第1840号(2004年10月18日)の内容

<1面>
日本の「対テロ戦」中枢基地化反対!
<4面>
「国連憲章尊重」をタテとした改憲論
反人民的本性をむきだす岡田民主党

<2面>
沖縄県民大集会で闘う学生が奮闘(10・2)(写真へ)
県学連・反戦が普天間基地へデモ(9・23)
(写真へ)
死の商人の意を体した安保懇報告
美浜原発事故「中間報告」の欺瞞
<5面>
ドイツ「週35時間労働制」の崩壊
<6面>
9条否定にふみこんだ自治労本部
―第75回定期大会―
教基法改悪ストップ全国集会(9・18)
Topics 厚生労働省の概算要求
<7面>
「運動づくりと組織づくりの弁証法」の意義をかみしめる
<8面>
「RMG―KK通信」を読んで
うた 柔靱なる抵抗
同志甲斐の遺志を受け継いで頑張るぞ!
<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
フセイン脈
◆ノー・ゴー・ゾーン
◆ブラックボックス化
◆安保の首輪

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 


































   


日本の「対テロ戦」中枢基地化反対!

「改憲」を唱える「連合」中央を弾劾し10・24闘争の高揚をかちとれ


米傀儡政権へのテコ入れ――イラク復興支援国会議

 十月十三〜十四日に、東京において「イラク復興支援国会議」が開催される。アメリカ傀儡アラウィ政権を支援するために、かつ国連安保理常任理事国の一員に加わるにふさわしい政治大国≠ニしての役割を果たすという思惑をもこめて、首相・小泉はブッシュ政権との腹合わせのもとに、この会議を主宰しようとしている。
 イラク軍事占領支配の全面的破綻の危機に焦るブッシュ政権は、アラウィ政権を支え、展望喪失に陥っている来年一月のイラク国民議会選挙をなんとか実施するために、各国権力者から政治的・経済的支援の約束をとりつけることに必死になっている。そのためにこそ、小泉をつき従えアラウィ政権を前面に押し立てつつ、今回の支援国会議を開こうとしているのだ。
 イラクで軍事的大打撃を被っているアメリカが水利・電力インフラ用のイラク復興予算のうち三四億六〇〇〇万ドルを治安対策と石油増産に転用したことから、この穴埋めを含めた資金援助をしてくれと、アラウィは各国代表に泣きついている。
 これにたいして小泉は、この会議において多国籍軍の一員としての日本国軍の活躍≠宣伝し約四億ドルの無償資金援助(すでに約束ずみの五〇億ドルに加えて)の追加を発表することを決めている。ブッシュと瓜二つの演説しかできないほどのあやつり人形=アラウィ(本紙第一八三九号三面参照)の「イラクは自由になった」という嘘八百に拍手し、彼を支えているのが、日米軍事同盟の首輪をつけた忠犬=小泉なのである。
 一日平均百件以上にのぼるイラク全土での反米ムスリム武装勢力のゲリラ攻撃、これに恐れをなして、アメリカの「友邦同盟」諸国が次々と撤退するなかで、小泉は、日本国軍のイラク駐留延長をブッシュに約束した(九月二十一日)。オランダもポーランドもすでに撤退を表明した。千名以上の軍隊で残ったのは米・英・伊・日・韓の多国籍ならぬ少国籍軍≠ナあり、そのうちイタリアのベルルスコーニ・ネオファシスト政権も、人質事件を契機にして撤兵要求のデモに揺さぶられている。アメリカによる侵略と占領という料理のあとの皿洗い≠フ募集には、誰も応じようとはしない。いまや「友邦同盟」は瓦解し、政権崩壊寸前のブレア――「EUの一員」として仏・独にすりよりブッシュ政権と距離をおきはじめている――とともに小泉のみが、ハーケンクロイツ同盟≠フ契りにかけて、忠実にブッシュを支えているのである。

