第1908号(2006年3月6日)の内容

<1面>
ブッシュ帝国によるイラク・シーア派聖廟爆破謀略を弾劾せよ!

憲法改悪・日米新軍事同盟の構築を許すな
 日共中央の反安保なき護憲運動をのりこえて闘おう!
<6〜7面>
06春闘の戦闘的高揚をかちとろう!
小泉専制下の暴圧に抗して06春闘を戦闘的に闘おう!

◆わが同盟の06春闘スローガン
Topics 日教組指導部が「平和基本法」を提起
<8面>
2・12労働者怒りの総決起集会決意表明
郵政 誰も殺させるものか!
交運 「7・14見解」を取り下げさせた!
<4面>
「人間尊重」を表看板にしてのリストラ徹底宣言 
日本経団連『経労委報告』の反動性
<5面>
道当局の新たな総人件費削減攻撃を粉砕しよう!
自治労本部の公務員大量削減容認に弾劾の声―1・26〜27臨時大会
<2面>
ブルーリッジ米艦船寄港阻止に起つ写真へ
 2・6室蘭/1・30名古屋
米F15小松移転反対闘争が高揚(1・29)写真へ
<3面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
◆スターリン批判50年
◆背に腹は……
◆ウルトラC
◆反米の武器

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号
 



































  



ブッシュ帝国によるイラク・シーア派聖廟爆破謀略を弾劾せよ!

 二月二十二日午前七時(現地時間)、イラクのサマッラにあるイスラム教シーア派の四大聖廟の一つ「イマーム・アリ・ハーディー廟(アスカリ聖廟)」の黄金ドームが、イラク国軍の制服を着用して侵入した武装集団によって爆破され全壊させられるという事件が勃発した。
 聖地信仰のきわめて強いイスラム教シーア派の聖廟を爆破するという所業は、ムスリムのなせる業では断じてない。この事件は、ブッシュ政権―CIAやDIAが、シーア派の主導のもとにいま進められている「イラク本格政権」(シーア派・スンナ派・クルド人勢力による「民族和解」の反米政権)の樹立をなんとしても阻むために、シーア派とスンナ派の宗派間抗争を煽りたて両派を内戦に向かわせることを狙って強行した、悪辣な一大謀略以外のなにものでもない。
 われわれは、追いつめられたブッシュ政権がまたもや仕掛けたこのあまりにも見え透いた謀略を、満腔の怒りをこめて弾劾する!
 警戒せよ。聖廟爆破にたいする「報復」として、イラク全土において一〇〇以上のスンナ派のモスクが焼き討ちされスンナ派の法学者が襲撃されている。事件の当日には、武装グループが南部バスラの厳重に警備されている刑務所を襲い、収監されていたスンナ派武装勢力十一人を殺害した。これらの諸事件もまた、シーア派勢力とスンナ派勢力との新政権の主導権をめぐる対立につけこみ、同胞殺しの内戦に駆りたてるために、米CIA・DIA要員が怒れるムスリムを煽動しつつ仕組んだ謀略にほかならない。

「ザルカウィの仕業」なるものの破綻

 事件の直後、ブッシュ政権は、またしても「ザルカウィの仕業」などとうそぶいた。「イラクのテロリストは、全宗教・全人類の敵であることを証明した」(ブッシュ)。「イラクの内戦をのぞんでいるのは、ザルカウィのようなテロリストのみである」(国務長官ライス)と。
 盗人猛々しいとはこのことだ。二〇〇四年二月の「ザルカウィ指令書」なるものがCIAの作文であることをわが同盟が暴きだしてきたように、アメリカ権力者が「ザルカウィの仕業」と強弁すること自体、彼らこそが下手人であることを自己暴露するものにほかならない。
 そもそも、シーア派、スンナ派、さらにはクルド人勢力の指導者はこぞって、聖廟爆破事件が「イラク人を内戦に駆りたてるための謀略」であることをただちに暴きだし、「イラクの統一と人民の団結」をイラク人民に訴えている。
 シーア派の最高指導者シスターニ師は、シーア派信徒にたいして、「イラクを内戦に陥れようとしている敵を利するような行動にひきずりこまれてはならない」と呼びかけた。事件当日には「われわれは弾劾し抗議するだけでなく、襲撃者にたいして行動を起こす」と「報復」を主張していたサドル師も、翌二月二十三日には、訪問先のイランから、「国の統一を危うくする目論見の餌食になるな。われわれはイスラムの兄弟・平和の兄弟なのだ」という呼びかけを発した。
 スンナ派指導者も、「サマッラの事件は、イラク人民の不和を煽るために、外国の手が仕組んだものだ」(スンナ派議員ドレイミ)、「狙いは、宗派間抗争を煽ることにある。イラク人民に敵対するこのような犯罪の背後にいる者を捕捉するために大規模な捜査を開始せよ」(スンナ派「イラク・イスラム政党」)という声明を発した。イラク大統領タラバニ(クルド人)は、「イラク人同士を内戦に駆りたてようとしている謀略を、われわれは許さない。その狙いは、民族和解政府形成に向けた政治プロセスと交渉の妨害である」と言明した。
 まさにイラクを内戦に叩きこもうとするブッシュの思惑は、即座に破綻してしまったのである。

