第1874号(2005年6月27日)の内容

<1面>
改憲翼賛の大濁流を打ち破れ

自衛隊海外派遣の合憲化を叫ぶ「連合」笹森指導部を弾劾せよ!
自治労・日教組本部による「改憲支持」方針の大会決定を許すな!
<4〜5面>
「共通戦略目標」 ―米日共同の侵略戦争計画

これが安保同盟強化の危険な内実だ!

<5面>
JPSの失敗をトヨタチームが自認
<2面>
頓挫したブッシュのヒズボラ解体≠フ企み―レバノン国会議員選挙
「都市型戦闘訓練阻止!」沖縄の労学が奮闘 5・31写真へ
<6面>
リポート労働戦線
労働者の悲鳴が聞こえる
「サービス残業」1日5時間! ―暴利をむさぼる人材派遣会社
Topics 基幹労連が労働者派遣の勧め
読者からの手紙 私鉄でも乗務員監視が…
<7面>
既成指導部への憤怒を詠める
<8面>
「新生ウクライナ」の悲劇
A・クルコフ著『ペンギンの憂鬱』を読んで
感想 「今のぼくは二十七歳」
<3面>
万華鏡2005――情勢の断層を読む
国連情勢 奇々怪々
◆変節漢の歴史認識
◆ラパスの熱い秋
◆どっちが脅威?

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 





































  


改憲翼賛の大濁流を打ち破れ

自衛隊海外派遣の合憲化を叫ぶ「連合」笹森指導部を弾劾せよ!

自治労・日教組本部による「改憲支持」方針の大会決定を許すな!

ブッシュ帝国おしつけの憲法改悪

海外派兵のための明文改憲を叫ぶ民主党と「連合」笹森

(中略)
 
6・19「改憲阻止・安保強化反対」闘う労学が首都を席巻
(詳報次号)
そして、今まさにこの民主党と呼応して、国連決議にもとづく武力行使をともなう多国籍軍への参加を主張し、完全武装の日本の軍隊の海外派遣を合憲とするための改憲を叫んでいるのが「連合」会長の笹森にほかならない。この男は、こうした極反動的な主張を、すでに今年一月下旬の私鉄総連の中央闘争委員会の場において、公然と明らかにした。
 いまなお社会民主党議員を推せんし組織内議員として渕上を国会に送りこんでいる私鉄総連の幹部にむかって、笹森は次のようにぶちあげた。――「警察予備隊が自衛隊にかわり、『専守防衛』、『国連をつうじた国際貢献』」をやってきた。このことからして当然にも「現実的には『軍事力をつかわなければできない』」のだ。「いまの……憲法では、自衛隊は違憲」(だから現実にあわせて第九条をかえよ!、「『専守防衛のままで国際貢献をしていく』と限定」するならば「自衛隊という戦力を認めるのか、認めないのか」とか、「国際貢献に使うのか、使わないのか」という問題がおきる。だから「現実的に『戦力は保持する』(と明記し)そのうえで『戦争のために自衛隊をつかうことは絶対にできない』と九条の第二項できめ」ればよい。そして「第三項または基本法」で「この戦力を国連の平和維持活動などの、国際貢献に」のみ使うという「限定」を与えておく、と。
 〔そもそも笹森の正体は、「北朝鮮を爆撃して帰ってこれる能力はもってよい」と対北朝鮮侵略を公然と主張するほどのタカ派なのだ。〕
 要するに笹森は、自衛隊を現実にあわせて戦力と認めよ、そして国連のもとでの軍事力による国際貢献に積極的に寄与せよ、そのためには、桎梏である第九条を明文改憲せよ、と主張しているのだ。「戦争」と「国連のもとでの国際貢献」(多国籍軍による「対テロ戦争」のことだ!)とを御都合主義的に区別だてするという詭弁を弄しつつ、日本の海外派兵を合憲化する道を大胆に切り開け、というわけなのである。
 こうした主張を引っさげて、この労働貴族どもの親玉は、「護憲」を――か細くだが――唱えている旧総評系労組幹部(彼らの多くは各県平和運動センターなどに結集する)を第九条改憲支持の勢力のもとにくみしだくために、全国行脚をくりひろげている。「『連合』への平和運動の一元化」を「連合」の方針としてうちだしたことをタテに、この輩は、「護憲」運動をくりひろげてきた各県平和運動センターの運動と組織を解体することをもたくらんでいるのだ。
 ところで、笹森が「平和基本法」とは言わないで「基本法」とだけ言うのは、自民党や民主党と同様に「安全保障基本法」を考えているからである。「戦力の保持」を前提として日本の海外派兵を是認し、その具体的内容を「安全保障基本法」で定める、という核心点において、自民党と同一見解に立っているのが笹森や民主党なのだ。今日、笹森は、「連合」内において、まずは明文改憲を避けて「平和基本法」の制定を方針とする部分やさらになおも護憲を護持する部分に最後の屈服を迫るために、「連合」会長職の辞任を表明し、もって不退転の決意をしめすという政治動物としてのパフォーマンスを演じている。

