1822号(2004年6月7日)の内容

<1面>
6・13労学統一行動に総決起せよ
「イラク国民の国づくりの応援」をおしだす日共中央の欺瞞的転換を暴露せよ
今こそ米軍事占領反対の闘いの高揚を!

中央学生組織委員会

すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える
日本革命的共産主義者同盟(革マル派)

<4〜5面>
完全消滅の危機に脅える社民党
ロシア傀儡チェチェン大統領の爆殺

<3面>
有事七法制定阻止の声響く(5・21 東京)
労学が第二次出兵阻止闘争(5・16 札幌)
メーデーに反戦の息吹 愛知北海道

<6面>
シリーズ郵政生き地獄(5) 
集配労働者を苦しめる「スタンディングワーク」
Topics 電子カルテシステムの導入
医療のコンピュータ化=#人間化

<7面>
米海兵隊辺野古新基地建設を阻止せよ!
16000人が米軍基地包囲(5・16 普天間)

<8面>
うた 幼きアリ
感想文 「ヒューマニズムとマルクス主義」を読んで

◆『新世紀』最新号第211号紹介

週間日誌は5面に掲載します
  「解放」最新号
 


















































    


6・13労学統一行動に総決起せよ


「イラク国民の国づくりの応援」をおしだす日共中央の欺瞞的転換を暴露せよ
今こそ米軍事占領反対の闘いの高揚を!


中央学生組織委員会

一、米軍事占領の完全破産と「主権移譲」をめぐる角逐

断末魔のブッシュ政権
反米レジスタンスの高揚と統一戦線結成への胎動
国連関与≠タテとした<仏独枢軸>の対抗
「戦争をやれる国」への飛躍をたくらむ小泉政権
既成反対運動の混迷とわが革命的左翼の闘い


二、イラク反戦闘争を革命的に推進せよ!

