第1819号 (2004年5月17日)の内容
<1面>
全世界の労働者階級人民に訴える いまこそイラク反戦闘争の国際的爆発をかちとれ! 日本革命的共産主義者同盟 全国委員会 議長 植田琢磨
<4〜5面>
ブッシュとシャロンの悪魔の盟約
◆対テロ前線基地網構築の企み
<2面>
反戦・反改憲の戦線を構築せよ
<3面>
憲法集会で闘う労学が奮闘(5・3)
全道の学生が反戦行動(4・25札幌)
関西学生反戦の集い(4・24大阪)
感想文 2・15旭川現地闘争に決起して
<6面>
「連合」メーデーに闘う息吹き(4・29)
シリーズ 郵政生き地獄(2)
年末始繁忙の悲惨な実態
Topics パート・派遣労働者の無権利状態
<7面>
ネオ・ファシズム的教育再編の「地域」からの補完(下)
――全教「学校づくり」方針の反動性
<8面>
人間的信頼の絆
「協力の倫理と論理」を読んで
うた 2・15旭川に起つ!
週間日誌は3面に掲載します
「解放」最新号
(一) 戦争狂<uッシュのかの「大規模戦闘終結宣言」以後一年、アメリカ帝国主義のイラク軍事占領は、いまや完全に破綻し崩壊してしまった。 ファルージャにおけるスンナ派武装勢力に率いられた民衆の蜂起、そしてこれと呼応してのシーア派内反米急進派のムクタダ・サドル師率いる民兵組織マハディ軍のバグダッドおよびイラク南部各地における武装蜂起。イラク解放をめざして蜂起したスンナ派・シーア派両派のこの闘いに追いつめられた米占領軍は、ついにファルージャからの撤退を余儀なくされ軍事的大敗北を喫した。 これとともに、米英占領軍による残虐きわまりないジェノサイド的攻撃の実態が白日のもとにさらけだされた。バグダッド西部にあるアブグレイブ刑務所において、米占領軍とCIA(米中央情報局)の指示のもとに、数千人にのぼるイラク人拘束者にたいして組織的におこなわれていた、「民主主義」をむきだしにした人非人的残虐行為の数々。これは、「一超」軍国主義帝国アメリカの断末魔のあがき以外のなにものでもない。 イスラエルのミニ・ヒットラー=シャロン政権によるパレスチナのハマス指導者ヤシン師虐殺とこれにつづくランティシ師虐殺。このシオニストによるハマス殲滅戦をブッシュ政権は支持し、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の護持とパレスチナ難民の帰還権の剥奪とを是認するという傲岸な声明を発した。 まさにこれらのゆえに、現代版十字軍とシオニストどもは、いまや決定的な国際的孤立を深めている。ブッシュ政権のジェノサイド的攻撃にたいする全世界労働者・人民のごうごうたる非難の声だけではなく、イラクに軍隊を派遣している「友邦同盟」諸国政府の反発と脱落をも呼び起こしているのだからである。 スペイン社会労働党書記長の新首相サパテロは、早くも自国軍隊のイラクからの撤兵を開始した。 このスペイン軍のイラクからの撤兵は、その指揮下にあり・スペインの撤兵に追随したホンジュラスやドミニカをはじめとするニカラグア、シンガポール、ニュージーランド、ノルウェーなどの「友邦同盟」諸国なるものと、ブッシュのアメリカとの亀裂をもはや修復しがたいものにした。 こうした情勢のさなかで、日米安保=軍事同盟の首輪をつけた小泉政権のみが、米英とのハーケンクロイツ同盟の一員として、「自衛隊」という名の日本国軍を米占領軍と一体化することに狂奔しているのだ。われわれは、この極悪非道の小泉政権を、わが日本労働者階級の矜持にかけて絶対に打倒しなければならない。 二十一世紀初頭のイラク侵略戦争を焦点として激動してやまない現代世界のまっただなかに生き・かつたたかっていることを、私はこのうえない喜びとするものである。日本の、そして全世界の労働者階級・人民に私は訴える。 米英帝国主義による占領統治支配からのイラク解放をめざして、みずからの生命を賭してたたかいぬいているムスリム民衆のレジスタンスと熱く・固く連帯して、全世界の労働者階級・人民はいまこそイラク反戦闘争の国際的爆発をかちとるために総決起せよ! わが革共同・革マル派を中核とする日本反スターリン主義革命的左翼は、この闘いの最先頭でたたかいぬくのでなければならない。 (二) 「サラヤ・アル・ムジャヒディン」を名のるムスリム武装グループによる、人質戦術を駆使した日本人拘束事件の惹起。