第1788号(2003年10月6日)の内容

<1面〜2面〜3面>
10・17日米首脳会談粉砕―10・19イラク反戦闘争に起て
中央学生組織委員会

<3面>
決裂したWTOカンクン会議

<4面>
北朝鮮「核開発」をめぐる六ヵ国の角逐

<5面>
試練に立つイラク・シーア派 (下)

<6面>
「愛国心」通信表の採択を阻止する闘いの勝利―福岡市
Topics 教師に「分限免職処分」攻撃

<8面>
『黒田寛一のレーベンと為事』を読んで
「新しい人間の探求」に学ぶ
◆『新世紀』最新号第207号紹介

<7面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
「あったり前だ」!?
A級戦犯のDNA
名古屋の怪
サクラ サクラ

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号





































 


    


10・17日米首脳会談粉砕―10・19イラク反戦

闘争に起て


米英のイラク軍事占領・支配反対! 小泉政権のイラク派兵・改憲阻止!

社共の議会主義的・小ブルジョア平和主義的歪曲をのりこえて闘おう


 アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュが、十月十七日に来日しようとしている。首相・小泉との日米首脳会談を前にして、ブッシュは居丈高にも小泉にたいして叫んでいる。「一刻も早くイラクに派兵せよ!」「巨額のイラク戦費を負担せよ!」と。このブッシュの激しい恫喝に縮みあがり、小泉はついに年内にも銃声轟くイラクの地に重武装の自衛隊を派遣する意志を表明した。きたる首脳会談において、日米両権力者は「日米同盟の強固さ」を謳いあげようとしている。イラク軍政の破綻にさいなまれ国際政治場裏において完全に孤立した「一超」帝国の大統領ブッシュと、全世界のムスリム人民を敵にまわし戦争狂ブッシュと命運をともにする覚悟を固めた首相・小泉。その右腕にナチスの紋章・鉤(かぎ)十字(ハーケンクロイツ)を彫りこんだ日米両権力者の、ハーケンクロイツ同盟強化のための会談を、たたかう労働者・学生は絶対に粉砕しなければならない! ブッシュ来日を断固として阻止せよ!
 イラク派兵にふみきる決意を固めた小泉政権は超弩級の反動攻撃をふりおろしている。自民党総裁選挙に勝利した小泉は、「日本核武装」を持論とする安倍晋三を自民党幹事長にすえ、「日米同盟の強化」「憲法改正」を叫ぶ若手タカ派を閣僚に数多く配した小泉第二次改造内閣を発足させた。この小泉政権は、イラク派兵を強行し、憲法改悪を成し遂げることを使命とした超タカ派政権にほかならない。
 ブッシュ政権と結託した小泉政権は、北朝鮮にたいする民族排外主義を鼓吹しながら、対北強硬策を展開している。北朝鮮籍船舶への強権的な検索や「北のスパイ」とみなした朝鮮総連などの民族団体にたいする徹底的な弾圧攻撃をかけながらである。しかも、イラク派兵や改憲に反対する一切の政党や労働組合・学生自治会を根絶するために治安弾圧の凶刃を矢継ぎ早にふりおろしている。
 すべての労働者・学生諸君! 十月衆議院解散―十一月総選挙に向けての選挙宣伝に闘いの一切を解消している社共既成指導部を弾劾せよ! 社共指導部による議会主義的・国連依存主義的歪曲をのりこえ、<アメリカ帝国主義のイラク軍事占領反対! 日本帝国主義のイラク派兵絶対阻止! 米日共同の北朝鮮制裁反対! 憲法改悪阻止!>の反戦闘争を断固として推進せよ! イラク派兵・憲法改悪に突進する小泉内閣を打倒する力を結集するために奮闘せよ! 反ファシズムの戦線をいまこそ構築するためにたたかおう! すべての労働者・学生は、10・17ブッシュ訪日阻止・日米首脳会談粉砕闘争―10・19労学統一行動の連続闘争に決意も固く総決起せよ!
   中央学生組織委員会

