第1827号(2004年7月12日)の内容

<1面>
イラク占領の永続化を許すな
傀儡政権の打倒をめざして闘うイラク人民と連帯し反戦の炎を!

<4〜5面>
極悪デマゴーグ安倍の「第三の改憲」論
<2面>
ハイテク犯罪対処法・共謀罪の制定を阻止せよ
金沢大生が反戦デモ(6・20)写真へ
連合平和オキナワ集会で奮闘(6・21)
<6面>
「日の丸・君が代」不当処分撤回!
都庁揺るがす怒りの声(6・22)
差別・排除を徹底する文科省の「特別支援教育」
Topics 「好調」でも大リストラ
<7面>
郵政公社による8万人の大量首切りを許すな
シリーズ 郵政生き地獄=@(10)
切り捨てられる郵便輸送労働者
<8面>
第42回国際反戦集会海外へのアピール
◆「がんばろう」は死んでない!
<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
◆共同共謀正犯
◆協同も一揆!?
◆街中にICチップ
地下鉄渋谷駅員銃撃事件の顛末

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 































   


イラク占領の永続化を許すな


傀儡政権の打倒をめざして闘うイラク人民と連帯し反戦の炎を!


「主権移譲」の茶番劇
 「私はイラク共和国大統領サダム・フセインだ。この裁判は、ブッシュが大統領選に勝つための茶番劇だ。本当の犯罪者はブッシュだ!」
 イヤド・アラウィを首班とするアメリカ傀儡の「暫定政権」が、「主権移譲」後の目玉商品として演出した特別法廷、そこにひきずりだされたフセインは、こう叫んだ。この囚われの身のフセインの一言が、「イラク人への主権移譲」なるものの茶番性・欺瞞性を再び満天下に暴きだした(七月一日)。
 米英軍による占領を永続化するための「主権移譲」=傀儡政権デッチあげに反逆して、スンナ派武装勢力・ムジャヒディンが、連日連夜、米英占領軍・「暫定政権」幹部・イラク警察や石油パイプラインなどを標的とした一大攻撃をイラク全土で一気に強めている。「暫定政権」を打倒するためのこの一斉蜂起に恐れおののいたCPA(連合軍暫定占領当局)の無能な行政官ブレマーは、この窮地をのりきるために、「主権移譲」の儀式を二日も前倒ししておこなわざるをえなかった(六月二十八日)。しかも、イラク「暫定政権」の閣僚ら数人を極秘に招集した密室で、「イラク人への主権移譲」を確認する儀式≠わずか五分間たらずで、アリバイ的にこっそりとおこなったのだ。この儀式≠終えるやいなや、ブレマーは脱兎のごとくにアメリカ本国へ逃げ帰ってしまった。「安全にバグダッドを脱出できてよかった」などと、彼は心情吐露しているほどなのだ。この事態こそ、「主権移譲」なるものの茶番性を如実にしめしている。
 このような傀儡政権にふさわしい「主権移譲」の儀式≠も演出しながらブッシュ政権は、国連安保理決議一五四六号をツイタテとして、「暫定政権」からの「要請」という形をとって、一三万八〇〇〇人の米占領軍をはじめとする「多国籍軍」によるイラク全土の占領支配、その永続化を狙っている。前国連大使のネグロポンテ、ホンジュラス大使時代に反米政権を倒すなど中南米で数々の陰謀に手を染めてきたこの男を、ブッシュはイラク大使に任命した。彼を頭とし要員二〇〇〇人を超える世界最大級のアメリカ大使館を拠点にして、「暫定政権」の中に配置した米英人「政府顧問団」つまりCIA要員(二〇〇人)をテコにして、イラク国防省・内務省・財務省・石油省などの行政権力を完全に牛耳る体制をつくりあげている。
