第1848号(2004年12月13日)の内容

<1面>
米・露・EUの三極角逐を露わにしたウクライナ政変
「民主主義の輸出」を掲げるブッシュ政権の暴虐を打ち砕け!

<4面>
日帝の武器輸出・自衛隊増強を許すな

武器輸出解禁/陸自即応連隊創設

<5面>
義務教育費の国庫負担金削減・廃止を許すな!
<2面>
海陸でボーリング調査阻止行動写真へ
 11・15〜20 沖縄・辺野古
米総領事館に抗議  11・20札幌写真へ
大経大で千名が当局追及  11・18写真へ
<6面>
JPU本部の「服務方法の見直し」要求の欺瞞
大阪で激増する労働災害
Topics キヤノンが工場を無人化
<7面>
連続的に強行される警察・自衛隊一体での「テロ対策」訓練
巨額詐欺犯は元ブクロ派手配師 沖縄
<8面>
組織討議は私たちをつくる〈源〉だ
リストラに抗した私の奮戦記

<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
殿中でござる!
◆足下からの叛乱
◆弾痕の真実

早大当局の派兵翼賛を粉砕

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 




































   


米・露・EUの三極角逐を露わにしたウクライナ政変


「民主主義の輸出」を掲げるブッシュ政権の暴虐を打ち砕け!

 再選をはたすと同時にファルージャ住民皆殺しに手を染めたブッシュ政権は、この行為を「自由へのメッセージ」などと言い放ち、おびただしい血のうえに、あくまでもパクス・アメリカーナを構築しようとしている。おのれの犯罪行為を正当化し、EUや中・露の権力者にもそれを承認させることを狙って、イラク国民議会選挙を実現することに全力を注いでいる。
 他方では、彼らはウクライナの大統領選挙に公然と介入し、親ロシア・クチマ体制の転覆をめざす野党候補ユーシェンコを背後で支援してもいる。イラク問題で反米の共同歩調をとっている独・仏とロシアのあいだに楔を打ちこむことをも狙って。
 第二期ブッシュ政権の発足をまえにして、現代世界は新たな激動を開始したといわなければならない。

以下、見出し

米・露代理選挙と化したウクライナ大統領選

「中東民主化」の名による暴虐

第二期政権の対外政策をめぐるパウエル派とネオコン派との対立

四極対立を浮き彫りにする現代世界
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日帝の武器輸出・自衛隊増強を許すな

ブッシュ政権の意を受けた武器輸出三原則の撤廃

MDシステムの日米共同開発・生産の促進

 十二月三日、小泉政権は武器輸出三原則の「緩和」にかんする官房長官談話(原案)を明らかにした。この談話では、日米共同開発・生産を進めているミサイル防衛(MD)システム関連部品に「緩和対象」を「限定」する、および「テロ・海賊対策」用の武器については「個別検討」で決めるとされている。この方針について小泉政権は、「新防衛計画の大綱」とともに十二月九日の閣議で決定しようとしている。
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沖縄の巨額詐欺犯の正体 昨日まではブクロ派手配師


詐欺事件で保栄茂が逮捕

 オプション取引による儲け話で約五十人から違法に計二億三〇〇〇万円を集めたとして、有限会社「オプション企画」の社長ら八人が、十月十七日、出資法違反容疑で沖縄県警に逮捕された。儲け話に乗せられて多くの人が大金を失い、会社の破綻や家庭崩壊を苦にして自殺に追いこまれた人まで出たことから、この事件は沖縄では一大社会問題となった。
 この逮捕者のなかに、なんと最近までブクロ派の手配師であり、ブクロ派から離反した今は、権力のスパイとしてブクロ官僚と黒い関係をもつ保栄茂宏海(べんひろみ・五十九歳)がいたのだ。
 「オプション企画」社員の保栄茂は、「相談役兼管理員」という名の、勧誘員のリーダー的役割を果たしていた。保栄茂を頭とする「管理員」たちは、「毎月一五%の配当、それが三ヵ月で五〇%の配当になる」というおいしい話≠持ちかけ、出資を渋る人には札束を見せて信用させ、出資金を巻き上げていたという。また、取引での配当実態がないにもかかわらず、「高配当」に見せかけるために、そのようにして巻き上げた金を回していたという。
 こうした手口で集めた金は三一億二〇〇〇万円にものぼり、配当金を含めた被害総額はなんと八〇億円にもなるというのだ。こうしたあこぎきわまりない詐欺の指南役が、ブクロ派の手配師であった保栄茂なのである。