イラン主導の反米戦線形成に焦るブッシュ政権

 駐イラク米大使ハリルザドは、聖廟爆破事件の二日前の二月二十二日に、国民議会第一党のシーア派政党連合「統一イラク同盟」の新政府首相候補ジャファリ(現首相)にたいして、「軍と警察を非宗派的人物が統括するような政権をつくるべきである。民兵と結びついた宗派集団に操られるような政府であれば、もはや米国はこれを支援しない」などと最大級の恫喝を加えた。新政権の樹立にむけた連立交渉のまっただなかで、とりわけ新政府の軍と警察を統括するポストにアメリカひもつきのアラウィ一派を据えることをハリルザドは押しこもうとしたのだ。
 このハリルザドの要求をジャファリが拒否したことにブッシュ政権はますます焦りを募らせている。彼らは、「統一イラク同盟」の主導のもとにシーア派・スンナ派・クルド人からなる連立政権=「真に独立した政府」(シスターニ)が樹立されることを、心底恐れている。イラン・アフマディネジャド政権のバックアップのもとにシーア派主導政権がイラクにおいて樹立されてしまうならば、この政権によって米占領軍のイラクからの撤退期日の明示要求が突きつけられることは目に見えているのだからである。
 それだけではない。パレスチナにおいては、先の選挙において圧勝したハマスが主導する自治政府の誕生が目前に迫っている。このハマスへの支援をうちだしているのがアフマディネジャド政権にほかならない。いまや中洋イスラーム圏に、イランを中核とする反米共同戦線(イラン―イラク―パレスチナ―シリア―レバノンのヒズボラ)が確固として形成されつつある。しかも、中国とロシアが全世界的な反米包囲網を構築するために、核開発や石油資源開発などをつうじてイランを全面的に支援している。
 明らかにブッシュ政権はみずからが思い描いてきた「中東民主化」構想――石油資源の簒奪と結びついたそれ――の全面的パンクという事態に直面している。まさにこの危機を強行突破するためにブッシュ政権は、イラク全土を内戦状態に叩きこむことを企んで、シーア派聖廟の破壊という一大謀略を強行したのだ。まさにこれこそ、敗残兵どもの絶望的あがきにほかならない。

今こそイラク反戦の炎を燃えあがらせよ!

 断末魔のブッシュの浅はかな陰謀は、イラク人民の結束した闘いによってうち砕かれつつあるだけでなく、いまやすべての中洋イスラム人民の怒りの火に油を注いでいる。
 イランのアフマディネジャド政権は、事件後ただちに、政府の公式見解として爆破事件が「占領軍とシオニストの犯行」であると断言した。最高指導者ハメネイ師も、全世界のムスリムたちにたいして「スンナ派のモスクや聖地をシーア派に攻撃させるための挑発に断じてのるな」と呼びかけた。このイランに続き、ヒズボラやハマスが、2・22シーア派聖廟爆破を弾劾する声明を発した。こうして、いまや、聖廟爆破謀略を弾劾する闘いの炎が、国境と宗派を超え燎原の火のごとく中洋イスラーム圏全域に燃えひろがっているのだ。
 日本の、そして全世界の労働者・人民よ! ブッシュ帝国によるシーア派聖廟爆破謀略を怒りをこめて弾劾せよ!「テロリストとの闘い」の名によるアメリカのイラク軍事占領を断じて許すな! アメリカのイラク軍事占領への日本の加担を断じて許してはならない。戦乱のイラクから日本国軍はただちに撤退せよ!
 イラクのムスリム人民よ! 宗派間抗争・内戦を煽りたてることを狙ったブッシュ帝国の謀略を弾劾し、イスラミック・インター ―ナショナリズムにもとづく反米反占領闘争を断固として組織せよ!
 全世界の労働者人民は、今こそイラク反戦の闘いを燃えあがらせよ!
二月二十六日
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憲法改悪・日米新軍事同盟の構築を許すな

日共中央の反安保なき護憲運動をのりこえて闘おう!