これにあわてふためいた小泉政権は、かの「人質解放声明」をば、あろうことか、わが同盟と結びつけるという悪辣なフレームアップ攻撃をかけてきた。 だが、「革マル派の文章と似ている」などという日本国家権力のヒモ付きジャーナリズムを使ったところのこの荒唐無稽なフレームアップは、このかんのわが闘いの決定的意義とその革命性をかえって逆証明するものとなったのである。 イラクおよびパキスタンにおいて同時的にひきおこされた・アシュラ祭にあたってのシーア派信徒大量虐殺事件(三月二日)と、スペイン労働者人民の生命を一瞬にして奪いさった凶悪な列車連続爆破事件(三月十一日)とが、ブッシュ帝国がアメリカ諜報機関を総動員して実行したところの、イラク軍事占領の破産をおし隠すための一大謀略テロにほかならない。このことを、わが同盟は世界で唯一、間髪を入れずに果敢に暴きだしてきた。 それだけではない。ヤンキー帝国主義をはじめとする各国帝国主義権力者どもの鼓吹する「テロ根絶」の大合唱の濁流に呑みこまれ、<9・11ジハード自爆事件>にはじまるムスリム戦士たちの英雄的な反米闘争をば「テロ」とみなして烙印してきたのが、全世界の社会民主主義者であり、転向スターリン主義者である。これらすべての「反体制」派の思想的に頽廃した惨めきわまりない姿をも、われわれは断固として暴きだしてきたのである。 われわれは、この堕落した既成左翼指導部と断固として対決し、「一超」軍国主義帝国アメリカの暴虐に抗してたたかうムスリム人民に、プロレタリア国際主義にもとづいて心からの連帯を表明し・たたかってきた。反米・反占領闘争をたたかうムスリム人民に、「反米・反シオニズム」の旗を高く掲げて対イスラエル抵抗闘争をたたかうパレスチナ人民に、そしてすべてのアラブ人民に、イスラミック・インター―ナショナリズムにもとづく闘争を断固として組織せよ! という檄をわが革命的左翼は発しつづけてきたのである。 わが日本の革命的左翼とこの旗のもとでたたかう戦闘的労働者・学生は、わが国の平和運動指導部をいまなお自称している日本共産党指導部の国連依存主義的な闘争歪曲を断固としてのりこえて、イラク反戦闘争の革命的高揚のために奮闘してきた。 わが闘いが、日米安保同盟の首輪をつけたポチ公小泉政権の喉元に刃を鋭く突きつけてきたことのゆえに、わが同盟を「テロ支持勢力」とみなしてこれを組織的に破壊するために国家権力がなりふり構わずかけてきたのが、権力の腰巾着どもを使ったフレームアップ攻撃であったのだ。 (三) ムスリム人民は、イラクの地から米英占領軍を最後的に叩きだすために、反米反占領闘争の火柱をいま赤々と燃えあがらせている。そして、パレスチナの民衆は、憎みてあまりあるシャロン政権を打倒するために、<反米・反シオニズム>の闘争を果敢にたたかいぬいている。 米英帝国主義をはじめとする現代版十字軍とシオニスト・シャロンのイスラエル権力者どもが、イラクやパレスチナの民衆にしかけている戦争は、現代の宗教(=民族)戦争としてのイデオロギー的性格をもつのである。 二十一世紀初頭の現代世界に時ならぬかたちで「神」が復権させられ・惹き起こされているこの現代戦争の根源は、ほかならぬ一九九一年のソ連邦の崩壊を結節点としたスターリン主義の歴史的破産にあることはいうまでもない。 まさにこのスターリン主義そのものの反プロレタリア性とアンチ革命性を暴きだし、その打倒のために粉骨砕身してたたかってきたのが、唯一、わが日本反スターリン主義革命的左翼なのである。 (四) イラク侵略戦争の前段および過程において露わとなった米英日連合にたいする、シラク、シュレーダー、プーチンの仏独露枢軸の形成という事態は、この両者の相互対抗的な角逐を起動力として、二十一世紀世界の再編が開始されたことを露わにした。この両者にたいして相対的独立性を保持しながら、二十一世紀の超大国をめざしてアジアの盟主たらんとしているのが江沢民=胡錦濤の中国である。 いま現出しているこの<三極ないしは四極構造>は、一九九九年から二〇〇三年にかけて強行されたアメリカ帝国主義主導の三つの戦争――NATO同盟諸国のユーゴ・コソボ空爆、アフガニスタン空爆、イラク侵略戦争――を転機としてもたらされた現代世界史の転換の如実な現れ以外のなにものでもない。 