A有事関連法制定に手を貸した民主党を弾劾せよ!
B「自主独立の国づくりの応援」なるものに代案を修正した日共中央


 他方、日共中央は、イラク問題においてこんにち、「国連中心のイラク復興支援」という従来の代案の形式を残しながら・その内容を国連≠実質上の主体としたものから、「国連中心の枠組みによるイラク国民の自主独立の国づくりの支援」というものにすり換えた。従来の代案にかんしてなんらの自己批判も明らかにすることなく、まさになしくずし的に代案の内容を修正したのだ。
 ムスリム武装勢力による日本人拘束事件に際して、当初は、これを「許しがたい卑劣な蛮行」などとののしっていた彼らは、だが「自衛隊撤退要求」運動の一定程度の高まりに驚きあわて、こうした主張を後景に押しやり、かの「人質解放」に尽力したウラマーをもちあげつつ「イラクの人々の理性」と「底力」が発揮されたなどと主張しだしたのであった。
 それだけではない。彼ら党官僚どもは同時に、四月のファルージャ攻防戦までは「フセイン政権に対する戦争」であったがそれ以後は「イラク国民に対する戦争」になったとか、「米軍対イラク国民という構図が鮮明となった」とかというように情勢の変化≠あげつらいはじめた。
 イラク人民の闘いについての評価≠フ―それじたいなしくずし的な―修正や「情勢の変化」のおしだしは、「国連中心のイラク復興支援」という従来の代案の内実を、「国連中心の枠組みによるイラク国民の自主独立の国づくりの支援」というものへと修正するための道具立てにほかならない。
 この代案の内容のなしくずし的修正が、米軍の占領支配打破をめざすイラク人民の闘いを一貫して「テロ」と烙印してきた代々木官僚の犯罪性を断固として暴きだすわが革命的左翼のイデオロギー闘争の推進によって、日共下部党員たちの内部に党中央への反発が広範にうみだされたこと、このゆえの日共官僚の自己保身にもとづくものであることは、言うまでもない。
 これまで代々木官僚が提示してきた「国連中心のイラク復興支援」という代案は、米占領支配からの解放をめざすイラク人民の闘いを完全に無視し、イラク人民を「復興」の主体として措定せず、それを実質上は国連とするものであった。すなわち、国連がイスラームの慣習や伝統・文化を無視して西欧式の「自由と民主主義」を野蛮≠ネイラク人民に押しつける、という意味をもつものでしかなかったのだ。このことは、ムスリムの反米闘争を「テロ」と烙印してきたことと表裏一体なのである。まさにこの代案の反人民性・犯罪性をおし隠すために、不破=志位指導部は、もともとイラク人民の闘いを尊重していたかのように見せかける思惑をこめて、「国連中心の支援」という形式を残したまま「国際社会」が応援する対象を「イラク国民の自主独立の国づくり」へとすりかえたわけなのだ。
 だが日共官僚よ! イラク人民の反米レジスタンスを一貫して「野蛮なテロ」と烙印してきたという、このみずからの犯罪にほおかぶりすることは許されない。イラク人民の闘争にたいする従来の評価≠自己批判もせずに、米占領軍の敗北が誰の目にも鮮やかとなっている今ごろになって、「米軍対イラク国民の戦争」であることが明確になったなどと言うことじたいが、あまりにも破廉恥ではないか。
 しかも、「イラク国民対米軍の戦争になった」などと言ってはみても、ファルージャでのスンナ派人民の蜂起やサドル派の蜂起にかんする分析・評価をくだすことからは、依然として逃げまわっているのだ。
 いや、それだけではない。「自主独立の国づくりの応援」と言いながら、彼ら官僚どもは、「国連の枠組みが仮にできたとして、治安維持に必要な部隊が必要になった場合には、イラク戦争に中立ないし反対の立場をとった国々が担うべきだ」などとも言っている。これは、日共官僚が依然として「テロには治安部隊が必要」という姿勢をとっていることを裏からしめすものでしかない。だからまた、小泉政府にたいしても、あいもかわらずイラクにたいする復興人道支援のやり方の枠内で、「自衛隊撤退・非軍事の人道的支援」を要求するにすぎないことにもなるのだ。
 要するに、「イラク国民の自主独立の国づくりの応援」などと主張することは、イラク人民の闘いの評価やイラク解放の方向性をめぐる下部党員の疑問・反発を封じるための詐術にほかならない。
 アラブ民族主義に燃えイスラームを心棒として起ちあがっているイラク人民の反米反占領の闘いにたいして、日共官僚は、これを心の底では依然として野蛮なものとして嫌悪しているのだ。「国連憲章にもとづく国際秩序」なるものを平和理念としてしまっているがゆえに、彼らは、民族解放・独立をめざす闘争であれ、これを武装闘争形態をとって推進することを嫌悪し否定しているのだ。それは根本的には、彼らが「自由と民主主義」というブルジョア的理念の賛美者に成り下がり、これを価値基準としてイラク人民の闘いを評価しているからなのである。たとえ「異なる文明間の対話」を新綱領に盛りこんだことを不破が吹聴しているとしても、それは、非暴力の観点から「対話」を美化しているだけのことにすぎないのであって、むしろムスリムの闘いに水を差すものでしかないのだ。
 イラク人民の闘いに共感する広範な下部党員にたいして、日共官僚は、イラク人民の闘いについてのみずからの本音の評価をひた隠しにしている。彼らは、たたかうイラク人民と連帯する≠ニは、口が裂けても言えないのである。
 われわれは、このような日共官僚どもによる方針のなしくずし的修正の欺瞞性を怒りを込めて暴露し、その新たな代案の宣伝運動を断固としてのりこえていくのでなければならない。

Cイラク解放をめざすムスリム人民と固く連帯してたたかおう!
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すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える


日本革命的共産主義者同盟(革マル派)


