第1796号 (2003年12月1日)の内容

<1面>
12・7革共同政治集会に結集せよ

<4面>
よりましな資本主義≠フ妄想
 「経済民主化」路線の超右翼的補修


<5面>
アメリカ主導のグローバルな臨検体制の構築
 PSI構想の内実とその意味するもの

<2面>
沖縄政治集会かちとる(10・19)
国賠裁判に勝利(10・7、名古屋高裁)

<6面>
石原都当局による「日の丸・君が代」の強制を許すな!
日本テレビ視聴率買収事件の責任は?
Topics ギャンブル狂・石原の誇大宣伝

<7面>
「自治体版大リストラ」を許すな
 ・11・18都労連ストを打ち抜こう
 ・東京23区労働者の人員削減阻止!

<8面>
「新しい人間の探求」を読み考えたこと
『現代における平和と革命』を読んで
◆『新世紀』第208号最新号紹介

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
◆もう一つの一超支配
◆「ガリレオ」の挑戦
◆空想的DDR
◆リストラ応援団
◆モラル・パニック

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号









































 


    


12・7革共同政治集会に結集せよ


現代世界の危機の根源を断ち切る思想的=組織的拠点を!


 イギリスを訪問したヤンキー帝国の大統領ブッシュが、その副官ブレアとともに、地に墜ちた「イラク戦争の大義」を世界に向けて強弁しようとしたまさにそのとき、トルコのイスタンブールにおいて、英総領事館とイギリス最大の金融グループHSBC現地本部にたいするムスリム・ゲリラの壮烈な自爆攻撃が炸裂した(十一月二十日)。国内外の批判に動揺するブレアに活≠入れ米英同盟をより強めることを基礎として、全世界にイラク占領支配への「協力」を懇願しアピールしようとしたブッシュの思惑は、ロンドン市街を席巻した一五万余の反米デモとムスリム人民の苛烈な自爆闘争によって、一瞬にして吹き飛ばされた。
 イラクを占領支配している米英両権力者は、いまや全世界労働者人民の怒りと非難の怒号に包まれ、イラクで・アフガニスタンで・そして中東全域で、ムスリム戦士による超弩級のゲリラ攻撃を次つぎに叩きつけられて、狼狽し立ち往生している。ブッシュのアメとムチ≠ノ屈してイラク侵略戦争を支持し参戦した「友邦同盟」の諸国は、このムスリム人民の怒りの爆発に直面して震えあがり、算を乱して逃走を開始した。「イラク民主化」を錦の御旗にした米英軍の占領支配はいまや完全に破綻し、米軍政はその土台から崩壊しつつある。
 イラク侵略戦争が開始されてから八ヵ月後のこんにち、ブッシュ政権が――政権内タカ派ネオコン・トリオに牽引されることによって――むき出しにしてきた先制攻撃戦略とユニラテラリズムにもとづく世界制覇の野望は完膚なきまでに挫折し、ブッシュみずからはかつてないほどの政治的苦境にたたきこまれている。そして、このブッシュと運命をともにすることを誓いあい、<米・英・日>のハーケンクロイツ同盟の契りを結んだイギリス権力者ブレアと日本権力者コイズミは、ともにいま、国内外からその「政治責任」を追及されて揺さぶられ、迷走状態に追いこまれている。
 だが、ムスリム人民の苛烈な「反米」闘争の爆発によって米・英・日の帝国主義権力者どもがのっぴきならない危機にたちいたっているにもかかわらず、この帝国主義の危機をその内側から突破すべき先進諸国労働者階級の闘いは、イギリス人民の大デモにもかかわらず、総体としてはなお微弱である。先進国階級闘争は、おしなべて社会民主主義者やスターリン主義者による「反テロリズム」や「祖国防衛主義」の注入によって歪曲され、帝国主義的排外主義の濁流に呑みこまれてしまっている。とりわけ日本においては、「連合」労働貴族の支配と抑圧のもとで、また「全労連」スターリニスト労組幹部の闘争放棄のゆえに、労働者階級の反戦・平和の闘いじたいが窒息させられようとしているのだ。
 すべての諸君。このような先進国労働者階級の否定的現実を根底から突破し、ムスリム人民の決死的「反米・反占領」闘争と連帯しつつ、全世界でアメリカ帝国主義のイラク占領支配に反対する闘争を大爆発させるために奮闘しよう! わが日本の労働者人民は、その最先頭にたって、「米英によるイラク占領支配反対! 日本のイラク派兵阻止! 小泉政権打倒!」の闘いに決起せよ! 12・7革共同政治集会に結集せよ!
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よりましな資本主義≠フ妄想