自治労本部に追随し「改憲支持」へと転回した日教組本部

「平和基本法」制定要求の犯罪性

総瓦解した既成「護憲」運動をのりこえて前進せよ

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「共通戦略目標」 ―米日共同の侵略戦争計画

これが安保同盟強化の危険な内実だ!


リード
 「中国の軍事力増強は、台湾にかんしてだけではなく、アジア太平洋地域の微妙な軍事的均衡を危険にさらす」――日米防衛首脳会談の直前に開催された「アジア安全保障会議」で講演した米国防長官ラムズフェルドは、中国にたいする敵意をむきだしにして叫んだ(六月四日、シンガポール)。防衛庁長官・大野にたいしては、「二十一世紀の安全保障環境に適した兵力構成にすべく、在日米軍再編協議の最終合意を年内にめざす」と通告した。「沖縄の負担軽減」という大野の形ばかりの要求を、「抑止力の維持が重要だ」と突っぱねながら。
 日米安保同盟を対中国の攻守同盟として飛躍的に強化するために、日本にたいしていっそうの軍事上・財政上の負担を強硬に求めているブッシュ政権と、これに積極的に呼応している小泉ポチ公$ュ権は、「米軍と自衛隊の役割・任務分担に関する中間報告」を七月にもまとめるという合意をかわした。米・日両権力者は、いよいよ「新ガイドライン」(九七年に策定された「日米防衛協力の指針」)の見直しに現実的に着手しているのだ。
 「集団的自衛権の行使」を合憲化することを核心的眼目として小泉政権が突進している憲法改悪の策動、これと一体的におしすすめられている日米軍事同盟の強化を、われわれは断じて許してはならない。ここでは、米・日両権力者がどのように日米軍事同盟を強化し・自衛隊の米軍への一体化をはかろうとしているのかを明らかにする。

新々ガイドライン″定のたくらみ

巨龍・中国の台頭への危機意識

ブッシュ帝国軍≠ヨの日本国軍の一体化


コラム@ キャンプ座間と岩国基地をめぐる再編案
コラムA 「基地の共同使用」の拡大
コラムB 米軍と自衛隊の「相互運用性」の高度化
コラムC 激化する米軍指揮下の日米合同演習