米軍占領の全面破綻

 ベトナム戦争の最終局面(サイゴン陥落)と同じように、反米レジスタンスの高揚にゆさぶられてイラクの米軍兵士は戦意を失い、戦局は一気に米軍敗退へと向かっている。すでに、米英軍主導の軍事占領は崩壊状態である。スンナ派三角地帯はいうに及ばず、北部タルアファルやバクバなどもムスリム武装勢力の解放区となり、首都バグダッドでも中心部のハイファ通りを武器をもって闊歩する武装勢力を警官は黙認し、住民は共感し支援している。シーア派のサドル派の拠点サドルシティーやナジャフでも、マフディ軍が米軍のたび重なる襲撃をはね返し市街を要塞化している。米軍の基地として使われているバグダッド空港さえも、サダム軍残党のミサイル攻撃によって二日間の閉鎖に追いこまれた。さらなるゲリラの猛攻撃によって米軍は、いまや八ヵ所の基地のうちバグダッド南方の米軍基地からも完全撤退・遁走した。アメリカ大使ネグロポンテ直轄のアラウィ政権は、グリーンゾーンの塀の中に閉じこもる塀の中の政府≠ナしかない。
 「米傀儡のアラウィ政権を打倒せよ!」という声はイラク人民のなかに、いまや熱く広くこだましている。反米アラブ民族主義とイラク愛国主義にのっとって、スンナ派武装勢力やサダム派の残党さらにはマフディ軍が、イラク人民の共感と支持をうけつつ、多国籍軍とイラク軍・イラク警察を攻撃し、傀儡政権の閣僚の殺害や外国人への人質作戦を展開し、また石油パイプラインを爆破している。
 こうしたイラク人民の反占領・反米の果敢なゲリラ闘争に直撃され軍事的敗北を喫しているがゆえに、米国防長官ラムズフェルドは「イラク全土の五分の四か四分の三」でしか選挙ができないかもしれない、と認めざるをえず、国務長官パウエルも「情勢は悪化している」と嘆いた。「イラク民主化プロセス」と称する「民主化」計画を形だけでも進めるためにブッシュ政権は、来年一月の選挙を実施することをたくらんでいる。ところが、シーア派の大アヤトラ・シスターニ師が、「〔公正な選挙〕のための規定と条件が不適当」というように、米占領軍・アラウィ政権を揺さぶっている。もし民主的≠ネ選挙がおこなわれるならば、シスターニ師率いるシーア派主導政権ができるであろう。このことをブッシュ政権は恐れているのだ。
 まさに政治的にも軍事的にも窮地にたたされた米占領軍は、反米武装勢力の拠点とみなした街々を狂気のごとく空爆し焼きうちし戦車で砲撃している。ファルージャはくりかえしくりかえし米軍による憎悪の爆撃を受けている。サマラでは電気も水道も破壊され、米軍の狙撃兵が、近づく住民を片っ端から銃撃している。このゆえに、爆撃によって手足をもがれた子供たちの遺体を路上から運ぶことさえできないでいる。
 これにたいしてイラク・イスラム聖職者協会は、「サマラで無実の市民が数多く殺された」ことを怒りに燃えて弾劾し、全都市にこの攻撃が広げられるならば「聖戦を呼びかける宗教令(ファトワ)を出す」と宣言した。
 それだけではない。ブッシュ政権のイラク「民主化」計画も「拡大中東・北アフリカ構想」も、その破産が露わになっている。
 「開戦当時大量破壊兵器はなかった」(米調査団報告書)というイラク侵略の「大義」の消滅。劣化ウラン弾をもまきちらしたイラク人民大虐殺。アブグレイブ刑務所での拷問・虐待。イスラム文化の破壊・蹂躙。米軍の戦死者・傷病兵の増大。ヤンキー流新自由主義的経済政策の強引なアテハメにもとづくイラク戦後復興の大破産――国営企業の解体による大量失業、これにたいする人民の反発の高まり。――すでに「イラク民主化」なるものは、大破綻をつきつけられているのだ。
 ブッシュに支えられたイスラエルのシャロン政権は、パレスチナ人民を分離壁に囲まれた収容所≠ノおしこめたばかりではなく、いままたガザ地区に戦車部隊を侵攻させ、難民キャンプを血の海に沈めている。これに抗してパレスチナ人民は、イラクで反占領・反米のゲリラ闘争をたたかうムスリム人民と連帯しつつ、反米・反シオニズムの抵抗闘争をたたかっている。いま中東・中洋イスラム圏に反米の闘いが燃え広がっている。