 全国の同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 「一超」軍国主義帝国アメリカのイラク軍事占領は、ムスリム民衆の決死のレジスタンスのまえに、いまや完全に破綻した。「友邦同盟」諸国は算をみだして逃走を開始し、米英占領軍の「民主主義」をむきだしにした拷問・残虐行為の数々がいま白日のもとにさらけだされている。
 われわれは今こそ、米英帝国主義の軍事占領を粉砕するために不屈にたたかうムスリム民衆と固く連帯して、イラク反戦闘争の国際的高揚をかちとるためにたたかいぬくのでなければならない。
 同志諸君! 労働者・市民のみなさん!
 もはや命脈の尽きたブッシュ政権に今なおつきしたがい、日本国軍を米占領軍と一体化させ心中する道をつきすすんでいるのが、日米軍事同盟の首輪をつけた小泉政権にほかならない。しかもこのネオ・ファシスト政権は、日本を「戦争のできる国家」に飛躍させるために、有事関連七法の制定に突進し、さらに教育基本法改悪・憲法改悪を一気呵成になしとげようとしている。
 だが、「連合」指導部が支持する民主党は「派兵・改憲」を公然と是認し、日共中央は闘いを国連依存主義的に歪曲している。日本階級闘争は決定的な危機に直面させられている。
 われわれは、既成指導部のこの腐敗を弾劾し、闘争歪曲をのりこえて、イラク反戦・有事関連七法制定阻止、教基法・憲法改悪阻止の巨大な闘いを創りだすのでなければならない。小泉反動政権の打倒をめざして奮闘しなければならない。
 追いつめられた「一超」帝国主義の暴虐をうちくだき、「暗黒の二十一世紀」を根底から覆すための労働者階級の国際的団結を創造する思想的=組織的闘いを今こそ全力でおしすすめようではないか。
 これらの闘いを財政的に支えるために、すべてのみなさんが夏季一時金の三割カンパを寄せられんことを心から訴えます。
 二〇〇四年六月

<送り先>
東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三  吉田正雄  (振替・〇〇一七〇―四―一四四一一五)
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完全消滅の危機に脅える社民党


T土井チルドレン党の末期

U「平和の流れ」という錯視

V〈反安保〉なき「イラク派兵中止」方針

 小泉政権が「戦争放棄・戦力不保持」を謳った憲法を公然とふみやぶって、日本国軍を戦地イラクに出兵する、という戦後史を画する攻撃に打ってでたまさにその時に、わが社民党指導部は、これを「憲法違反」と一応は非難しながらも、同時に「自衛隊派兵はイラク特措法にさえ違反している」ということをもって反対する、という態度をとった。いま現在も、イラク情勢の悪化≠理由に、この特措法をタテとして、小泉政権に「派兵中止・撤兵」を求めている。イラク特措法では、自衛隊の活動は「非戦闘地域」に限定しているのに、今のイラクは全土が「戦闘地域」ではないか、と。あるいは、同法では自衛隊の「安全の確保」が謳われているのに、「戦闘地域」に自衛隊を派遣することは自衛隊員を危険にさらすことになる、と。
 社民党指導部は、イラク特措法の制定に反対する過程では、まがりなりにも「これは憲法違反だ」と主張していた。しかし、この法案が――みずからの反対運動の組織化、その弱さのゆえに――制定されてしまった以降は、このイラク特措法を基準として自衛隊派兵に反対することを前面におしだしている。彼らは今日、ますます現実肯定主義・合法主義のぬかるみにはまりこんでいるのだ。かつてのように「ダメなものはダメ」(土井たか子)と断じて、筋を通すということさえもできないのである。
 このことは、今日において彼らが「九条を守るというだけではだめだ」「護憲という言葉のみの運動ではだめだ」と称して「現代的意味合いでの護憲論の構築」なるものを唱えだしている(二月二十六日の全国幹事長会議)こととも結びついている。すなわち、第九条の不戦・平和の理念を絶対的なものとして擁護することを基軸にした「護憲」という日本型社会民主主義の伝統的理念、これを一応は受け継ぐかのように称しながらも、その内実を、「広範な『護憲』の結集を図るために」と称して修正したのである。国民の「平和的生存権」を保障するために「専守防衛」にあたるものとして自衛隊を位置づける、というように。幅広い市民の支持を集めるという思惑から、今日の「改憲」キャンペーンのなかで自衛隊の存在そのものは是認するムードにおし流されている市民層にも、迎合しのっかろうということにほかならない。そうすることが、ますます自分で自分の首をしめることになるにもかかわらず。

