第1901号(2006年1月16日)の内容
<1〜3面>
日米新軍事同盟の構築を打ち砕け!
中央学生組織委員会
<3面>
大経大1・6大弾圧を粉砕せよ
全学連委員長らが記者会見(1・6)
日共が名護市長選で保守系を支持
<4〜5面>
中国との結託に救いを求めるロシア
専制君主<vーチンの起死回生戦略
<6〜7面>
年頭の決意(2)
関西/東海/九州
交運/化学/電機/金属/東京地区
<8面>
全学連新春インタビュー
書評 高橋哲哉『靖国問題』
週間日誌は2面に掲載します
「解放」最新号
憲法改悪・国民投票法制定阻止! 陸自東部方面隊のイラク出兵阻止! 1・22全学連第一波闘争に決起せよ 激動の二〇〇六年を告知するかのように、現代世界は、年初から政治的対立の激化と硝煙に包まれている。 親米欧の政治姿勢をとるウクライナ・ユーシェンコ政権を揺さぶるために、ロシア・プーチン政権は、天然ガス価格を「友好価格」から「国際価格」(一〇〇〇立方b=二三〇ドル)へ四倍に引き上げると通告した。ユーシェンコ政権がロシア黒海艦隊の基地使用料引き上げという対抗策をうちだすや否や、プーチン政権は、一月一日をもってガス供給を停止するという強硬手段にうってでた。結局のところ、一月四日に両者は妥協し、一〇〇〇立方b=九五ドルで五年間供給することが決定された。この事態は、「民主主義の拡大」と称して中欧諸国・ロシア周辺CIS諸国を政治的(軍事的)にとりこむことを策すブッシュ政権と、中国との同盟的結託を基礎にしてロシア勢力圏を維持・回復することを企むプーチン政権との対立がいや増しに激化していることを象徴するものにほかならない。 イラクでは、一月五日〜六日に、バグダッド市内での米軍車両爆破(米兵五人死亡)、警察官採用所前での自爆攻撃、さらにはシーア派聖地カルバラの「フセイン廟」近くでの「自爆」テロ、などが相次いで発生した(死者は二日間で約一八〇名)。このカルバラでの事件は、米占領軍へのムスリム武装勢力の攻撃にたいして、シーア派とスンナ派の宗派間対立≠煽りたてるために米軍・CIAが仕組んだ謀略にちがいない。十二月十五日の国民議会選挙を機に、シスターニ師の指南のもとに、シーア派「イラク統一同盟」・クルド両派・スンナ派「イラクの調和」らからなる「真に独立したイラク人の政権」(民族和解の政府)樹立の気運が高まっている。親米のアラウィ=ヤワル一派(通称・世俗派)が大敗したことに焦りを募らせているブッシュ帝国は、表向きは「イラク民主化の進展」などとおしだしつつも、あくまでも米軍が居座りつづける大義名分≠得るために謀略テロを仕組んでいるのだ。 ブッシュ帝国に安保同盟の鎖できつく締めあげられている小泉政権は、この一月二十日からの通常国会において、米軍再編推進法案や防衛庁設置法改定(防衛庁の省への格上げ)のみならず教育基本法改定や行革推進包括法、国民投票法(議員立法)などの反動諸法を一挙に制定することを企んでいる。しかも、「テロ対策法」などという極反動治安立法さえ企んでいる。ブッシュ政権の要請に従って、「友邦同盟」軍たる自衛隊の第九次派兵をも強行しようとしているのだ。 すべての学生・労働者諸君! われわれは怒りも新たに、改憲阻止・イラク反戦・反安保の闘いを、日共の「反安保」なき「護憲」運動をのりこえて強力に推進するのでなければならない。暗黒の二十一世紀世界を根底的に変革する闘志と気概に燃えて、ハンガリー革命五十周年の本二〇〇六年を、わが戦列の巨大な前進の年たらしめよ! 以下、見出し A 日米安保同盟の強化・改憲に突進する小泉政権 B 米中新対決下で高まる戦乱勃発の危機 C 改憲阻止・反戦反安保闘争の高揚をかちとれ! |