米英日のハーケンクロイツ同盟と仏独露枢軸との対立・対抗のはざまにおいて、独自の政治的立場をとっている江沢民=胡錦濤の現代中国は、「東アジア経済圏」をば自国のヘゲモニーのもとに形成するという独自的利害のゆえに、イラク侵略戦争にかんしては無関心を決めこんでいるかにみえる。いや、引きこもり外交≠ニもいうべき対外政策をとっているのだといわなければならない。 もしも一九六〇年代の毛沢東中国の時代であるならば、反米総路線にもとづく反米武力闘争の国際的推進を全世界の共産党および勤労人民にたいして断固として呼びかけたはずである。このことをよもや忘れてはいまい中国の労働者人民よ! このような腰抜けの自国共産党=スターリン主義官僚指導部にたいする下からの弾劾の闘いをいま直ちに開始すべきではないか。 (五) イラク軍事占領支配の破綻をつきつけられたブッシュ政権は、「イラク民主化」なるものが米兵による残虐なジェノサイド・拷問の別名でしかなく、「大量破壊兵器の脅威」なるものがまったくのデッチあげでしかなかったことを全世界の労働者・人民の前にさらけだした。イラク侵略戦争の開戦時に掲げていた「大義」なるものが完全に地に墜ちてしまったことのゆえに、彼らは、いま、恥知らずにもイギリス権力者ブレアとともに国連にイラクの信託統治≠哀願するほどまでに断末魔の様相を呈している。イスラームを「野蛮」とみなし、イラク侵略戦争をば野蛮なイスラームにたいするキリスト教徒の「十字軍」だと叫びたてていたのは、いったいどこの誰であったか。ユニラテラリズムにもとづいてイラクでとってきた阿呆ブッシュの蛮行を、われわれは絶対に許してはならない。 われわれは、すべてのアメリカ労働者階級・人民にたいして心から訴える。民主党の支持基盤であるアメリカ労働総同盟―産別会議(AFL―CIO)にたいして、諸君は決して幻想を抱いてはならない。諸君! われわれは忘れることができない。イラクにたいする軍事攻撃の開始を告げる大統領ブッシュの演説を眼前にしてスウィーニー指導部は、「われわれは明確にわが兵士を支持する」という声明を発表した。あのときの諸君の屈辱感と怒りにゆがんだあの顔を。 そして想起してほしい。このアメリカ労働総同盟―産別会議指導部の裏切りに抗して断固として起ちあがったアメリカの戦闘的労働者たちの苦悩を共有し、ブッシュの戦争に反対する闘いにアメリカ現地において勇躍決起したわが全学連現地闘争派遣団の若き仲間たちの勇姿を。 (六) 「一超」軍国主義帝国アメリカによるイラク軍事占領は破綻した。いまや、その「友邦同盟」諸国は算をみだして遁走を開始している。それにもかかわらず、ただ、わが日本の小泉政権のみが、もはや命脈が尽きている米占領軍との一体化と心中の途をまさぐっているのだ。 それだけではない。日本を文字どおり「戦争をやれる国」に飛躍させるために、有事関連七法案の国会上程、そして憲法改悪にむけての反動諸攻撃――すでに自民党の「憲法改正案」では、第九条の全否定として「自衛権行使」と「軍隊保持」が明文化されている――を一気呵成にしかけてきているのだ。 われわれは、日本の地においてイラク反戦闘争の革命的高揚をめざしてたたかうものである。われわれ日本の革命的マルクス主義者は、米英占領軍によるジェノサイド攻撃に抗してたたかうムスリム人民の・みずからの命を賭した帝国主義にたいする闘いを、そのイスラーム的反逆の意義をうけとめつつ、この彼らの闘いの限界をもマルクスのマルクス主義を適用して止揚してゆくという、イデオロギー的=組織的闘いを推進しているのである。まさにこの闘いは、「現代の万葉歌人」や「絶唱歌人」と呼ばれている人々の心の内奥にも通じるところの、マルクス主義の日本的土着化にかかわる思想的意味をもっているのである。 全世界の労働者階級・人民諸君! 暗黒の二十一世紀を根底から覆すための労働者階級の国際的団結を創造するイデオロギー的=組織的闘いを、革命的マルクス主義で武装していまこそ雄々しく前進させてゆこうではないか。 わが革共同・革マル派は、この闘いを最先頭で領導するであろう。ともにたたかわん! 断末魔の米英軍によるイラク人捕虜への拷問・虐待を弾劾せよ 米軍(および英軍)がバグダッド近郊のアブグレイブ刑務所やイラク南部でおこなっていたイラク人捕虜への拷問・虐待が明るみに出された。黒頭巾を被せての電気ショック・丸裸にしての性的虐待・逆さ吊り……。