第1847号(2004年12月6日)の内容

<1面>
12・12革共同政治集会に結集せよ
ファルージャ大虐殺弾劾! 今こそイラク反戦の奔流を

<4〜5面>
日本農業の衰退を加速する小泉流「構造改革」
<2面>
イラク人民の闘いを誹謗する志位を弾劾 11・23東大駒場
「ファルージャ人民大虐殺弾劾!」
  福岡米領事館に抗議 11・18写真へ
小牧平和集会で大情宣 11・14
国際反戦デー沖縄集会 10・21写真へ
<3面>
石原の「日の丸・君が代」強制・処分を打ち砕け!
「主義主張を捨てた」残存ブクロ派11・7集会
<6面>
ゆうパックリニューアルで労働強化
暗い郵政職場をひっくりかえそう!
福岡県地公労集会に1500人が決起
Topics 日産自動車で五日間操業停止
<8面>
「党官僚の思想統制」を読んで
うた 服(まつら)はぬ民
新世紀最新号紹介
<7面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
◆みみず(く)のたはこと
◆米露代理選挙
◆潜水遠慮
日和るな、金太郎
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 


































   


12・12革共同政治集会に結集せよ

ファルージャ大虐殺弾劾! 今こそイラク反戦の奔流を

リード

 わが同盟とその指導のもとにたたかう戦闘的労働者・学生は、あらゆる職場・学園において、ブッシュ帝国の暴虐にたいする怒りをたぎらせながらイラク反戦闘争をたたかいぬいてきた。米軍による悪逆無道のファルージャ大虐殺を弾劾するわが同盟の国際アピールは、海を越えてイラク・ムスリム人民に、AFL―CIOの闘争歪曲のもとで呻吟するアメリカの労働者階級に、全世界の労働者・人民にとどろきわたった。
 そればかりではない。日共党内外でたたかうわが仲間は、ムスリム人民の反米闘争に敵対し、「国連中心の解決」なる代案の提起にうつつをぬかす日共中央の犯罪性を断固としてあばきだしてきた。もって日共下部党員・民青同盟員たちに日共中央への造反をうながしてきたのだ。ついに、日本転向スターリニスト党が足元から瓦解しはじめたのだ!
 戦雲たなびく二十一世紀現代世界にあって、わが反スターリン主義革命的左翼の責務はいよいよもって重かつ大である。占領打破・傀儡政権打倒をめざしてたたかうイラク・ムスリム人民と、そして全世界の労働者・人民とあいかたく連帯して、日本の地において〈イラク反戦・反安保、改憲阻止〉の反戦闘争を断固としておしすすめること、これこそが当面するわれわれの第一級の責務にほかならない。この闘いのただなかにおいて、暗黒の二十一世紀を突破する主体的力を創造するために、われわれは今こそもてる力のすべてをふりしぼって奮闘するのでなければならない。
 すべての労働者・学生は、首都・東京において開催される12・12革共同政治集会に結集せよ!

見出し

中洋イスラム圏に牙をむくブッシュ政権

ムスリム人民の果敢な反米闘争

ブッシュ帝国に対抗する仏・露・中

日本国軍の派遣延長を策す忠犬ポチ公

イラク反戦闘争の国際的波及を!
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日本農業の衰退を加速する小泉流「構造改革」

深刻化する対米依存と政治経済構造の奇型化

一 農政審「中間報告」――零細農家の一気の切り捨て

二 衰退一途の日本農業

三 空理空論の「農業経営安定化」策


 小泉式「構造改革」を新自由主義の立場にたって基礎づけている本間正義(東大教授)は日本の農業政策について次のように語る。
 「WTO交渉において止めようのない国際化の流れの中で、国内農政の目標として食料自給率の向上をかかげることはやめるべきである」と。前農水相・亀井が「農政改革基本構想」においてかかげており、「新農業基本法」においてはもちろん、第一の課題としてかかげられてきた「食料自給率」の向上という目標などはひきおろすべきであるというのだ。そして、食料安全保障にかかわる問題は「軍事やエネルギーの問題と同様、総合安全保障の一環と位置づけ、有事法制の中に組み込むべきである」(「日本経済新聞」七月十五日付)というのだ。
 このような主張においては、日本人に長きにわたってコメを中心とする食料を供給し文字通り日本の生命線≠果たしてきた農業をどのようにして維持し存続させるのかというような発想は毛頭ない。「食料自給率の向上」という名のもとに多くの零細農家を保護するような政策はただちに破棄し、農産物の生産も他の工業製品などと同様に「市場原理」にもとづいておこなえばいいのだというわけである。その結果として、多くの農家が淘汰されてしまうことは、「市場原理」にもとづくかぎり当然のことであると発想しているのが新自由主義者・本間なのである。
 「食料・農業・農村基本計画」の改訂にむけてうちだされた「中間報告」、その根幹につらぬかれているのは、まさにこうした小泉=本間式の新自由主義の発想であり「市場原理」重視にほかならない。小農保護政策によってかろうじて延命してきた家族経営中心の日本農業に右のような考えにもとづく諸政策を貫徹するならば、農業が壊滅的な打撃をうけるのは必定である。
 まさに悪魔の「構造改革」! 日本労働者・農民・勤労人民は、今こそ反撃の闘いに起ちあがるのでなければならない。
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ネオ・ファシスト石原の「日の丸・君が代」強制・処分を打ち砕け!

