第1829号(2004年7月26日)の内容

<1面>
今日版大政翼賛会下の改憲・ネオファシズム反動攻撃を粉砕せよ
<4面>
エンジン生産部門への「セル生産方式」の導入生き残りをはかる造船重機独占体
<2面>
浜大樹現地闘争(7・6道共闘)写真へ
反戦学生WALK(7・4大阪)写真へ
使用済み核燃料コスト試算隠蔽弾劾
<5面>
シャロンの人民大虐殺とパレスチナ急進派の闘い(下)
<6面>
シリーズ郵政生き地獄(12) 俺たちは機械やロボットじゃない!
アメリカ公正労働基準法の改悪
Topics 「医療費抑制」をがなる米大企業
<7面>
北教組第115回定期大会 道教委・文科省の反動的諸政策と対決
NTT労働者が昼休みに自殺
<8面>
私の《いま・ここ》
『黒田寛一のレーベンと為事』を読んで
「ニヒリズムと平和への意志」を読んで
<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
◆パラノイア
◆逆「聖戦」?
◆「韓流」ブームの裏面
◆「新欧州」の落日
◆アテネの戦い

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 


































    


今日版大政翼賛会下の改憲・ネオファシズム反動攻撃を粉砕せよ


破産しつくした日共中央をのりこえ反戦・反安保・改憲阻止の戦線の構築を


「多国籍軍」参加・年金改悪への労働者・人民の怒りの噴出

 今回の参院選において小泉を総裁とする自民党は、低めに設定した五十一議席の目標を下回り(四十九議席)、公明党を加えた連立与党の合計でも改選議席数(一二一)の過半数を得ることができず、第一党(改選分)の座を民主党に奪われた。ブッシュとの首脳会談の場で独断専行で表明した「多国籍軍」への日本国軍の参加、みずからの年金加入歴・未払いをごまかして「人生いろいろ、会社もいろいろ」と居直ったあげくに強行した年金改悪法案の採決、等々。――これらにたいする労働者・人民の不信と怒りが、自民党支持票の激減(一六八〇万票)、民主党支持票の大幅増(二一〇〇万票)となってあらわれた。なによりも、この「多国籍軍」参加と年金改悪にたいする勤労大衆の不信が、また強気を助け弱気を挫く%燻タの「構造改革」への勤労大衆の怒りこそが、小泉自民党の凋落を決定づけたのである。
 選挙戦中盤において、大手マスコミ調査によって議席大幅減という予想が流されたことに危機感を強めた小泉ら自民党執行部は、公明党・創価学会に泣きつき、十選挙区でなりふりかまわずに比例区の票をバーターしてまで、全面的な支援をあおいだ。公明党の支援がなければ、自民党の獲得議席は四十そこそこだったといわれるほどに、自民党は実質においては橋本龍太郎が退陣を余儀なくされた九八年参院選(自民党は四十四議席)以上の惨敗を喫したのだ。
 みずからの組織票の不調を見越して、小泉は票数かせぎの「サプライズ」の手口をあいついでくりだした。金正日の北朝鮮に無理押しし・ブッシュ政権に泣きついての曽我ひとみ一家再会劇の参院選投票日前々日への設定、社会保険庁長官への民間人起用の発表、高速道路料金の今秋中の値下げ方針の発表、等々。
 はては、選挙直前になって、「約束を守らない民主党」などという、アメリカ大統領選におけるブッシュ陣営のネガティブ・キャンペーンを猿まねした全面広告を、全国五十三の新聞紙上に五億円の巨費を投じて掲載した。だが、それらはいずれも功を奏することなく、むしろ逆に小泉のウソ・ペテンとめくらましの大衆操作術への勤労人民の怒りを買うことになった。もはや勤労大衆は小泉の自民党を完全に見放したのである。
 そもそも、小泉政権が三年間にわたって「構造改革」の名のもとに推進してきた、公共事業費や社会保障費の大幅削減・道路公団民営化の強行・郵政事業民営化策動などの諸施策の必然的帰結として、各種業界団体その他の自民党の支持基盤を構成してきた利益諸団体が、のきなみ自民党から離反してきた。それだけではない。日本経団連会長・奥田をはじめとした財界主流が、小泉政権の対米協調∴齦モ倒の諸政策にたいする反発(=対米自立志向)を規定的動機として、「保守二党制への転換」を叫びたて、民主党に一定程度の支援を与える姿勢をすら明示してきた。これらのゆえの自民党支持基盤の弱体化を、もっぱら小泉流パフォーマンスで、いわゆる無党派層(その大半は勤労大衆だ)の人気と支持をひきつけることによってカバーしつつ、このかんの国政選挙に辛うじて勝ちつづけてきたのが、小泉の自民党であったのだ。
 いまや頼みの「小泉人気」の虚飾が剥(は)げ落ち、労働者人民からのみならず中小企業経営者や小経営者・農民などからも見放されることによって、小泉自民党はすでに進行していた支持基盤の弱体化をも同時にあらわにしたのである。