 「テロ掃討」の名による大虐殺と、アブグレイブ刑務所などでの虐待・拷問―イラク人民をなぶりものにしてきた米英連合軍にたいして、CIAの要員アラウィは、「イラクのどこであれ、テロリストへの攻撃を歓迎する」と賛美し、みずからも「戒厳令を布告することを検討している」などと宣言し、まさにイラク人民の敵としての本性をむき出しにしている。こうした文字どおりの傀儡「暫定政権」を操って、イラク占領の永続化を目論んでいるのがブッシュ政権なのだ。
 アラウィ「暫定政権」は、当面、国連安保理決議でうたわれた「イラク民主化プロセス」(註1)なるものにしたがって、「国民大会議」を招集しようとしている。この「国民大会議」の出席者(約一〇〇〇人)を選考する「代表選考委員」(十人)の任命について、ブッシュ政権は、親米の「イラク統治評議会(GCI)」出身者や亡命者グループなどのCIAひもつき分子を横滑りさせることをアラウィに指令している。あたかも国連決議にのっとっているかのような形式をとりつくろいつつ、ブッシュ政権は、その実においては「主権移譲記念式典」に国連関係者を臨席させなかったように、国連事務総長特別顧問ブラヒミの影響力を排除して、「民主化プロセス」の名のもとにアメリカひもつきの政治体制をつくりだそうとしている。
 それだけではない。国連安保理決議のお墨付きを得て「多国籍軍」に看板をかえて駐留しつづける米英連合軍は、アメリカ帝国主義の完全支配を実現するために、「治安維持」に「必要なあらゆる措置をとる権限」を確保した(「暫定政権」の外相が拒否権を放棄した)。この米英連合軍の「法的地位」を安定化させるために、ブレマーは、駐留外国軍や民間軍事会社(PMC)などの請負業者(三万五〇〇〇人)が「主権移譲」後もイラクで訴追されることを免除する命令に、首相アラウィの同意を得るというかたちをとって署名してもいる。まさに「イラク人への完全なる主権移譲」なるものは、傀儡政権をおしたてた米英連合軍=「多国籍軍」による占領の永続化以外のなにものでもないのである。
 そもそも、「国民大会議」の選考委員の人選をみてとった「イラク建設国民会議」を主導する「イラク・イスラム聖職者協会」のクバイシ師(スンナ派)や、シーア派反米急進派サドル師などは、「国民大会議」は「米占領体制の延長」であるとして、会議不参加をうちだした。彼らは、一方では反米の武装レジスタンスをたたかいつつ、他方では、「イラク民主化プロセス」なるものの虚偽性を暴きだすための政治的宣伝をもおこなっている。
 〔また、元バース党員も復活の機会を虎視眈々とうかがっている。「バース党員でも犯罪に関与していない人は、フセイン一派から距離を置いてほしい」などと称してアラウィは、元バース党員の公職復帰を盛んに勧めている。これを逆手にとった元バース党員たちは、「国民改革党」という名で秘密裏に組織化をすすめ(約百万人いた旧党員・シンパの九割が残っているといわれている)、〇五年の選挙に出馬しようとしている。「選挙に参加できなければボイコットする。われわれの力に驚くことになる」などと「暫定政権」に揺さぶりをかけつつ。〕