ブクロ派と詐欺企業「八葉グループ」との黒い癒着

走狗集団のなれの果て
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組織討議は私たちをつくる〈源〉だ


リストラに抗した私の奮戦記


A リストラにめげずに歯をくいしばって!

 私はある大手精密工業関係の企業に勤務していたが、ある日突然リストラで、ある事業所に出向を命じられた。
 わが企業労組幹部は「自分のキャリアを深く考え、自分の労働の価値を高めていくために、よく考えてうけとめてください」だと!だからなんだ。首切り・出向をうけとめよ、というのか!!
 私はくやし涙にあけくれる間もなく職場を追いだされた。雑貨品と化粧品とお花を販売する事業所が私の新しい職場。私は生花の販売部門を担わされた。「お花屋さん」といえばきこえはいい。いわゆる女性の憧れの職場などとも世間ではいわれる。女の子なら一度は、大きくなったらお花屋さんになりたい≠ニ思ったこともあるだろう。かつて私も大きな夢をえがいていた*夢見る夢子*だった。
 しかしである。実際の職場の現状は、劣悪きわまりない。働いているのは、私のような二〇〜三〇代の女性がほとんどだ。会社はこの若い女性の憧れ≠ネるものを最大限に利用して嫌ならやめろ! 代わりはごまんといる≠ニ露骨だ。利益追求のためにあの手この手でこき使う。なんの保障もなく、低賃金のうえ人件費削減でさらに賃金は切り下げられ、生活することもままならない。最後はボロ雑巾のように使い捨てられる。職種は違うが、『ああ、野麦峠』というか、さながら現代版『女工哀史』ともいえるだろう。
 なのに、私と同じ年代の若い労働者は、自分の好きなことをやっているから仕方がない≠ニ低賃金でもあきらめている人が多い。身も心もボロボロになってきつくて身体がもたない≠ニ次々に辞めていく。これでは、私たちのような若い女性を消耗品のように使い捨てる会社の思う壺だ。私は、辞めていく労働者を目のまえにしてなにもできない自分が情けなかった。そして、会社は若い労働者をあざ笑うかのように、より劣悪に労働強化を強いてくる。日々、悪くなるばかりの労働条件をただ黙ってみているのが、私は悔しくてたまらなかった。
 しかし、交替制勤務で日々労働者が分断されている現状で、何をどうとりくんでいけばいいのか、仲間と論議し職場の労働者にはたらきかけることをつうじて、私はさまざまなことを学んだ。いまこの場において私が何をなすべきか? 私は仲間との論議ではじめて気づいた。仲間との組織論議をつうじて自分をみつめなおすことができた。

以下、見出し

  我慢大会のような職場

B 組織討議を自己変革のバネに!

  鉄のわっか≠ェはずれた

  もっとやわらかく、心と頭の体操
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早大当局の派兵翼賛を粉砕


11・28「奥・井ノ上追悼フォーラム」

リード

大隈講堂前で奮闘する早大生
(十一月二十八日)
 早稲田大学当局は、「奥・井ノ上1stメモリアル・フォーラム」(十一月二十八日)への自衛隊一等陸佐・佐藤正久(イラク派遣部隊の隊長)の招聘(しょうへい)を土壇場で中止した。「イラクへの自衛隊派遣が国論を二分する議論になっており、慎重に対応することにした」(十一月二十六日、広報課)と称して。
 現在、小泉政権が、ブッシュ政権からの要請に忠実に従って、日本軍のイラク駐留延長を閣議で決定しようとしている。こうした情勢のもとで、イラク派遣部隊長を大隈講堂に講師として招くことをたくらんだのが、早稲田大学の白井=奥島当局にほかならない。だが、この早大当局のイラク派兵翼賛のくわだては、たたかう早大生の果敢な反撃によって、完全に打ち砕かれたのだ。

