第1794号(2003年11月17日)の内容

<1面>
米国防長官来日・イラク派兵阻止!
<改憲>の大濁流に抗して反戦・反安保闘争の高揚を


<4面>
大企業も搾取も残る「社会主義・共産主義」
背教者=不破のマルクス共産主義論破壊


<5面>
シャロン政権による人民大虐殺弾劾

<2面>
日米共同演習阻止に決起
大矢野原・北熊本現地闘争
(10・25―27―29)

あいば野ゲリラ戦訓練に抗議(10・25)
10・21福岡国際反戦デー

<6面>
Topics 自治体リストラを号令する規制改革会議
雇用保険改悪の実態
過労死が続出するハローワーク職場
「経営を守る共同」の中小労組への押しつけ

<7面>
ブレア政権を揺さぶるイギリス労働者の闘い
風森論文の認識論的誤りについて

8面:『平和と革命』に立ち返る
『レーベンと為事』を読んで
「ダメオロジー」を読んで

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
犬権侵害?
ポジティブ病
鯨の警告
クーデタ?
寄る年波には

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号











































 





    


米国防長官来日・イラク派兵阻止!

<改憲>の大濁流に抗して反戦・反安保闘争の高揚を


 自民党と民主党の双方が「政権選択選挙」などとおしだし自民・民主対決≠煽りたてた今次衆院選挙の投票が十一月九日におこなわれた。自民党は、解散時の二四六議席から九議席減らし二三七議席にとどまったものの、与党三党では安定多数を維持した。民主党は比例代表では自民党を上回る第一党となり一七七議席を獲得した。けれども、政権交代のための目標として掲げていた二〇〇議席には大きくおよばなかった。これらに比して、社共両党は歴史的大敗を喫した。日共は二十議席から九議席に半減し、社民党も十八議席から六議席に激減したのであった。
 高失業率や賃金切り下げ、増税や社会保障の切り捨てなど、小泉「改革」によって噴出している諸矛盾に苦しむ労働者・人民は、小泉政権への「不信任」の意をこめて自民党への批判票を投じた。その反面で、「政権交代」を訴えた民主党の「躍進」がもたらされたといえる。
 それだけではない。自民党が史上初めて「憲法改正」を選挙公約として掲げ、民主党も「論憲から創憲」へと称して「改憲」へとさらに一歩をふみだした。この自民・民主の「対決」の狭間において、いちおうは「護憲」を掲げた社共が大敗北を喫した。しかも日共中央は、民主党を中心とした「野党連立政権」への参画を夢想して、安保・防衛政策を民主党や独占ブルジョアジーに受け入れられるように次々と右翼的に改変してきた。この彼らが労働者・人民の不興を買ったとしても、それは自業自得いがいのなにものでもない。今回の選挙は、日共中央の基本路線の破産を誰の目にも鮮明にしめしたのである。
 たたかう労働者・学生諸君! 小泉政権はいま、「国民の信任が得られた」と称して、圧倒的多数の国民の反対をふみにじって、十二月にも戦乱のイラクに自衛隊の第一陣を派遣することを策している。十四日には、小泉にイラク派兵をゴリおしするために、ブッシュ政権のタカ派トリオのひとり国防長官ラムズフェルドが来日しようとしている。われわれは、これを絶対に許してはならない。
 ラムズフェルド来日阻止! 米英軍のイラク占領・支配反対! 自衛隊のイラク派遣を阻止せよ! 憲法改悪に反対しよう!
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日米共同演習阻止に決起

大矢野原・北熊本現地闘争(10・25―27―29)

