第1913号(2006年4月10日)の内容


<1〜2面>
4・30反戦反安保闘争に起て
〈反安保〉の旗高く在日米軍基地強化阻止の戦列を創造せよ

中央学生組織委員会

<3面>
沖縄の労学が那覇市街を席巻(3・19 写真へ
石川県平和運動センター集会で奮闘(3・20)
「連合北海道」集会に戦闘的檄(3・10)

<4〜5面>
「一超」米帝の石油資源支配に挑戦する胡錦濤中国
アマゾン河から水が消える(?!)

<6面>
全教第23回大会 教基法改悪反対闘争に腰の入らぬ本部に批判が集中
酷書 郵政職場 「小包配達の本務者化」の試行
Topics 公務員大削減のための儀式

<8面>
労働組合破壊のためのオーストラリア版「労働契約法」
ブッシュ帝国の「新国家安保戦略」

<7面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
◆ヤンキー流判定
◆イラクの犬
◆JAPAN‐VISIT
◆自己批判
◆ヒーヒー展開

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号
 





  

4・30反戦反安保闘争に起て
憲法改悪阻止・日米新軍事同盟の構築反対!
〈反安保〉の旗高く在日米軍基地強化阻止の戦列を創造せよ

中央学生組織委員会

 全国の各学園において、改憲阻止・反戦反安保闘争の大爆発をかちとるために奮闘しているすべての学生諸君!
 戦争狂たるアメリカ・ブッシュ政権とその忠犬・小泉政権は、四月初旬に開催する予定の日米安保協議会(2プラス2)において、在日米軍の再構築と自衛隊の米軍への融合・一体化を核心的な内容とする最終報告――新たな「日米安保共同宣言」の基本となるもの――を謳いあげようとしている。この日米両権力者による日米新軍事同盟の構築=対中国攻守同盟としての現実的な強化に反対し、在日米軍基地の再編強化とこれへの日本政府の加担・自衛隊軍備増強の策動を打ち砕く闘いを、われわれは断固としておしすすめるのでなければならない。
 小泉ネオ・ファシスト政権は、日米新軍事同盟の構築に見合った内容のものへの日本国憲法の大改悪=ブッシュ押しつけ憲法$ァ定にむかって突進している。「対テロ戦」という名の中洋イスラム圏諸国への侵略戦争を、さらには対中国の侵略戦争をアメリカ帝国主義国家とともに遂行する軍事強国へと日本国家を雄飛させる野望をたぎらせて、この改憲をはじめとする教育基本法改悪や今日版国家総動員体制構築などの一大攻勢を、この政権は一気呵成にしかけている。改憲手続き法たる国民投票法を六月いっぱいまでの今国会中にも制定するために、小泉政府・与党は民主党をも抱きこむことに血道をあげている。五月連休明けにも法案提出を狙っているのだ。
 すべての学生諸君! 今がまさに正念場である。
 われわれは、日共翼下の「反安保」ぬきのインチキ「護憲」運動や「自治体ぐるみの米軍基地強化反対」運動をのりこえて、〈憲法改悪阻止・日米新軍事同盟の構築反対・イラク反戦〉の炎を高々と燃えあがらせるのでなければならない。
 改憲・安保同盟強化に突進する小泉ネオ・ファシスト政権を打倒することをめざして、前進せよ! すべての学生は、首都・東京の4・30全学連反戦行動をはじめとして全国各地で決行される全学連の闘いに決意もかたく総決起せよ!

以下、見出し
一、米・中新対決の激化の下で高まる戦争勃発の危機

二、ブッシュ帝国の「属国」への道を走る小泉政権

三、既成平和運動の腐敗の深まりとこれを突き破る革命的左翼の闘い

四、憲法改悪と日米新軍事同盟の構築を打ち砕け!


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「一超」米帝の石油資源支配に挑戦する胡錦濤中国

 イラン南部のヤバラダン油田の開発にのりだした中国の国有石油企業・中国石油化工(シノペック)とイラン国営石油会社との契約締結が、最終段階を迎えている。中国国家発展改革委員会主任(エネルギー問題担当)・馬凱が近々イランを訪問し、最終契約を結ぼうとしているのだ。イラン核開発問題をめぐってブッシュ政権がEU諸国権力者を巻きこんで国連の名による制裁発動を企んでいる、まさにその最中に、反米アフマディネジャド政権を援護する姿勢を公然としめしているのが胡錦濤政権にほかならない。
 胡錦濤版の「一超多強」戦略にのっとって、この政権は、ロシアのプーチン政権との同盟的結束を基礎にして「反覇」=反米の国際的包囲網を構築するために、イランやブラジル、ベネズエラをはじめとする反米諸国を資源開発や交易拡大をテコとして懐深く抱きこみつつある。このことは、石油ガブ呑み型の高度経済成長とともに劇的に露呈している、国際石油価格高騰のもとでの石油・エネルギー不足、この中国経済のアキレス腱というべき困難をのりきるための策略と不可分に結びついている。「二十一世紀の富強中国」にのしあがる基礎をうち固めるために、いま胡錦濤中国は、アメリカ帝国主義との石油争奪戦にうち勝つための策動を一段と強めているのである。

以下、見出し

反米国際包囲網の構築と結びつけての石油資源獲得

中国経済のアキレス腱=石油不足ののりきり

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ザ・ロング・ウォー
先制攻撃戦略の破綻を自認した「新国家安保戦略」