 二月二十二日、イラクのサマッラにおいて、イスラム教シーア派の「イマーム・アリ・ハーディー廟」の黄金ドームが爆破された。この事態は、シーア派主導の「民族和解政府」の樹立をなんとしても阻むために、シーア派とスンナ派との宗派間抗争を煽り内戦にひきずりこむことを狙ってブッシュ帝国が強行した憎むべき謀略にほかならない。
 すべての労働者・学生諸君!「一超」軍国主義帝国の新たな犯罪を弾劾せよ!「テロリストとの戦い」の名によるアメリカのイラク軍事占領を断じて許すな! アメリカのイラク軍事占領への日本の加担を断じて許してはならない。戦乱のイラクから日本国軍は撤退せよ! 日米新軍事同盟の構築と憲法改悪に反対する反戦闘争の嵐をいまこそ巻き起こせ!
 ブッシュ帝国の謀略に抗して反米・反占領闘争を不屈にたたかうイスラム人民と連帯してたたかおう!

以下、見出し
中露を後ろ盾としたイランによる反米共同戦線′`成

21世紀の「ライバル」中国に対抗するブッシュ政権

ブッシュの意を体し改憲・安保強化に突進する小泉政権

小泉ネオ・ファシスト政権の打倒めざして前進せよ
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2・12労働者総決起集会―民間戦線からの基調報告

小泉専制下の暴圧に抗して06春闘を戦闘的に闘おう!

 劣悪なる労働諸条件のもとで、さらには権力の弾圧下で、労働運動の再生をめざして不屈の闘いを展開している労働者のみなさん。私は、民間重工業で働く労働者を代表して、今春闘を戦闘的にたたかう方向性をあきらかにしていきたい。
 まずもってわれわれは、「憲法第九条改定支持」を内容とする「7・14連合三役見解」を「連合」全体の見解として決定せんとしていた「連合」指導部の策動を、昨夏以来の、わが戦闘的労働者の職場における断固たる反改憲の闘いによって打ち砕いた。一月十九日の「連合」の中執会議において、彼らは「7・14見解を連合の『国の基本政策』としてまとめることは、当面おこなわない」と称して、「7・14見解」の決定断念を表明せざるをえなかったのだ。この画期的地平をまず確認しよう。
 だが警戒せよ!「連合」高木執行部は、当面は「見解」の決定を見送ったにすぎないのであって、「7・14見解」そのものを「撤回」してはいないのです。現に今通常国会に提出が予定されている「国民投票法案」については、「集団的自衛権行使の合憲化」を主張している軍事タカ派の前原民主党執行部に呼応して、「国民投票法制定」支持を高木指導部は表明している。このことをハッキリと押さえておかなくてはならないと思います。
 それとともに、「公務員は多すぎる」「官公労組は改革に抵抗する利権集団だ」などという悪辣なキャンペーンが、小泉政権によって執拗に仕掛けられている。にもかかわらず、日本労働運動の指導部は、公務員と官公労組を狙い撃ちにしたこのバッシングに縮みあがり、完全に屈服してしまっている。小泉専制の確立のもとで小泉式「構造改革」諸政策の本丸≠ニして開始された労組破壊攻撃を打ち砕き、われわれは〇六春闘を戦闘的に切り拓くのでなければならない。こうした闘いをつうじて培った力を基礎にして、ネオ・ファシズム大反動を根底から打ち破ることのできる日本労働者階級の戦列を築きあげていこうではないか!

以下、見出し

荒れ狂う小泉政権の反動諸攻撃を粉砕しよう

T 「攻めの経営戦略」と称する大リストラ攻撃
 ――「高付加価値製品」への集中・特化
A日本経団連・奥田に跪く「連合」労働貴族
B「選択と集中」と銘打った首切り・賃下げ攻撃
C競争のグローバリゼーション

U 「連合」中央の「格差是正」「均等待遇」方針の欺瞞性
国家・企業への忠誠を誓う労働貴族
V 06春闘勝利、労組の戦闘的再生をかちとろう!

