第1793号(2003年11月10日)の内容

<1面>
イラク派兵・憲法改悪を阻止せよ
総選挙に埋没する社・共指導部の議会主義的歪曲をのりこえて闘おう

<4面>
破産した国連依存主義の戯画
日共の「イラク自衛隊派遣反対」方針批判

<5面>
名古屋製鉄所火災事故を居直る新日鉄経営陣を許すな!

<2面>
全国でイラク反戦・改憲阻止に起つ
派兵阻止の戦闘的デモ(10・19大阪)
米領事館に怒りの拳(10・19名古屋)
那覇・札幌・帯広で労学が奮闘(10・21)

<6面>
「残るも地獄」
退職勧奨を拒否した労働者に何が起きているか
Topics 封印された「連合」指導部内の対立

<7面>
多摩教組・日教組への銃撃テロ糾弾!
「ミュンヘン協定の教訓」の欺瞞
天皇制右翼の「大東亜聖戦」賛美を許すな

<8面>
「黒田の実践論」の探求
わが主体性をうちたてるために
「協力の倫理と論理」を読んで

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
雷電の雄叫び
不法投棄
「新史料発掘」
有害サイト
消滅したZERO

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号


























 

















    


イラク派兵・憲法改悪を阻止せよ


総選挙に埋没する社・共指導部の議会主義的歪曲をのりこえて闘おう

 十月二十六日朝、イラク人民にとって憎みて余りある敵=米国防副長官ウォルフォウィッツその人を標的として、ムスリム武装勢力はロケット弾攻撃を敢行した。バグダッドのラシッドホテルをぶち抜いた怒りの砲撃は、かろうじて命びろいしたウォルフォウィッツのみならず、ヤンキー帝国主義権力者どもを恐怖のどん底にたたきこんだ。これに引き続いてムスリム戦士たちは、翌二十七日にバグダッドの赤十字国際委員会現地本部と四ヵ所の警察署にたいして、同時多発の自爆攻撃を連続的にたたきつけた。彼らは、中部ファルージャ、南部バスラ、北部キルクークをはじめイラク全土において、米軍施設・米兵そしてイラク人警察を標的にして間断なく攻撃を続けている。
 〔十一月二日朝、イスラム武装勢力は、ファルージャ付近で米軍ヘリを撃墜した。米軍の死者は、戦闘終結宣言いご最大の十六人におよんだ。同日、バグダッドでも、米軍車両にたいする連続的攻撃をかけた。いまや米軍は制空権すら失った。米軍の占領支配は、音をたてて崩れ落ちつつある。〕
 ブッシュ政権は、イラク復興支援国会議(マドリード会議)が「成功をおさめた」などと、我田引水もいいところの自画自賛を全世界にアピールしてみせた。まさにその直後に、ムスリムの武装グループは捨身の一斉蜂起にたちあがり、ヤンキー権力者の目論みを木っ端微塵に爆砕したのだ。顔面蒼白になったブッシュが、恐怖にうわずった声で自爆攻撃を非難し「米軍は自由のためにあくまでイラクにとどまる」などと叫べば叫ぶほど、ムスリム人民の怨念と反米・反占領闘争の怒りの炎は激しさを増すばかりなのである。
 「友邦同盟」の諸国権力者でさえも、このイラク情勢の泥沼化に恐れおののきあとずさりしはじめている。こうした情勢のなかで、ひとり日本の小泉政権だけがブッシュ政権への「誓約」を忠実に守り、四年間で五〇億ドルにのぼる戦費の拠出を確約するだけでなく、あくまでも予定どおり自衛隊を年内にイラクへ派遣しようとしている。にもかかわらず、派兵阻止の運動の大衆的組織化を放棄し、「国連中心のイラク復興支援」だの「異常な対米従属打破」だのという総選挙向けの政策宣伝のカンパニアにいっさいを解消しているのが社・共指導部なのだ。すべてのたたかう労働者・学生諸君! 社・共指導部による議会主義的歪曲をのりこえて、日本のイラク派兵阻止・憲法改悪阻止の闘いを総力をあげて推進しようではないか!