 この自民党にたいして岡田克也の民主党は、労働者・勤労大衆の反自民°C運にのっかるために、「イラク多国籍軍への参加反対」(その内実は「イラク特措法の枠組みに反する」というものでしかない)と「年金改悪反対」(その内実は「説明責任を果たしていない」というものでしかない)をおしだした。今回の勝利≠ヘ、この術策が一応は功を奏したことのゆえであるといえる。もちろん、この勝利≠ヘ、独占ブルジョアジー主流が小泉政権にお灸(きゅう)をすえる思惑から「連合」労働貴族どもを先兵として民主党に一定程度の支援を与えたことを要因としてもいるのだ。
 「保守二党制への転換」というムードがブルジョア・マスコミによって煽りたてられる情況のもとで、日本共産党は、わずか四議席を獲得したのみで改選十五議席の三分の一以下に転落するほどの大惨敗を喫した。(選挙区での現有議席のすべてを失ったという点では、一九五九年以来四十五年ぶりのことである。)
 不破=志位指導部は、選挙戦のさなかで、年金改悪反対・消費税増税反対・改憲反対という点で民主党との違いをおしだした。とはいえ、総じて「日本の政治の歪みを正す本物の改革の党」を前面にかかげ、小泉政府の「構造改革」の土俵にのっかったうえで「本物の改革」と称する代案を対置する選挙戦に終始した。「多国籍軍」参加問題については、小泉政府の「アメリカいいなりの政治姿勢」をなじりつつ、「平和的で自主的な外交政策」の代案を宣伝する観点からつけ足し的にふれていたにすぎない。まさにこのゆえに、大量の支持票を民主党に食われてしまったのだ。
 この大惨敗をいかに総括するのかをめぐって、いま、代々木中央官僚は大混乱におちいり、内部対立を激化している。〔委員長・志位は、この惨敗への衝撃のあまり、開票さなかの七月十二日未明に予定していた記者会見を「実父の入院」を口実にキャンセルしてひきこもり¥ヌの再発にみまわれた。十二日の常任幹部会では、参院選をどう総括するかをめぐって党指導部みずからが対立を収拾することさえできないほどに混乱し、党声明のとりまとめを翌日以降にもちこす事態にたちいたった。〕
 十四日付の「しんぶん赤旗」にようやく発表した常任幹部会声明において、不破=志位指導部は、「二大政党の流れ」が「強い力をもって作用」したという「選挙戦の複雑で困難な条件」なるものに敗因を転嫁している。まさに「保守二党制」ムードの煽りたてに抗しうるイデオロギー的拠点を持ちえず、このゆえに組織的力を喪失してしまったことの主体的根拠≠不問に付して、責任逃れに四苦八苦しているのだ。
 米英・日連合軍の「多国籍軍」と看板を変えてのイラク占領支配にお墨つきをあたえたところの、かの国連安保理決議一五四六号。これによってみずからの国連依存主義(平和運動路線)が全面的に破産したにもかかわらず、このことをひたすらにおし隠し、「イラク人への主権移譲」への一歩前進≠ナあるかのように苦しい解釈を加えてきたのが、代々木官僚なのである。民主党とのちがい≠おしだす思惑もこめて「護憲」の旗を振ろうとも、こと安保・外交政策のレベルでは、「(非自民の)よりましな政府樹立」の名のもとに「保守層」に媚を売り、「安保廃棄」の当面の「凍結」や・自衛隊の「段階的解消」と称しての当面の存続容認という現実的な政策≠うちだしてきたのが、代々木官僚なのである。まさにこの犯罪性をわが革命的左翼が断固として暴きだしてきたがゆえに、下部党員たちの党中央への反発・批判が充満し、組織的力をますます喪失する羽目におちいったのだ。
 このような代々木官僚の「保守層」への迎合という犯罪の根源をなすものこそ、「資本主義の枠内での民主的改革」路線にほかならない。この修正資本主義を根幹とした路線を、ロートル議長・不破の主導のもとに体系化≠オた新綱領を採択(一月の党大会)したことの必然的帰結が、今回の参院選における大敗北なのである。
 今回の参院選は、日本共産党の没落=不破式路線の完全破産を告げたとともに、公明党を支えとした自民党と「連合」労働貴族どもを支えとした民主党との「保守二党制」形成の現実性を浮き彫りにしたかにみえる。この事態は、日米軍事同盟の首輪をつけたポチ公政権の限界露呈をしめすと同時に、「改憲」翼賛政党たる民主党を安全弁とするものへの日本型ネオ・ファシズム支配体制の再編・強化を意味するものにほかならない。このようなものとしてこれは、「連合」労働貴族どもおよび日共中央の軛(くびき)のもとに閉塞(へいそく)せしめられてきた日本階級闘争の危機を映しだしたのである。

安保同盟強化・軍事大国化に突進する小泉政権を打ち倒せ

支配階級内権力抗争の激化

「対テロ」戦略にもとづく日米同盟の強化

「改憲」翼賛の民主党指導部を弾劾せよ

不破式修正資本主義路線の破産を暴きだせ
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エンジン生産部門への「セル生産方式」の導入生き残りをはかる造船重機独占体