 十月二十五日から二十九日、全学連九州地方共闘会議のたたかう学生たちは、熊本県矢部町の大矢野原自衛隊演習場と北熊本駐屯地での日米共同演習を阻止するために、連続闘争に起ちあがった。
 日米両政府は、陸上自衛隊六〇〇人とアメリカ陸軍五五〇人をこの演習に参加させ、都市などでの対ゲリラ戦を想定して、マシンガンや迫撃砲を使用した小隊単位の作戦行動を訓練しようとしていた。〔滋賀県あいば野においても同様の演習を強行した。〕自衛隊のイラク派遣を目前にして、彼らは陸上自衛隊と米陸軍との共同作戦上の連携能力を一層高度化するために、今回の日米共同演習を強行しようとしていた。
 九共闘のたたかう学生は演習開始時の十月二十七日には、文字通り唯一、「演習阻止!」を掲げて演習開始式会場前に決起した。総選挙に埋没する社・共の既成平和運動をのりこえ、「自衛隊のイラク派遣阻止! 日米安保同盟の強化反対!」を掲げて日米共同演習阻止闘争を終始戦闘的にたたかいぬいた。


「日米共同演習阻止!」(10・27、大矢野原演習場前)


ゲート前で怒りの拳(10・27、北熊本駐屯地前)


九州各県から決起した労働者たち(10月25日、熊本・白川公園)
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たたかう熱気あふれるシュプレヒコール


10・21福岡国際反戦デー


十月二十一日、福岡市内須崎公園野外音楽堂において、原水禁福岡地区実行委員会主催の「自衛隊の海外派兵反対! 戦争への道を許さない! 10・21国際反戦デー福岡集会」が六〇〇名余の労働者を結集して開催された。わが同盟革マル派と全学連九共闘のたたかう仲間は、集会を戦闘的に塗りかえるために、集会場を席巻する情宣を展開し、福岡の中心部・天神に「イラク派兵阻止!」の戦闘的な声を轟かせた。(10月21日、須崎公園)
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大企業も搾取も残る「社会主義・共産主義の社会」論

――マルクス共産主義社会論を破壊する背教者=不破


 代々木共産党が今年六月の第七回中央委員会総会において発表した「党綱領改定案」なるものは、すでにわが革命的左翼が暴露してきたように、「資本主義の枠内での民主的改良」を自己目的化する「国政革新」路線を党の綱領上においても徹底的に明確にする思惑にもとづくものにほかならない。不破・志位指導部は、「民主連合政府」(実は「統一戦線政府」という名の野党連立政権=jの樹立とそのもとでのよりましな資本主義≠ヨの「民主的改革」こそが党の「目標」であり、「革命」などという「物騒な」ことなどは毛頭めざしていない、ということを「国民」(とりわけ「保守層」)にアピールするためにこそ、この綱領改定案を提示したのである。
 彼らは、この綱領改定案においても、なお「社会主義・共産主義の社会」の「展望」に触れてはいる(第五章)。だが、その内実は、現在の不破・志位指導部の基本路線――非自民≠フ「よりましな政権」=「野党連立政権」をつくるための「保守層との共同」の形成という路線――にふさわしいものに「社会主義・共産主義社会」の理念を改ざんし、マルクス共産主義論の根幹を新たなかたちで破壊しつくしているものにほかならない。その内容からするならば、今日の国家独占資本主義社会を「大企業の民主的規制」をつうじて「ルールある資本主義」に改良する、というよりましな資本主義≠フ理念以上でも以下でもないシロモノなのである。
 「社会主義」理念を喪失して久しい不破ら代々木官僚は、「『未来社会』像を材料とした『反共宣伝』にたいして」、「社会主義・共産主義でもすべての段階を通じて私有財産は保障されます」「資本主義時代の価値ある成果のすべてをうけつぎます」などと、独占資本家どもをも含む「保守層」や無党派層に誓約してさえいる。共産主義社会にかんするマルクス・エンゲルス・レーニンの理論的探究を冒涜(ぼうとく)してやまない「背教者」の戯言(ざれごと)を、われわれは木端微塵に粉砕しなければならない。

以下、見出し
1 「未来社会」の青写真≠描く綱領改定案

2 「二段階論」の否定

3 共産主義社会の分配法則の否定
   「欲求に応じて」の否定

4 「生産手段の社会化」の改釈

5 国家独占資本主義の「改良」

6 「私有財産の保障」の明記

7 「市場経済をつうじた社会主義」の戯画
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