以下、見出し
燃え盛る反米・反占領の闘い

業火に包まれ崩壊する米軍の占領支配

「イラク支援国際協力」の茶番

イラク派兵と改憲に突進する忠犬¥ャ泉政権

改憲の濁流に棹さす「連合」指導部を弾劾せよ!
Top
 

  


破産した国連依存主義の戯画


「海外派兵国家づくり」反対を叫びだした代々木官僚


 小泉政権は、イラク軍事占領の破綻にあえぐブッシュ政権からの強圧的な対日要求にこたえて、総計一〇〇〇名を超える自衛隊の年内のイラク派遣と、四年間で五〇億ドルもの資金拠出を誓約した。また、小泉は、二〇〇五年までに自民党の改憲案を策定することを掲げ、「憲法改正」を実施する意志を公然と表明した。このネオ・ファシスト政権は、まさにアメリカ帝国主義主軸のハーケンクロイツ同盟の一員にふさわしく、「戦争のできる国」へと日本国家を飛躍させるという悲願を達成するために、イラクへの派兵を強行するとともに、憲法改悪を一気呵成になしとげることをたくらんで、それに向けての布陣を構築しつつある。
 この小泉政権の悪辣な策動にたいして、「異常な対米従属」と声高に非難しつつ、これを是正≠キるための「野党外交」なるものの有効性≠アピールすることに汲々としているのが、日本共産党の不破=志位指導部にほかならない。彼らは、十一月九日投票の総選挙を前にして、自民党と民主党との「マニフェスト対決」が喧伝されているなかで、大幅な議席減を余儀なくされかねないことへの危機感と焦燥感を募りに募らせている。この危機を突破するためにも、日共がいかに「日本の国益」を貫きうる党なのかを「保守層」に売りこむことに躍起になっているのだ。
 われわれは、ますます変質を深める日共中央の「イラクへの自衛隊派遣反対」方針の犯罪性を満天下に暴きだしてやろうではないか。(以下の引用は、日共「第二十三回大会決議案」、「党綱領改定案」、「しんぶん赤旗」紙上掲載の委員長・志位や議長・不破の諸発言などより)

以下、見出し
A 「異常な対米従属」=「無法な逆流」論の漫画性
 「異常な対米従属」の強調
 「平和な国際秩序への流れ」という妄想

B エセ「反安保」のベールを被せた「イラク派兵反対」方針
 「国連中心のイラク復興への協力」要求
 「保守層」と同質の「国益」ナショナリズムへの陥没
Top
 

  


全国にイラク反戦・改憲阻止の熱気溢れる


10・19 大阪 意気高く派兵阻止のデモ
〈反安保〉の方向性を鮮明に
 十月十九日、全学連関西共闘会議と反戦青年委員会のたたかう学生・労働者は、全国各地で決起した闘う労学と連帯し、<米英のイラク軍事占領・支配反対!自衛隊のイラク派兵阻止! 憲法改悪阻止!>をかかげて、大阪市街を席巻するデモンストレーションに起ちあがった。


10・19 名古屋 米領事館に怒りの拳
選挙戦に埋没する日共を弾劾
労学が米領事館にむけシュプレヒコール(10・19)
 十月十九日、名古屋地区反戦労働者委員会と全学連東海地方共闘会議に結集するたたかう労働者・学生は「自衛隊のイラク派遣阻止! 憲法改悪反対!」を掲げて、全東海労学統一行動に勇躍決起した。


那覇市街に反戦の声轟く
10・21沖縄平和運動センター集会
 十月二十一日、沖縄平和運動センター主催の「10・21国際反戦デー沖縄県集会」が那覇市県民ひろばにおいて開催された。
 琉大・沖国大のたたかう学生たちは、社民党系指導部による「国連主導のイラク復興」要求運動への闘いの歪曲を許さず、「日米安保同盟の強化反対」の方向性をさししめしつつ最後まで戦闘的にたたかいぬいたのだ。


寒風をつく労学の雄叫び
10・21平和運動フォーラム集会
労働者と共に北大生も奮闘(札幌)
 十月二十一日、寒風の吹く札幌大通公園において、北海道平和運動フォーラムが主催する「10・21国際反戦デー集会」が開催された。
Top
 

     


10・26多摩教組・日教組への銃撃テロ糾弾!