以下見だし
燃えあがる傀儡政権打倒の闘い

「拡大中東民主化構想」に対抗する仏独権力者

「多国籍軍参加」を強行する小泉政権
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極悪デマゴーグ安倍の「第三の改憲」論


祖父の宿願成就に狂奔する爺コン∴タ倍

リード
 イラク人民の反米蜂起に直面させられて、「一超」軍国主義帝国アメリカのイラク軍事占領支配は音を立てて崩れ落ちた。ファルージャ民衆に打ち負かされた米占領軍がこの地からの撤退を余儀なくされた日の直後から、アブグレイブ刑務所での捕虜虐待=拷問という米占領軍・CIAの組織ぐるみの犯罪が―ブッシュ追い落としを狙うアメリカ支配階級内の特定の徒輩によって―明るみにだされた。この拷問のおぞましい実態こそは、ブッシュの叫ぶ「対テロ戦争」のなんたるかを満天下にあらわにした。「イラク解放・民主化」の大義は地に墜ち、いまやスペインをはじめとする「友邦同盟」諸国は次々とイラクからの撤兵に向けての動きを開始している。〔本稿は五月下旬執筆〕
 ところが、この期におよんでもなおブッシュ政権に忠誠≠誓い、破産しつくしたヤンキー帝国主義のイラク占領統治をなんとか弥縫するために、自衛隊という名の日本国軍をイラクの地に居座らせ米占領軍と一体化させているのが小泉政権なのである。彼らは、「一超」軍国主義帝国アメリカとの血盟≠基礎として、敗戦帝国主義として強いられてきた汚名≠ニ足枷≠最後的に一掃し日本を「戦争をやれる」世界一流の軍事大国として生まれ変わらせる、という野望をたぎらせているのだ。そのためにこそ彼らはいま、改憲断行の悲願達成に向けて突進している。「保守二大政党制」のキャッチフレーズにふさわしく改憲@ヮ^の旗印を鮮明にした民主党、そして「連合」労働貴族どもを深ぶかと抱きこみながら……。
 われわれは、日本共産党ならびに社民党の既成反対運動指導部の「護憲」運動方針の無力性を暴きだしつつ、〈反米・反占領〉をたたかうイラク人民と連帯して反戦・反安保のうねりを巻き起こし、もって小泉ネオ・ファシスト政権を打倒するために全力をあげてたたかわねばならない。
 本稿では、小泉政権・自民党の主流たる日米同盟至上℃蜍`の親米保守主義者どもがふりまいている「改憲」論の反動性を、なかんずくその若手ホープ≠ネどとおだてあげられている自民党幹事長・安倍晋三の言動に焦点をあてて暴きだすことにする。

みだし
T改憲派の旗手≠フ自任

U「第三の憲法」制定の呼号

V戦後の真の総決算≠ヨの突進

Wデマとペテンの醜悪な集成
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第42回国際反戦集会
海外へのアピール

 ◆米英主導の多国籍軍によるイラク占領の永続化に反対せよ!
 ◆共犯者=日本軍は撤兵せよ!
 ◆米帝の傀儡・アラウィ政権の打倒をめざしてイラク人民は決起せよ!
 ◆イラクの、そして中洋のムスリム人民と連帯し全世界から反戦の炎を!


