第1877号(2005年7月18日)の内容

<1面>
ブッシュ帝国によるロンドン地下鉄・バス爆破謀略を弾劾せよ!

郵政民営化法案の衆院通過弾劾! 参院での可決・成立を阻止せよ!
<4〜5面>
侵略戦争賛美と改憲翼賛の「つくる会」歴史・公民教科書
「つくる会」教科書の採択を阻止せよ

<2面>
改憲の大濁流を打ち砕け
――小泉ネオ・ファシスト政権を打倒せよ!

「安保粉砕! 改憲阻止!」――6・19北海道労学統一行動(札幌)写真へ
普天間基地怒りの学生マーチ(6・25、沖縄)写真へ
<3面>
私鉄総連本部の改憲翼賛勢力への屈服を許すな!
「もんじゅ」最高裁反動判決弾劾!
<6面>
「降給」システム導入の尖兵と化したNTT労組本部
会社提案丸飲みの本部案を否決せよ
Topics 文科省の下部機関と化した日教組本部
<8面>
うた
 
「靖国」の怪 (上)
<7面>
万華鏡2005――情勢の断層を読む
◆原点回帰
◆「友好的買収」?
◆騒乱の黒幕
■ブクロ派「杉並決戦」が大破産

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 



































  


ブッシュ帝国によるロンドン地下鉄・バス爆破謀略を弾劾せよ!

 七月七日午前八時五十分(現地時間)、ロンドン中心部を走る地下鉄車両内で突如として爆弾が炸裂した、三ヵ所同時に! 約一時間後には、地上で二階建てバスが吹き飛ばされた。通勤ラッシュの労働者・市民を爆発の衝撃波と高温の煙が襲い、数多の生命が瞬時に奪われたのだ(七月十日現在で約五十名、不明二十名以上)。グレンイーグルズ・サミット開幕直前にひきおこされたこの蛮行こそ、ブッシュ帝国が「対テロ戦争の継続」を正当化し・ブレアをはじめとする各国首脳におしつけ直すために仕組んだ謀略にほかならない!「一超」軍国主義帝国がまたしても手を染めた新たな犯罪を断じて許すな!

「対テロ戦」を煽るための一大謀略

 爆破事件発生の報をうけたブレアは、ただちにブッシュと密談をかわしたうえで叫んだ――「イスラムの名によるテロには屈しない」と。英外相ストローは「アルカーイダの犯行だ」と即刻断定してみせた。「アルカーイダの犯行声明」なるものが、マスコミをつうじて世界中で宣伝された。かくして今サミットは、アルカーイダ=イスラム過激派による無差別テロとの対決≠謳いあげる場へと転化されたのであった。
 だが、これらのすべてがデマゴギーでしかないことは以下のことからして、明々白々なのだ。
 国家権力の機関でも帝国主義経済の象徴でもない、庶民の交通機関が攻撃対象とされたことひとつをとってみても、それがムスリム武装組織の仕業ではありえないことは歴然としているではないか。一八〇万のムスリムが住む英国でも最大のモスクの近辺で爆破が実行されたことからしても、なおさらそうなのだ。
 監視ビデオカメラが四〇〇万台、地下鉄だけで六〇〇〇台も設置され、世界一厳重な対テロ監視網≠ェしかれているイギリスの首都中枢において、しかもサミット警備の厳戒態勢の穴≠つくかたちで、この爆破事件はひきおこされた。ただちに現場を封鎖し・情報統制をしいたロンドン警視庁は、「火薬量四・五キロ以下の高性能爆弾が床に置かれ、時限装置で起爆されたと見られる」との公式発表をしただけであり、今なお爆弾の種類さえも公表してはいない。なんらかの隠ぺい工作が背後でなされているにちがいないのだ。
 事件発生直後に電網上に流された「秘密組織・欧州のアルカーイダ機構」を名乗る「犯行声明」なるものの内実たるや、なんの具体性もないばかりか、「アラブ的ウンマ」などというムスリムが使用するはずのない語句が並べられているほどであった。CIAがでっちあげた作文でしかないことは一目瞭然なのだ。〔「ローマへの攻撃」を宣告する「アラビア半島の聖戦アルカーイダ機構」の声明(八日)も、はたまた「アブハフス・アルマスリ旅団」――〇四年三月のマドリード列車爆破謀略の際にもこの名で追認が出された!――による「犯行声明」(九日)も、まったく同工異曲のシロモノにすぎない。〕
 アメリカ政府が「(イラクに潜伏している)ザルカウィが関与している」などという荒唐無稽な情報を、米マスコミを使って大々的にばらまきはじめるにいたっては、何をかいわんや。イラクにおいてシーア派・スンナ派・クルド人の宗派間・民族間対立を煽るためにCIA・DIAがひきおこしている謀略の隠れみのとして、「ザルカウィ」の名が利用されている。これをもちだし騒ぎたてるとは、ロンドン地下鉄・バス爆破テロルを仕掛けたる徒輩、馬脚あらわしたり。
 ブッシュ帝国が配下のCIAを使い、英国諜報機関MI6・MI5とも連携し活用するかたちで実行し、アルカーイダの仕業に見せかけた一大謀略――これが今回の事件の真相にほかならない。
 このゆえに、アラブ各国政府やイラン政府のみならず、パレスチナのハマスやレバノンのヒズボラをはじめとして世界中の反米イスラム武装諸組織が、こぞって今回の爆弾テロルを非難する声をあげたのである。