以下、略
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有事七法制定阻止の声響く(5・21 東京)

 
台風一過の五月二十一日に東京・明治公園において、「自衛隊の即時撤退! STOP! 有事法制 守ろう! 平和といのち  5・21大集会」が「陸・海・空・港湾労組二〇団体」をはじめとする四者が呼びかけ団体となって開催された。前日の二十日に、小泉内閣は、民主党を抱きこんで有事関連七法案およびACSA(米軍と自衛隊とのあいだの物品役務提供協定)改定案の採決を、衆議院本会議で強行し可決した。
 全国から結集した一万余の労働者・学生・市民は、くやしさと怒りに身を震わせながら、闘いに決起した。わが同盟の情宣隊は、会場の入り口で、「有事関連七法案、改定ACSAの衆院可決を弾劾しよう!」と大声で呼びかけ、「決起したイラク民衆と連帯し、いまこそ日本国軍の米英占領軍との一体化をうち砕こう!」「ブッシュ政権につき従う小泉政権の打倒めざしてたたかおう!」と闘いの方向性を凛として訴えた。
 わが同盟の情宣隊は、結集した労働者・市民に熱く呼びかけ闘いを切り開く方向性を赤あかとしめした。アメリカの「対テロ戦争」と「イラク民主化」の実態と本質を赤裸々に暴きだし、イラク民衆と連帯してアメリカのイラク占領に反対してたたかおうではないか。共産党指導部が掲げる「国連中心のイラク復興」策――それは仏・独権力者に依存したところのものであって、イラク民衆のレジスタンスに敵対するものでしかない――の犯罪性を暴きだし弾劾し、「自衛のための戦争」を容認し祖国防衛主義に転落した共産党中央の歪曲をのりこえたたかおう。戦争狂ブッシュにつき従い心中の道を選んだ小泉政権を今こそ打倒しよう。――この訴えは、苦渋の表情を浮かべながら、いま、苦闘を開始している労働者の仲間たちに確実に浸透していったのだ。
5・21大集会に結集しデモ行進する闘う学生(青山通り)
 

16000人が米軍基地包囲(5・16 普天間)

 五月十六日に、沖縄県宜野湾市において、普天間基地包囲行動(主催・同実行委員会)が開催された。時あたかも、「普天間基地返還の代替施設」と称する名護市・辺野古への新米軍基地建設のためのボーリング調査が強行されようとしているなかで、一万六〇〇〇人の労働者・学生・市民が結集した。
 わが同盟とたたかう労働者・学生は、<反安保>なき「米軍基地の整理・縮小」要求運動を革命的に・左翼的にのりこえ、普天間基地包囲行動を戦闘的につくりかえるために最後まで奮闘したのである。

炎天下、普天間基地包囲行動をたたかう労・学・市民(5月16日、沖国大近く)

労学が第二次出兵阻止闘争(5・16 札幌)

 「日本国軍第二次出兵阻止!」 闘う労学が怒りのデモ

 全学連北海道地方共闘会議と反戦青年委員会は、五月十六日、<日本国軍の第二次イラク出兵阻止!米英軍のイラク占領反対!>の闘いに決起し札幌市街を席巻するデモンストレーションをくりひろげた。イラクで占領支配の破綻にあえぐ米軍がファルージャでイラク人にたいする虐殺を強行し、アブグレイブでは拷問・虐待をほしいままにしてきたことが、次々と暴きだされた。この米占領軍と一体化しているのが自衛隊なのだ。たたかう労働者・学生は、社共や「連合」などの既成反対運動指導部が、イラク派兵阻止の闘いのいっさいを放棄しているなかで、これをのりこえるかたちで唯一たたかいぬいたのだ。
北大から札幌市街へ進撃する全学連と反戦青年委の部隊(5月16日、札幌)
 