(1)
 「イラク人への主権移譲」の名のもとにイヤド・アラウィを首相とする「暫定政権」が、イラク占領米軍の傀儡政権としてでっちあげられた。この政権は、国連事務総長特別顧問ブラヒミの提案を、イラク占領支配に破産したCPA(米英連合軍暫定占領当局)代表ブレマーがことごとく退けて成立した。国連決議第一五四六号が安保理の満場一致で可決された(六月八日)ことを背景にしながら。
 この政権の主要な担い手は、いぜんとして米CIAのエージェント(代理人)でもある亡命者たちからなっている。こうした政権(IIG)の要請という形式において、「主権移譲」後も一三万八〇〇〇人の米占領軍を「治安維持部隊」として駐留させることが、決定された。これは、イラク全土の「治安維持」を名目にしてのことである。
 こうしてこれまでの米英主導の連合軍は、看板を「多国籍軍」に塗りかえた。頻発する反占領・反米のゲリラ戦と、イラク北部のスンナ派三角地帯(とりわけファルージャ)および中部シーア派地域における反米レジスタンスの高揚のゆえに、米英軍に加担してきた友邦同盟軍が、スペイン軍を先頭に撤兵を開始した。この事態に焦りをつのらせたアメリカ大統領G・W・ブッシュは、孤立した米英軍を補完するために、NATO軍をイラク多国籍軍へ参加させるために躍起になっている。
 十一月のアメリカ大統領選挙を前にして明るみに出されたのは、次のような諸事態であった。
 @ イラク戦争の「大義」とされ先制攻撃戦略の発動を正当化したところの「大量殺人兵器(WMD)の存在」が虚偽と欺瞞であったこと。
 A ブッシュの「戦闘終結宣言」(〇三年五月一日)にもかかわらず、連合軍の戦死者および戦傷者の数は、侵略戦争のただなかでのそれよりも、「終結宣言」以降の方が上回ったこと。
 B ゲリラ戦の攻撃対象が、イラク侵略に加担してきた異教徒のすべてに拡大されたこと。
 C 万余のイラク人民をハイテク兵器で虐殺したこと、イラク全土の劣化ウラン弾による汚染の深刻化。
 D アブグレイブ刑務所における、国際法上の捕虜ではないイラク人被拘束者にたいする、グアンタナモ基地の専門家グループをも動員した拷問および虐殺の横行。
 「イエス・キリスト」の名において強行されたイラク侵略戦争の、あらわになった破綻をのりきるために、ブッシュ政権は対イラク政策の転換をはかり(〇三年十一月六日)、国連主導のもとでの「イラク復興」を目論んできた。この目論みに、国連安保理内非戦派グループのフランス・ドイツ・ロシア・そして中国がのせられ、アメリカ権力者と妥協した。このことは、サダム・フセイン政権の対外債務のアメリカによる九割の棒引きに反対するとともに、イラク原油を収奪するための利権を確保しようとしていることの必然的あらわれである。
 国連をツイタテにした多国籍軍によるイラク占領の永続化にたいして、われわれは断固として反対する。
 「一超」軍国主義アメリカに妥協し瞞着外交をくりひろげたEU諸国権力者ならびに、イラク侵略戦争については「引きこもり」の姿勢を示し・経済のバブル化に苦悶している中国にたいする弾劾闘争を、われわれは力強くおしすすめる。
(2)
 「主権移譲」の欺瞞性を見ぬいたイラクのムスリム人民は、「暫定政権」を打倒し異教徒によるイラク軍事占領永続化の策動を粉砕するために、イラク民族主義を鼓舞しつつ闘いの炎を一段と燃えあがらせている。
 CPA(およびGCI)の破産を糊塗するために強行されたファルージャの米軍による包囲作戦および空爆(四月上旬より)にたいして、サダム軍残党やスンナ派部族武装勢力は、武装闘争を断固としておしすすめ、この地域のムスリム人民もレジスタンス闘争を果敢にたたかった。こうすることにより、ほぼ一ヵ月後に米軍は敗退した。
 ファルージャでのかかる蜂起と連帯して、イラク中部においても、反米シーア派が武装闘争に決起した。すなわちシーア派内の反米急進派たるムクタダ・サドル師配下のマフディ軍とこれに率いられた民衆が蜂起したのである。
 こうした反占領・反米のレジスタンスの闘争をつうじて、シーア派とスンナ派内のGCI参加を拒否してきた諸勢力は、宗派間の歴史的な対立を超え出でて、イスラム聖職者協会の呼びかけのもとに、「イラク建設国民会議」を結成した(五月八日)。この共闘組織は、イラク愛国主義とイスラームの理念をイデオロギー的心棒としており、∧米軍事占領支配からの解放∨をめざす革命的統一戦線へと成長発展する組織的母胎としての意義をもっているといえる。
 シーア派の最高権威たるシスターニ師は、「イラク人の独立政権」創出のための直接選挙を速やかに実施するという条件をつけて「暫定政権」を一応は是認するファトワ(宗教令)を発した(六月二日)。彼の説得を受けて米軍との「停戦」に応じたサドル師も、この宗教令に従った。