柔軟かつ創意的な闘いを!
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「人間尊重」を表看板にしてのリストラ徹底宣言

日本経団連〇六年版『経労委報告』の反動性

一、企業競争力強化のための「賃金改定」の提唱

a「横並び賃上げ」の拒否

 「攻めの経営改革」のためには「労使の一層の協力が不可欠であり、賃金などの労働条件の改定についても、企業の競争力を損ねることなく働く人の意欲を高める適切な舵取りが望まれる」――二〇〇六年版『経営労働政策委員会報告』において日本経団連は、〇六「春季労使交渉・協議」でとるべき経営者の基本姿勢をこう打ちあげた。「連合」労働貴族はこの「賃金改定」の言にすがりつき、「真水の賃金改善を要求する」「行き過ぎた格差の是正を」と数年ぶりに声をはりあげている。
 だが、醸しだされた賃上げ春闘復活<ードにたいして、日本経団連会長・奥田碩らは、諸独占体が空前の利益をあげているにもかかわらず、「今年は原油価格の高止まりなどコスト圧力がかかる」「横並びでのベースアップはありえない」と歯牙にもかけない態度をとっている。そもそも彼らは、『経労委報告』において同時に、「生産性向上のない企業も横並びで賃金水準を底上げする市場横断的なベースアップは、もはやありえない」、各企業の「支払能力による賃金決定」が基本であり「総額人件費管理」を徹底せよ、「短期的な業績」は「賞与・一時金への反映」で対応し基本給の引き上げは控えよ、「定期昇給制度の見直し」を徹底し「能力・役割・業績を中心とした制度」への転換を急げ、と号令をかけているのである。

(中略、見出しのみ)
b「高付加価値」生産への特化を追求

二、「日本的経営の再評価・再構築」の欺瞞

aリストラ強行の居直り

b「人材育成と成果主義の両立」のインチキ性


 非正規雇用労働者を徹底的に活用し労働者に極限的な労働強化を強制している独占資本家どもは、こんにち、労働者の権利を法的に保護してきた労働諸法制とこれにもとづく労働行政を「競争力」を阻害するものとみなして非難し、労働契約法の制定やホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入など、「労働分野における規制改革」の徹底を小泉政権に要求し迫っている。
 彼らのこの要求は、労働者保護とりわけ労働時間規制を撤廃し、労働者を今までにもまして「時間を気にせずに仕事に集中、没頭」させるかたちでこき使い、かつ労働者・労働組合の一切の闘いを圧殺するために、労働組合の破壊と解雇の自由化≠企むものにほかならない。
 「人間尊重」を表看板にして強搾取に狂奔する独占資本家どもの反動性をあばきだし、この独占資本家どもにつき従い「賃金改善」要求を掲げる「連合」労働貴族を許さず、〇六春闘の戦闘的高揚をかちとるために、革命的および戦闘的労働者は奮闘しよう!
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ブルーリッジ米艦船寄港阻止に起つ
 

2・6室蘭
 二月六日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生たちは、米海軍第七艦隊旗艦ブルーリッジの室蘭寄港を阻止するために現地阻止闘争に決起した。
 午前八時前、厳寒の海から肌を突き刺すような風が吹きつけるなかで、道共闘の学生たちは、「鉄の町」室蘭の、石油精製タンクがたち並ぶ室蘭港・崎守埠頭に登場し、入港する不気味な鉛色をしたブルーリッジに肉迫する。「ブルーリッジ寄港阻止!」「日米新軍事同盟の構築を許さないぞ!」学生たちの怒りに燃えたシュプレヒコールをあたり一面に響きわたらせた。

1・30名古屋
 一月三十日午前九時半、ブルーリッジの名古屋・金城埠頭入港を断じて許さないという決意に燃えて、愛知大・名古屋大・岐阜経済大のたたかう学生たちは入港阻止闘争に敢然と決起した。


  

米F15小松移転反対闘争が高揚(1・29)


 一月二十九日、石川県平和運動センターは「米空軍F15戦闘機の小松基地への訓練移転反対! 総決起集会」を小松現地で開催した。平和運動センターに結集する労働者ばかりではなく、県下各地の「九条の会」をはじめとする護憲団体の市民や金沢大学のたたかう学生も総結集し、訓練移転阻止の小松市街デモンストレーションを展開し、さらに小松基地ゲート前での抗議行動をくりひろげた。

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