メーデーに反戦の息吹 愛知/北海道

北海道
 

大通公園に第二次出兵阻止の熱き檄

 札幌大通公園を会場とした「全道メーデー」は、晴れあがった空の下、「連合」北海道傘下の一万三〇〇〇人(主催者発表)の労働者が参加して開催された。わが情宣部隊は会場各入り口に陣取り、「米軍によるファルージャ民衆の大殺戮を許すな!」の大横断幕をかかげ、「日本軍の民衆への武力行使を許すな!」「日本国軍第一一師団の第二次隊出兵を阻止しよう!」と熱烈に訴えた。
「全道メーデー」に結集した労働者(5月1日、札幌大通公園)

愛知
メーデーに反戦の息吹
「イラク人民と連帯して闘おう」 わが同盟の訴えに共感拡がる

 五月一日、名古屋市の白川公園において、「愛労連」を中心とする実行委員会主催の「愛知県中央メーデー」が開催された。
 わが同盟の情宣隊は、会場入口三ヵ所に陣取り、「米軍のイラク人民大虐殺弾劾」「反米蜂起と連帯して闘おう」と記したゼッケンをつけて、「反戦・反改憲の広範な労組の共同行動を!」「年金制度の大改悪を阻止しよう!」と大書きしたビラをメーデー参加者に配布し、情宣をくりひろげた。
 わが同盟情宣隊は、四月二十九日に名古屋市総合体育館でおこなわれた「連合愛知」主催の「メーデーフェスティバル」においても、大情宣をくりひろげた。
「連合愛知」集会会場前でビラまき(4・29、名古屋)
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シリーズ郵政生き地獄(5) 
集配労働者を苦しめる「スタンディングワーク」
腰が痛い∞足に血が下がる∞これは拷問だ

以下本文
殺人的な労働強化
 多くの集配労働者は例外なく腰痛を抱えている。「大区分」でさえ、腰が痛くなって集中できない集配労働者が大勢いる。にもかかわらず、局内での作業はすべて立ったままおこなえ、というのだ。「疲れる」「腰が痛い」「首と背中が固くなる」「足に血が下る」「足が棒になる」「立っていられない」「おれたちを殺す気か」と、すべての集配労働者から不満の声が噴出した。
 立ったままでの区分はやりづらく、時間ばかりがかかって作業が進まない。進捗状況ボードへの表示を忘れると、職制や班長がうるさく指摘する。できる奴との差が歴然だ。なにが「共助共援」だ、これこそ労務管理そのものじゃないか! そのうちに腰が痛くて立っていることがつらくなる。最初は足が痛いだけだが、そのうちに膝ががくがくして立つのもやっとの状態になる。我慢してやっていると腰が痺れてきて、ついに立っていられなくなってしまう。作業に集中できないばかりか、疲労が蓄積してボーっとしてしまう。こんな疎外労働≠ノ「こんちくしょう」と思いながら屋外の配達労働に出かけるのだ。
 疲れ果てて帰局し、体を休めようとして郵便物を入れるプラスチック製のファイバーを持ってきて座ろうとすると、管理者たちの「立ってやれ」という罵声がとぶ。体を休めるために座ることも許されないのだ。血も涙もない管理者たちの声とともにファイバーは撤去されるが、労働者たちは痛い腰を庇いながらどこからともなくすぐにファイバーを持ってきてまた座る。このようなイタチごっこのような状態が続いているのだ。
 「いまでもくたくたなのに立ってなんてやっていられない」「腰痛がますますひどくなる」「勧奨退職の年齢までももたない」「本部や地本はどうしてこんなもの受けてくるんだ」「管理者や本部・地本の役員も立っていろ」、現場では不満が爆発しているのだ。
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Topics 電子カルテシステムの導入

