第1865号(2005年4月25日)の内容
<1面>
改憲阻止! 4・30闘争に起て
改憲の旗を振る「連合」労働貴族を弾劾し労働戦線から闘いのうねりを
<4〜5面>
ブッシュ帝国の前方への遁走$略
ボロボロ・ズタズタのイラク帰還米兵
<2面>
トヨタのためのトヨタ博 愛知バンパクの狂騒
個人情報保護法を適用した学生自治破壊を許すな!
<6面>
石川「グループホーム殺人事件」の深層 一人で12人介護の過酷夜勤
◆全教第22回大会
Topics 「横浜事件」の再審開始が確定
<7面>
粗野な成果主義≠ヨの「批判」 『内側から見た富士通―「成果主義」の崩壊』を斬る!
粗野な成果主義≠ヨの「批判」―『内側から見た富士通』を斬る!
地方議会での教基法「改正」意見書採択を許すな
<8面>
「原水爆問題と私」を学習して
「現代革命と人間変革」を読んで
<うた> 二〇〇五年三月十日
<3面>
万華鏡2005――情勢の断層を読む
◆怪しい「NPO」
◆世界を不幸にする国
◆「島か岩か」
◆脱亜従米≠フススメ
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
改憲阻止! 4・30闘争に起て 改憲の旗を振る「連合」労働貴族を弾劾し労働戦線から闘いのうねりを
小泉政権による民族排外主義の煽りたてを許すな! 日本の外相・町村の訪中にあわせて、怒れる若者たちを先頭とした中国の民衆は、十六〜十七日、先週末にひき続いて、「日本軍国主義反対・日本製品ボイコット」や「中華振興・愛国無罪」を掲げ、中国各地において日本政府に激しく抗議するデモンストレーションにたちあがった。上海のデモはまたたく間に数万人規模にふくれあがり、警察の「阻止線」を「突破」したデモ隊は日本総領事館に怒りの石つぶて・ペンキびんを浴びせた。杭州・天津・瀋陽・深せんでも抗議デモがまきおこった。 竹島=独島の領有をわめきたてたり、天皇制国家権力のアジアへの侵略戦争を聖化する「歴史教科書」を検定合格にしたり、東シナ海の天然ガス田試掘手続きを挑発的に開始したりするなど、小泉政権は対中国・対韓国の強硬姿勢をむきだしにしている。これへの怒りをたぎらせて、中国民衆は日本の国連安保理常任理事国入りに断固反対している。過去の中国・アジア侵略の歴史を偽造しながら憲法改悪・軍事強国への一挙的飛躍を果たそうとしている日本帝国主義国家にたいする激しい怒りを、彼らは、中国人労働者を低賃金で酷使しているイトーヨーカ堂などの日本企業に向けて、日本大使館・総領事館に向けて、直接的にたたきつけた。 また韓国でも、島根県議会の反動的決議(「竹島の日」条例の制定)をきっかけに「反日」の大デモがくりひろげられている。居直りつづける小泉政権にたいして盧武鉉は次のように断罪した。「侵略の歴史を栄光とみなす国」が「隣人」であることは苦痛だ、と(ドイツ紙インタビュー)。この権力者の対応をも受けて、韓国人民の日本政府にたいする怒りは高まるばかりなのである。 中国人民の「反日」行動を非難し「(デモによる損害の)謝罪と賠償」を求めた日本政府にたいして、中国政府は「責任はあげて日本にある」(首相・温家宝)と切り返し、歴史認識問題などでの反省を要求した。日本の右翼マスコミは、政府権力者の意を体して、いっせいに「中国政府は反日暴動を意図的に煽り野放しにした」「在留邦人が危ない」などとキャンペーンし、反中国の排外主義的感情を煽りたてている。 小泉政権がブッシュ政権との「共通の戦略目標」の合意にもとづいて、アメリカ帝国主義の中国封じ込めに積極的に加担しはじめたこと――これに反発を強めている中国政府権力者は、米・日の離間をうながすという思惑を込めて、対米追随一辺倒の小泉政権を揺さぶるために、中国国内の「反日」気運を鼓舞し、これを外交上の圧力手段として利用している。しかも農民暴動や民工のスト・抗議行動に象徴される国内矛盾の排外主義的のりきりをもかけて、「反日」排外主義を煽りたてているのだ。表向きは政府としては「冷静な対応」や「デモ中止」を呼びかけ、裏側ではインターネットなどを活用して「抗日」ナショナリズムを煽りたて「抗日」デモを組織しているのが北京官僚にほかならない。彼らは、各種組織を媒介として若者たちの要求に「中華振興」の骨を入れているのだ。まさしく官許・官製の「反日」運動の組織化! こうした北京官僚の策動にも鼓舞されつつ、中国民衆は「抗日」デモに決起しているのだ。日本天皇制権力の中国・アジア侵略の歴史をねじまげる歴史教科書の検定や、抗議を無視した小泉の靖国神社参拝の強行、そしてなにより、この小泉政権がブッシュ帝国の要請にこたえつつ憲法改悪や「対テロ」戦争参戦のための日本軍の米軍との一体化に猪突猛進していること――これらへの憤激に燃えて中国人民はたちあがっているのだ。 中国人民および朝鮮人民の憤激の的となっているみずからの反人民的なふるまいの数々を棚にあげ、反中国・反韓国の民族排外主義を煽りたてている小泉ネオ・ファシスト政権を、われわれは断じて許してはならない! 以下、見出し 「九条改憲支持」を強要する「連合」中央と自治労・日教組本部 自治労本部の「平和基本法制定」方針の反労働者性を暴け 民族排外主義の鼓吹に抗し憲法改悪攻撃を粉砕せよ!
