第1818号 (2004年5月10日)本号の内容

<1面>
首都中枢にイラク占領反対の火柱
4・25 蜂起したイラク人民と連帯し全学連・反戦が戦闘的デモ

<4面>
憲法改悪を絶対阻止せよ!

<5面>
「国連のイラク統治」を待望する代々木官僚

<2面>
4・24教基法改悪反対集会 教育労働者2000名が全国から結集
4・19〜22沖縄米軍新基地建設阻止に起つ
4・17大阪反戦学生マーチ

◆反米闘争の大衆的高揚―今のイラク

<6面>
シリーズ郵政生き地獄=i1) 強行導入された殺人的な「深夜勤」
大阪市「習熟度別学習」を導入
Topics 労働審判委員会設置の狙い

<7面>
ネオ・ファシズム的教育再編の「地域」からの補完
――全教「学校づくり」方針の反動性


<8面>
感想文 『黒田寛一のレーベンと為事』を読んで
『黒田寛一初期セレクション』感想
「働き、学びて、考えたこと」を読んで
うた断末魔の米帝を撃て

<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
◆カネは欲しいが……
◆目隠し取れたら猿ぐつわ
◆走狗の逆証明
派兵翼賛政党の本性を露呈
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
 






























































    

首都中枢にイラク占領反対の火柱

4・25 蜂起したイラク人民と連帯し全学連・反戦が戦闘的デモ

 四月二十五日、全学連と反戦青年委員会のたたかう労働者・学生は、<米英のイラク軍事占領反対! 日本国軍の米軍との一体化弾劾! 日米安保同盟の強化反対!>を高だかと掲げて、アメリカ大使館―国会・首相官邸に向けたデモンストレーションを戦闘的に貫徹した。
 「占領反対! 安保粉砕!」の声を轟かせデモ行進(4・25、東京)

 イラクの地においては、ファルージャのスンナ派民衆は――シーア派民衆の支援をも受けつつ――反米・反占領の闘いを人民蜂起へとおしあげ、米軍の暴虐に抗して果敢にたたかいぬいている。ナジャフにおいてはムクタダ・サドル師率いる「マハディ軍」を中心にシーア派の民衆が米軍にたいする武装闘争を展開している。追いつめられた米軍は、ついにファルージャからの撤退を余儀なくされた。ブッシュ政権は、燃えさかるイラク人民の抵抗闘争に直面して完全な軍事的敗北を露わにしただけではない。イラク占領に参加してきた「友邦同盟」諸国が次々と脱落し一挙に政治的孤立化に追いこまれたがゆえに、国連に泣きつかざるをえなくなった。
 今こそ、蜂起したイラク民衆と連帯し、アメリカのイラク占領支配反対の国際的闘いを創造するために、この日本の地において闘いを創りだすべきときだ! ブッシュの忠犬¥ャ泉が「テロとの戦い」を口実として策している戦争遂行のための法整備=有事七法制定・憲法改悪を絶対に阻止するぞ! こうした決意に燃えて、たたかう労働者・学生は、七月の参院選にむけての選挙カンパニアに汲々としている日共中央の議会主義的歪曲をのりこえ断固として労働者・学生統一行動に決起したのだ。
 「有事七法制定阻止! 憲法改悪阻止!」
国会議事堂に怒りのシュプレヒコール
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憲法改悪を絶対阻止せよ!

イラク反戦・反改憲の広範な戦線の構築を

 第二次大戦後初の戦地への日本国軍の出兵を強行し、現行憲法の精髄を現実的に破壊した小泉政権・自民党は、いまや明文改憲=新憲法制定を一気呵成になしとげるために全体重をかけて奔走しつつある。日米軍事同盟を絶対的基礎として「戦争をやれる」アジアの軍事強国として日本が躍りでるための決定的な跳躍点をなすこの一大反動攻撃を、われわれは絶対に許すわけにはいかない。野党第一党の民主党や「連合」労働貴族どもを抱きこんで巻きおこされつつある改憲の大濁流、これに呑みこまれ犯罪的姿をさらけだす社民党・共産党を弾劾し、すべての労働者・学生は総力をあげて反戦・反改憲の闘いに起ちあがろうではないか。