 もちろんシスターニは、米軍を主軸とした多国籍軍が〇五年一月末までにおこなわれる予定の直接選挙を妨害したり占領の永続化をたくらんだりする挙にでるならば、ホメイニ革命型の人民総蜂起を組織化する、ということをも構想している。
 こうしたイラク人民の闘いと呼応し連帯して、パレスチナ人民は今、反米・反シオニズムの闘争を激烈にくりひろげている。
 それだけではない。かの「分離壁」建設の強行とハマス指導者の連続的暗殺をば、―〇三年六月に策定した「ロードマップ」を足蹴にして―、ブッシュはアメリカの傀儡たるシャロンにたいして承認した(〇四年四月十四日)。イスラエルの国家テロルを「対テロ戦」と称讃しながら。
 それだけではなく、アメリカの歴代政権が口にしなかった「パレスチナ難民のイスラエルへの帰還権の否定」をさえ、ブッシュは公言し、占領地全体のゲットー化≠たくらむミニ・ヒトラーと悪魔の盟約≠結んだのであった。
 まさに今、イラクやパレスチナ人民の闘いはアラブ世界のムスリムたちの共鳴を呼び起こし、パキスタンやアフガニスタンから中洋圏全域にわたって、反米・反シオニズムの闘いが燃えあがっている。
 ブッシュ政権は、その「拡大中東構想」のもとに、イスラーム世界の「民主化」という名の軍事的植民地主義的支配を推進しようとしている。この「構想」にも、安保理事国内非戦グループは承認を与えたのであった。これはゆゆしき事態である。
(3)
 アシュラ祭のさいに惹き起こされたシーア派信徒大虐殺事件(三月二日)は、―バーキル・ハキム師暗殺(〇三年八月二十九日)と同様に―、米占領軍とCIAによる謀略にほかならない。この事件は、スンナ派過激派=アルカーイダの「犯行」として宣伝された。だが、この事件は、イラク人口の六割をしめるシーア派を弾圧し、スンナ派との宗派間対立を煽りたてることを目的としたものであった。
 まさしくこのゆえに、シーア派もスンナ派もともに、この事件をたちどころに米軍の陰謀と見ぬき、イスラーム宗派間対立を超えての共闘をいっそう強化したのであった。
 ブッシュ帝国がこれまた「アルカーイダの犯行」に見せかけるために仕組んだマドリッド列車連続爆破の謀略(三月十一日)は、スペイン総選挙での親米ファシスト=アスナール政権の敗北を招いた。そして、成立したサパテロの社会労働党新政権は、当然にもイラクからの撤兵を決定し断行した。これを引き金として他の「友邦同盟」諸国も次々と撤兵を決定した。
 サパテロ政権が「EUの協調」第一義の政策に転換したことのゆえに、フランス・ドイツ両国権力者は、ユニラテラリズムを国家理念とするブッシュ政権を孤立させ、多国間協調主義の観点から国連をたて直し、「主権移譲」後のイラクの復興のために活動しはじめている。「国連との協調」という欺瞞のベールをまとったブッシュ帝国に妥協した仏独連合は、ロシアとともに、「国連主導」を表看板にしたイラク・中東民主化というアメリカ帝国主義の戦略に便乗しながら、中東石油資源の争奪をかけて勢力圏争いを開始している。シーアイランドでのG8サミットにおける「中東民主化」宣言をめぐってのブッシュとシラクの激突に、そのことは如実に示された。
 米英のイラク侵略戦争を契機にして、二十一世紀世界は、米・英・日を枢軸としたアメリカ友邦連合と、「一超」支配打破のための結束を強める仏・独および露の連合、さらにこれらから相対的に独立しながらも後者と協調する中国、こうした〈三極(ないし四極)〉へと分岐した。これらの相互対抗的な角逐を起動力とし、かつこれらへの世界各国におけるイスラーム人民の反逆を旋回軸として、戦乱の危機がますます深まりつつある。いま現出しているこの二十一世紀初頭における現代世界の〈三極ないし四極構造〉は、一九九一年のソ連スターリン主義の自己崩壊を結節点とし、一九九九年から二〇〇三年にかけて強行されたところの、アメリカ帝国主義の国連決議ぬきの三つの戦争、―すなわちNATO同盟諸国のユーゴ・コソボ空爆、アフガニスタン空爆、イラク侵略戦争―を転機としてもたらされたものであって、現代世界史の現実的転換を如実に示している。
(4)
 「一超」軍国主義帝国の国際的孤立化のゆえに、十一月の大統領選挙での民主党候補ケリーへのブッシュの敗北が必至となっている。こうした情勢のもとで、わが日本の首相・小泉だけが、ハーケンクロイツ同盟の一員にふさわしく、G 8サミットの場で、イラクに出兵させている日本国軍を「多国籍軍」に編入させるという決意を、いち早くブッシュに披瀝した。
 韓国国会議員選挙において与党ウリ党の歴史的大勝利をおさめたノムヒョン政権は今、南北朝鮮の統一という民族的悲願の成就にむかって、中国の江沢民=胡錦濤政権と協調しながら突き進んでいる。
