第1870号(2005年5月30日)の内容

<1面>
労働戦線から反改憲の大奔流を!

「改憲支持」に転換した自治労・日教組両本部を弾劾せよ

<4〜5面>
五年間に16人を自殺に追い込んだJR西日本会社の地獄の日勤教育

都交通局による実労働時間・拘束時間の極限的延長を許すな
<5面>
国家・企業への忠誠を尽くす基幹労連労働貴族
<2面>
《第6次イラク出兵阻止・伊丹現地闘争》写真へ
5・7派遣部隊出兵阻止闘争  4・24現地共同行動
全学連新入生歓迎集会(5・15)写真へ
<6面>
各地のメーデーで奮闘
5・1北海道、「愛労連」/4・29「連合福岡」
Topics 「サマータイム制度」導入の狙い
<7面>
対象的・解釈的叙述に流れてはいないか
<8面>
「今こそ《原点の再創造》を!」を読んで
党創造への情熱をわがものに
私も仁王立ちになるぞ
<3面>
万華鏡2005――情勢の断層を読む
燃える火に油
◆昨日の「敵」は今日の「?」
◆「テロリスト」の正体は?
◆デジタル・ジハード

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 



































  


労働戦線から反改憲の大奔流を!

「改憲支持」に転換した自治労・日教組両本部を弾劾せよ

リード
 
5・15普天間基地包囲行動に決起
 
沖国大を先頭に200名の学生が最先頭で奮闘(詳報次号)
稀代の戦争狂=ブッシュ政権の強圧的な要求に応じて、小泉政権は、第六次イラク派兵を強行するとともに、憲法改悪の策動に拍車をかけている。この政権は、憲法調査会の最終報告が自・公・民三党の協調のもとに衆参両院で提出され大筋で合意されたことにふまえて、いまや改定案の最終確定を急ぐと同時に、国民投票法案の今国会会期内上程をたくらんでいる。
 まさにこの時に、「改憲発議は、民主党が責任をもっておこなう」とうそぶく岡田・民主党の圧力と改憲の旗振り人=「連合」笹森の恫喝、これらに屈した自治労ならびに日教組の両指導部は、従来まがりなりにも掲げていた「護憲」の旗をひきおろし、「論憲」の名のもとでの第九条の改定という方針にあいついで転換し、これをそれぞれの大会で正式決定たらしめようと策している。
 また、日本共産党の不破=志位指導部は、「保守層を含む幅広い共同」形成のためと称して「自衛隊の海外での平和的活用」などという代案をうちだし、改憲翼賛の大濁流に実質上は棹さしている。しかも、彼らのこの犯罪性を断固として暴きだすわが同盟のイデオロギー的・組織的闘いとこれに共鳴した多くの下部党員の党中央への批判の噴出とに直面させられて、「革マル派を改憲反対運動から排除せよ」などという断末魔の叫びをあげている始末なのである。
 日本帝国主義政府・支配階級の戦後史を画する憲法大改悪攻撃のまえに総屈服し翼賛する労働運動指導部・既成左翼指導部のこの許しがたい大罪を、われわれは満腔の怒りをもって暴露し、改憲攻撃の大濁流を突き破る闘いを、イラク反戦・反安保の闘いと結びつけるかたちで、職場・学園から断固としてつくりだし、その一大高揚をかちとるのでなければならない。

「戦争をやれる国家」への飛躍を企む小泉政権

「連合」笹森に屈服した自治労・日教組両本部

日共系の「護憲」ならぬ「護憲」運動をのりこえて闘おう
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五年間に16人を自殺に追い込んだJR西日本会社の地獄の日勤教育

リード
 運転士・乗客あわせて死者一〇七名・重軽傷者四六〇名をうみだした、JR発足いらい最大の惨事となったJR福知山線での快速電車の脱線・横転・激突事故(四月二十五日)。列車運行の安全性をもかえりみずに「高速化」に狂奔し、乗務員に「遅れた時間(ダウンタイム)の短縮」を強制し、わずかな遅れでも「乗務を降ろす」処分政策で運転士をがんじがらめにしめつけてきたJR西日本当局。このJR西日本当局の施策の必然的な結果として今回の大惨事がひき起こされてきたことを、われわれは直ちに全社会的に暴きだした。JR西会社でも、多くの真面目な社員・組合員たちが当局の責任を質(ただ)しつつ、事故の原因の徹底究明に立ちあがりつつある。
 だが、JR西日本会社当局とこれにつき従うJR西労組(JR連合)などの労組幹部どもは、事故をひき起こした責任を顧みるどころか、真相のもみ消しに狂奔している。
 利潤第一主義の経営政策、定時運行最優先・安全無視の労務管理……これらの実態を、われわれは今後もさらに暴きだしてゆくであろう。今回、まずは地獄の日勤教育≠フ実態を俎上にのぼせる。