以下、章見出し
T 改憲への大濁流

U 自民党新憲法草案(素案)の極反動性

V 「護憲」の党の破産をのりこえて闘おう
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全国から教育労働者二千名が結集
4・24教育基本法改悪反対 中央集会

 四月二十四日に、東京のよみうりホールにおいて、日教組をはじめとする諸団体からなる実行委員会の主催で「教育基本法改悪ストップ! 4・24中央集会――お国のために死ぬなんて…。そんな国づくりや教育、私たちは許しません!!」が開催された。会場には組合旗やおのおのの単組・支部・分会でつくった「教基法改悪阻止」の寄せ書きが張りめぐらされ、各県本部を下から突きあげつつ全国各地から結集した二〇〇〇名の組合員と市民の怒りと熱気であふれかえった。
 わが同盟の情宣隊は、組合内部で苦闘を続ける戦闘的労働者とあい呼応して、会場正面に陣取り、参加者一人ひとりにビラを手渡した。
通路まで埋まり熱気溢れる会場(東京・よみうりホール)

わが同盟のビラを集会参加者に元気よく配布する情宣隊


4・19〜22沖縄・名護 米軍新基地建設阻止に起つ
闘う学生が労働者・住民と共に奮闘

 四月十九日、ついに日本政府・那覇防衛施設局は、稲嶺沖縄県当局の「同意」をとりつけ新たな米軍基地を建設するためのボーリング調査にのりだした。この緊急事態にたいして地元住民をはじめとした労働者・市民・学生はただちに阻止行動にたちあがった。彼らは、断固たる阻止行動を展開する。約二時間余の闘争によって、この日の作業を中止させたのである。
新基地建設反対! 労・学・市民が怒りの拳(4・22辺野古)


大阪 「占領反対!」の声轟く
4・17闘う学生が反戦マー
 四月十七日、大阪経済大学、奈良女子大学、神戸大学のたたかう学生たちは<自衛隊は撤退せよ! 米軍によるイラク人民虐殺を許さない! 4・17反戦学生マーチ>を大々的に実現した。入学したばかりの新入生も結集し、大阪市中心部でのデモ行進とアメリカ総領事館・自民党大阪府連への抗議行動を成功させたのだ。
米総領事館・自民党府連にむけて進撃(4月17日、大阪市街)
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シリーズ 郵政生き地獄(1)

我々は許さないぞ!

強行導入された殺人的な「深夜勤」

悲惨な郵便内務職場の実態


 「こんな勤務を続けさせられたら殺される!」と、いま郵便内務職場では、悲痛な叫び声があがっている。日本郵政公社当局によって二月八日から「深(ふか)夜勤」制度が強行導入されたからにほかならない。人殺し深夜勤≠ニ言われるほどに苛酷な勤務形態・労働条件下にたたきこまれた郵便内務労働者たち。実際すでに東京だけでもこのかん五名もの犠牲者(東京中央、五十八歳ほか)がうみだされているのだ。
 本シリーズ第一回は、公社当局が「効率的な服務方法の実施」(勤務時間の見直し)の名において導入を強行した「深夜勤」の職場実態について暴露する。