医療のコンピュータ化=#人間化

医師もナースもパニック
殺人的労働強化をもたらす電子カルテシステムの導入


以下本文
 「若手のドクターが『電子カルテというのは非常にすばらしいものだ』というので大手メーカーのものを入れたが、現状ではみんな非常に困っている。ドクター、ナースから意見を聴取したが、改善困難。導入した途端に、医師もナースもパニックに陥るようなものが、平然と電子カルテといわれている現状は困る」(愛媛大学病院医療情報部教授・石原謙)―厚生労働省の検討機関(標準的カルテ推進委員会)の場においてさえも、こんな悲鳴≠ェあがっている。いま、国公立の大学付属病院や総合病院を中心に猛烈な勢いですすめられているカルテの電子化・電子カルテシステムの導入は、医療現場を大混乱に陥れ、医師・看護師をはじめ医療労働者に文字通り殺人的な労働強化を強いている。そのごく一端は以下のとおり。
 @パソコン入力をはじめ業務量が膨大にふくれあがり、医師も看護師もすさまじい超勤(しかも不払いの)を強いられている。とりわけ、三交替勤務の看護師の場合、日勤から深夜勤務に突入するまでの間にまったく休みがとれず、二十四時間ぶっ通しで働きつづけなければならない事態さえもひんぱんにうみだされた。
 A医師は今でも余裕のない外来診療でパソコン入力に追われ、患者をじっくり診ることなどとてもできない(どの病院も外来患者を減らさなければ対応が追いつかず、三分の一も減らした病院まである)。病棟の看護師は入院患者を看てまわるさいもワゴンにノートパソコンをのせて運び歩き、検温、脈拍、食事量、排せつなどの各項目ごとにいちいち画面を切り換えて入力するのに追われ、患者の顔をみて話を聞く暇もない。しかも、ナースコールで呼ばれるたびにいちいち画面を閉じなければならず、再度たちあげるのに時間がかかる(入力したデータの量がふえるのにつれて反応速度は遅くなり、画面をよびだすのに三分〜五分もかかるなど、これではまったく仕事にならない)。廊下で看護師が一心不乱にノートパソコンと格闘していたり、患者がナースステーションで声をかけても看護師は誰も振り向かずパソコンの前にくぎづけになっていたり、という異様な状況もうみだされている。
 B経験豊かで医療・看護技術のすぐれた中高年の医師・看護師が、複雑なパソコン操作に慣れることができず、また子育て中の看護師の場合には膨大な超勤に耐えられず、異動や退職に追いこまれている。「電子カルテは格好のリストラ手段で、高齢者の首切り道具」(二〇〇〇年から電子カルテシステムを先駆的に導入したNTT東日本関東病院の副院長・小西敏郎)とさえ言われている。
 Cいつでもどこからでも医師の指示が入力できるようになったため、指示が変更されたことに看護師が気づかなかったなど、システムが原因のミス≠ヘ日常茶飯事。医療チーム(労働組織)の有機性は著しく損なわれ、事故が起きればつねに責任を追及される看護師は、従来いじょうに極度の緊張を強いられつづけている。
 こうして、「医療安全管理の充実」などという謳い文句(東京都のマスタープラン)などとはおよそ正反対の事態が進行している。コンピュータ・システムにふりまわされる医療・看護労働者の医療実践はますます疎外され、身体をボロボロにされぶったおれるまでこき使われつづけている。
 医学会のなかからも猛反発が噴きあがった。「内科に比べて、多くの自科検査やスケッチ記載を要する眼科、耳鼻科、形成外科、皮膚科などでは、現在の電子カルテは全く使い物にならない」。「極めて非効率なシステムを、医師個人の尽力で、毎日夜遅くまでかかって補いつつ、電子カルテシステムにお仕え申し上げるという事態」になっている。システムの改善が、強引に先行導入した医療機関の「累々たる失敗の上に構築され」るのかも知れないが、「その間、幾万の眼病患者に予想される医療上の大きな不利益」にいったい誰が責任をとるのか? と(日本眼科学会IT委員会電子カルテ検討委員会答申、〇四年三月五日付)。
 「質の高い効率的な医療提供体制」を掲げ、新自由主義にもとづくアメリカ式医療制度をモデルとして医療制度改革を目指している政府・厚生労働者は、そのためのテコとして「医療の情報化・IT化」その中軸をなす電子カルテシステムの構築に血眼になっている。これに呼応してネオ・ファシスト石原の東京都当局なども電子化の先行走者≠スろうと強引につっ走っている。医療・保険分野への進出にヨダレを垂らしているIT産業の諸独占体の意向にもこたえながら。とりわけ国公立の医療機関は、開発途上で欠陥だらけ≠フシステムを施行し「改善」を重ねていくための実験台≠ノされている。そこで働く医療労働者(ならびに患者としての労働者)はモルモット扱い≠ウれているに等しいではないか! すべての医療労働者は、「よりよい電子カルテシステムの導入」を要請するにすぎない日共系労組指導部をのりこえ、殺人的労働強化をもたらす電子カルテシステムの導入に反対してたたかおう!
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海兵隊の辺野古新基地建設・ボーリング調査を阻止せよ!