「五項目合意」にしがみつく日教組本部を弾劾して闘おう

教育労働者委員会


リード
 都高教をはじめとするたたかう教育労働者がつくりだした「処分粉砕」闘争の大きなうねりは、いまネオ・ファシスト石原都知事と横山教育長の足下を大きく揺さぶっている。
 追いつめられ牙をむいた彼らはいま、来春の卒・入学式において「日の丸」掲揚・「君が代」起立斉唱を教育労働者に無理強いするために、各校長に新たな職務命令を出すように強力≠ノ指導している。「五年、十年先になったら、首をすくめて眺めている地方も、全部東京のまねをすることになる」と石原は豪語した。事実、埼玉・神奈川などの地方自治体首長も、あいついで「右にならえ」式に、処分をちらつかせて「日の丸・君が代」を教育労働者に強制する意志を表明したのだ。
 教育現場ではたらくすべての労働者のみなさん!「日の丸・君が代」強制・大量懲戒処分を粉砕し、教育基本法と憲法の改悪を阻止する闘いを、全国のたたかう仲間の最先頭において東京からつくりだそうではないか。

以下、見だし

来春卒・入学式に向けての強制攻撃・教組破壊を許すな

強制反対・処分撤回闘争を放棄する日教組本部をのりこえ闘おう

〈石原教育行政の防衛隊〉と化した中核派の闘争破壊を許すな!

教基法・憲法改悪を阻止しよう!
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「主義主張を捨てた」残存ブクロ派11・7集会

リード
 残存ブクロ派・中野一派が、「駄馬労」など三労組をおしたてておこなった「11・7労働者集会」なるものは、彼ら残存ブクロ派の完全な崩壊ぶりをさししめすものとなった。

本文(部分)

噴飯ものの「国際連帯」

 ファルージャを包囲した米軍が、ムスリム人民を皆殺しにする攻撃に突入しようとしていた十一月七日。そのとき、走狗集団・残存ブクロ派は、一体なにをやっていたのか。「ハーイ、みなさぁーん! 元気ィー! タタカウ労働組合のネットワークをつくるんでショー」というノリで、司会の男がきりだす。だが、拍手もない。掛け声もでない。
 いちだんと声をはりあげて、司会が叫ぶ。「韓国の労働者とともに律動を」「アメリカの労働者に熱い連帯をこめてスタンディング・オベーションで応えましょう」。
 参加者を立たせて盛りあげようとして、音頭をとってはみたものの、立つのは主催者の駄馬とその周辺だけ。
 司会が、アメリカや韓国の労働者を登壇させ、挨拶させる。だが参加者は、壇上なんかそっちのけで、知り合いを見つけては、「久しぶりィ」とかけよる。まるで同窓会だ。
 舞台の袖にいる官僚は、気もそぞろ。昨年の「労働者集会」で「アメリカでもっとも戦闘的なILWU(国際港湾倉庫労組)代表」ともちあげ発言させたスティーブ・ゼルツァーが、「CIAのスパイだ」とその正体をわが同盟に暴露されたことが、頭から離れない。(本紙第一八一〇号参照)
 国内では労働戦線に足はなく誰からも相手にされない彼らは、今年も国際連帯≠目玉にするしかない。ゼルツァーの代わりに六人もアメリカから呼び、数でごまかすという見え透いた手口をつかったのだ。
 米軍によるファルージャのジェノサイドという世紀の蛮行がおこなわれようとしていたまさにそのときに、弾劾の声どころか、一言もふれることはなかった。イラク反戦のイの字もない、彼らの「国際連帯」なるもののインチキ性がしめされているではないか。

