「学習指導要領に基づき適正に児童・生徒を指導することを、教職員に徹底するよう」命ずる「通達」を出した。これは、教員にたいして「日の丸」にむかって「君が代」を斉唱することを強要するだけでなく、生徒に「立て」「歌え」と指導せよと命じ、生徒が立たず歌わず≠フ態度をとれば担当教員を処分する、というものだ。
 そもそも、都教委は今回の卒業式を前にして「学習指導要領に基づき、適正に生徒を指導すること」を教員に命ずる職務命令を「必ず」出すように校長を縛りつけた。校門前での抗議のビラまきを弾圧するために公安警察の配備を要請させたり、生徒や保護者たちが式場内にビラを持ちこむのを阻止するためにゴミ箱を校門脇に設置するように指示した。またある学校では「座りそうな」教員をあらかじめ式場外の「警備担当」として会場から締め出し、その教員にベッタリと監視要員までつけたのだ。こうした戒厳令さながらの卒業式で、ある高校では「君が代」斉唱に抗議して座った生徒にたいして司会の管理職がその席に詰め寄り、起立斉唱をうながすという暴挙にも出たのだ。
 これにたいして、わが戦闘的教育労働者を先頭にして怒りに燃える多くの良心的組合員たちは、このかん粘り強く反撃の闘いをつくりだしてきた。政府・文科省に屈服し、昨夏の大会で「『国旗』『国歌』の意義を教える」とする方針をいったんはうちだし、組合員からの批判の前に慌ててこの方針をひっこめた日教組本部。彼ら森越執行部は、卒業式シーズンの三月二十一日に開催した臨時大会において、東京をはじめとする全国各地で「日の丸・君が代」の強制に反対してたたかい、組合員が次々と処分されているにもかかわらず、これを完全に無視したのだ。大会議案には「『日の丸・君が代』強制反対・処分撤回」どころか、「日の丸」の「日」の字すら書かれていないのだ。
 戦闘的教育労働者たちは、このような腐りきった日教組本部を弾劾し、さらに「不起立は自爆テロだ」などと称してあからさまに闘争を抑圧する都高教若林執行部に抗して、分会・支部・単組の団結強化を基礎にしつつ、様ざまな闘争形態を駆使して「日の丸・君が代」強制反対闘争を創造したのだ。分会会議で「強制反対」の意思一致をはかりつつ、非組合員も含む全教職員から「強制反対」署名を集めて校長に突きつけたり、連日の職員会議と交渉で校長を追い詰めたりした。職場全体の怒りと団結の「迫力」に気おされた某校の管理職は、「君が代」斉唱時の「現認」もできずに、うつむいたまま職員席の後ろをウロウロせざるをえなかった。またある職場では戦闘的組合員は、分会での意思一致にもとづいて、担任や式の司会として生徒たちに「最後の授業」として「内心の自由」を創意工夫して説明することなどにとりくんだ。
 このような熱気あふれる闘いの過程で、当初は「何をやっても無駄だ。黙って四十秒間何も考えないようにしよう」などといっていたベテラン教員や「なぜ○○先生はそんなに『日の丸・君が代』にこだわって反対するのかわからない」と言っていた青年教育労働者たちも、職員会議や分会会議で次々と発言した。「今の都教委の攻撃は異常だ。戦争につながる。ファシズムだ」「生徒に『立て・歌え』とは絶対に言えない。戦前の教師と同じになってしまう。石原の犯罪に加担するわけにはいかない」と。
 このように戦闘的組合員たちは、職場の団結を基礎としてパトスあふれる闘いを――「被処分者の会」「被解雇者の会」「予防訴訟の会」や「石原らの『日の君』強制を告訴告発する会」などの闘いと連帯しつつ――くりひろげたのだ。
 石原都当局は〇三年に「一〇・二三通達」(教職員に「日の丸掲揚・君が代斉唱」を強要する通達)を発して以降、これまで三五〇名もの教職員を懲戒処分に付してきた。たたかう教員に「転向」を迫る「再発防止研修」の強制、一〜二年での他校への異動や遠隔地への異動、不当な業績評価、そして定年退職後の再雇用の不採用・解雇など――都教委は、「日の丸・君が代」強制反対をたたかう教職員をパージし屈服させ、反対運動を完全に根絶やしにするために、報復的攻撃をかけてきた。だが、わが仲間たちの奮闘のゆえに都教委は「日の丸・君が代」強制反対闘争を圧殺することができないばかりか闘いの炎はいやましに燃え広がっている。
 だからこそ追い詰められた都教委は、憎悪に満ちた処分攻撃をたたかう教育労働者にたいして今、加えてきたのだ。