対米離反を強めるブレアへの恫喝

 狼狽しながら「テロ非難」の演説をおこなったブレア、その背後に沈痛な面持ちで並んだ各国首脳のなかで、一人とぼけた調子で目をキョロキョロとさせていたのがブッシュであった。
 ブレアは今サミットの議長国として、主要議題から「反テロ」をはずし、「アフリカ支援問題」と「地球温暖化問題」をメインにすえることを決定していた。この議題設定じたいに、ブレアのアメリカからの離反=EU諸国との協調を重視する姿勢が如実にしめされている。
 前者はもっぱら旧宗主国たる英・仏両国の利害にもとづくものであり、後者では二酸化炭素排出量削減を謳う「京都議定書」をG8各国のなかで唯一批准していないアメリカに矛先が向けられることが必至であったのだからだ。しかもブレア政権は、イラク駐留英軍の大幅削減さえも日程にのぼせつつある(五日、国防省が計画を策定したと英紙が報道)。
 イラク占領の破産・「友邦同盟」の瓦解をますます決定的にしているブレアの対応に業を煮やしたブッシュは、直接的にはブレアを恫喝し・サミットを「対テロ戦争」の正当性を謳いあげる場へと強引にひっくり返すために、今回の謀略にうってでたのだ。だが、これぞ溺れる犬≠フ悪あがき以外のなにものでもない。

ブッシュ帝国の断末魔

 「イラクへの主権移譲一周年」の演説においてブッシュは、イラク戦争の目的にかんして「フセイン政権が保有する大量破壊兵器の脅威」というもともとの開戦理由には一言もふれることなく、「イラクは対テロ戦争の最前線だ」などと叫びたてた(六月二十八日)。だから米軍は撤退しない、新生イラク軍を指揮しつづけるのだ≠ニ。
 イラクの隣国でありシーア派宗教国家であるイランの大統領選挙において、伝統派であり対米強硬姿勢を鮮明にしているアフマディネジャドが地滑り的圧勝をおさめたことに、ブッシュ政権は震撼させられている。もしもイラクのシーア派・シスターニ師が主唱する「真に独立した民族和解政府」が確立されるならば、やがてイラク―イラン(―シリア)の反米の枢軸≠ェ形成されるのは必至である。こうした悪夢の現前化をなんとしてもくいとめるために、ブッシュ政権はイラク軍事占領を継続する口実をでっちあげなければならぬと促迫されているのだ。だからこそ、「ザルカウィ」の名を使ってシーア派への攻撃やエジプトの次期駐イラク大使殺害事件などの謀略テロルを連続的にひきおこし、イラクの宗教間・民族間の対立抗争を煽りたてているのである。
 それだけではない。中国の胡錦濤とロシアのプーチンが、首脳会談においてアメリカの「一極支配」反対を謳いあげた(七月一日)。これにふまえて、上海協力機構(SCO)首脳会議では、アフガニスタンにおける「反テロ軍事作戦」を大義名分として中央アジア諸国に駐留している米軍にたいして、「撤退期限の明示」を求めることが宣言された。しかもイラン・インド・パキスタンのSCO「準加盟」が決定された(五日)。これらを背景として、胡錦濤が「新興五ヵ国」(中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ)の盟主<dラをしてグレンイーグルズに乗りこもうとしていた。――こうした動きに直面したブッシュ政権は、中国主導のBRICs連合を中軸とする反米包囲網≠フ形成が急速に進展していることにたいして、ますます危機意識をつのらせないわけにはいかない。
 くわえて、一バレル=六〇ドルを超える原油価格の超高騰――アメリカと中国・ロシア・EUがくりひろげている中東およびカスピ海石油資源争奪戦の激化を根底としてもたらされているところのこの事態によって、アメリカ経済は決定的な打撃を被りつつある。
 まさしく八方塞がりの苦境の真っただなかで今サミットを迎えたブッシュ政権は、起死回生≠かけて今回の謀略に手を染めたのだ。
 ロンドンの地下鉄・バス爆破事件の勃発は、たしかにブレア政権が当初設定していた議題を実質上吹き飛ばした。G8各国と「新興五ヵ国」との協議も形だけのものに終わった。だが、たとえブッシュが爆破事件発生後、いの一番に「テロとの戦いを継続する」と声高にぶってみせ、「対テロ戦争」のリーダーとして自己をおしだしてみせようとも、「一超」軍国主義帝国の国際的・政治的孤立化はとりつくろうべくもない。イタリアのベルルスコーニ政権さえもが、わざわざサミット会場において「イラク駐留伊軍を九月に三〇〇人削減する」と発表してみせたほどであった。
 ブッシュ帝国に今なお忠誠を誓っているのはただ一人、安保同盟の鎖でしめあげられている日本の小泉政権だけである。この恥しらずのポチ公政権は、「日米共通の戦略目標」という名でブッシュ政権からおしつけられた国家戦略に忠実にのっとって、日米軍事同盟の対中国攻守同盟としての強化――ミサイル防衛(MD)システムの開発・配備や「対テロ戦争」遂行のための米日両軍の一体化――に、そして集団的自衛権行使の合憲化を核心とする日本国憲法の改定に突き進んでいるのだ。日本帝国主義権力者としての悲願である国連安保理常任理事国入りにかんしては、ほかならぬブッシュ政権から冷や水を浴びせかけられているにもかかわらず……。