革共同革マル派 沖縄県委員会

 
5・16沖縄県民大会「普天間基地撤去! 
辺野古新基地建設阻止!」の声轟
政府・防衛施設局が突如として強行しようとした名護市辺野古沖の海兵隊新基地建設のためのボーリング調査(四月十九日)を、辺野古住民を先頭にして全県からかけつけた労働者・学生や環境保護団体の市民活動家たちは、共同した闘いによって阻止した。以降、現地辺野古においては一日も欠かすことなく早朝からの座り込みが続けられている。スキを見ては強行突破をたくらむ防衛施設局の策動を完全に封じ込め、今日までボーリング調査を阻止しているのだ。
 わが同盟は、アメリカ帝国主義ブッシュ政権の基地再編プランに期待をよせる既成指導部のもとにある「基地の整理・縮小」要求運動をのりこえ、辺野古住民をはじめ全県・全国から駈けつけた労働者・学生の先頭でさらに奮闘する決意である。〔<補>参照〕

以下、見出し
調査の強行を許さぬ現地・辺野古の闘い

「対テロ」戦争の拠点としての沖縄米軍基地の再編・強化

着工に踏み切った政府・稲嶺県当局

「基地の整理・縮小」要求運動をのりこえて闘おう!
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◆『新世紀』最新号第211号紹介
新世紀 
The Communist  
第211号 
2004年7月

