第1825号(2004年6月28日)の内容

<1面>
首都にイラク反戦の火柱6・13
労学900名が戦闘的デモ
(写真へ)
<4〜5面>
イラク人民蜂起の教訓 サドル派蜂起の意義と限界
<2面>
有事7法参院採決阻止に決起(6・14)(写真へ)
海自展示訓練阻止に起つ(6・4大阪港)写真へ
ブクロ派残党の悲鳴―「3・14集会 基調報告」
<6面>
Topics 「派遣」の実態は「偽装請負」
労働者使い捨て―派遣法再改悪
シリーズ郵政生き地獄(8) JPSの大破産・熊本東局
<7面>
石原都当局の「日の丸・君が代」報復処分をうち砕け!
今日版「隣組・警防団」煽る読売
9・11を「イスラム復興主義勢力の反米ジハード」と捉えることの誤り
<8面>
「組織と人間」に学ぶ
クルド人監督が描く「故郷の歌」
<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
取らぬ油の皮算用
いまどきの「人本主義」
むかし爆弾、いまカイライ
敵は身内にあり
米軍支援法$ァ定の狙い

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号
 


































    


首都にイラク反戦の火柱6・13

日本軍の「多国籍軍」参加阻止!


労学900名が戦闘的デモ


 六月十三日、首都圏の反戦青年委員会に結集する労働者と全学連の学生は、関西・東海など全国の闘いと連帯しつつ、<米軍のイラク占領反対! 日本国軍の多国籍軍参加阻止!>を高だかと掲げて首都・渋谷一帯を揺るがす九〇〇名の大デモンストレーションを戦闘的に打ちぬいた。
 大義なきイラク軍事占領支配を国連新決議をタテにして居直ろうとするウォーモンガー=ブッシュ政権と、ブッシュにたいして日本国軍の「多国籍軍」への参加をただちに誓約したポチ公¥ャ泉政権。これら米日のネオ・ファシスト政権にたいして、労働者と学生の怒りは爆発した。
 国連新決議を「国際社会の願い」が「反映」したものなどと賛美した、日本共産党の不破=志位指導部、国連依存主義に陥没していることのゆえに再びみたび歴史的犯罪に手を染めたこの代々木官僚どもを弾劾し、イラク解放をめざすムスリム人民と連帯して、革命的・戦闘的労学は断固としてたたかいぬいたのだ。
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イラク人民蜂起の教訓 

サドル派蜂起の意義と限界


 アメリカ帝国主義のブッシュ政権は、六月末に迫った「イラク人への主権移譲」にむけて、そのための受け皿として「暫定政権」という名の真正傀儡(かいらい)政権≠デッチあげた。国連事務総長特別顧問ブラヒミに人選を委ねると称しながら、その実はブラヒミ案を「IIA(イラク統治評議会)内の反対」を口実にことごとくはねつけ、CPA(連合軍暫定占領当局)代表ブレマーの采配のもとに、正真正銘のCIAヒモツキ分子たるイヤド・アラウィを首相とする「暫定政権」を発足させたのだ。
 CPAデッチあげのこの「政権」は、発足するやいなや、傀儡中の傀儡たる正体をさらけだした。一三万八〇〇〇人の米占領軍およびその配下の「友邦同盟」諸国軍を「主権移譲」以後も「治安維持部隊」としてイラクに居座らせつづけるというブッシュ政権の傲慢な要請に、この「暫定政権」は尻尾を打ち振って応じた。
 しかも、このアメリカ傀儡政権には、国連安保理決議一五四六号の満場一致での採択という形において国際的認知≠ェ与えられた。米英のイラク侵略戦争・軍事占領支配の不正義性≠非難してきた非戦組≠フ仏・独・露および中国の各国権力者どもは、米英両国に彼ら提出の安保理決議案を三度にわたって修正させ、「多国籍軍」へと看板を付け換えただけのアメリカ「友邦同盟」諸国軍に駐留期限を一応は設けさせたということをもって、ブッシュ政権と妥協した。仏・独両権力者は、イラク軍事占領の全面的破産をのりきるためにブッシュ政権が国連に泣きついたのを逆手にとって、「国連の関与」をタテに「主権移譲」後のイラク(そして中東全域)にみずからの利権を回復し・かつ拡大するという思惑をめぐらせているがゆえに、ブッシュ政権との妥協を図ったのである。
 たとえ国際的認知≠ェとりつけられようとも、アメリカ傀儡のアラウィ暫定政権は、「イラク人への主権移譲」なるものの欺瞞性をこのうえなく浮き彫りにしているもの以外のなにものでもない。これは、イラク解放をめざして反米反占領闘争をくりひろげているムスリム人民の憎むべき敵なのだ。現にムスリム人民は、この暫定政権を打ち倒す闘いに決起している。「異教徒」にかつぎあげられ「十字軍」に加担する裏切り者の暫定政府閣僚どもは、イラク人民の怨嗟と憎悪の的とされ、ムスリム武装勢力のゲリラ戦の標的とされて次つぎと打ち倒されている。この四月のファルージャ民衆蜂起を結節点としてヤンキー帝国主義の軍事占領支配を根幹から打ち砕く橋頭堡を築きあげたイラク人民は、スンナ派とシーア派との宗教的対立を大きく超え出でた共闘関係の構築を基礎に、米傀儡政権打倒をもテコとしてイラク解放実現のための革命的総蜂起に起ち上がるであろう。いまや、その機は熟しつつある。