 全世界のたたかう労働者・人民よ。ブッシュ帝国のロンドン地下鉄・バス爆破テロルを怒りをこめて弾劾せよ!「対テロ戦争」の名によるイラク軍事占領の正当化と米軍の居すわりを断じて許すな!占領米軍を敗退の淵に追いつめているイラクのたたかうムスリム人民と連帯して、今こそ起ちあがれ!
 日本の労働者・人民よ。世界で唯一ブッシュ政権の下僕としてつき従っている小泉ネオ・ファシスト政権を断固として打倒せよ! 日米軍事同盟の対中国攻守同盟としての強化と憲法改悪の攻撃を総力で打ち砕け!
 われら団結固め、ブッシュ帝国の暴虐に抗する国際反戦闘争の炎を全世界で燃えあがらせん!
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郵政民営化法案の衆院通過弾劾!

参院での可決・成立を阻止せよ!

 野党のみならず自民党内の反対をも強引に押しきって小泉政権が上程した郵政民営化法案は、衆議院本会議において賛成二三三、反対二二八、欠席・棄権十六をもってかろうじて可決された(七月五日)。小泉=竹中は、法案の可決に安堵の胸をなでおろしながらも、わずか五票の僅差という予測を超えた事態に驚愕するとともに、自民党内から五十一名にものぼる造反者≠ェでたことに衝撃を受けている。
 小泉は、ロンドン・サミット後の参議院本会議において、民営化法案が否決されるかもしれないことに内心恐怖している。小泉は動揺をおし隠しながら、参院で法案が否決されたばあいには内閣不信任とみなして衆議院を解散する≠ネどと、衆院のときと同じ恫喝をくわえている。そして自民党参議院議員会長・青木幹雄の抱き込みをはかるとともに、民営化反対の議員の個別的切り崩しに狂奔している。「次の選挙は公認しない」「公明党の選挙協力が得られないぞ」「党や内閣のポストには就けない」などという脅しと、その反対の甘言を弄しながら。
 これにたいして、橋本派、亀井派、堀内派を中心とした反対派議員たちは、「参議院では今度こそ否決し廃案に追いこむ」「否決されたら小泉内閣は総辞職せよ」と気勢をあげている。ポスト小泉のチャンス到来とばかりに次期政権を狙う亀井静香がひきいる亀井派や、反対派の牙城となっている自民党郵政事業懇話会会長の綿貫民輔に繋がる民営化反対の特定の議員たち(荒井広幸や長谷川憲正ら)を急先鋒にして。彼らは、青木や参院幹事長・片山虎之助の説得や恫喝をはねのけ、郵政民営化反対・小泉政権退陣を掲げて結束を固めている。
 こうして、すでに死に体%煌t=レームダック化が鮮明となった小泉政権にたいして、自民党内反小泉勢力は、民主党の特定の部分とも連携しつつ、小泉追い落としの対決姿勢を一段と強めている。法案の参議院での審議・採決をめぐって、自民党の分裂と政治エリート間抗争は一挙に極点にまで達している。
 他方、生田郵政公社当局は、郵政公社が民営化される・されないにかかわらず、「21世紀の郵便事業の発展」のためには、民間会社なみのあるいはそれ以上の生産性の向上が必要と称して、「アクションプラン・フェーズU」と題した郵政版大リストラを推進している。郵便内務のアウトソーシングをはじめとして、集配、貯金、保険などのあらゆる部門の再編・統合を進めている。生田当局は郵政労働者の八万人削減(「郵政20万人体制」)のために、こうした「減量化」諸施策や「効率化」諸施策の強行的実施に突進しているのだ。
 JPU労働貴族や「第二組合」全郵政の労働貴族どもは、こうした生田当局の大リストラ攻撃に全面協力するとともに、民営化問題については自民党郵政族や全国特定郵便局長会に淡い期待をかけているにすぎない。
 すべての労働者・学生、とりわけ郵政労働者は、既成指導部の法案参院否決・廃案の尻押しをのりこえ、郵政民営化法案参院通過断固阻止! 小泉自民党政府打倒! をめざして職場・学園から総決起せよ。
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侵略戦争賛美と改憲翼賛の「つくる会」歴史・公民教科書