 勝利、勝利と言ってきた権力者が「長期戦」と言いはじめたら、これは戦況悪化の何よりの証拠。ブッシュよれよれ£骰曹烽ワた、この歴史的常識に違(たが)わない。
 かの「QDR」(国防計画の四年ごとの見直し)を見よ。「アメリカは長期戦下にある」というのが、その書き出し。第一章のタイトルもまた「ザ・ロング・ウォー(長い戦争)」。この「長い戦争」という表現は、QDRに幾度も出てくる。
 「対テロ戦争」と称してブッシュ政権が中洋イスラム圏において強行してきたイラク侵略戦争や反米勢力の軍事的掃討戦は、今や完全に破産した。「長期戦」という表現は、泥沼に足をとられ身動きがとれなくなった米軍の惨状を自認したに等しい。それは、「出口の見えない戦争」に厭戦気分を募らせる国民にむかって、欲しがりません勝つまでは≠ニばかりに、さらなる犠牲と忍従を強いるための詭弁でもある。(『新世紀』第二二二号、梅林論文参照)
 三月発表の「新国家安全保障戦略」もまた「長期戦」がキーワード。「憎悪のイデオロギーに支えられたテロリズムとの戦いは困難」「完遂にはほど遠い」と。おまけに、「われわれは思想間の闘い(バトル・オブ・アイディアズ)に勝利しなければならない」だとさ!
 最近の演説でブッシュは、「テロリストにはイデオロギーがある」「彼らのイデオロギーとたたかわねばならない」などとぼやいている。9・11事件後五年もたって「テロリストにはイデオロギーがある」ことをあらためて確認するとは、なんたる阿呆。「テロリスト=野蛮」vs「文明=US」という図式はどこへやら、テロリストとの思想闘争≠必死に説かねばならないブッシュ! これぞ、「神の召命」だの「自由」だのという旗を掲げたヤンキー帝国主義者が、その傲慢に叛旗を翻したムスリム急進主義者の敢闘精神あふれる闘いに、ひいては「神々の戦争」=宗教戦争に敗北したことの自認にほかならない。
 この五年間、「中東民主化」の旗印が新植民地主義の軍事的貫徹の別名でしかないことを自己暴露し、逆に敵を増やし続けてきたのがブッシュ帝国。いまさら「思想間闘争」といっても、「まず外交官のアラビア語教育から」(ライス)というのだからオソマツ。コトバを覚えれば「思想間闘争」ができるわけではあるまいに!

「新たな全体主義」=イスラム急進主義?!
 ただし、「テロリズム」=「憎悪のイデオロギー」という図式は要注意。これは次のような観点からでっち上げられている。
 「わが国は今、冷戦初期と同じような、長期にわたる闘争の初期段階にある。二十世紀において、自由はファシズムと共産主義に勝利した。だが新たな全体主義が、再びわれわれを脅かしている。これは、宗教的倒錯に根ざしたイデオロギーであるという点において前世紀のそれと内実を異にするが、意味するものは同じ、憎悪と殺人と抑圧である。」(「新国家安全保障戦略」第一章「概観」)
 「憎悪のイデオロギー」とか「全体主義」とかというのは、冷戦時代の帝国主義者が「共産主義」に貼ったレッテル。その同じレッテルを、反米闘争をたたかう中洋人民の精神的支柱たるイスラム急進主義に貼りつけることによってしか、彼らは「対テロ戦争」を正当化することができない。「新たな全体主義」の名のもとにイスラム急進主義と「共産主義」とを意図的に同一視するイデオロギー操作。あきらかにこれは、反米国家や反米勢力を背後で支えているのが、全体主義国家・中国≠ニ独裁的傾向を強めるロシア≠ナあることを強調し、この中露との対決こそが「新安保戦略」の基軸であることを表明するものにほかならない。
 イランによるイラク・シリア・ヒズボラ・ハマスを糾合しての反米戦線構築。このイランを抱きこんだ中国・ロシアによる反米包囲網の形成。これに焦ったブッシュ帝国は、「一超」制覇の策動を正当化するために「全体主義との闘い」なるものを無理矢理おしだした。「中東民主化」構想も完全パンクをつきつけられた今となっては、「対テロ戦争」を正当化する心棒も喪失し、「全体主義反対」=「テロとの戦い」=「長期の戦争」(=中露への対抗)などとごまかすしかすべがなくなったのだ。これぞ、先制攻撃戦略の全面破綻を自認するものぞ!
 「対テロ戦争」と東西冷戦との「反全体主義」の名における意図的二重写し――このことからして「新安保戦略」は、ソ連研究の反共学者たる過去を持つライスの主導でうちだされたにちがいない。だが、かつてライスの師匠であったブレジンスキーは、イラク戦争三周年にあたってのインタビューで言った。「アメリカは敗北しつつある」と。
 「ロング・ウォー」の強調にたいしては、イラクでの反米・反占領闘争の猛火にさらされ士気を阻喪したヤンキー軍の内部からも反発が噴きあがっている。「長引く戦争に巻きこまれたいと思う者など誰もいない」と。
 まさに、時すでに遅し。
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 三月十九日、沖縄県学連、県反戦の労働者・学生は、<辺野古新基地建設阻止!><米軍再編粉砕!><「反安保」ぬきの「沿岸案反対の一点」での「基地の整理・縮小」要求運動をのりこえたたかおう!>のスローガンを掲げて労学統一行動に勇躍決起した。小泉政権が辺野古への新基地建設を最終決定しようとしている重大局面にあって、既成反対運動の沈黙を打ち破って唯一たたかいぬいたのだ。

「知事尻押し運動をのりこえて闘おう」と訴えて進む労学の隊列(3月19日、那覇市)

松山公園で総括集会をかちとる労学(3月19日、那覇市)

  
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