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大経大1・6大弾圧を粉砕せよ 一月六日、国家権力・大阪府警は、大阪経済大学の自治会役員ら八名の全学連学生を不当にも逮捕し十五ヵ所を家宅捜索した。大経大松谷反動当局と大阪府警とが結託して「傷害・暴行事件」なるものをでっちあげ、このファッショ的大弾圧を強行したのだ。この攻撃こそは、反戦反安保・改憲阻止の闘いを果敢にくりひろげている学生自治会や労組さらにはわが革命的左翼にたいする政治的弾圧にほかならない。「戦争をやれる国」への飛躍をめざして反動諸攻撃にうってでている小泉政権。このネオ・ファシスト政権による労組破壊攻撃と軌を一にしたこの攻撃を、われわれは満腔の怒りをもって弾劾し、これを断固として打ち砕くのでなければならない。 以下、大経大T部自治会・U部学友会、全学連関西共闘会議、全学連連名の不当逮捕への弾劾声明を掲載するとともに、同四者の記者会見を報告する。 「暴力行為」事件は大阪府警・大経大当局によるでっちあげだ! 自治会役員ら8名の不当逮捕弾劾! 大経大当局による大阪府警への学生の売り渡しを許すな! 大経大T部自治会・U部学友会 全学連関西共闘会議 全日本学生自治会総連合 (1)本日一月六日午前、警察権力・大阪府警は、大阪経済大学構内における暴力事件なるもの(昨年十月二十六日)を大学当局がでっちあげたことを口実として、大経大自治会役員ら八名を逮捕しさった。大阪府警は早朝から、学生たちの住居、大経大の自治会室やサークル部室、さらに10・26事件とは何の関係もない奈良女子大学の自治会室、そして午後からは解放社関西支社など十五ヵ所を一斉に捜索するとともに、八名ものわが学生の仲間たちを逮捕しさったのだ。 この事件は、警察権力と大経大当局とがグルになって仕組んだ一大フレームアップにもとづく政治的大弾圧にほかならない。大経大の自治会員である一年生のO君の「傷害・暴行」事件なるものは、大学当局と警察権力による正真正銘のでっちあげである。それだけではない。警察権力と大学当局は、大経大T部自治会委員長、同書記長、U部学友会委員長、同書記長の四名および全学連関西共闘会議の三名を、当日学内に居合わせたというただそれだけの理由をもって「共同正犯」に仕立てあげ、逮捕したのだ。 われわれは、学内外においてまきおこる「自治会・学友会潰し反対」の声に追いつめられた大経大当局と警察権力の結託によるこの一大弾圧事件を、満腔の怒りをこめて弾劾する! (2)そもそも「暴力事件」じたいが大学当局のでっちあげにほかならないことは、多くの学生が目撃している。その日、学生委員長徳永は三十数名の職員や守衛をひきつれて、学生用掲示板をめちゃくちゃに破壊し強奪した。当然にも自治会役員らは抗議した。まさにそのときを狙ってみずから「転び屋」を演じたのが学生部長の田中であったのだ。しかもこの時、正門付近にはあらかじめ公安刑事が待機していた。そして「事件」直後には私服の刑事が学内に入り大学当局者とともに「現場検証」なるものをおこなった。このことは、あらかじめ警察権力と大経大当局が結託して、「傷害・暴行」事件をでっちあげようとしていたことを示しているのだ。 それだけではない。この日、暴力をふるったのは大学反動当局者どもなのである。学生委員長徳永は学友会委員長のI君にたいして暴行をくわえた。I君は救急車で病院に運ばれ全治十日間のケガを負った。また守衛どもは一年生O君にたいしても他大学生とまちがえて長時間にわたって拘束し暴力をふるったのだ。まさにこのゆえに、いま、I君は学生委員長徳永による自身への「暴行・傷害事件」を全社会的に告発するために大阪地裁に訴え裁判で争っている。今月末には第一回目の法廷が開かれようとしている。まさにこの裁判の直前に、原告であるI君らを逮捕したのが大阪府警なのだ。自治会破壊反対の闘いに追いつめられた大学当局は、この窮地をのりきるために学生を警察権力に売り渡したのだ。 (3)1・6のわが仲間八名にたいする不当逮捕こそは、戦前同様の治安弾圧にほかならない。いま、大経大の学内においては、松谷理事会が自治会・学友会の委員長やその「同調者」の名前を「見せしめ」的に掲示したり、自治会室・学友会室からの退去を「通告」したりしている。まさにこうした当局の暴挙を前にして、松谷理事会への怒りが学生・教職員からまきおこっている。十二月二十七日に大阪地裁で開催された「仮処分申請」の「審尋」において、大学側は、学生にたいして自治会室・学友会室からの退去を強制しないことを裁判官の前で認めざるをえなかった。