ブクロ=中核派色の清算に躍起

 この残存中野一派の「国際連帯」のインチキ性を漫画的に象徴したのが、「MWM(ミリオン・ワーカーズ・マーチ)動労千葉派遣団」の一員としてアメリカへ行った、ブクロ派分子の発言だ。
 「アメリカの労働者はふつうの生活を望んでいる。だからこそ、主義主張を捨てて団結しよう、というのが、MWMの精神。もういまや、主義主張なんて頭の固い考えは捨ててしまいましょう。」
 「ヨーシ。俺たちはもう捨ててるゾ!」駄馬の席から拍手がおこる。
 この男が「主義主張を捨てる」とことさらに述べたのは、ポンタ・シミタケ色を残した残存ブクロ=中核派をイデオロギーだけではなく、実体的にもきれいさっぱり最後的に清算し、右翼的な労働運動の交流センターへと純化するためなのである。
 〔この男の発言があまりにもアケスケでまずいと考えた中野一派は、「主義・主張を超えて」と改ざんして、スパイ通信「前進」第二一七五号に掲載したのだ。〕

以下、小見出し

「ワールド アクション」型運動の破産の弥縫

瓦解する関西残存ブクロ派

労働運動団体≠ヨの転身策が大パンク
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服(まつら)はぬ民
 
     梅 里 酔 侯

洋鬼(侵略者)に服はぬ民 天(あま)翔(かけ)り
甦るがに ※天(あま)津(つ)甕(みか)星(ほし)

 ※「記紀神話」――天孫による征服=侵略に最後まで抗った星の神の名。土着の民を象徴しているという伝承がある。金星の別称とされている。

漆黒の砂漠の空ゆ星降(ふ)りて
闇に抗ひ光輝はじけむ


幽(かそ)けさのかぎりまたたく明(あけの)星(ほし)
殉教とげし戦士(ムジャヒディン)にかあらむ

逆(げき)浪(ろう)の魂呼ぶ※アザーン殷殷と
空にたゆたふラマダンの夜明け

 ※礼拝の時を告げる詠唱

ラマダンの静寂(しじま)破りてコーランを
誦(ず)す哭(ね)聞ゆ 抵抗の詩


屍抱き憤怒たぎりて抗ふ魂
砂噛む民に増さるあらめや

刀狩り、武装せる民したたかに
毀(こぼ)ちし武器積み 資金(一二〇万ドル) 稼ぎぬ。

同胞に誅滅されしアラウィ軍
洋鬼の下僕因果応報

点と点 結べぬ糸に兵気萎ゆ
蛮心あふり無辜の民爆殺

大気裂き軍営(サマワ基地)直撃ロケット弾
恐(こわ)げ立つ兵さらに穴堀り

汝が庵(基地)は都の午方(みなみ)死苦ぞ棲む
世に様悪(サマーワ)しと人のいふらむ


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新世紀 The Communist 
第214号 2005年1月  最新号紹介