以下、章小見出し

A 断崖絶壁の危機にあえぐ「一超」軍国主義帝国
イラク新決議を巡る角逐の激化
「中東民主化」政策の完全破綻
孤立を打破するための弥縫策
深まるブッシュ落選の危機

B イラク派兵・改憲に突進する小泉第二次改造内閣
イラク派兵の宣言
改憲を叫ぶネオ・ファシスト政権
対北朝鮮強硬策の展開
強権的=軍事的支配体制の強化

C 総瓦解する既成反対運動

D イラク反戦・改憲阻止の闘いの革命的高揚をかちとれ
ブッシュ来日阻止! 日米首脳会談を粉砕せよ!
小泉政権のイラク派兵=軍政参加を許すな
米帝のイラク軍事占領・支配反対! シャロン政権のパレスチナ軍事制圧弾劾!
憲法改悪阻止! ネオ・ファシズム的反動化阻止の戦線を構築せよ
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途上国の反乱


決裂したWTOカンクン会議


 メキシコのカンクンで九月十日から五日間にわたって開かれていた世界貿易機関(WTO)閣僚会議は、新多角的貿易交渉(新ラウンド)について何の合意もうちだせないまま、九月十四日に決裂して閉幕した。この事件≠ヘ、新ラウンドの二〇〇四年末までの期限内合意が絶望的になった、ということ以上の深く大きなインパクトを秘めている、といえそうだ。
 まずは、アメリカ・ブッシュ政権内ネオコン派のゼーリック米通商代表部代表の、疲れはてた表情の会見を聞こう。
 「やる気のない国〔結束した途上国のこと〕のうわべだけの言葉が意欲的な国〔米欧〕の努力を圧倒し、袋小路に入ってしまった……。」
 これに反して、アルゼンチンのレドラド外務次官は、胸を張ってこう語った。
 「主要国に対抗できる結束力のある途上国グループが誕生した。」
 決裂後の記者会見における両者のこのあざやかなコントラストは、いったいどこからくるのか? そう。アルゼンチンの外務次官が語ったとおり、「結束力のある途上国グループが誕生」し、米欧がこのグループの結束に敗北した、ということに由来する。
 今回の閣僚会議に向けて、インド・中国・ブラジル・南アフリカなどの、今後の経済発展を希求している国々を中心に、途上諸国二十一ヵ国が「グループ21」(G21)を形成して結束した。以前から先進国が自分たちの利害を押しつけるWTOのあり方に反対していたインドに、二年前にWTOに加盟した中国が急接近。この二国が中核となってG21は形成された。
 G21は会議の大詰めで、先進国の国内農業補助金削減と途上国優遇措置の保証などを求める全面修正案をとりまとめて提出。G21の各国代表が米欧の御都合主義を非難する演説をするたびに、大きな拍手がわき会場を圧倒する異例の展開となった。
 アメリカ代表団はG21の勢いを削ぐために、G21内のアメリカと二国間貿易交渉をおこなっている六ヵ国に、二国間交渉で譲歩するからG21を脱退せよ、と迫った。しかし応じたのはアメリカにたいして弱い立場にある中米のエルサルバドル一国だけ。その間にナイジェリアとインドネシアがG21に参加して、むしろG21の参加国は増えG22となった。アメリカの削ぎおとし工作は、「いつもの汚いやり方だ」と途上国側の反米感情の火に油を注ぐばかりとなった。その結果が、冒頭に紹介したネオコン・ゼーリックの意気消沈の弁という次第。
 インド・中国などの地域大国のまわりに途上国がこれほど固く結束したのには、反グローバリズム国際NGO(非政府組織)の関与もあるようだ。イギリスに本拠をおく「オックスファム」などのNGOが、官僚機構が貧弱で交渉のノウハウの蓄積も乏しいアフリカなどの途上諸国に人材を派遣し、途上国が共同提出する対案づくりをサポートしたという。アフリカ諸国の共同提案をまとめるのにNGOの助けを借りた南アフリカの代表は、「ようやく途上国も交渉能力を持てた」と喜色満面だったとのこと。
 いずれにせよ、アメリカ帝国が鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)を一方的に発動したり、他国の制止をふりきってイラク侵略にふみきったりの政治・経済両面にわたる独善ぶりも極まれり。この三歳児的ユニラテラリズムにもとづく横暴・やりたい放題に、途上諸国のうっ積した憤懣(ふんまん)が、中国・インドの働きかけを触媒にして或る化学反応を起して爆発したことは間違いないようだ。もはやWTOの力学は完全に塗り変えられ、アメリカとEU(や日本)だけでは何もきめられない現実がつくりだされたといえる。
 今回の決裂をうけて、アメリカ政府筋は「多国間交渉で前進がなければ、米国は二国間交渉で主導権をとる」と豪語している。今後、各国が二国間で関税撤廃・削減をはかる自由貿易協定(FTA)締結に走る、FTA締結競争が激化し、世界経済のブロック化の動きがますます強まることは確実だ。
 そのなかでの世界の工場£国とソフト大国<Cンドが核になったG22の形成。「アメリカの戦争」の世紀にあたえるインパクトには、深くはかり知れないものがありそうだ。
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北朝鮮「核開発」をめぐる六ヵ国の角逐