だからこそ、学内そして社会的に追いつめられた大学当局・松谷理事会は大阪府警にすがりついたのだ。大阪府警は憲法改悪に反対する運動を根絶するために、この闘いを先頭で担っている自治会役員らを不当にも逮捕したのだ。まさに戦前の「アカ」狩りとどこが違うというのか! (4)いま、小泉政権はブッシュ政権とともに対中国の攻守同盟として日米軍事同盟を新たなものへと飛躍させている。そして、それにふさわしく憲法を改悪しようとしている。次期通常国会においては、「共謀罪」が新設されようとしている。小泉政権は日本をいよいよ戦争のできる国へとおしあげようとしているのだ。これにたいして真っ向から反対しているのがわが大経大自治会・学友会にほかならない。 私たちは自治会・学友会への一大弾圧は、ひとり大経大の問題ではなく、改憲に反対する日本の一切の反戦闘争にたいする弾圧攻撃と受けとめる。私たちは、大阪府警と大経大当局が一体となった今回の前代未聞のでっちあげ逮捕を絶対に許さず、そのネオ・ファシズム的本質を満天下に明らかにしてゆく決意である。そしてこの悪辣な弾圧を断固としてはねかえす決意である。 二〇〇六年 一月六日 |
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中国との結託に救いを求めるロシア 専制君主<vーチンの起死回生戦略 二〇〇六年劈頭(へきとう)の現代世界において、胡錦濤の中国とこれと結託しているプーチンのロシアを枢軸とする発展途上諸国連合が、一大政治勢力として登場しつつある。ブッシュ帝国による世界の「一超」支配を「多強」の結集をもって覆すという「一超多強」戦略にもとづいて、とりわけ今日においては反米の国際包囲網を構築するために発展途上国連合の形成に力を注いでいるのが、胡錦濤政権である。これに呼応して、米英のイラク侵略戦争開戦以来の仏=独中軸の大陸EU諸国連合との提携は維持しつつも中国との政治的・軍事的結託に国家戦略の基本をすえ直したのが、プーチン政権なのである。この両者が昨二〇〇五年七月一日の「中露共同宣言」において「独占主義反対」(アメリカの「一超」支配反対)の旗幟を掲げ世界の発展途上諸国に反米共同戦線≠ヨの結集を呼びかけたことを区切りにして、発展途上諸国連合の形成が画されるとともに、この連合が大陸EU諸国連合とともに米英日連合を包囲するという形の新たな国際的構図が形成されてきたのだ。 イラク占領支配の展望の完全喪失、そしてハリケーン被害という二つの泥沼に足をとられて身動きもできないブッシュ帝国と、この帝国との心中の道をひた走っている英・日の三国連合。現代のヒトラー=ブッシュのもとに結束するこの<ハーケンクロイツ同盟>は、いま、ますます国際的孤立を深めている。他方で大陸EU諸国連合は、その枢軸国たる仏・独のいずれもが――フランスはCIAがたきつけた移民暴動によって、他方のドイツはブッシュ帝国のテコ入れをも受けたメルケルによる政権奪取というかたちで――、それぞれ大きく揺さぶられている。この連合それ自体が分裂の危機をすら胚胎している。 この仏=独枢軸の大陸EU諸国連合の危機を尻目にして、ブッシュ帝国の「一超」支配を突き崩す政治勢力として躍り出ているのが、中露を枢軸に形成されつつあるBRICs・途上国諸国連合なのである。 この新たな政治勢力をつくりだす起動力となっているのは、二〇〇四年十一月のAPEC会議を区切りにしてそれまでのひきこもり外交≠かなぐり捨て、反米包囲網づくりの一大外交攻勢にうって出た胡錦濤の中国にほかならない。プーチンのロシアは、みずからにのしかかっている内憂外患の危機を突破するための活路を中国との政治的・軍事的結託に見いだしているのだ。 では、このプーチン・ロシアの国家戦略の特質と構造はなにか。その意味するものはなにか。 以下、見出し T 中国の力に依拠してのロシア勢力圏の再構築 U FSB強権型支配体制の強化 V 新たな破局への迷走 |
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