米軍がファルージャ撤退を開始した、まさにそのタイミングを見計らうかのように、東部系のCBS放送によってこの事態は暴露されたのだ。 手当たりしだいに拘束し収容したイラク兵士・人民から情報を収集し彼らをスパイにしたてあげるために、米軍情報部やCIAは、数限りない拷問・虐待行為を組織的にくりかえしてきた。拷問を受けたイラク人は、「公けにされたのは米兵がやった数々の虐待行為の極く一部にすぎない」と弾劾している。アムネスティ・インターナショナルは、これらは「イラクの刑務所で恒常的におこなわれていることだ」と証言している。明るみに出たのは、氷山の一角にすぎない。 「関与した兵士は極く少数だ」(ブッシュ)とか「非アメリカ的行為だ」(国防長官ラムズフェルド)とかと、アメリカ権力者や米軍上層部は、この組織的残虐行為を隠蔽するために、直接手を下した兵士に一切の責任を転嫁しようとしている。これにたいしては、虐待にかかわった兵士が「上官の指示」であることを赤裸々に証言し、ブッシュ・ラムズフェルドの隠蔽工作をくつがえしているのだ。 ブッシュ政権の言う「イラク民主化」「中東民主化」の内実、その本質がこの事態に如実にしめされているではないか。また同時に、収容されていたイラク人が証言しているように、米軍兵士たちは、これらの残虐行為に興じ、その映像を「ベストコレクションを競うように」集めている。この倒錯した姿は、ベトナム戦争末期における米軍兵士の狂気と荒廃(人民虐殺・麻薬中毒など)と同様に、大義なき戦争に駆り出されゲリラの猛攻に怯えた兵士たちの狂気・不安ゆえの精神的荒廃をしめしてあまりある。 米英軍によるイラク人への拷問・虐待弾劾! ブッシュ政権の下部兵士への責任転嫁を許すな!日本国軍の米英占領軍との一体化反対! 蜂起したイラク人民と連帯し、イラク反戦闘争の爆発をかちとれ! |
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ネオ・ヒトラーとミニ・ヒトラーの悪魔の盟約
ブッシュ・シャロン合意の意味するもの イスラエル首相シャロンの「パレスチナのイスラエルからの一方的分離」政策にもとづく「ガザ地区からの撤退計画」をめぐって、アメリカ大統領ブッシュと、イスラエル首相シャロンは、四月十四日にホワイトハウスで会談した。ここにおいてブッシュは、シャロンの「ガザ撤退計画」を「勇気ある行動」として称賛するとともに、アメリカの歴代大統領として初めて、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地の存続を支持するという意志を表明した。二十一世紀のネオ・ヒトラーたるブッシュは、ガザ地区をパレスチナ人の巨大なゲットーにするためにハマスなどのイスラム急進主義組織を壊滅しつくすことに狂奔するチビ・ヒトラーたるシャロンの悪魔の計画≠ノ承認を与えたのだ。 このブッシュ・シャロン合意にたいして、パレスチナそしてアラブ全域の人民は怒りに身を震わせ<反米反シオニズム>の闘いの炎を噴きあげている。 他方、このブッシュ・シャロン合意が発表されるやいなや、イギリスのブレアをのぞくEU諸国権力者たちは、十五年来のいわゆる「中東和平プロセス」を無に帰すことになりかねないという危惧感を募らせたがゆえに、「一九六七年以前の境界線を変更することは認めない」と声高に非難した。その二日後に、ブッシュがイラク占領支配の全面的破産をのりきるために「イラク人への主権移譲」にかんする権限を国連に委譲するという内実のイラク占領政策の「転換」をうちだしたことにたいしても、EU諸国権力者は冷ややかな対応をしめした。ブッシュとシャロンは国際的孤立をますます深めている。 以下、見出し Tハマスせん滅の企み U「パレスチナ独立」の全面的否定 ガザ地区のゲットー化 ヤンキー帝国主義の対パレスチナ政策の転換 V噴きあがる国際的非難 W断崖絶壁に立たされたシャロン 極右シオニストどもの造反 疑獄暴露のりきり策の失敗 戦時経済≠フ破綻 |
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憲法集会で闘う労学が奮闘(5・3) |
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「反戦・反改憲の広範な戦線を!」たたかう労学が5000名の先頭で奮闘(5・3憲法集会、日比谷野音) | |