「つくる会」教科書の採択を阻止せよ

T 歴史教科書――「自存自衛」の名によるアジア侵略戦争の賛美

U 公民教科書――憲法の三原則を否定する改憲教書
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改憲の大濁流を打ち砕け

政治危機にのたうつ小泉ネオ・ファシスト政権を打倒せよ!


リード
 
7・7、浜大樹
迫り来るLCACに敢然とたち向かう労学
(―詳報次号)
郵政民営化法案の衆院採決において与党・自民党から大量の造反℃メがうみだされた。「次はノックアウトだ」と息まく亀井静香ら反小泉グループは、参院での否決・小泉退陣を策している。にわかに、小泉政権は政権そのものの危機に逢着しているのだ。
 同時に、「鉄の六角錐」を支えとして憲法改悪・そのための国会法改定に突進しているのが、グラグラになっている小泉政権なのである。「中国のライバルとしての台頭阻止」を世界制覇戦略の中軸にすえ直したブッシュ政権のオカケ≠ナあるこの政権は、「共通の戦略目標」にもとづいて日米安保同盟を対中国攻守同盟として強化するというブッシュ政権の要請に積極的に応えようとしている。まさにそのためにこそ、国軍の保持と集団的自衛権行使の合憲化を要とする憲法改悪攻撃に突進しているのだ。
 「改憲支持」へなだれをうって転向する「連合」諸労組ダラ幹どもを弾劾し、いまこそ改憲絶対阻止! の大奔流を創出せよ。郵政民営化法案をめぐって政治危機にのたうつ小泉ネオ・ファシスト政権を打倒せよ!

改憲翼賛運動になだれこんだ「連合」諸労組ダラ幹

日教組本部の新「五項目合意」を弾劾せよ!

日教組大会で「改憲支持」方針を否決せよ!
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うた 「靖国」の怪 (上)

散りいそぐ大島桜 散華せし兵士の霊たゆたへるごと

<「靖国」やすからず>

戦争の犠牲者あまたありしかど 銃後の民は「靖国」にあらず

<軍国日本への郷愁>

戦犯合祀の「靖国」に首相たるもの詣でるは祭政一致

<怒る中韓>

おぞましき歴史みなほしなかりせば 中韓燃えむ反日の炎

<侵略国の安保理入り!>

戦争狂米に組みする日本をば安保理に入るるは禍根なむ
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6・19北海道労学統一行動(札幌)


 六月十九日、全学連北海道地方共闘会議の学生と反戦青年委員会の労働者は、改憲翼賛の大濁流に没した既成反対運動をのりこえ、〈改憲阻止・イラク反戦・反安保〉労学統一行動に勇躍決起した。

自民党道連に怒りのシュプレヒコールをたたきつける労学(6・19、札幌)


  

普天間基地怒りの学生マーチ(6・25、沖縄)

 六月二十五日、琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生は、「STOP! 米軍ヘリ普天間基地撤去! NO! 憲法改悪 6・25学生マーチ」にたちあがった。

「基地撤去!」―基地司令部にシュプレヒコール(野嵩ゲート前)

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