以下、章見出し

Tファルージャ民衆蜂起の勝利

U革命的統一戦線形成への胎動

V反占領闘争の最前線に躍りでたサドル派

Wサドル派の戦略・戦術
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シリーズ郵政生き地獄♂艨Xは許さないぞ!

(8) JPSの大破産・熊本東局

本シリーズの内容
(1)強行導入された殺人的な「深夜勤」――内務職場の実態 (第1818号)
(2)トヨタ生産方式のあてはめ――年末始繁忙の悲惨な実態 (第1819号)
(3)また仲間が殺された!――東京だけで七人が過労死 (第1820号)
(4)暗雲の職場に怒りの斧をうちおろせ (第1821号)
(5)集配労働者を苦しめる「スタンディングワーク」 (第1822号)
(6)「事故ゼロ」の号令――追いつめられる貯金労働者 (第1823号)
(7)郵便貯金事務作業のコンピュータ化による大混乱 (第1824号)
(8)郵政版「トヨタ生産方式」は大破産!――熊本で年賀状の大量遅配 (第1825号)


<関連論文>
「四日連続『10時間深夜勤』の過酷な実態」 (第1817号)
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首都
にイラク反戦の火柱6・13



 六月十三日、首都圏の反戦青年委員会に結集する労働者と全学連の学生は、関西・東海など全国の闘いと連帯しつつ、<米軍のイラク占領反対! 日本国軍の多国籍軍参加阻止!>を高だかと掲げて首都・渋谷一帯を揺るがす九〇〇名の大デモンストレーションを戦闘的に打ちぬいた。
「占領支配反対!」労学が怒りの拳
(6月13日、渋谷宮下公園)


6・14有事七法参院採決阻止に決起 闘う学生が国会前で奮闘


 小泉政権が参議院において有事関連七法案・三条約承認の採決を強行しようとしていた六月十四日、首都圏の学生は、国会前闘争に決起した。
 
有事法制定阻止の決意も固く(6月14日、国会前)

満腔の怒りをこめて(6月14日国会前)


「海自展示訓練を許すな!」 労学市民1000名の闘志燃ゆ
――6・4大阪平和人権センター集会


 六月四日、午後六時、大阪平和人権センターが主催する海上自衛隊の「展示訓練」に反対する抗議集会が大阪港の天保山公園で開催された。数百メートル先の中央突堤で自衛艦の入港阻止闘争を二時間以上にわたってくりひろげてきた大阪経済大学・奈良女子大学・神戸大学のたたかう学生たちも横断幕を掲げて結集した。
 
労働者とともに意気高く(六月四日、天保山公園)
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石原都当局の「日の丸・君が代」報復処分をうち砕け!


 すべてのみなさん! いま、都当局による教育労働者への不当処分撤回の闘いと支援の輪は、大きく広がりつつある。人事委員会への不服審査請求の申し立て、処分の無効を求める被解雇者九名の地裁提訴、三四五名の予防訴訟原告団の結成、そして多くの支部・分会において、本部の規制をはね返して、被処分者を包みこみつつ創意あふれる闘いがくりひろげられている。ネオファシスト石原=都教委の「日の丸・君が代」強制・大量処分の暴虐をうち砕くために、教育基本法改悪・憲法改悪を阻止するために、すべての教育労働者は、所属する単組の違いをこえて団結し、闘いの戦闘的高揚をきりひらこう!