全道の学生が反戦行動(4・25札幌) |
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全道の学生が「第2次派兵反対」の反戦行動(4月25日、札幌) | |
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蜂起したイラク人民と連帯し反戦・反改憲の戦線を構築せよ 占領支配の崩壊に喘ぐブッシュ政権の断末魔のあがきを断て! 民衆蜂起の炎になめられ命運尽きたブッシュ政権 ムスリム民衆の反米蜂起を鎮圧するためにファルージャを包囲しジェノサイド攻撃を加えてきた米占領軍が、「地元代表との合意」なるものを衝立として、部分的撤退を開始した(四月三十日)。米軍に代わってファルージャ市内には、フセイン政権下の「精鋭部隊」=共和国防衛隊のサレハ少将率いる「ファルージャ防衛軍」(一一〇〇人規模)が展開した。 旧サダム軍の軍服をまとったサレハは、民衆の歓呼に迎えられた。サダム軍将校を下級職に登用したことへの人民のこの反応に驚がくした米軍は、「サレハはシーア派弾圧の張本人」とシーア派が反発していると称して、あわてて降格処分に付した。民衆の反米蜂起の燃えさかる炎に敗退を強いられ、かつての「ベトナム化」と同じ発想で「イラク化」をはかったにもかかわらず、これもただちに破綻したのだ。国防副長官のウォルフォヴィッツは「情勢が見えなくなってきた」などと米軍の敗北を自認せざるをえなかったのだ。 いまやブッシュ帝国のイラク占領支配は音をたてて崩壊しさった。スンナ派武装勢力によるファルージャ蜂起と、これに連帯したシーア派サドル師率いるマハディ軍の武装決起。この<反米・反占領>の人民蜂起をつうじて、イラク人民は米軍叩きだし=人民解放にむけての橋頭堡を構築したのである。 米民間軍事会社(PMC)の特殊工作員四名の殺害(三月三十一日)にしめされたイラク人民の憎米感情の高まりに逆上した米軍は、泥縄的に、「報復」を名分として、ファルージャを包囲しスンナ派武装勢力の壊滅を策し、ジェノサイド爆撃や狙撃を強行した。シーア派・サドル派にたいしても、サドルその人の抹殺と民兵組織の壊滅を狙ってナジャフ包囲・総攻撃を仕掛けた。 これにたいしてムスリム人民は、勇猛果敢で創意あふれる闘いをくりひろげた。ファルージャの住宅や学校、病院、さらにはモスクにまでミサイルを撃ち込み爆弾を投下し、八〇〇名を虐殺した米軍の蛮行は、まさにムスリム人民の闘志と憎しみをかきたてずにはおかない。イラク全土から「ファルージャを救え」の声が沸き起こり、民衆は武器を持って・あるいは支援物資を持ってファルージャ周辺に駆けつけ、ファルージャを包囲していた米軍を逆包囲した。「友邦同盟」各国権力者を揺さぶり国際世論に「ファルージャ救援」をアピールすることを狙って、スンナ派武装勢力は、「人質戦術」をも駆使した。 サドル師の抹殺を狙った米軍の軍事行動にたいしても、サドルと民兵はナジャフを守りぬくだけでなく、四月十一日のアルバイーンに向けて、一気に反米の革命的蜂起へとおしあげることをも展望した。バグダッドのサドルシティで、南部のシーア派地域のあらゆる都市で一斉蜂起した。けれどもイランの仲介とシスターニ師の説得を受け入れ、サドル師は早漏%I蜂起の矛をいったんは収めたのだ。 こうして、イラク民衆の反米蜂起に追いつめられた米軍は、ファルージャからの撤退を余儀なくされた。「友邦同盟」諸国は、沈没船から逃げだすネズミのように、相次いで「イラクからの撤兵」をうちだし実行しはじめた。ブッシュ政権が泣きついた国連事務総長のアナンや特別顧問のブラヒミは、「ファルージャ攻撃をやめよ」とブッシュに迫った。この軍事的敗北(米軍の死者は四月だけで、発表されているかぎりでも昨年の開戦以来最高の一三八名)と国際的孤立化を招いたブッシュ政権にたいして、アメリカ国内でも、世論調査におけるイラク政策への不支持は過半数を大きく上回っている。 以下、見出し 明るみに出された捕虜虐待=拷問 米軍駐留下の国連信託統治≠ノよるのりきり 「人道支援」の破れ旗を掲げる小泉政権 派兵容認・創憲=改憲≠フ旗を振る民主党中央 「国連主導の解決」への幻想を煽る日共官僚 |
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