「とにかくキツイ! 毎日、強制労働だ」

 導入された「深夜勤」の勤務形態は、各局によって様ざまである。その主なものは――
 @集中事務(各郵便局の郵便物を集中的に処理)をする地域区分局など大局を中心に10時間の「深夜勤」(徹夜勤務)の四回連続を隔週毎に。
 Aこの「深夜勤」の四連続を含む新夜勤(深夜帯の14時間勤務)とを併用したもの。
 B10時間深夜勤と「解放非番日」(暦日非番日ではない)と組み合わせて、つまり四連続ではなく、二連続深夜勤―「解放非番」―二連続深夜勤の組み合わせ(および三連続深夜勤―「解放非番」―深夜勤)――図A、B参照。
 C「深夜勤」および「新夜勤」をバラバラに組み合わせたもの。これは中小規模の郵便局が多い。
 導入されたこれらの深夜帯の勤務形態は郵便内務労働者にとってきわめて苛酷なものとなっている。とりわけ四連続は、当局者すら「何人死ぬかわからない」というほどのもので、現場から、「非番日が暦日でなくてもよい」「死ぬよりましだ」という声が噴きあがり、大局を中心に上記Bが主流となりつつある。これは、わが戦闘的・良心的労働者たちが危機感をもって職場の意見を集約しとりくんだからにほかならない。
 導入された「深夜勤」は、郵便内務労働者の肉体と精神のバランスを破壊しむしばみ、苦悩のどん底にたたきこんでいる。
 第一に、「深夜勤」が人間的生理現象とは逆行する徹夜労働を強制しているということ。しかも、従来のカット時短(一時間ないし二時間)のもとでの新夜勤(ニュー夜勤)の労働力配置より二〇%程度労働力配置を削減(その分、夜勤や早勤を若干配置しているものの)されたために労働強度が飛躍的に強化されたことである。公社当局のリストラ計画である「アクションプラン」にもとづく各種要員の見直しによって、本務者を非常勤に切り替えるだけでなく人員そのものが削減され、従来の作業以上に仕事そのものが増やされているということである。
 しかも、翌日配達の見直し・「スピードアップ策」によって夜間帯に郵便物の流れがシフトされると同時に集中事務が強行されることによって、それらはもたらされているのだ。
 10時間「深夜勤」の間には運送便(郵便物の到着および差立て)が普通局では十便から十五便(地域区分ではその数倍)もあり、次から次へと郵便物の処理に追われているのである。
 第二に、書留や増加する小包の情報入力や結束の強要……このような品質管理と労務管理強化の攻撃もまた同時にかけられている。ミスをすればすぐ処分≠フ恫喝をされながら。それゆえに、郵便内務の労働者たちは、極度の緊張を強いられ、「新たな休息時間」などをとる余裕もなくサービス「残業」を強要される。二時間以上(四時間のところもある)も連続で働かされているところすらあるのだ。
 「新たな休息」が「10時間深夜勤」の場合七十六分確保されているのだとはいえ、まともに休息がとれないばかりか、たとえとれたとしても多くの労働者たちは生活(睡眠)のリズムが破壊され、どの時点で食事をとったらいいか分からなくなり、休息のたびごとに横になっている。二時間ないし二時間半の「解放」時間があった従来のいわゆる新夜勤と比べものにならないくらいにきつくなっているのである。(図C参照)まさに塗炭の苦しみをあじわわされているのだ。
 職場の悲痛な叫びを紹介しよう。
 ・殺されるー、とにかくキツイ、なんとかならないのか。
 ・深夜勤ではない、徹夜勤務と呼ぶべきだ。
 ・毎日、強制労働をさせられているようだ。解放日(非番)はまさに奴隷解放だ。
 「深夜勤」で出勤時に顔を合わせる労働者たちの会話はきまって次のようになる。
 ・今日は何回目(何日目)……。寝れたー。寝れねー、酒飲んでもだめだー。気が重いー、気が狂いそう。
 「深夜勤」が終わって昼間帯の勤務に戻ると、
 ・ひさしぶりー。生きてたのー。
 このような笑うに笑えない会話が郵便内務の中心となっている。彼らは夏場になったらいったいどうなるのか、恐怖心にかられている。全逓本部が何もとりくまないことに幻滅した労働者からは、「だれか死んでくれないかなー。そうすれば見直されるかもしれない。その前に俺が死ぬかもしれないけど」などと深刻に語る者さえでてきているのである。深夜勤の導入以降二ヵ月しか経っていないにもかかわらず、腰痛や内臓疾患など体調不良を訴える労働者が激増しているのである。