改憲・教基法改悪反対の旗高く闘おう!
 再び三たびエスカレートしたこの石原都当局の「日の丸・君が代」強制・大量処分攻撃はまさに、「愛国心」教育と能力主義教育の推進を新たな教育理念とする教育基本法改悪攻撃を先どりしたものにほかならない。「日の丸・君が代」=愛国心を生徒・児童に付与するために、それにタテつく教育労働者への弾圧・管理強化を一挙に強めているのが文科省・都教委なのである。
 時あたかも政府・与党は教育基本法「改悪」案を国会に上程しようとしている。これにたいして日教組本部は国会への「教基法調査会」設置を要求し、組合員にたいしては要求署名を取るように号令している。日教組本部はまさに闘いを対政府の請願運動にきりちぢめているのだ。
 また自民党は改憲のための国民投票法案も民主党を抱きこんで上程しようとしている。これにたいしても日教組本部は「拙速な上程に反対」しているにすぎない。
 こうした既成教組指導部による闘争歪曲をのりこえて、すべての教育労働者は教育基本法改悪反対・改憲阻止を明確に掲げて「日の丸・君が代」強制・処分攻撃粉砕の闘いに決起しよう!
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「もうひとつの日本」の名による独占資本家どもへの秋波


      「全労連」ダラ幹の06春闘方針の反労働者性

 〇六春闘の山場たる三月十五日のIMF・JC傘下諸労組への集中回答において、トヨタの一〇〇〇円(「賃金制度改善分」)という回答を「天井」とする超低額の賃上げ¢鰹黷ェ――「連合」中央を牛耳るIMF・JCの指導部が独占資本家どもに屈服したことによって――つくりだされた。超低額の、あるいはベースアップ・ゼロの妥結がIMF・JCなどの大手諸労組において相次ぐ状況のなかで、「全労連」系の国民春闘共闘に結集する諸労組・とりわけ中小企業諸労組に結集する組合員たちは、今まさにこうした低額相場を突き破り賃上げを獲得するためにたたかっている。
 だが、「連合」指導部の「賃金改善要求」なるものを美化し、その尻馬にのって賃上げを獲得しようと目論んできた「全労連」日共系幹部の指導のゆえに、すでにJMIUや出版労連などの諸労組は軒並み低額回答への屈服を強いられた。こうした敗北的結果を「賃上げ額を前年同期比で見ると、産業別にも産業内でもプラスとマイナスの二極化の様相を呈しているのが特徴」などと、客観主義的に評論しているのが、「全労連」指導部なのだ。
 わが革命的左翼は、「もうひとつの日本」をシンボルとした「全労連」指導部の「国民春闘」方針とこれにもとづく「指導」の犯罪性を断固として暴きだし、「全労連」傘下各労組内の下部労働者の怒りを組織化しつつ、大幅賃上げ獲得の闘いを粘り強くおしすすめるのでなければならない。


以下、見出し

1 独占資本家主流の「小泉批判」への期待

2 「連合との共同」の思惑からする超低額「賃上げ要求」

3 「企業の社会的責任CSR」追及を免罪符とした独占体美化論

4 「公務員バッシング」への屈服

5 「全労連」日共系幹部の腐敗を弾劾し日本労働運動の戦闘的再生を!


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 三月十八日に全学連九州地方共闘会議と反戦青年委員会は、航空自衛隊築城基地(福岡県築上町)への在沖米空軍F15の戦闘訓練場の移転を阻止する現地闘争に決起した。わが同盟はその最先頭で奮闘した。地元行橋(ゆくはし)市で開かれた「在日米軍築城基地配備反対集会」に参加し、結集した多くの労組員とともに在日米軍の再編・強化の策動にたいする反撃の狼煙をあげたのだ。米軍F15訓練場の移転阻止の決意を固める(3・18、福岡県行橋市)




 三月十九日、佐賀市役所南公園において、「『プルサーマル計画』受け入れ反対全国集会」が「佐賀県平和運動センター」「原水禁九州ブロック連絡会議」「フォーラム平和・人権・環境」三団体の共催のもとに開催された。
 佐賀県知事・古川康が、県議会閉会後の三月二十二日にもプルサーマル計画への正式同意を表明しようとしていたことにたいして、これをなんとしても阻止するという気概に燃えて、佐賀県を中心にして九州各県、全国各地から一二〇〇名の労組員、市民が結集した。わが同盟は、彼らと固く連帯し、既成指導部の「安全性」論議への陥没を批判しつつ、<核開発を狙う核燃料サイクル計画反対>を鮮明にしてたたかうべきことを力強く訴えてたたかいぬいたのである。プルサーマル計画に同意した県知事・古川を弾劾する労働者・市民(3・19、佐賀市)



 三月十七日、大阪・扇町公園において、「イラク開戦3周年抗議 自衛隊のイラクからの撤退 在日米軍基地再編・強化反対! 3・17大阪集会」(大阪平和人権センター・しないさせない戦争協力関西ネットワーク共催)が、三〇〇〇名を結集して開催された。おりしも前日の十六日にブッシュ帝国は、イラク・サマーラにおいて、ムスリム武装勢力にたいする掃討作戦を大々的に開始した。わが同盟とそのもとに結集する革命的労働者・学生は、この蛮行を徹底的に弾劾し、集会を戦闘的に高揚させるために奮闘したのだ。「安保強化反対!」を労働者に訴える学生(3・17、大阪・扇町公園)

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