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JPS(ジャパンポストシステム)の失敗を自認

トヨタチーム 指南役の放棄を宣言


リード
 本日のお話しは、ジャパンポストシステム(JPS)を推進するトヨタチームが白旗宣言をだしたお話し!
 〇三年に威勢よく郵政公社の郵便システム改革の指南を宣言し、郵便職場に介入したトヨタ派遣チームが、大混乱をつくるだけで成果をうみださぬまま二年で撤退宣言をしたもようである。だが、その理由がふるっている。「越谷では成功したが全国では失敗!」「その原因は郵便局の管理者も職員もやる気がないからだ! もうやめた」というのだ。みずからの指南によって、年末・年始の大混乱がうみだされたことへの自省のかけらもみられない。一切の責任を「管理者と職員のやる気のなさ」におっかぶせたまま退散。そうしなければ「トヨタ方式」という金看板に傷がつくとばかりに。
 最近、トヨタチームのでたらめな指導に憤まんやるかたない管理者サイドから入手したオモロイ話しをここにご紹介しよう。

トヨタ三人衆に怒り募らす郵便局管理者

「ボス風吹かす高橋(副総裁)には頭にくる!」

原単位失敗を取り繕う銀屋

「手を引く」と公言する内山田

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既成指導部への憤怒を詠める

JR福知山線の大惨事は経営者と「養殖」組合ダラ幹がひき起こした!

 四月二十五日の昼、私はこの尼崎大惨事を知った。同僚がニュースを教材化しようとして偶然開いたパソコンの画面に、無残な現場が映し出されている。「ひでェ事故だぜ。三十人以上も死んだってよ」と彼が挙げた大声で集まってきた同僚達の中にいて、私は思わず「これは、JR西日本の労務政策のせいだよォ。ひどいんだよォ、あそこは……」と叫んでいた。私は、何かに背中を押されたように、分割民営化後にJR西日本当局が翼賛組合を「養殖」し、労働者の命を軽(かろ)んじて利益第一主義≠フ経営をおこなってきたことを、怒りに震える声で語らずにはいられなかった。

「その瞬間(とき)」に
  思いしは何、見しは何
君が無念を我がものとせん

 ――高見運転士に捧ぐ
 
107の生命(いのち)もろとも潰せしは
  JR西日本(かいしゃ)・「養殖」・
  「日勤」・数値ぞ


当局と同じ語彙もて会見す
ダラ幹の表情(かお) 保身に
満ちて


「五項目合意」を護持し 組合員の悲鳴(こえ)を押し潰す日教組本部に湧き上がる怒り

 相次ぐ教員の自死にまでゆきついてしまった東京の教育現場の地獄のような惨状は、今や全国津々浦々にまで広がってしまった。
 この四月中旬には、埼玉県越谷市の小学校で、二十三歳の新任男性教員が、校内で自死した。当日の午後に授業参観を控えての縊死(いし)だったという。赴任してから連日早朝出勤していた彼は、例によって管理職によるならば「仕事熱心で明るく、子ども達からも慕われていた」という。ならば、なぜ彼は自死したのだ!? そんなわけなどないではないか! 彼はみずから生命(いのち)を断ったのだ。そこまで苦しみ追いつめられていたのだぞ!