宇野経済学は真に継承されたか

イラク激動、荒れる学校…… 暗黒の時代を突き破る道は


 本号は、「経済学研究の前進のために」と題する特集を冒頭に組んだ。「デフォルメされた大内力像」(小山田育生)は、八十六歳になる宇野派の総帥が残した理論的遺言ともいうべき回顧録『埋(うずめ)火(び)』、その書評という形式をとりつつ、大内力と宇野派の過去と現在をすべて総括した力作である。インタビューに臨んだ大内の弟子たちが質問しなかったこと、師に絶対に聞いておくべきだったことについて、筆者はぐいぐいと追究してゆく。宇野三段階論の歴史主義的歪曲が、なぜ、いかになされたのか。わが革命的左翼が学んできた大内の国家独占資本主義論は、宇野派においてなぜ理解されなかったのか。大内がソ連型「社会主義」の虚偽性を暴きだせなかったのは何故か。これらの諸問題の追究をつうじて、宇野経済学の成果を継承するものはわれわれ以外にないことを、筆者は明らかにする。
 戦後日本の三大論争のひとつである価値論論争に独自の観点から加わった遊部久蔵が、スターリン経済学論文に屈服した後にみずから絶版にしてしまった『価値論と史的唯物論』。この幻の書≠ノ正面からとりくんだ研究ノートが、「悲劇の経済学者―遊部久蔵」(藤田友子)である。筆者はこの著書を、『資本論』研究者としての「最後の輝き」をしめしたものと評価する。若き遊部が『資本論』解釈の数かずの俗説(冒頭商品を単純商品とみなす謬論など)を批判しえた方法的根拠は何か。それは、ヘーゲル弁証法を改作した武市健人の<正と正′>の論理を適用した点にある。とはいえ、ヘーゲル的論理の適用による解釈の緻密化という彼の立場と方法によっては、スターリニスト経済学をのりこえることはできない。――筆者はこれらのことを明らかにする。
 ブッシュ帝国の暴走にもかかわらず、全世界の、そして日本の反対運動はあまりにも弱よわしい。この屈辱的現実を根底から覆すべく、10・24労学統一行動にむけてわが闘いの指針を解明したのが、「反戦・反安保、改憲阻止の闘いの高揚を」(中央学生組織委員会)である。ムスリム人民との連帯を唯一かかげているわが闘いの指針の革命性が鮮明になっている。
 「原油高・金融破綻下の日本経済」(河原田久)は、UFJホールディングスの破綻と原油高という二つの事態に直撃されて再び不況の様相を濃厚にしつつある日本経済の現局面を浮き彫りにしている。デジタル家電や自動車などの部門で国際競争力を回復した根拠として、セル生産方式への切り換えなどを分析するとともに、原油高のもとでの米・中・日同時不況の到来によって、これらの方策も限界に達するであろうことを明らかにしている。あわせ掲載した「エンジン生産への『セル生産方式』の導入」(船戸櫂)とともに検討されたい。
 ◇ ◇ ◇
 小特集「学校で何が起きているか」は、教育現場の驚くべき実態を伝える迫真のレポートである。「学校現場は日本社会の縮図」(夏山晶)では、勉強ずくめの子どもの「ライフハザード」と、「学級崩壊」に直面する教師の苦悩が、子育てを破綻させた日本社会の縮図として描きだされている。習熟度別教育や学校民営化によってこの傾向に拍車をかける石原教育改革を、筆者は激しく弾劾する。さらに、「子どもたちのライフハザード」を象徴する悲惨な事件の分析をつうじて、この問題を掘り下げたのが、「佐世保女児殺害事件が照らし出したもの」(西海憂志)である。
 社会的荒廃のかつてない進行のゆえの凶悪犯罪の増加。この条件を利用しながら、「テロ対策」を直接の口実として、治安弾圧体制と国民監視体制を一挙に強化しようとしているのが小泉政権である。この問題については、「『テロ対策』を口実とした治安弾圧体制の強化」(皆田恭作)と「生体認証技術を活用した人民監視」(照山光樹)の二論文を掲載。
 国家権力の走狗として使い捨てにされて久しいブクロ=中核派残党の惨状を暴きだしつつ、われわれは彼らの延命策の一切を断ち切ってきた。ブクロ派中央を制圧した中野一派の、組織を丸ごと労働組合主義者の組織に改造するための術策を、レーニンを労働組合主義者にしたてあげる珍「理論」とともに暴きだしたのが、「『党の革命』の破綻にあえぐブクロ派残党」(渋沢玄太朗)である。
 本号は、内部理論闘争の成果をも掲載した。「教育労働者組織化の論理の探究」(山田悦太郎)は、本誌第二一二号に掲載した波多野論文(「荒れる『子ども―教師』関係を変えるために」)が特異な教育実践主義に陥っていることを明らかにし、その理論的誤謬の克服をめざしたものである。
 最後に、柳美里の長編小説『8月の果て』を論じた文芸評論、「現在に隆起する歴史」(斜里勝)を掲載する。小説の中心テーマとしての「恨」、それが朝鮮固有のメンタリティーとしてどのような特質をもつのかを論じている。
 再選されたブッシュの政権によるファルージャ総攻撃によって、ますます暗黒の様相を深める現代世界。この現実に怒りをもやし日々奮闘している労働者・学生に、『新世紀』第二一四号を贈る。
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日和るな、金太郎