最期を迎えたブッシュ政権

「対テロ戦」のための米軍再編

侵略戦争を担いうる日本国軍への飛躍

〈反戦・反安保・反改憲〉の闘いの高揚を!
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「国連憲章尊重」をタテとした改憲論

反人民的本性をむきだす岡田民主党



見出し

T 国連決議があれば無制限に「海外での武力行使」

U 対米自立℃u向のおしだし

V 「国連憲章」による改憲の正当化

W 「脱官僚」の名による首相専決体制の構築


X 改憲の先兵を任ずる民主党「連合」労働貴族を弾劾せよ

リード
 「幕下力士がけたぐりで横綱を倒すのではなく、みずから横綱になり、土俵の外に投げ飛ばす」――民主党代表に再任された岡田克也は、第二次小泉改造内閣が発足したその日(九月二十七日)に、相撲にたとえて政権交代の決意を強調した。この岡田が、民主党を真の改革の党≠ニして売り出す思惑をこめて掲げているのが、「国連決議がある場合には日本の海外における武力行使を可能にする」ために憲法を「改正」すべきだという改憲論にほかならない。
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フセイン脈

 
かかるなら心療内科


 九月三十日夜、ロンドンにある名だたる心臓内科の専門病院の診察室。
患者 どうもこのごろ動悸がして、不整脈が……。
医師 どれどれ……、うん相当脈が乱れていますなあ。相当お疲れと見える。何か心当たりでも。
患者 いや、あの、そのっ、ボクのプライバシーだから……。
医師 ストレス・疲労が重なっておられるようで。よければ悩みの原因を話されたら。
患者 ……実は、二十六日から今日まで五日間の労働党大会のことなんだけど。もう初日から「イラク戦争反対、駐留英軍早期撤退」の動議が出ちゃって、これを四大労組の役員どもが支持すると言い出したんだ。しかも大会恒例のボクの演説最中に誰かが野次りだしたんだ。「お前の手は血塗られている」と。そしてブーイング……。モー、ユルセナイッ!
医師 まあまあ、そう興奮なさらずに。
患者 はい、すいません。思い出すとつい……。聞くところによると、大会二日目に会場近くのホテルで開いたボクのシンクタンクの討論会でもあったらしいんだ。イラク特使をやってもらったグリーンストック君が「イラクから逃げ出してはならない。テロに屈したらイギリス本土までやられてしまう」と発言した。そうしたら「あなた方は昔の帝国主義者と変わらない。高価なスーツ姿でそういうことをいう連中はイラク人の敵だ」なんて。ウーン、いまいましい守旧派め。ボクの党は、せっかく「ニューレイバー(新しい労働党)」に衣替えしたのに……。大会三日目の演説当日、会場の外では、「キツネ狩り禁止法案撤回」を要求する八〇〇〇人のデモ。「ブレアは、人殺しは好きだがキツネを殺すのは嫌い」なんていうんだ。
医師 そういえば、あなた、アメリカといっしょに「砂漠の狐作戦」とかいって野蛮なイラク空爆やったでしょう。いささかブレてはいませんか。精神が分裂ぎみですね。
患者 いや、あっちのは悪いキツネ、いや、タヌキか?……うっ、心臓が……。
医師 なるほど、労働党の分裂は避けたいが、ブッシュさんとの縁は切るわけにはいかず。ハムレットの心境ですかな。だったらですな、素直にあなたの悩みを国民の前で言えば同情も買うことになりましょうに。
患者 でもドクター。それが逆効果だったんだ。ボクも以前は、アホでマヌケなブッシュ君に知恵を貸したりもし、「大量破壊兵器の情報は間違いだったが、フセイン排除で世界は安全になった。」と必死に訴えてきたんだ。だけどこんな小手先じゃ亀裂は深まるばかり。だから今回の演説じゃ、「多くの人びとが戦争に反対しているのは知っている。ボクをブッシュのプードル犬などとペットあつかいしている連中がいるのも知っている」と悩める胸の内を告白したんだ。ところが元閣僚の反乱分子たちはなんと言ったと思う。「謝罪になっていない」(前国際開発相ショート)、「イラク戦争は間違っていたと謝罪せよ。二度と英国民を先制攻撃の戦争に巻き込まないことを約束せよ」(前外相クック)ときやがったんだ。なんてことだ。あ、また不整脈が……
医師 あなたはですな、不整脈というよりは不正脈。心臓内科より心療内科にいかれた方がふさわしいようですな。心臓に取り返しのつかない爆弾を抱え込んでしまったようだ。いまからでも遅くない。この病を治すためには、イラクからの英軍撤退しかない。これは医師としての私の忠告です。
患者 ダーマラッシャイ、たかが医師の分際で。そうはいかないんだ。ようやく最終日の今日、イラク撤兵動議を、支持していた労組幹部連中を抱きこんで否決させたんだ。「八〇年代の万年野党の惨めな時代に戻りたいのか」ってね。でも、これはあくまで妥協なんだ。外相のストロー君に、「国連決議にそって、来年十二月までは駐留する(以後撤退)」という線で交渉させ、矛をおさめさせたのさ。たとえ綱渡りといわれようがボクは三期目も続ける。
医師 そんなこと言っても労働党の支持率は下がるばかり。保守党32%、自由民主党29%で労働党は28%、と過去二十一年間ではじめて最下位。上がるのはアナタの血圧だけ。このままでは来年五月の総選挙で政権そのものが……。
患者 エーイウルサ〜イ。ウウッまた心臓が……。
医師 イラクの人びとの血をすすったあなたは、どうもその血が体内で逆流し、心臓を射抜かれているようだ。自業自得と心得なさい。あなたのような人を治療することが果たして医師の倫理に沿うものかどうか。
患者 ド、ド、ドクター……。
医師 これはフセイン脈≠ナすな。
 かくして患者は、十月一日入院。ブレアの心臓は、逆巻くムスリム人民の怒りと全世界のプロレタリアート人民の鉄槌でやがて破裂するに違いない。