以下、見出し

「戦争をやれる国」に忠誠を誓わせるための「日の丸・君が代」強制・処分

転向強要・研修所=収容所監禁のための「命令研修」

日教組本部全教本部の分断に抗して共同行動を下から推進しよう!
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 超高止まり

取らぬ油の皮算用

 
原油価格が超高止まりになっている(一バレル=四〇ドル前後で高下)。これは一九九〇年の湾岸戦争時いらいのことであり、物価水準の違いを計算すればその高値は一九七〇年代のオイル・ショックにも匹敵する。先ごろのOPEC総会(六月三日)では増産が決定されたが、大した効果はなかった。そもそもヤミ増産がすでにおこなわれてきたのだから、新たな増産が叫ばれようとも、大したインパクトにはなりえないのだ。
 原油暴騰が止まらないのは、なによりも、イラクの原油生産が、米占領下で機能不全におちいっているからだ。米占領軍とその手先どもによる石油資源の独占・強奪にたいしても、ムスリム諸勢力は果敢な闘いをくりひろげている。公式の発表でさえも、この七ヵ月間でパイプラインなどの石油関連施設にたいするゲリラ闘争は一三〇件以上にもおよび(二億ドル相当のダメージ)、イラクからの原油輸出が中断に追いこまれている。
 サウジアラビアに進出している米メジャーズにたいしても闘いが敢行されている。米副大統領チェイニーの息のかかった石油大手ハリバートン、この傘下関連会社の事務所が襲撃された(五月二十九日)ことによって、リヤドのあらゆるメジャーズ事務所から米国人がいっせいに撤退せざるをえないハメに追いこまれている。さらにサウジの石油積み出し港でもアルカーイダらによるゲリラがくりひろげられている。
 原油暴騰のもうひとつの要因は、中国や東アジアの需要拡大にある。とりわけ中国は、日本を追い越し、石油・ガソリンがぶ呑み大国アメリカに次ぐ世界第二位の石油消費国にのしあがった。一九九六年に原油の純輸入国となった中国は、年々その消費量を増大させている。
 米系ヘッジファンドらが石油先物取引で投機にうってでていることも、暴騰に拍車をかけている。
 こうした原油価格の高騰によって最もダメージをうけているのが、ヤンキー帝国。原油暴騰はそのまま原油輸入額の増大をもたらすから、貿易収支赤字が急拡大(一―三月期は、一四%増の最高増になった!)。ガソリンをがぶ呑みしているがゆえに、ガソリン価格の暴騰分がブッシュ政権の減税額を大きく上回ってしまい、ブッシュの政策の目玉も大パンク。当然、支持率も下降。
 他方サウジアラビアは、原油高なのに輸出収入があがらない。これはドル安のゆえだとして、原油取引をドル建てからユーロ建てにきりかえたいという願望をふくらませているらしい。もしユーロ建てにされたら、アメリカにとってはどえらいこと。ドル暴落=ドル基軸通貨体制の崩壊を招きかねない。そもそも、ブッシュがイラクを侵略した理由のひとつが、サダムが原油取引をユーロ建てにきりかえたことにあったのだ。
 ブッシュ政権は、この原油暴騰をどうすることもできないブザマさを露わにした。先のG8シーアイランドは、こと石油問題ではサミットの存在意義すら消失していることをさらけだした。G8諸国権力者がガン首をならべて協議したものの、今や最大級の石油消費国となっている中国をぬかしては空理空論のおしゃべりにしかならないことが明らかとなった。
 いまから一年前、イラクに軍事侵略しフセイン政権を倒して埋蔵量世界第二位のイラク石油資源を掌中に収めたうえで、逆オイルショック≠さえ演出しようとしていたのがヤンキー帝国の徒輩だった。米メジャーズがイラク原油をかっさらい、これを基礎にしてOPECの影響力を叩きつぶし、イラクに石油利権をもっているフランスやロシアも蹴落として、石油の生産・販売での世界の独占的地位を確保するという野望をたぎらせていた。
 ところが、いまや事態はまるで逆。イラク原油の輸出すらままならず、原油暴騰の長期化は必至。これがアメリカ経済の危機に、さらに重いボディブローを加えることになる。
 アメリカ国民――「なんでこんなにガソリンが高いの! 石油のための戦争じゃなかったの?」
 ブッシュ――「石油のための戦争ではない≠ニずっと言ってきたはずだ……」
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