のさばる右翼 許すな、言論弾圧

 「サラリーマン金太郎」などで有名な漫画家・本宮ひろ志が歴史漫画「国が燃える」(『週刊ヤングジャンプ』連載)で南京大虐殺をリアルに描いた。これにたいする右翼の圧力によってこの漫画は休載に追いこまれた。発売元の集英社は十一月十一日発売号におわび≠掲載、単行本化に際しては二十一頁分の削除・修正をおこなうという。
 折りも折り、米軍のイラク占領と大量人民虐殺、これに加担する小泉政権が兵をサマワに送っている。このときに、「これが……日本人の……正体か!!」と皇軍の悪業を暴いたことが権力者どもの逆鱗にふれたのだ。この事件はまぎれもなく、「日の丸・君が代」強制と軌を一にした言論弾圧事件いがいのなにものでもない。
 「国が燃える」第八十八話(同誌九月二十二日号)では、南京に入城した日本軍が捕虜や民間人を一列に並べ刀でメッタ切りにする場面や「百人斬り」競争の場面など、戦慄の大量虐殺シーンが迫力をもって描かれている。「南京では、人類が絶対に忘れてはならない日本軍による愚行があった」と、扉ページには主人公(=作者)のメッセージも記されている。単行本の解説の中でも、昭和初期と現在の日本がよく似ていると本宮は語っているという。
 この有名漫画家の政治的メッセージにたいして、右翼分子がからんできた。
 九月二十二日号が書店の店頭に並んだその直後から、インターネット上には「本宮ひろ志が南京事件をねつ造」といった書き込みが現われ、「作者と集英社に抗議を!」という呼びかけがはじまった。「民族派」の「国民新聞」の編集委員を名のる輩が中心になって、「集英社の不買運動を検討する会」やら「本宮ひろ志の歴史偽造を糾弾する会」やらを立ち上げた。これと連携して、石原都政下で小中高校への「日の丸・君が代」おしつけの尖兵役を果してきた大田区や杉並区の保守系区議らも「集英社問題を考える地方議員の会」とやらを立ち上げた。彼らは何度も何度も集英社に抗議に押しかけ、右翼団体も街宣車で押しかけたという。
 この連中の抗議≠フ内容は言わずと知れている。「本宮が参考にした資料などズサン極まりない」「完全な空想で歴史の事実とはまったく無縁」「〔虐殺は〕ないという強力な証拠がある」(「抗議文」)などというシロモノ。ひところのような三十万人虐殺説(中国政府)も二十数万人虐殺説(日本の歴史学者)も多すぎる、せいぜい四万人位だ=i秦(はた)郁彦など)といった、虐殺の数を少なくおしだすネガティブ反論≠ニは次元が違う。この連中は、南京大虐殺は「完全な虚構」だと強弁して、歴史上から完全に抹消しようとしているのだ。
 こうした徒輩が、西尾や藤岡ら「新しい歴史教科書をつくる会」やこの教科書を採用した石原慎太郎・東京都教委の連中とむすびついていることは明らかだ。「つくる会」は、南京大虐殺や朝鮮人強制連行、従軍慰安婦などを「日本を糾弾するために捏造された嘘」などとみずからの〇五年度検定申請教科書において誇って≠「るほどなのだから。
 だが、血塗られた歴史を消すことはできない!
 「この日我が支隊のみにて二万以上の敵は解決されている筈である。その後、俘虜続々投降し来たり数千に達す、片はしより殺戮する。」(第一六師団佐々木支隊長日記)
 「一日に千人もの女性が強姦され、占領初期には控えめにみても八〇〇〇人の女性が強姦され、翌年の二、三月まで何万という女性が強姦された。」(金陵大学マイナー・ベイツ教授の手紙)
 「上海から来信、南京における我が軍の暴状を詳報し来る。掠奪、強姦、目もあてられぬ惨状とある。ああこれが皇軍か。」(日本外交官石射猪太郎の日記)
 こうした証言に知らん顔をして口を開けば「デマだ」「虚構だ」とワメく徒輩が学んでいるのは、「嘘も百遍言えば真実になる」というヒトラーの御託宣だけ。それもそのはず。「自衛隊がいる所が非戦闘地域」なんていう詭弁を弄する首相が元締めだから。「昭和初期と似ている」――しかり。集英社は腰くだけだが、のさばる右翼を許すな。日和るな、金太郎。
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「ファルージャ人民大虐殺弾劾!」

福岡アメリカ領事館に抗議

  

 「ファルージャ人民大虐殺弾劾!」鹿大生が福岡アメリカ領事館に抗議(11月18日)
   


国際反戦デー沖縄集会 10・21


 10・21国際反戦デー沖縄集会。米軍司令部に怒りの拳

米軍ヘリ飛行再開に抗議して沖縄のたたかう学生が労働者とともに決起(10月13日、米軍石平司令部前)

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