六者マラソン交渉の行方

T第二回協議に向けてのサヤ当て

 「核問題の平和的解決のための重要な一歩を踏み出した」「重要なのは各国が対話の継続に合意したこと」――「北朝鮮の核開発問題」をめぐる「六者協議」が閉会(八月二十九日)した直後、北京市内のホテルで記者会見した議長役の中国代表・王毅(外務次官)は協議の成功≠精一杯おしだしてみせた。三日間にわたる協議をつうじて、米・中両国をはじめとする参加国の代表団は「対話の維持」を確認することにとどまらざるをえず、第二回協議の日程さえも正式には合意することができなかった。とはいえ、十一月を目途に開催が予測されている第二回六ヵ国協議にむけて各国の権力者は、いまそれぞれの政治的思惑にもとづいて権謀術数を水面下でくりひろげている。

以下、見出し
中朝軍事同盟破棄≠フ恫喝

第一回協議の内幕

U対北朝鮮強硬策の軌道修正を図るブッシュ政権

パウエル式「対話と圧力」政策の採用

ピエロぶりをさらす小泉政権

「繁栄」政策の貫徹をめざす盧武鉉

V金正日政権の安楽死≠ヨの道を探る中・露両権力者

「体制保証」の一点にかける金正日政権
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新世紀 The Communist 第207号

 
2003年11月  

最新号紹介


日共綱領改定案の本質を暴く

暗黒の21世紀、これにいかにたち向かうべきか


 RMA(軍事技術革命)の粋をあつめた世界最強の軍国主義帝国アメリカが、占領地イラクでサダム軍のゲリラ戦によって蟻地獄にひきずりこまれ、悶え苦しんでいる。「9・11トラウマ」をバネにし、「世界の果てまで死と暴力を輸出する」と豪語した戦争狂どもは、まさにこのゆえに勝利不可能な戦争に突入した。この暗黒の二十一世紀初頭の世界に、われわれはいかにたち向かうべきなのか。