仕事から「解放」されても地獄

 第三には、勤務から「解放」された時間の過ごし方そのものにも苦悩していることである。
 「深夜勤」から明けた労働者たちは、手や顔を洗う時間さえ惜しんで一目散に自宅へ向かう。従来の新夜勤明けでは休憩室で一時休んでから帰ったり、シャワーを浴びてさっぱりしてから帰る労働者も少なくなかった。それはその日に出勤しなくてすむからである。そのようにできない深夜勤はその日にもういちど¥o勤しなければならないというプレッシャーに労働者たちが苛まれているからである。
 深夜勤と深夜勤の勤務の間の時間は十三時間程度であるが、それでも労働者たちにとっては断然足りないのである。通勤時間や食事時間を除いて様ざまに工夫しながら寝る時間を確保するために労働者たちは苦心している。それでも熟睡できないのだ。まずもって異常な精神的興奮(プレッシャー)と肉体的疲労のゆえに。六時間以上横になっていたとしても一時間ないし二時間毎に目が覚め、焦りがまた睡眠を妨げる悪循環に陥る。三時間から五時間程度睡眠をとれれば良い方なのだ。昼間の生活雑音、妻子との生活時間のずれ……など悩みは尽きないのである。最近では熟睡する時間帯が夕方にずれこみ、朝寝坊ならぬ夜寝坊の危機にさらされているのである。
 遠距離通勤者はさらに悲劇的である。家で過ごせる時間が四時間程度しかないということで深夜勤が連続するあいだ自宅に帰らず自費でホテルのデイサービスを利用するものさえでているのである。
 連続深夜勤の最後の明けは、文字通り奴隷から解放された気分になる。だが、解放日そのものは疲れきってしまい何かしようという気力さえ湧かない。疲れは翌日の週休日にまで持ち越し、体調は元に戻らず、持病の再発や体調の不調を訴える労働者が激増しているのである。
 ちなみに、深夜帯から昼間帯に生活リズムがなかなか切り替わらず、昼間帯の勤務もきつい、と訴える労働者も増えている。
 ところで、現時点で従来の五回平均という深夜帯の回数制限が取り払われ10時間深夜勤の場合八回としたパターンを採用したところでは、経費節減つまり四連続深夜勤にたいして六〇〇〇円の手当(一回に付く手当も)が付くことから、七回に減らすところもでてきている。しかし要員を増やさずにむしろ要員配置を減らしているのであるから、もろに労働強化をもたらしているのだ。
 すべての労働者の皆さん! 郵政の仲間たち! 怒りなくして語れないではないか。

あくまでも現場の犠牲でのりきる公社当局

 公社当局は、「深夜勤」導入を「アクションプラン」=リストラ計画の一環として強行実施した。これまでの一時間ないし二時間のカット時短、特例休息、新夜勤回数の制限の廃止などをつうじて六一五人の要員削減=首切りを強行した。そして深夜帯の労働力を柔軟に必要に応じて配置できるようにしたのだ。
 そればかりではない。「アクションプラン」にもとづいて、「業務量に見合う要員の見直し」(一一八〇人削減)「郵便内務作業の非常勤化」(九七〇人削減)を実施し、首切り強制配転を強行してきているのだ。これらの施策は、なんらの根拠をしめすことなく無条件に削減人員を割り出しているでたらめきわまりないものなのだ。
 公社当局は信書便法の改正以降、郵便事業への民間宅配業者の参入による競争・競合が激化していることに危機感をあらわにしている。郵便小包や冊子小包などは前年比五二%も増加してはいるが、収入の九割以上を占める普通通常(手紙、葉書)などは、電子メール(eメール)の伸張により減少傾向(二・六%減)にあるからである。この減少化傾向に歯止めをかけると同時にメール便などの競争にうち勝つ「新たな物流サービス」の確立をめざすとして、より速く、より安く郵便サービスを提供する体制を確立するということなのである。そのためには郵便労働者に死をももたらすような極限的な勤務形態や労働強化を強制してきているのだ。
 昨年度の郵便事業の損益は一〇〇億円の黒字を計上した。このことは郵便労働者が流した血と汗の犠牲をしめす以外のなにものでもない。
 ところで現場から噴きあがる導入反対の声を踏みにじり、公社当局と同様の言辞を弄して「深夜勤」の導入に積極的に道を開いたのが全逓本部労働貴族である。彼らは、すでに犠牲者がでているにもかかわらず、箝(かん)口(こう)令(れい)を敷くだけではなく、噴きあがる現場組合員の声を無視し何ひとつとりくもうとしていない。いや、実質上抑圧しているのだ。まったく許せないではないか! 本部の裏切りを弾劾し、深夜勤撤廃の闘いを職場から創造しようではないか。
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ネオ・ファシズム的教育再編の「地域」からの補完
全教「子ども参加、父母共同の学校づくり」方針の反動性

目 次
一、教育基本法改悪攻撃への屈服
二、「地域」からのネオ・ファシズム的教育再編の補完
 A デタラメな「攻撃のもつ根本的矛盾」論
 B 欺瞞的な「攻撃の根本矛盾をつく取り組み」
  (1)「全面的」の取れた「子どもの人間的発達」理念