以下リード

 石川島播磨重工業は、昨〇三年の二月に倒産したエンジンメーカーの老舗(しにせ)「新潟鉄工所」のエンジン部門をグループの傘下に収め、「新潟原動機」と名称を改めて、石播の子会社とした。
 これを機に石川島播磨重工は、従来のエンジン組立にかんする生産方式の革新をおこなった。すなわち、エンジン本体(フレーム)を各ステージ(工程)ごとに移動させながらエンジン完成品を組立てる「タクト生産方式」から、一ヵ所の組立作業場でエンジン本体を最初から最後まで組立てる「セル生産方式」に切り換えた。これは、自動車産業諸独占体が先鞭をつけておこなった直接的生産過程の技術革新――従来のコンベアで連結された生産ラインによる生産方式から、いわゆる〈モジュール化〉による生産方式への転換――と、同様のものであるといえる。
 「国際競争力を高める」と称してこのセル生産方式が導入され労働組織が再編されたことによって、現場労働者はこれまでとは質を異にした労働強化を強いられ、ますます肉体的にも精神的にも追いつめられている。

見だし

「タクト生産方式」から「セル生産方式」へ

超強度労働の強要

わずかな増員で組立日数を半減

データで管理される現場労働者

忙殺される「ラインキーパー」

個人作業能率を競わせられる労働者

激化する発電用エンジンの国際競争

職場から闘いをこじあけていくために
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シリーズ郵政生き地獄
(12) 俺たちは機械やロボットじゃない!

仲間たちの叫び声
「殺される!」
「夜に寝かさない、これは殺人だ!」
「経費削減のために、俺たちに死ねということか」
「この勤務をあと何年やらされるのだ!」
「何人死ぬのかなあ〜、これは殺人勤務だ」
「何人でも死ねばいい、そうすりゃ深夜勤はなくなる」
「昼間に寝ろと云われても、眠れるわけねーじゃねえか」
「肉体破壊だけじゃない、家庭破壊だ」
「明けなのに、またその日の夜に仕事なんて、異常だ」
「生活のリズムが狂いっぱなしだ」
「血圧が高いので心配だ」
「Uターンしたくないけど、深夜勤がないなら帰りたい」
「どんなに仕事がきつくとも、田舎の深夜勤のないところに配転希望を出すぞ」
「ほんとうに体力に自信がない」
「いつも胸がしめつけられているようで怖い」
「こんな勤務よく労基法で認めているなあ」
「よく本部はこんな勤務を認めたなあ」
「人間的感覚がなくなれば、こういう勤務に平気でいられるんだ」

 深夜勤導入後四ヵ月のあいだに、関東地域周辺だけでも十五名以上の郵政労働者が殺されている。まさに明日はわが身≠ニいう現実なのだ。
 職場には悲痛なうめき声が蔓延している。これが、深夜勤導入によって生みだされている現実なのである。深夜勤の導入と「要員の見直し」策においてどこの職場も要員が二割以上削減されたうえに、残された労働者は一日のうちでもっとも業務が集中する深夜帯の労働を強要されている。
 深夜勤によって身体は疲れ切り、心臓の鼓動は強くうち続け、目はしょぼしょぼになり、足はガクガクで立っていることさえ困難になっている。腰痛になる労働者が激増している。死人のような顔色になり、目の周りのクマが固定化し、総じて病弱体質に陥り、風邪や病気が治りにくくなっている。それゆえに、酒や薬に依存する労働者が増えている。
 しかもこの過酷な深夜勤は一日では終わらない。十時間の徹夜勤務が終了した明け≠フ日の夜に、また同じ夜勤が強要される。それも五日間のあいだに、四連続徹夜の深夜勤! 深夜勤と深夜勤のあいだの昼間の時間に、往復の通勤、朝食・昼食・夕食をとり、風呂に入り、睡眠≠とって徹夜勤務にそなえろ! というのだ。俺たちは、機械やロボットじゃないんだぞ! まさに、怒りなしには語れないのだ。
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LCAC上陸演習阻止に労学起つ

 
 七月六日早朝、全学連北海道地方共闘会議および首都圏や北陸地方の学生たちは、一〇〇〇名の労働者とともに、陸自東北方面隊による揚陸・搭載訓練を阻止するために、十勝・浜大樹での現地闘争にたちあがった。

浜大樹現地闘争  7月6日
 
LCACに肉迫して闘う道共闘の学生


反戦学生WALKを実現(7・4大阪)

 
 大阪経済大学、奈良女子大学、神戸大学のたたかう学生は、七月四日、「米軍のイラク占領・駐留継続NO! 多国籍軍への自衛隊参加に反対! 教育基本法・憲法の改悪を許さない! 7・4反戦学生WALK」を実現した。

「侵略反対!」怒りのシュプレヒコール(七月四日)

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