ヤンキー帝国の大誤算を鮮明に

 『新世紀』第二〇七号は、イラク「戦後」の情勢のドラスティックな展開のもとで反戦闘争の一大高揚をもって反撃するために、「ヤンキー帝国の大誤算」を特集として組んだ。巻頭を飾る「断末魔のブッシュ政権」(風森洸)は、米・英両国によるイラク占領支配の破綻につぐ破綻を克明に、かつトータルに分析し、破綻の軍事的・政治的そしてイデオロギー的根拠を全面的に明らかにしている。風森論文は、さらに米・英・日のハーケンクロイツ同盟と仏・独・露のユーラシア連合、そして中国を中心とする諸国とからなる三極間の角逐の構造と、この角逐のゆえのブッシュ政権の政策的ジグザグをも、鮮明に浮き彫りにしている。
 国連の存在をも傲然と足蹴にしてイラク戦争に踏みきったヤンキー帝国を、ブレアとともに支える道を選択した小泉政権。この極反動政権のイラク軍政参加のためのあいつぐ攻撃を、いかにはね返していくべきかについて解明し、方針を提起しているのが、「先制攻撃戦略の挫折とイラク反戦闘争の任務」(楠田泰行)と題した、第四十一回国際反戦中央集会基調報告である。この集会に向けて発せられた海外へのアピール、「<ブッシュの戦争>を阻止せよ」の和文と英文、および集会に寄せられた海外からの全メッセージ(原文)も、あわせて掲載した。とりわけ、侵略国アメリカや、イラクへの軍隊派遣を決定したウクライナ、これらの政府に反対してたたかっているグループからの多数のメッセージが、生なましい危機感を伝えてくる。
 「ネオコンの『思想』とは何か?」(片桐悠)は、ブッシュ政権を牛耳る「新保守派(ネオ・コンサーバティブ・グループ)」のイデオロギーを全面的に批判した力作である。「バグダッドを踏み越えた彼方」に「民主主義を輸出」することを宣言したカプランとクリストルの共著『ネオコンの真実』。「万人に対する万人の戦いの世界」というホッブズ哲学を理念とし理想とする立場からヨーロッパの「楽園」に唾を吐きかけるケーガンの『ネオコンの論理』。この二書にたいして筆者は、ネオコン・イデオローグどもの三歳児的水準をあざやかに暴きだしている。読者は大いに共感をおぼえるであろう。
 特集のオチ≠ニして掲載したのが「嫌米くそ味噌じゅうたん爆撃」(雨田金太郎)である。意表をつく落語形式で語られる言葉の重爆撃は、弾劾だけでは表現できない作者の怒りのカタルシスというべきである。悲憤慷慨のあまりに日米比較文化論へと脱線していくさまは、まさに場外大乱闘の痛快さ。
 さらに特筆すべきは、「アンチ革命の『綱領改定案』」(白嶺聖)である。この六月に開催された日本共産党第七回中央委員会総会において、不破哲三が示した綱領改定案への批判である。「綱領改定案」は、「保守層との共同」をうちだし、「安保廃棄」を棚上げしたり「自衛隊活用」を明言したりするかたちで徹底化してきた「資本主義の枠内での民主的改良」路線に踏まえ、これにふさわしいものに現行綱領(一九九四年の改定綱領)をさらに全面的に改定したものにほかならない。白嶺論文は、とりわけ、「民主的改革」は「革命」ではないことを基礎づけるために不破が弄している理論的詐術に的を絞り、そのマヤカシを粉砕しつくしている。
 他方、今春のイラク反戦闘争の全世界的高揚に垂涎し、アメリカのANSWERを猿マネした「ワールドアクション」にうつつをぬかし、走狗のうすよごれた本性をおし隠すのに必死だったのがブクロ=中核派であった。「万策つきたブクロ派残党」(永田部厳太)は、そのような延命策すらも断たれて「労組交流センター」のボスどもに組織をのっとられたブクロ派の最期の姿を浮き彫りにしている。
 巻末の論文「監視国家への突進」(竹垣作蔵)は、住基ネットと監視カメラ網の拡大、さらに各都道府県で次々と制定されつつある「生活安全条例」、それにもとづく住民パトロールの実態についてリアルに明らかにし、国民総監視=総管理体制づくりが急進展していることに警鐘を乱打している。
 本号のすべての論文が、今秋期の闘いの武器となり、また読者の励みとなるにちがいない。
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「あったり前だ」!?