事故を必然化した超過密ダイヤ定時運行≠フ強制
 尼崎大惨事がひき起こされた責任の一切は、JR西日本会社当局にある。私鉄各社との旅客獲得競争になんとしても勝ちぬくという、利潤第一主義の経営政策と、「高速化」の名のもとに定時運行最優先、乗客・乗務員の安全を一切無視した労務管理に狂奔してきたことの必然的帰結が、今回の大惨事にほかならない。
 高見隆二郎運転士が、伊丹駅でのオーバーランによってうみだされたわずか九〇秒の「遅れ」をとりもどすために、カーブにさしかかる手前の直線コースでは制限時速ギリギリの時速一二〇キロメートル(あるいはそれ以上)のスピードを出して回復運転に努めていたのは、まさに会社当局によって「超過密ダイヤの定時運行=vを強いられてきたことのゆえなのだ。しかも福知山線の「高速化」に狂奔してきた会社当局は、故意にATS・P型(制限時速をオーバーすれば自動的にブレーキがかかる装置)の導入を放棄してきたのだ。
 それだけではない。わずか九〇秒の「遅れ」をとりもどさなければ、「永久乗務停止」処分を喰らい二度と運転できなくなるばかりか、「日勤教育」という名のいじめ・いびり=i通称「恐怖の訓練部屋」)にふたたび叩きこまれるという恐怖に高見運転士を追いこみ、「遅れ」の回復のために列車のスピードを上げるように駆りたてたのが西日本会社当局なのだ。
 制限速度をオーバーしなければ定時運行などできないような、不合理で実現不可能な超過密ダイヤの運行を強要されてきていた運転士たち。こうして高見運転士と乗客あわせて一〇七名を死に追いやったものこそJR西日本会社当局なのだ。彼らは利益第一主義にもとづいて超過密ダイヤを編成し、そのダイヤどおりの列車の運行を労働者に強制するために、「ダイヤの遅れ」や些細な「ミス」を口実にして処分と処罰をくりかえしてきたのだ。この彼らが安全を無視した運行を何がなんでも強行するために、労働者を極限まで締めあげる手段として採用してきたものが、狂気の労務管理政策であり、その最悪のものが「日勤教育」にほかならない。
 この五年間に、JR西日本会社において「日勤教育」の最中および終了直後に自殺に追いこまれた乗務員は、じつに十六人にのぼっている。そのうち七人は、この一年半以内にみずから命を絶っている。なんということだ!「再教育」の名のもとに、拷問≠フような労働者いじめがおこなわれていることは、この驚くべき事実を見るだけで歴然としているではないか!
 それだけではない。運転区の区長(非組合員)の指示のもとに現場の指導助役が「教育」をおこなうのであるが、この助役は同時にJR西労組(西日本旅客鉄道労働組合、JR連合加盟)の組合員でもあるのだ。JR西日本会社の「最大労組・責任労組」とうそぶいてている、当局お抱えの御用組合、通称「養殖組合」のダラ幹こそが、西日本会社当局といっしょになって高見運転士と乗客を殺したのみならず、多くの運転士を自殺へと追いこんだ共犯者なのだ!

以下、見出し
敬礼訓練を十三日間くり返させられた高見運転士

トイレを我慢させられ血尿が……

効率化施策の担い手づくり=労組破壊の攻撃

会社を免罪し弁護する西労組(JR連合)ダラ幹

運転保安闘争の伝統を蘇らせて闘おう!
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燃える火に油

現代の十字軍≠糞壺に叩き込め!