ネオ・ファシスト分子による反戦・平和運動の破壊を許すな

 小泉政権が自衛隊を戦乱のイラク現地に送りこもうとしている、まさにこの時、日教組にたいしてネオ・ファシストどもの凶弾がふたたび撃ちこまれた。
 十月二十六日夜、東京都国立(くにたち)市にある多摩島嶼(とうしょ)地区教職員組合の事務所に何者かが銃弾を撃ちこんだのだ。銃弾は一階の玄関脇の窓ガラスを破り事務所内の押し入れを貫通した。また、日教組本部がある千代田区一ツ橋の日本教育会館の玄関には、時限式のプラスチック爆弾を擬して――白い油粘土のようなものの上に時計、IC基板、電池をリード線でつなぐ――ビニールで包んだ容器が置かれた。
 同日午後十一時すぎ、朝日新聞東京本社や毎日新聞東京本社の電話に「建国義勇軍国賊征伐隊」を名乗る男から「犯行声明」が入り、「国立の日教組事務所に拳銃一発を撃ちこんだ。千代田区の日教組本部にプラスチック爆弾を仕掛けた」「日教組は日本の子供たちに害をなす。許すわけにはいかない、これからも続ける」などと公然とうそぶいた。
 この銃撃・爆弾テロこそは、多摩教組・日教組などの反戦・平和運動をとりくむ諸団体を暴力的に圧服するための恫喝いがいのなにものでもない。われわれは、国家権力者にあやつられたこのファシスト的蛮行を満腔の怒りをこめて糾弾する!
 まさに、この攻撃は、ネオ・ファシスト石原直轄の都教育委員会が、十月二十三日に、都立高等学校長、都立盲・ろう・養護学校長にたいして「日の丸・君が代」強制実施の「通達」を出したことと軌を一にしている。都教委は、教職員にたいして「国旗の壇上正面掲揚」「会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」ことを校長の職務命令として強制し貫徹しようとしている。抵抗する教職員には「懲戒処分」をおこなうことを居丈高に宣言したのだ。
 小泉政権は、いま「戦争のできる国」にふさわしい臣民を育成するために教育の国家主義的・能力主義的再編をおしすすめ、教育基本法の改悪・憲法改悪に突進している。ネオ・ファシストどもは、わが革命的・戦闘的労働者たちが日教組本部の裏切りに抗して職場深部で闘いをすすめているがゆえにこそ、日教組がなお「教基法の改悪反対」を掲げていることに業をにやしている。
 まさしく、ネオ・ファシストどもは、「国立」を「広島」とならぶ「日の丸・君が代」反対闘争のシンボルとみたてて、いっさいの反戦・平和運動を撲滅する凶暴な意志をむき出しにしたのだ。
 だが、日教組本部は、この暴力的恫喝にすくみあがり一片の抗議声明でお茶を濁そうとしている。「言論や民主的活動を暴力によって封じ込めようとする反抗は卑劣で許せない。残念で激しい怒りを覚える」(中村書記長談話)、と。何が残念だ! ネオ・ファシストの銃撃テロを弾劾する闘いはどうした! このような反動の嵐にどうたちむかい、教基法改悪反対の闘いをどうすすめるのだ!!
 すべての革命的・戦闘的教育労働者たちは、日教組本部の亀の子%I対応を許さず、職場・分会から「ネオ・ファシストによる銃撃テロ弾劾!」の声をまきおこし、彼らを社会的に包囲していく広範な陣形を創造していくためにたたかおう! <イラク派兵阻止! 教基法改悪・憲法改悪阻止!>の闘いをさらに強力におしすすめよう!
(十月二十八日)
Top