「経済民主化」路線の超右翼的補修 <上>


 十一月九日投票の衆院選において日本共産党は、改選前の二十議席から九議席へと激減するという大惨敗を喫した。今年六月に不破・志位指導部が「胸おどるロマン」の鳴り物入りでうちだした党綱領改定案、これを正式採択する記念的儀式としての第二十三回党大会(もともとは十一月に予定)を来年一月に延期してまで、党の総力をあげて総選挙にとりくんだにもかかわらず、その結果は、あまりにも惨めなものに終わった。
 今回の大惨敗は、代々木共産党にとって、ただたんに議席数の激減(法案提出権の喪失)という次元での打撃にとどまるものではない。それは、党綱領の改定にかけた代々木官僚の思惑そのものの完全な破産を刻印したのだからである。
 わが同盟がすでに満天下に暴きだしてきたように、この党綱領改定案の政治的・イデオロギー的本質は、「保守層」(とりわけ経済同友会などの開明的=<潟xラル的独占資本家)の支持を得るために、彼らに向かって「革命」などという「物騒なこと」(不破)は金輪際否定していることを明け透けに誓約する、ということにある。いいかえれば、忌米・嫌米≠フ独占ブルジョアジーの一定部分を含む「保守層」との「共同」をつうじて、日本の独占資本主義を――現存自民党政府の「異常な対米従属」的政策から解放しつつ――よりましな≠烽フ=「つりあいのとれた」ものに「発展」させること、これのみが日本共産党の目的・目標ですと明示することにある。(本紙第一七八二〜三号の白嶺論文、第一七九一号の御堂論文、『新世紀』第二〇八号の葉室論文、酒田論文などを参照せよ。)
 このような不破・志位指導部の「保守層」への磯のアワビ的想いは、選挙戦の過程での、いやいやその前段で民主・自由両党の合併が決定されるにいたった過程での、独占資本家どもの動きによって、無残なまでに打ち砕かれた。日本経団連会長・奥田らは、対米協調∴齧{槍の小泉政権への不満・反発を直接的動機として、「保守二党制」創出をぶちあげつつ民主・自由両党の合併をうながし、総選挙の過程では新生「民主党」を――みずからの番犬たる「連合」労働貴族どもを突き動かしながら――一定程度支えたのであった。
 総選挙での大惨敗が、「統一戦線政府・民主連合政府」(内実は野党連立政権=j樹立のための「保守層との共同」という不破・志位指導部の基本路線と、これを綱領上も明示した今回の改定綱領(案)の破産を歴史に刻みこむ事態であることは、明らかであろう。このようなものとしてそれは、修正資本主義を奉じる議会政党としての日共の死を告知した、といってよい。<アンチ革命>のなれの果てをさらけだしたこの党を根幹から解体し、不破・志位指導部の呪縛から下部党員を解放するために、わが革命的左翼はいっそう奮闘するのでなければならない。

以下、見出し
T 綱領改定案における「代案」

 「ルールある経済社会」への空疎な改良案

 政策を投影した恣意的「現状分析」

U 路線のイデオロギー的基礎づけの変容

 「日本独占資本の支配」論の改変

 国独資の機構を「活用」した改良≠フ後景化
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10・19 革共同沖縄政治集会かちとる

反スタ運動のさらなる飛躍を決意


 わが同盟沖縄県委員会は、十月十九日に、宜野湾市社会福祉センターにおいて、革マル派結成四〇周年革共同沖縄政治集会を断固として開催した。わが沖縄の労働者・学生は、沖縄の地において反スターリン主義運動の前進をきりひらいてきた闘いの諸教訓を理論的にもおのれのものとするとともに、戦地イラクへの自衛隊派遣を絶対阻止し、反スターリン主義運動のさらなる飛躍をかちとる決意を確固としてうち固めたのである。写真は、戦乱と暴虐の嵐を突き破る決意を固める労学(宜野湾市社会福祉センター)

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解放社東海支社不当捜索訴訟


国賠裁判に連続的に勝利 10・7 名古屋高裁


「九八年11・9不当捜索事件」訴訟でも控訴棄却

愛知県(県警)の偽証を暴きだす

国家権力の組織破壊攻撃をうち砕け!
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新世紀 The Communist 第208号 2004年1月  