(本 号)
  (2)全教式「提言・参加」路線
三、「国民教育運動」論の保守リベラル的変質
 A 「国民の教育権」論の解釈変え
 B 「公教育」観のパラダイム転換
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走狗の逆証明
ムジャヒディンの声明を持ち上げる理由(わけ)

 3・2シーア派信徒大虐殺事件にたいして、「これはユダヤ人とアメリカ占領軍の仕業だ」(カジミヤモスクの演説)「直接的にも間接的にも責任は占領軍にある」(イラク・シーア派の最高権威・シスターニ師)などと、すべてのムスリム諸団体がいっせいにアメリカの謀略を非難した。これは万人周知のこと。ムスリム人民が怒りをもって指弾したこの事件について、そして3・11のマドリードの列車爆破事件について、ブクロ=中核派は三週間もの沈黙をつづけたあげくに、「ムスリムの決起」「極限的・特殊的な闘い」だと表明≠オたのであった(本紙第一八一五号三面参照)。ムスリムの内部抗争≠ニいう米軍発表に口裏を合わせ、凄惨なテロ=ムスリム人民の仕業という宣伝に、ブクロ派は加わったのだ。
 そのブクロ派が、日本人「人質」事件にかんしては、「サラヤ・アル・ムジャヒディン」を名のるグループの「声明」や「メッセージ」を、「前進」紙上に毎号毎号引用している。
 彼らは、「サラヤ・ムジャヒディンは、……『自衛隊をイラクから撤退させるよう求める』と解放予告声明で述べた。また解放時のメッセージでも『日本政府が方針を変え、部隊を撤退させるように』と求めている」というように、「自衛隊撤退」を要求する声明の部分をとりだして、それをくりかえし引用している。
 残存ブクロ官僚よ!「〔3・2は〕米軍のしわざだ」と主張してきたムスリム諸団体の声明をことごとく無視してきたおまえたちが、なぜいまごろ「サラヤ・アル・ムジャヒディン」の声明をとりあげて、それに依拠するのか!
 米軍・CIAが仕組んだ3・2謀略を「謀略ではない」と言ったブクロ派の犯罪的役割を、わが同盟に満天下に暴きだされて、ブクロ派は完全にノックダウンし、グウの音も出なくなった。
 そこに生起した「人質」事件――ブクロ派はビックリ仰天、またしても動揺し判断停止のパニックに陥った。これを肯定したら「テロを支持するのか」と反発されるのじゃないか? だけど事件に触れないわけにもいかない……。そこでまわりを見まわして、恐るおそる、「〔イラク人民の〕やむにやまれぬ反撃なのだ」と一言呟いた。が、案の定、内部から「テロリストといっしょに見られてしまう」という不満≠ェふきだした。いや、(人質作戦は)「断じて非難することはできない」(「前進」第二一四八号)と、ブクロ派内部でまたもくりかえされた低水準な争い。
 そこに降ってわいたのが「解放予告声明」というわけだ。小泉政権に自衛隊の撤退を要求しているこの声明が反対運動の周辺に歓迎されたことを横目で見て、ブクロ派は恥も外聞もなく、「サラヤ・アル・ムジャヒディン声明」を引用しはじめた、というしだい。
 しかしブクロ派は、あさはかにも、この「声明」をなんの評価も加えずにひきあいにだすことによって、逆に自分たちが3・2や3・11の謀略を「ムスリムの決起」であると叫んでアメリカ帝国主義権力者・CIAの謀略の片棒をかついだという罪業を改めてうきぼりにした。なぜなら、CPAによるサドル派の週刊紙の発行停止について、ブクロ派は「前進」紙上で幾度となくふれてはいても、その発行停止の理由については決してふれようとはしないからだ。この発禁処分が、「イラク警察の爆破は、米軍のミサイルによるものだ」という米軍の謀略を暴き弾劾する記事を掲載したことにたいする、焦りと憎悪にかられたCPAの報復であることは周知のことであるのに。
 米軍・CIAの犯罪を擁護し免罪する、権力の走狗としての正体は、かの「声明」を引用するといった小手先細工で隠しおおせるわけではないのだ。
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