 こうした動向に危機感を強めているがゆえに小泉政権は、北朝鮮・中国の「脅威」を煽り立てながら、日米安保同盟を基礎としての軍事力の飛躍的強化とMDシステムの構築に狂奔している。まさに日本帝国主義国家をアジアにおける最強の軍事大国に飛躍させるという野望をむきだしにしながら、イラク出兵を土台にして日本国憲法第九条を破壊し、「自衛」の名において対外侵略戦争を遂行しうる軍事力を持ちうるように憲法の改悪にのりだしている。
 この日本型ネオ・ファシズム政権を、われわれは、日本労働者階級の矜持にかけて打ち倒す決意を固めている。
(5)
 全世界のたたかう労働者・人民・学生の仲間たちよ!
 いまこそ、「一超」軍国主義帝国がイラクの軍事占領支配を永続化する野望を、そして「拡大中東民主化」の名による侵略戦争拡大のたくらみを、さらにこれに加担するわが日本をはじめとする「友邦同盟」諸国権力者どもの策動を、断固として打ち砕く国際的反戦闘争の嵐を巻き起こそうではないか。
 ブッシュ帝国とその共犯者どもが掲げる「対テロ戦争」なるものは、「一超」世界支配の野望を、すなわち石油資源を略奪し、後進・開発途上諸国を軍事的に植民地にする、という野望をおしかくし、かつ正当化する戦争の新しい形態である。これは、先制攻撃戦略とユニラテラリズム理念を基礎とした「一超」の帝国主義侵略戦争を正当化するものでしかない。
 しかも、「自由・民主主義」というヨーロッパ出自の価値観を唯一絶対のものと盲信し、この価値観を、しかも「イエスの召命」の名のもとに、「野蛮」とみなしたイスラーム圏(諸国・人民)に、軍事力をもって強制的に押しつける蛮行としてあらわれているのが、非対称戦争という名の「テロ根絶戦」なのである。
 現代版十字軍と称する帝国主義国アメリカの国家テロリズムに抗し、またシオニストどもの国家テロリズムに抗してたたかっているのが、アラブ世界をはじめとする全世界のムスリムなのである。イラクやパレスチナにおける彼らのレジスタンスを、「テロ」などと烙印し殲滅の対象にするなどということは、断じて許されない。
 二十一世紀初頭において噴出した「テロ撲滅戦争」は、明らかに、現代版十字軍とイスラームとの宗教戦争というイデオロギー的性格をもっているだけではなく、アラブ世界がそれによって人為的に構成されているところの諸国家のそれぞれに固有なナショナリズムの高揚にむすびついているのである。
 それだけではない。アメリカ製「民主主義」の化けの皮がはがされた。すなわちそれは、まずもって、残虐非道の人民虐殺としてあらわれた。それはまた、イラク人捕虜への肉体的・精神的拷問としてあらわれた。さらに、ムスリム文化の容赦ない破壊として、宗教的迫害としてあらわれた。ムスリム人民は、みずからの身体をもって、みずからの闘いをつうじて、この現代版十字軍の虚偽と欺瞞をしっかりと掴みとっている。
 いまこそ、アメリカの兄弟諸君にわれわれは訴える。
 民主党の支持基盤であるアメリカ労働総同盟―産別会議(AFL―CIO)の指導部にたいして、絶対に幻想を抱くべからず。あのイラク侵略戦争開戦時に、その直前までの言をひるがえして、戦争支持に回ったスウィニー指導部の決定的裏切りを想起すべし。
 こうした既成指導部を許さず、戦闘的労働者の団結を下から広範に創りだしつつ、ブッシュ帝国の野望を打ち砕く反戦闘争に決起しようではないか。
 われわれは日本の地において、「テロ根絶」の大合唱に呑みこまれ、国連の威信回復に淡き願望をいだいているにすぎない一切の既成左翼の腐敗を、暴きだしつつたたかってきた。そうすることによって、社会民主主義者や転向スターリン主義者=日本共産党の影響下にあった多くの労働者・勤労人民を、われわれの戦列に獲得してきた。
 全世界の労働者階級・人民・学生諸君!
 いまこそ、「反米・反占領」の旗を掲げてたたかっているイラクの、そしてアラブ世界のムスリム人民の闘いと、プロレタリア国際主義にのっとって固く連帯し、反戦闘争を世界大的規模において推し進めよう! 全世界の労働者人民の団結を基礎にして、暗黒の二十一世紀を突き破る反戦闘争の深紅の炎を燃えあがらせよう!
 全世界の同胞が、われわれとともにたたかう熱いアピールを八月一日に開催するわが集会に寄せていただくことを、われわれは心から呼びかける。
二〇〇四年六月二十日
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「日本軍の多国籍軍参加反対!」
金沢大生が反戦デモ(6・20)



6・20金沢
 
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