最新号紹介


日本共産党の堕落と腐敗の極致を徹底的に暴く

新生「民主党」の本質をも明らかに


 小沢一郎の自由党が合流して発足した新生「民主党」の伸張にひきかえ、日本共産党と社民党は議席半減以下。――十一月総選挙の結果、海外派兵と改憲の内容を自民・民主両党が競いあう時代に突入しようとしている。日本階級闘争のこの危機をいかに突破すべきか。
 本号では「日共改定綱領の総批判」を特集した。「大企業」経営者を含めた国民諸階層のすべてに受けいれてもらえるようにと、議長・不破哲三が老骨に鞭(むち)打ち、「念には念を入れて」推敲(すいこう)した綱領改定案。まさにアンチ革命をこのうえなく明示し「保守層」に媚をうったにもかかわらず、その冷厳な結果が、総選挙での惨敗にほかならない。野党連立政権の一角に加えてもらうことを自己目的化すればするほど、自党の存在意義をみずからなきものにして没落するという政権にありつけない政権ありつき病=Bこの愚劣さと犯罪性を、特集は徹底的に暴きだし批判しつくしている。
 「<アンチ革命>の綱領的集大成」(葉室真郷)は、改定案の全領域をとりあげた総論である。「民主主義革命」という文言をたった一言残しているとしても、その内実は「資本主義の枠内での民主的改良」でしかなく、「統一戦線政府・民主連合政府」といっても「非自民のよりまし政府」と実質上同義であること。このような、革命の全否定を基礎づけ正当化するための不破のあらゆる理論的詐術を、本論文は粉砕しつくしている。
 さらに「民主主義革命」が現存の日本国家権力を打倒しなくても実現できるかのように言いくるめるために代々木官僚が「対米従属」規定を内容的に改変し、また「(日本独占資本の)帝国主義復活・強化」という規定を捨て去ったこと――この問題へと、批判をすすめ、国家論的にも掘り下げている。他方では、<アンチ革命>にふさわしく「反帝国主義」の理念も「反独占」の理念も投げ捨てることを正当化するための珍説、「帝国主義にならない独占資本主義」論をも俎上にのせ、その本質、「保守層」にオベッカを使うあまりの驚くべき独占資本美化論への転落を暴きだしている。そして最後に、「反独占」の放棄のゆえに、「経済の民主化」が独占資本にたいする「社会的責任」のお願い以外にはなんの規制も含まない内容のものにすりかえられていること、「社会主義社会」もまた独占資本の収奪なしに実現できるものとして描かれていること、これらの諸問題をつきだす。マルクス主義の全理論領域にわたる批判が展開された力作である。
 「限りなく資本主義に近い『社会主義』」(酒田誠一)は、改定案の第五章に的を絞り、「社会主義」にかんする不破の理論操作を壊滅的に批判している。実現すべき社会主義の基準から分配の問題をいっさい除外してしまったこと、およびその狙い。他方では社会主義の唯一の基準に高められた「生産手段の社会化」それ自体が所有関係の根本的転換の問題をぬきにして論じられていること。この二つの問題に、本論文は批判を集中する。
 それにとどまらず、「私有財産を未来永劫に保証する」と言ったり、未来社会では欲望が社会発展の原動力となり、労働時間が減って自分さがし≠ェできるようになる、と言ったりする不破の思想性の質をも浮き彫りにしている。ブルジョア的俗人と変わりのない人間が「共産党」を名のる組織の頂点にいて専制的な実権を行使していることに、読者はおおいに怒り、闘志をかきたてられるにちがいない。
 特集には、さらに二つの論文をあわせ掲載した。侵略も新植民地主義的収奪もおこなうことのない「独占資本主義の体制」が存在しうるという不破の説は、レーニンが批判しつくしたカウツキーの「超帝国主義論」の二番せんじだということをつきだした論文、「『帝国主義でない』独占資本主義の妄想」(御堂蓮司)が、そのひとつである。もうひとつは、象徴天皇制は、「君主制の一種」とは必ずしもいえず現行憲法上の制度なのだから廃止する必要はないという恥しらずな転換を批判した論文、「『天皇制廃止』の廃止」(奥園宏一)である。

「連合」労働運動の凋落――その根拠を抉る

 特集以外で特筆すべきは、「『連合』の衰弱死を回避するための模索とあがき」(笠置高男)と、「保守リベラリズムの絞殺」(那谷寺慎司)の二論文である。後者は、自由党のなだれこみによって民主党が保守リベラリズムの党としては絞め殺されてしまった、という意味をもつことを明らかにしている。前者は、まともな労働運動を展開しないことのゆえに組織のいちじるしい凋落を招いてしまった「連合」労働貴族の、AFL‐CIOを猿まねした「組織拡大方針」にたいする批判である。社・共両党を議会党としての死滅に追いこみ、「連合」を基盤とする保守党として民主党を強化し、もってアメリカ型「二大政党制」をめざす日本独占ブルジョアジー主流。彼らの追求を念頭において、これらの論文を学習する必要があるだろう。
 イラクや北朝鮮、さらには環境問題をめぐって激動する国際情勢を分析した論文も、あわせて掲載した。「日本のイラク派兵を許すな」(無署名)、「『反北朝鮮』民族排外主義の鼓吹」(鎌田敏勝)、「二十一世紀の水戦争=v(八幡太一)の三論文である。
 最後の「懺悔道の呪縛」(入江三吉)は、田辺元の『仏教と西田哲学』(こぶし書房刊)を批判した異色作である。戦争翼賛の罪を懺悔することを自己の哲学的使命として再出発した京都学派の大哲学者、田辺。彼がキリスト教への回心を考え、迷っていたころの宗教哲学にたいして、筆者は正面からたち向かい、仏教やキリスト教の根本教義の意味について、マルクス主義者としての思索をめぐらせている。
 闘いの武器として、また思索の糧として、本号を活用されんことを。
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