たたかう学生の追及をおそれサマワ派遣部隊隊長佐藤の招聘を直前に中止

 「フォーラム」当日の十一月二十八日、大隈講堂の入口に立てかけられた看板には、「主催 奥・井ノ上イラク子ども基金」と書かれた下に白い紙が貼られ、「後援 早稲田大学」の文字が消された。早大当局は、理事会で「後援」を取り消すことを決定し、表向きは身を退いた。
 早大総長・白井克彦、副総長・關昭太郎、そして前総長・奥島孝康は「奥・井ノ上イラク子ども基金」の発起人であり、現役自衛官を来校させようとした張本人にほかならない。だが彼らは、学生・教職員の間から澎湃と巻き起こった批判・弾劾に追いつめられ、佐藤の講演中止を「基金」に要請せざるをえなくなったのだ。
 社会科学部自治会をはじめとした早大の学生自治諸団体は、白井=奥島当局の責任回避を許さず、大隈講堂前で、「イラク占領を翼賛する早大当局弾劾! 戦乱のイラクより自衛隊は撤退せよ!」の旗を高だかと掲げて断固として抗議行動をくりひろげた。
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万華鏡

殿中でござる!

仮名手本サンチャゴの意趣返し

時は元禄十五年十二月十四日、
 (じゃなかった)
 つい先月の二十日。
チリの夜風を震わせて
 響くは山鹿流の陣太鼓
 (じゃなかった)
響くは罵声どなり合い。ペンペン
 「通せ! 通さぬか!」
 「いや通しませぬ!」
首都サンチャゴのど真ん中
 光り輝く迎賓館
今や始まる晩餐会
 その会場の入り口で
ブッシュお付のSPと
 チリ警備隊との大喧嘩
 「護衛官入場は遠慮ねがう約束のはず。」
 「俺たちゃブッシュのSPだ。余計な口出しはするな。」
 「今宵はAPEC首脳の晩餐会。各国の待遇に例外は認められませぬ。」
 「三流国が何を言う。通せ、通せェ〜」
 と、両者胸ぐらをつかみ合っての大乱闘。さて、SPが止められたことに気づかぬまま先に宴会場に入っていたブッシュ、声を聞いて目をつりあげます。きびすを返して、SPの方にタッタッタッタ……タキシードに身を包んではいても根はテキサスのカウボーイ。この野郎≠ニばかりにゲンコツをふりかざし、チリの警備隊に殴りかかかる、ぺんぺん
 「何をする、何処のどいつだ。」
 「ドイツじゃない、俺はアメリカ大統領だ。」
 おかげで騒動はエスカレート。超ハチャメチャのrazzle‐dazzle。ブッシュ側近には、「殿中でござる」、と止める者すらおりませぬ。阻止されたSPの襟首をつかんで宴会場に引っ張り入れるブッシュ。これぞホントの力による決着=B
 この大乱闘、一部始終が内外記者団のカメラにしっかりと収められておりました。チリ国内では、髪を振り乱しゲンコツを振りかざしたブッシュの姿が、いく度もいく度もお茶の間のテレビに映しだされたとか。ヤンキー帝国の横暴に、チリ民衆の反発は、いや募りに募る、ペンペン。
 さてこの椿事、ことの起こりは前日にさかのぼります。乱闘の舞台となったAPEC首脳歓迎晩餐会とは別に、ブッシュのための特別晩餐会が、チリ大統領リカルド・ラゴスの主催のもとに二十一日に予定されておりました。その警備について、アメリカ側とチリ側との打ち合わせがまとまったかに見えた十九日、アメリカ側から突然の申し入れ。なんと、チリ側列席者三〇〇人全員を、ブッシュのSPが金属探知機でボディーチェックする、と。これを聞いて激怒したのが大統領ラゴス。わしの選んだ招待客が、信用おけぬと言うのか、と。当然にもアメリカ側の申し入れをけっぽった。ところが……この主催者の拒絶にもかかわらず、アメリカ側は、ボディーチェックをあくまで要求。かくして協議は物別れ。ブッシュ歓迎晩餐会は、閣僚どうしの夕食会に格下げ、実質上中止となったのでございます。
 さァ腹の虫が納まらないのはラゴス。屈辱はらさでおくべきか、と思う心に浮かんだのは、隣国ブラジル・ルラ大統領の快挙であったとか。
 アメリカに入国するブラジル人すべてに写真撮影と指紋採取を義務づけたブッシュに抗議して、ブラジルに入国するアメリカ人観光客すべてに同様の写真撮影と指紋採取を義務づけたのがルラ。このルラのしっぺ返しに、ラテンアメリカ人民は、こぞって拍手大喝采。本年初頭のことでありました。
 ルラに倣ってリベンジを、と考えたラゴス。APEC宴会場に護衛官は入れないとの確認をタテにとり、ブッシュSPの阻止を命じたのでございます。
 さて、ブッシュ訪問中のサンチャゴは、連日連夜のデモ津波。数万の民衆が、「ファルージャの虐殺者・ブッシュは帰れ」の大コール。中には、こんなプラカードも。
「ファルージャよ、ごめんなさい。今度は愚かなアメリカ人を同じ目にあわせてやろう!」
まこと民衆のリベンジは
面子つぶれた政治家の
シッペ返しの比ではなし
ペンペン
反米ひろがる南米の
チリ・サンチャゴの一幕でした
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海陸でボーリング調査阻止行動