蜂起したイラク民衆との連帯のために
〈改憲・有事法・愛国心教育〉も特集


 米占領軍の大犯罪が暴露された。イラク・アブグレイブ収容所での拷問と虐殺は、現代版十字軍のおぞましい姿を満天下にさらけだした。占領軍の最後の一兵まで叩きだす永続的な闘いが、いよいよ開始されるであろう。
 「二十一世紀初頭のイラク侵略戦争を焦点として激動してやまない現代世界のまっただなかに生き・かつたたかっていることを、私はこのうえない喜びとするものである。」――植田琢磨革共同議長の闘志みなぎる声明、「全世界の労働者階級人民に訴える」が巻頭を飾る『新世紀』第二一一号を、ここに贈る。
 前革命情勢というべき高揚をきりひらいたイラク人民の闘いに応えるために、特集「反米・反占領のイラク人民蜂起」を組んだ。住民総武装で米軍を撃退したファルージャ死守戦と、イラク南部諸都市でのムクタダ・サドル師率いる民兵マフディ軍の突出し孤立した武装蜂起。この二つの民衆蜂起の意義を明らかにし、国連依存主義にもとづく占領反対・自衛隊撤退要求運動をのりこえてたたかう方向性を提起しているのが、「反米総蜂起に決起したイラク人民と連帯せよ」である。
 次の二つの論文、「ブッシュ政権による3・2シーア派信徒大量殺戮の謀略を弾劾する!」および「スペイン謀略テロと『友邦同盟』の瓦解」は、イラク民衆蜂起とアメリカ「友邦同盟軍」のドミノ的イラク撤退の、それぞれの決定的契機となったブッシュ政権の二つの謀略にかけた目論見の頓挫について明らかにしている。3・2謀略を即刻暴露した前者は、英訳されてアラブ・イスラム諸組織にも送られ、シーア派とスンナ派の宗派間抗争を煽るブッシュ政権の狙いをあまねく知らしめた。その英訳文も、あわせ掲載する。
 特集中の小特集「現代版十字軍の狂気のムスリム攻撃」は、生なましい三つのドキュメントからなる。冒頭の「次々と暴かれる占領米軍の犯罪」では、ファルージャでのジェノサイド、アブグレイブ刑務所での拷問、アルカーイダのテロを装った米軍・CIAの謀略など、ブッシュ政権の犯罪のすべてを明らかにしている。米民間軍事会社や劣化ウラン弾を論じた他の二つとあわせ読むことによって、読者は米英占領軍への怒りを新たにするにちがいない。
 特集の第二として、「改憲・有事法と愛国心教育」を企画した。イラク派兵下での小泉政権のカサにかかった諸攻撃。その第一として改憲に向けて「挙国一致内閣の形成」というべき事態が進行していることに警鐘を打ち鳴らしたのが、「改憲の大濁流に抗して」である。次の「有事関連七法案―侵略戦争法体系の急整備」では、小泉政権が二〇〇三年に制定した有事法を「有事」において現実的に適用し国家権力を発動するための法制上の整備について分析している。
 続く三論文は、「戦争をやれる国」づくりと不可分のものとして、「教育改革」にかかわる諸問題をとりあげている。「『日の丸・君が代』のネオ・ファシスト的強制」は、卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかった都立高校などの教員二〇〇名の処分という、石原指導下の都教育委員会のゲシュタポまがいの攻撃について、教育改革の先取りとしての意味を明らかにし、反撃を呼びかけている。この総攻撃をまえにして、「子ども参加・父母共同の学校づくり」なる代案を掲げることしかできない全教本部の方針の無力さを、理論的に全面的に批判したのが、「『地域ぐるみの学校づくり』方針の倒錯」である。教育現場で苦闘する労働者同志の歌まじり文、「教育労働者の憤怒を詠める」を三つめに掲載した。
 「愛国心」の問題を理論的に考察するための一助として、精神科医・香山リカの『ぷちナショナリズム症候群』の書評を第二特集の最後に添える。

中国の〈引きこもり外交〉を弾劾

 「『中華』中国の<第三極>外交」は、イラク人民蜂起を冷やかに傍観する中国官僚を弾劾する立場にたって、その今日の外交路線を分析した論文である。ブッシュ政権とも協調しつつアジア経済圏の創出を第一義的に追求する<引きこもり外交>が、浮き彫りにされている。
 「改めて暴かれた神戸事件の謀略性」は、A少年の医療少年院からの退院にさいしての、わが同盟の態度表明である。「睨みすえるレーニン」は、大ヒットしたドイツ映画『グッバイ、レーニン!』の映評。ヘリコプターで吊されるレーニン像の迫真の表情に射すくめられた、若い観客たちの反応をも観察した異色の評論である。
 最後に収録した「『鎮める神々』への祈り」は、日本の「カミカゼ」とムジャヒディンの殉教という、二つの時代・二つの世界を重ね合わせつつ歌を詠む岡野弘彦、彼の内面に深く迫る歌評。神々のよみがえった世紀の意味を探求した文明論でもある。
 イラク反戦闘争をたたかうための武器を満載した本誌を、ぜひ活用されたい。
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