煽動・火つけ・銃撃・脅迫 みーんなグル

 九月十日の未明に何者かによって仕組まれた田中均(外務省審議官)宅爆弾℃膜潤Bこれを事件当日の午後に、「爆弾が仕掛けられて、あったり前の話だ」と言って讃美したのがファシスト都知事・石原であった。
 田中均を標的とするテロ≠ヨの石原の肩入れは、並たいていのものではない。「国民の怒りがつまってつまって、ああいう形になった」(事件翌日)、「田中均は万死に値する」(三日後)、と、都知事がテロを容認してよいのか≠ニいう非難などどこ吹く風の発言をつづけている。
 どうして石原は、こんなにもこの事件を仕組んだものどもに肩入れするのか?
 当日午後の石原の「あったり前」発言じたいが異様に早い。その時点では、まだ「犯行声明」の信ぴょう性とか爆弾≠ニいわれているものが何なのかとか十分には報道されていなかった。「国賊征伐隊」を名のる犯行通告電話の主は「爆弾」とは言ったものの、実際に仕掛けられていたものはおよそ爆弾とはいえない「発火物」という程度のものだった。
 ところが、いちはやく石原は、「爆弾が仕掛けられた」と言いきっただけでなく、犯行者の意図するものまで断定し代弁してみせた。
 実はこのときの石原の発言は、事件直後に発売された『正論』十月号に掲載されている石原慎太郎と拉致被害者家族の会事務局長・蓮池透との対談のなかの一節とまったく同じ内容だ。遅くとも八月下旬に『正論』編集部つまり産経新聞社は、田中均は国賊だ∞万死に値する≠ニいう石原談話の雑誌掲載を決定していたということになる。そもそも産経新聞社は、八月二十日付の「産経新聞」の「社説」において、田中均と官房長官・福田の二人を「北朝鮮におもねる北融和派という名の非国益派」と非難していた。
 ということは、「産経新聞」の社説(八月二十日)―→『正論』への石原談話掲載―→爆発℃膜潤i九月十日)―→石原「あったり前だ」発言、となる。こいつらみんなグルだ。ん?「グル」は石原だ。おまけに石原は警察とも太〜いパイプを持っている。犯行グループは警察に逮捕されるおそれなく、連続的なテロ≠仕組んでいるのではなかろうか。
 そもそも「国賊征伐隊」を名のるものどもが一番初めに攻撃したのは、社民党本部であり(二〇〇二年十一月九日)、今年の六月には、ついに広島県教組(広教組)の本部事務所に二発の銃弾を撃ち込んだ(本紙第一七七八号)。このファシスト・グループは朝鮮総連関連施設を主要にターゲットにしてきた(註)。これらの攻撃にさいしてそのグループは、「朝鮮征伐隊・建国義勇軍」などの名前で「犯行声明」を出した。
 さらに、今年の五月と六月には、アレフ(旧名オウム真理教団)東京道場と大阪道場に銃撃をくわえている。それは、彼らが「国賊」とレッテルを貼ったものたちはオウム真理教団のような反社会分子と一緒くたにして「征伐」されて当然なのだということを宣伝するため。全国各地で、社会的な焦点にタイミングをあわせ、統一組織であることを誇示するかのようになされた。
 小泉政権は、マスコミを総動員して、「拉致問題」を逆手にとった反北朝鮮の排外主義キャンぺーンを連日くりひろげてきた。これによって煽りたてられた嫌北朝鮮∞憎北朝鮮≠フムードを基礎にして、今回の田中審議官宅の爆弾テロ≠笆中への実弾入り封書の送付が仕組まれた。これは、対北朝鮮の強硬政策に反対する政治エリートや官僚を国賊≠ニレッテル貼りして暴力的に放逐していこうとする極反動分子どもの意図をみせつけるためのものだ。
 それだけではない。朝鮮総連関係団体や日教組をオウムとダブらせて「国賊」と宣伝し、もってこれらにたいする右翼ゴロツキ分子をも活用したところの国家権力の暴力的大弾圧を容認する社会的ムードを醸成していくことである。ファシスト石原の一連の暴言≠ヘ「国賊征伐隊」を名のるファシスト・グループを尖兵とする極反動分子どもの狙いを大々的に宣伝するものにほかならない。
 反戦平和などの一切の反対運動と組織を根絶やしにすることを狙うネオ・ファシストの蠢きをいまこそ警戒せよ!

 註 朝鮮総連各県本部や朝銀などの支店への攻撃の詳細は次のとおり @二〇〇二年十一月 朝鮮総連中央本部に銃弾郵送 A二〇〇三年一月 名古屋・朝銀中部信組を銃撃 B同七月 新潟・朝鮮総連県本部への銃撃とハナ信組に「発火物」の置き去り C同八月 福岡朝鮮総連県本部に「発火物」の置き去りと朝銀西信組に「発火物」の置き去り 岡山・朝銀西信組を銃撃 D同九月 朝鮮総連大分本部にガソリン。「日本皇風軍」を名のる犯行声明
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