 

11・15〜20 沖縄・辺野古
 
海陸でボーリング調査阻止行動
新基地建設に労・学・住民の怒り燃ゆ


 十一月十六日、政府・防衛施設局は一切の反対の声を踏みにじり、ついに辺野古沖への米海兵隊新基地建設に向けた本格的なボーリング調査に踏み切った。
 反対協は、ただちに抗議船とカヌー二十数隻を台風二十五号の接近で荒れる沖合へくりだした。
 他方、テントに座りこんでいた地元住民や労働者も護岸に出て抗議の声をあげる。平和運動センターの代表は、声をかぎりに訴えた。「ボーリング調査をやめろ」「作業船は帰れ」「在沖米海兵隊のイラク出撃を許すな」。

抗議船を先頭にカヌーをつらねて海上阻止闘争に向かう(11月16日、辺野古沖)
   


道共闘 米総領事館に抗議  


11・20札幌

「米軍のイラク人民虐殺弾劾!」
 
 十一月二十日、北大農学部自治会と帯畜大自治会、旭教大自治会を中心とする全学連道共闘のたたかう学生たちは、在札幌アメリカ総領事館にたいして米軍のイラク人民虐殺を弾劾する闘いに断固として決起した。

米軍の蛮行を許すな!(11月20日、札幌米総領事館前)
   


大経大で千名が当局追及
 
 

 
11・18 大経大「自治会選挙妨害=自治破壊粉砕!」

 大経大当局・学生部は、このかん「自治会選挙が不正常におこなわれている」などという許しがたいデマゴギーをふりまき、例年クラス・ゼミで実施している自治会選挙の投票方式について、「学内一ヵ所だけの固定投票所にせよ」などと強権をふりかざして選挙妨害をおこなおうとした。
 たたかう学生たちはこの日、大学当局による自治会選挙妨害=自治会破壊の攻撃をうち砕くために、自治会委員長を先頭に自治会員一〇〇〇名の怒りの対当局抗議行動を戦闘的に貫徹した。政府・文科省に指導され、警察権力とも結託した大経大当局者のもくろみを木っ端みじんに粉砕したのだ。

学生大会で自治破壊反対の特別決議を圧倒的に採択

 この闘いを開始するにあたって、大経大生たちは一二七〇名の参加のもとに学生大会を開催し大成功させた。自治会執行委員会が提案した「経大当局による自治破壊をはねかえし、日本一活発に自治会運動をおしすすめよう!」という運動方針案をめぐって活発な討論をくりひろげ、圧倒的な賛成多数(賛成一二六一)でこの方針を可決したのだ。さらに自治破壊を許さない特別決議を、満場の拍手で採択した。

学生部前広場を埋めつくして怒りの声をあげる大経大生(11月18日)

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