 「グアンタナモ基地で、米軍取調官がイスラム教徒被拘束者の口を割らせるためコーランをトイレに流した」――米『ニューズウィーク』誌(五月九日号)で暴露された自白°ュ要・拷問の実態。
 いっさいの偶像を否定し、唯一神アッラーの言行を記したクルアーン(コーラン)を聖なるものとするムスリムの信仰に最大限の恥辱を与えるヤンキー権力者のやり口に、イスラム諸国の人民は身を震わせて憤激した。とりわけ、グアンタナモに多くの同朋たちを囚われたままのアフガニスタンの人民は、「アメリカに死を」と気勢をあげて反米デモに決起した(五月十日)。闘いは瞬く間にアフガニスタン全土に広がり、怒れる人民は銃をもって、アメリカ権力者だけでなくカイライ・カルザイ政権をも弾劾してたたかった。米軍や政府軍の弾圧によって五月十六日までに少くとも十七名もの犠牲者をだしてくりひろげられたアフガニスタン人民の闘いは、パキスタン、インドネシア、パレスチナに波及した。
 人民の怒りの矛先がみずからに向けられることを怖れたイスラム諸国権力者も、米軍の蛮行にたいして「深い憤り」(サウジアラビア国営通信)、「卑劣で非道徳的な行為」(インドネシア外務省報道官)と非難。
 アフガニスタンでの反米デモが全土に拡大した五月十三日、ブッシュ政権は「懸念」を表明し、「徹底した調査」をおこなう意志を明らかにした。十五日には、「情報提供者の政府高官」が「(軍の記録を見たかどうか)はっきりしない」と前言を撤回。「誤報」を認めざるをえなくなった『ニューズウィーク』編集者にブッシュ政権は追い討ちをかけて、「謝罪だけでは不十分」と恫喝し、記事を取り消させた(十六日)。
 ブッシュ政権は民主党系の雑誌たる『ニューズウィーク』の編集部に死者が出た責任≠ふりかざして「米国の印象低下の払拭に協力」せよ、と迫る、というほどのオセオセぶり。「政府高官」の発言にとびついて、ブッシュ共和党政権の非人道性・非民主主義的な正体を暴こうとした『ニューズウィーク』が、同じ「政府高官」の「前言撤回」で逆転大敗北――アメリカ国内政治の次元でいえば、これが今回の騒動の結末だ。
 しかし、グローバルには、宗教=民族戦争の火に数億バレルの石油をぶちまけたことを意味する。
 まずは、九月の議会選挙をとどこおりなく実施し、カイライ・カルザイ政権の基盤を固めようとしてきたブッシュ政権の思惑は、コーラン侮辱にたいするアフガン人民の怒りの炎で吹きとんだ。
 火消しのために、「過去も現在も将来も、アメリカ政府はイスラムに敬意を払っている」とライスがくっちゃべり、軍当局がグアンタナモのコーラン・トイレ事件の「確証がない」といくらくりかえしてみても、全世界のムスリム人民は、だーれもそんなことは信じていない。
 米軍は、タリバン兵やアル・カーイダ、彼らの協力者とみなしたムスリム人民を片っぱしから地球の反対側に運んでグアンタナモ収容所に叩きこんできた。トリ小屋のような金網小屋に収容した者たちにたいしては、両手両足を鎖と革ベルトで縛りあげ、直射日光・雨ざらしのなか一日中放置。その上にアブグレイブ刑務所でその一端が暴露されたような、性的拷問をふくむ肉体的・精神的拷問をやりたい放題に加えてきた。
 こうしたヤンキー式拷問の極致が、コーラン侮辱だったことを、ムスリム人民は、心と身体に刻みこんでいる。彼らにとってのブッシュのアメリカは、アフガニスタンでイラクで人民殺戮に手を染めてきたのみならず、イスラームそのものを蔑視し敵視する現代の十字軍≠ニしての正体をますますあらわにしている。宗教的敵愾心をあらわにしているこのヤンキー帝国に、全世界のムスリム人民は怒りをたぎらせているのだ。
 火をつけられたムスリム人民の反米闘争は、ますます燃えあがり、ブッシュ政権をさらに窮地に叩きこむにちがいない。
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《第6次イラク出兵阻止・伊丹現地闘争》


「第6次イラク出兵阻止!」派遣部隊に怒りの拳 5・7伊丹
 五月七日に小泉政権・防衛庁は、兵庫県伊丹から、陸上自衛隊第三師団を中心とする日本国軍の第六次イラク派遣を強行した。怒りに燃えた関西、東海、北陸のたたかう学生たちは、日共中央の闘争放棄を弾劾し、右翼による派兵翼賛運動の演出をつき破って、伊丹現地に<イラク出兵阻止!>の炎を赤々と燃えあがらせたのだ。

 全学連がバス列に肉迫
 午後三時十分。伊丹市の陸上自衛隊千僧駐屯地内で隊旗授与式を終えた第六次派兵部隊がバス五台で駐屯地を出発し北上してくる。「来たぞ!」「ヨシ!」「伊丹からの自衛隊第六次派兵阻止!」と大書した横断幕を車道わきに掲げて、全学連の白ヘル部隊八十名がこのバス列を迎えうつ。「派兵阻止!」「イラク占領への加担反対!」「戦地イラクから日本国軍は撤退せよ!」嵐のようなシュプレヒコールが派兵部隊にたたきつけられた。
千僧駐屯地にむけて進撃するデモ隊(五月七日、伊丹)


 防衛庁長官が陸自第六次派遣部隊「編成命令」を発した(四月二十日)直後の四月二十四日。神戸大の戦闘的学生たちは、伊丹の日共系大衆団体・市民団体の主導のもとに開催された「やめろ! イラク占領 いくなもどれ自衛隊!イラク派兵反対大集会」に参加し、結集した六〇〇名の労働者・市民の最先頭で、伊丹・千僧両駐屯地を包囲するこの日の闘いの戦闘的高揚のために奮闘した。
 
神戸大生を先頭に西門ゲートを制圧(4・24、伊丹・千僧駐屯地)

  

改憲阻止の決意みなぎる 

全学連新入生歓迎集会(5・15)


五月十五日、全学連のたたかう学生たちは、首都・東京において、多くの新入生を迎えて新入生歓迎集会を盛大に実現した。インターナショナルを熱唱する学生たち

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