この惨状(いま)をつくりしものぞ
 「五項目」・「四百日」と
 「冬の時代」と

教え子を戦場にまた送る
とや
 「論憲」・「創憲」
   組合員(たみ)欺きて

(以下略)
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国連情勢奇々怪々

ライバルには叩かれ飼い主には水をかけられ

 ブッシュ政権は、六月十六日に国連改革にかんする「包括提案」を発表した。この提案の核心は、日本・ドイツ・インド・ブラジル(G4)が六月八日に国連加盟各国に提示した安保理の拡大を眼目とする「枠組み決議案」にたいして、「安保理の効率性を損なう懸念がある」として明確に反対し、代わって、安保理の新常任理事国について「日本を含む二ヵ国程度、拒否権は与えない」としたところにある。
 これにたいして小泉政権は、「ありがたいような、困ったような、複雑な変化球を投げてきたものだ」(外相・町村、六月十七日)と、困惑と落胆を隠せない。日本が加わったG4案にはアメリカが反対して通らないことが明確となり、日本だけを明示したアメリカ案にも多数の支持が得られるはずがない。こうして、小泉政権がめざしてきた日本の安保理常任理事国入りが、このアメリカ提案によって完全な展望喪失に陥ってしまったからだ。
 G4提案は、新常任理事国を、提案四ヵ国およびアフリカ代表・二ヵ国の計六ヵ国とし、拒否権については十五年間凍結する、というもの。日本政府が、これら四ヵ国の連携を重視してきたのは、国連において多数派を形成するため。大票田のアフリカ諸国の賛成票を獲得するために、アフリカに二ヵ国の枠をもつくり、世界各地域の代表という形式を整えたのが、G4提案。
 この提案にブッシュ政権は「ノー」をつきつけた。もともと国連をアメリカの世界制覇のための道具としてしか位置づけていないブッシュ政権は、「国連改革」にネガティブであり、「九月までなどという期限をつけるべきでない」と言ってきた。彼らは常任理事国の拡大を望んではおらず、まして拒否権の付与などとうてい容認できるものではない。「日本の常任理事国入りを支持する」と言っているのも、積極的にそれを望んでいるわけではなく、小泉政権が絶対にアメリカに逆らわない姿勢をとっていることへの御褒美=リップサービス程度のものでしかない。
 ところが小泉政権はこれまで、アメリカの支持をバックに賛成の諸国を拡げていけば、日本の常任理事国入りに反対している常任理事国の中国を孤立させ、もってこれをもひっくり返すことができるという甘い展望を抱いてきた。だから困った、困った≠ニ対応不能状況に陥っているわけ。小泉も町村も、ヒトラーとスターリンが「独ソ不可侵条約」を結んだとの報に接して「欧州情勢奇々怪々」と叫んだ、時の外務大臣・松岡洋右の心境にさぞかし共鳴しているに違いない。
 こうした事態は最後のダメ押しという性格のものであって、すでに日本の常任理事国入りの展望はとっくの昔に消えうせていた。その最大の理由は、中国政府のあからさまな妨害工作にある。中国国連大使・王光亜は、「加盟国を分裂させるような安保理拡大の動きにはいっさい反対する」と態度表明(六月一日)、全人代で「拒否権」を行使する可能性をも示唆した。国連憲章を改定するには、加盟国の三分の二以上と現常任理事国のすべての国で批准されることが必要要件なのだから、日本政府の願望はこれで木端微塵に粉砕されてしまった。
 すでに四月には首相・温家宝がインドを訪問し、インドの常任理事国入りは支持するが日本は反対だと両者間に亀裂を入れることを画策。五月末には徐敦信・全人代外事委員会副主任がタイ・インドネシア・シンガポールを歴訪し、アメリカとの距離を若干広げつつあるこれらの国に「拡大反対」の意向をるる説明した。さらには、今月九日からのアフリカ連合(AU)の会合に外相・町村が出席して「枠組み決議案」への支持を訴える予定であったが、五日になって突如、主催国のナイジェリアから「出席を見合わせてほしい」という要請があってとりやめ。これは中国外相・李肇星がじきじきに電話して圧力をかけたため、などなど。
 中国や韓国の権力者が小泉の靖国神社参拝に猛反発し、日本の独占資本家どもや歴代首相をはじめとする政治エリートから参拝自粛を求められても、これに応ずる姿勢をしめさない小泉。この対米追従一辺倒の小泉政権は、ITER(国際熱核融合炉)誘致失敗(本紙第一八七三号参照)につづく国連安保理常任理事国入りの展望喪失という、外交政策上の完全な破綻にたたきこまれているのだ。
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「都市型戦闘訓練阻止!」 沖縄の労学が奮闘 5・31


 五月三十一日、沖縄平和運動センターが主催する「都市型戦闘訓練阻止! 施設の即時閉鎖・撤去を求める集会」が金武町のキャンプ・ハンセン第一ゲート前でおこなわれた。

都市型戦闘訓練施設に怒りの拳(5月31日、金武町)

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