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ブッシュ帝国の前方への遁走$略 ―「自由と民主主義の拡大」の名による迷走 一〇万人ものイラクの民を殺戮したるがゆえに全世界人民の憎悪の的となりし洋鬼(ヤンキー)帝国の大統領ブッシュ、二期目就任に際して高唱す――わが使命は「自由の拡大!」「同盟国との協調!」「オーナーシップ社会の建設!」なりと。新たなる世界支配戦略の核心をかく言いあらわしたり。 宗派を超えたるイラク人民の<反占領反米>の猛き闘いのまえに敗退を余儀なくされているにもかかわらず、いやこの破産を糊塗するために、むしろ声高に「全世界に自由と民主主義を拡大する」などと叫ぶとは、なんという傲岸不遜! 内憂外患にさいなまれしも歴史に名を残さんと欲しているブッシュが、カール・ローブ演出、コンドリーザ・ライス伴奏≠ナうたうは前方への遁走曲(フーガ)=A血ぬられし旋律やあなおぞましき。 以下、見出し T イラク占領破産の泥縄的のりきり U 先制攻撃戦略の試行錯誤的弥縫 V 命脈尽きたブッシュ帝国 |
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粗野な成果主義≠ヨの「批判」 『内側から見た富士通―「成果主義」の崩壊』を斬る! この低成長時代に右肩上がりの賃金上昇はありえない∞年功制の賃金制度は古い≠ネどという宣伝とともに、今日まで「成果主義」にもとづく賃金支払い制度を多くの企業が導入してきた。その急先鋒であった富士通にかんする「成果主義」運用の内実を描いた一冊の本が昨年七月に発刊され売れに売れた。『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(城繁幸著、光文社刊)である。主要な書店でいまも平積みにされており、しかも当該の富士通の工場の売店でも販売されているとのことである。 富士通は、日本の大手企業のなかでいちはやく「成果主義」にもとづく人事評価制度と賃金制度を導入した。マスコミによっても「成果主義」がこれからの「人事・賃金制度」のあるべき姿であるかのように喧伝された。富士通経営者は、「成果主義」のオーソリティーであることをおしだし、会社内部において「成果主義」制度の貫徹を図ってきた。 しかしその内実は、この暴露本に明らかにされている以上に悲惨なものだ。「成果主義」制度導入の直後からその破綻があらわになり、その後も富士通経営者は種々の試行錯誤と弥縫策を講じつつ破綻ののりきりに血眼になってきた。「成果主義」にもとづく人事・賃金制度が導入されただけでなく、それをもひとつの手段として二万八〇〇〇人の首切りを中軸とする大リストラが実行された。この過程で、「社員」のモラール(志気)の低下、モチベーションの喪失、不満と嫉妬の蔓延に経営者は直面した。経営者にたいする社員の怒りと怨嗟の声は社外のネット掲示板にまで溢れた。富士通の「成果主義」の破綻は、あまねく知れわたった。しかし経営陣はこれを無視しつづけて暴走した。かくして富士通は二年連続の赤字決算となり、電機大手他社の一応の「V字回復」に比して一人負け¥態に陥った。 こうした富士通の没落が一気に進むなかで、そして富士通経営陣のあいだの経営責任をめぐる内部抗争が激化したそのただなかで出版されたのが、この暴露本である。新たに経営の実権を握った者の意を体して、破綻の責任をとらされた旧経営陣に追い討ちをかけるという意図は明らかであるとはいえ、この本には、日本の代表的大企業において、「成果主義」の名のもとにいかなる悲惨な事態が起きているかの一端がしめされている。 以下、見出し 現場で何が起きたか 便所の落書きは「不治痛」 「成果主義」はどこへいく? |