空爆に手足もがれし
民〔ムスリム〕の呪ひ
吸血鬼らの心臓撃ち抜く
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うた 柔靱なる抵抗

血と泥に染まるカフィーヤ覆ふ頬
深きえぐりて憤怒きざみし

ムスリムの誓ひ貫く柔靱の魂
汝れ亡き(殉教)後も抵抗つづけむ

聖廟に籠りて祈るムスリムの
大義導く戦ひの朝(あした)

洋鬼に屈従しひる傀儡を
倒す火群(ほむら)は燃えさかりけり

アッラーに身を包まれて洋鬼討つ
失ふものなきムスリムの民

アラウィ(傀儡政権)は虎の威を藉る狐とぞ
占領拒む民衆靡(なび)かず
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たたかう労働者と連帯し那覇市街地を意気高くデモ(10月2日)


 十月二日に沖縄の那覇市において「普天間基地の即時閉鎖と辺野古への移設反対を訴える県民大集会」(主催・基地の県内移設に反対する県民会議)が開催され、三五〇〇名の労働者・学生・住民が結集した。琉球大学・沖縄国際大学のたたかう学生たちは、東京からかけつけた早稲田大学の仲間たちとともに、<反安保>の旗高く奮闘した。 

  

普天間基地第二ゲートに進撃(九月二十三日、宜野湾市)


 日米首脳会談(九月二十一日)においてブッシュとその忠犬・小泉が「地元」への「負担軽減」などとうそぶきながら、在沖・在日米軍の再編・強化を確認した。これへの怒りに燃えて沖縄の反戦労働者委員会の労働者と県学連の学生一五〇名は、9・23労学統一行動に勇躍決起した。

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