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万華鏡2005 情勢の断層を読む 怪しい「NPO」 政権転覆マニュアルもヤンキー製 旧ソ連中央アジア部キルギス共和国の政変(三月二十四日の「チューリップ革命」)で、大統領の座を石もて追われたアカエフ。逃れた先のモスクワで、四月六日に共同・時事など複数の通信社の電話インタビューに答えて、こう吼(ほ)えた。―― 「政変は米国NGO(非政府組織)によって引き起こされた権力の強奪だ。」「フリーダムハウスとソロス財団などが、半年前から野党勢力や犯罪組織を訓練し支援し、米国の戦略のもとに、旧ユーゴスラビア、グルジア、ウクライナに続く権力奪取を組織した。」 「フリーダムハウス(自由の家)」、略称FH。アメリカはワシントン特別区に本拠を置くNPO(非営利組織)だ。ホームページの扉には、英文でこううたっている。「フリーダムハウスは、世界中に民主主義と自由をはっきり求めて声をあげる非営利・無党派の機関です。国際的プログラムと出版物の広大な勢ぞろいをつうじて、世界に政治的経済的自由のめざましい拡大をもたらすために、フリーダムハウスは働いています。」 NGOとはいうものの、出資者のリストには、米国務省、USAID(米国際開発局=国務省の一部局)、NED(民主主義基金=米議会の機関)がズラリと並ぶ。悪名高きヘッジファンド、ジョージ・ソロスの「ソロス基金」も名を連ねている。USAIDを通じてキルギスのアカエフ政権転覆のために流しこまれた資金は、二〇〇五会計年度予算だけでも三三〇〇万ドル(約三五億円)にのぼる。現地の物価と賃金の低さを思えば、気の遠くなる金額だ。 「国際プログラム」のリストをのぞいてみれば、あるわ、あるわ。キルギス新聞印刷プロジェクト、ポーランド―アメリカ―ウクライナ協力構想、ウズベキスタン―合衆国メディア交流プロジェクト、カザフスタン人権支援、トルクメニスタン人権支援……。中央アジア諸国のすべてを網羅する大規模な支援プログラムが稼働中だ。「ニュース」の欄には、引き起こしたばかりのウクライナ「オレンジ革命」の記事が、誇らしげに飾られている。 彼らの手口は、こうだ。―― まず、@米国務省(大使館)が分裂しがちな野党諸勢力をただ一人の候補のもとに結束させるために事前に強力な根回しをしておく。Aマスコミのなかの野党シンパを携帯電話などでFHの広報戦担当者のもとにネットワーク化しておく。B野党陣営の中堅リーダーを育成するために、最初の成功例であるセルビアの若手指導者を派遣して、デモのやり方その他を訓練し習得させる。C野党陣営には一つの単語で象徴的な名前を付ける。セルビアでは「オトポル(抵抗)」、グルジアでは「クマラ(もうたくさんだ!)」、ウクライナでは「ポラ(今だ!)」というように。 D選挙戦が始まると、USAID、FH、ソロスのNGO「オープン・ソサエティ」、米共和党系のIRI、民主党系のNDI、EU系のOSCEなどが人海戦術で選挙監視にあたり、政府・与党系の候補が勝ち、野党系が敗北した時点で、全団体がいっせいに「不正があった」と大騒ぎを始める。E欧米のマスコミは選挙前から「不正がありそうだ」と観測記事を流しつづけ、選挙後には「やはり不正があった」と大々的に報道=煽動をくりかえす。 F野党陣営はFHなどの指南のもとに準備した計画にのっとって、首都を席巻する大規模な集会を組織する。G育成した若手リーダーたちの煽動で議会や行政府をデモ参加者が占拠、混乱の中で「本当は野党が勝っていた」と宣言、FHに訓練された野党系マスコミがこれを数字入りで報じる。H最後には米欧諸国がこぞってそれを承認し、政府・与党系候補に敗北を認め退陣するよう経済制裁を含む圧力をかけ、政権転覆を成就する。 セルビア、グルジア、ウクライナ、キルギスのすべてがこの手口。いや、三月初旬には、中東レバノンのベイルートでも、シリア軍撤退と親シリア政権の転覆を同じ手口ではかったのは、FHだ。「スローガンはわかりやすく」「暴力に訴えると信頼を失います」――「杉の木革命」のかげで野党事務所や学生団体に、こんな戦術指南をして暗躍していたのが目撃されている(「日経新聞」三月三十日付)。 ある時は人権NPO、ある時は反体制ジャーナリスト、ある時は野党指導者、またある時は学生団体の若手リーダー……しかしてその正体は?「人権擁護」「民主主義」を掲げる近頃のヘンなNPOには、くれぐれも御用心。 |
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