第1786号(2003年9月22日)の内容
<1面>
10・17ブッシュ来日を阻止せよ
米英のイラク軍事占領反対! 自衛隊派遣阻止!
総選挙に埋没する社・共の議会主義的歪曲をのりこえて闘おう
<4・5面>
教育基本法の改悪を粉砕せよ
中教審最終答申の反動性
<2面>
全学連116中央委に結集せよ
早大生らが最高裁で勝訴!
麻生の「創氏改名」正当化発言を許すな
<6面>
Topics 自治労本部の「公共サービス」解釈がえ
リポート労働戦線 JR山陽新幹線元運転士の書類送検を許すな/森喜朗の反日教組暴言弾劾/警察の住民監視への協力を強制される郵政労働者
<7面>
国家に奉仕する自治労運動への総仕上げを策した本部――自治労第74回定期大会
「本部方針では闘えない!」 現業労働者の怒り噴出
<8面>
下向分析的に考えるとは?
『アントロポロギー』感想
『レーベンと為事』を読んで
<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
◆お茶会のココロ
◆米盲従犬の選択
◆「PEACE」の語源
◆毒まんじゅう
◆サプライサイド信仰
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
10・17ブッシュ来日を阻止せよ 米英のイラク軍事占領反対! 自衛隊派遣阻止! 総選挙に埋没する社・共の議会主義的歪曲をのりこえて闘おう 日米両政府は、アメリカ大統領・ブッシュが十月十七日に来日し首相・小泉との日米首脳会談をおこなうことを公表した(九月九日)。彼らは、この会談において、米英連合軍のイラク軍事占領・支配への日本の支援にかんする具体的なプラン(自衛隊の役割分担)を最終的に決定しようと目論んでいる。 サダム軍およびムスリム人民の反攻によってイラク軍政の完全な破綻を突きつけられたブッシュ政権は、いまや国連に多国籍軍の派遣を要請し各国に軍事的・経済的負担の分担を求めるという厚かましい追求にのりだしている。とはいえ、この策動じたいがフランス・ドイツおよびロシアの権力者たちの頑強な抵抗に直面させられて二進も三進もゆかなくなっている。まさにこのゆえに、ハーケンクロイツ同盟の一員たる日本帝国主義に軍事的・経済的負担を最大限におしつけようと策しているのがブッシュ政権なのである。 「逃げるな! 茶会ではない!」(国務副長官アーミテージ)――このブッシュ政権の最大級の恫喝を受けて縮みあがった小泉政権は、イラクの「治安悪化」を理由にして一度は先送りにした政府調査団のイラク派遣を大あわてで実施している(十四日出発)。彼らは、日米首脳会談までにイラク軍政への日本の貢献策を具体化すべく、押っ取り刀で準備を再開した。彼らは、来年の通常国会において国民投票法案を制定する意志を公然と明らかにしている。 すべての労働者・学生諸君! こうした米・日両権力者の策動にたいして、共産党ならびに社民党の各指導部は、なんらの大衆的闘いを組織化することなく、もっぱら十一月総選挙での集票目当てに「国連中心のイラク復興支援」策という代案の宣伝にうつつをぬかしているにすぎない。この社・共既成指導部による平和運動の議会主義的歪曲をのりこえて、<米英のイラク軍事占領反対! 自衛隊のイラク派遣阻止! 憲法改悪阻止!>を焦眉の課題とする反戦闘争を、<日米安保同盟のグローバルな強化反対!>の方向性を鮮明にしてたたかいぬこうではないか!
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教育基本法の改悪を粉砕せよ 中教審最終答申に提示された新たな教育理念の反動性 中央教育審議会最終答申を受けて、文部科学相・遠山は「学校教育はすでに大きく変わりつつある。この流れをいっそう加速していくことが重要だ」と豪語した。 日教組指導部をはじめとする既成指導部の腐敗にまさに下支えされて、政府・文科省は、「教育の構造改革」の名のもとに「愛国心」の植えつけと「能力」を基準とする選別教育とを中心軸とした教育のネオ・ファシズム的再編を急速な勢いで進めてきた。すでに初等中等教育・高等教育全般にわたって、制度再編、教育内容・方法の再編、大学をも含む学校の管理運営体制の再編を全面的に進めてきた。政府・文科省は、これらの現実を法制度的に整備し、さらに教育の国家主義的再編を一挙に推進するために、今日ついに、教育基本法改定を一気呵成になしとげようと企んでいる。 自民党憲法調査会は、先頃、「『国防軍』の保有を明記する。国民は国家の安全を守る責務を有する。有事には、首相が国民や地方自治体にたいして指揮・命令できるとする」などの改憲案を公表した。政府・自民党は、このような憲法改定の追求と結びつけて、教基法改定のための作業を着々と進めている。 中教審答申の提出以降、中曽根康弘などのネオ国家主義者どもは、法案にみずからの主張を盛りこませることを狙って、精力的に論陣をはっている。「国家のためにという精神」「エリート教育重視」「国を愛する心と国を守ることを結びつける」……これらが「日本の教育改革を進める会」などに集うネオ国家主義者どもの合い言葉である。「法律も大事だが、それを支持し運用していく精神がもっと重要だ」と中曽根康弘は教基法改定にこぎつけた自信を余裕しゃくしゃくと語っているではないか。いまやネオ国家主義者どもは、改定教基法を運用する主体、つまり文科省官僚やブルジョア教育学者にハッパをかけ、すべての教育行政関係者たちの精神を徹底的に鍛えること、そして国民の精神の大改造をはかることを狙って、「国民大討論」なるものを呼びかけているのだ。 わが革命的・戦闘的労働者は、教育のネオ・ファシズム的再編攻撃をはね返す闘いの敗北的危機を、怒りと屈辱感をバネに断固として突破していかなければならない。 以下、見出し 第一章 国家主義・能力主義を前面化した教基法改定案 (1)ネオ・ファシズム体制強化を策す政府権力者の教育要求 (2)「『公共』の精神の涵養(かんよう)」――新たな装いをこらした国家主義 (3)「個人の自己実現と個性・能力、創造性の涵養」――新自由主義にもとづく能力主義 (4)国家主義的教育のための教育内容の大再編 (5)徹底した国家統制を貫徹するための教育行政の理念 第二章 〈軍事強国・技術立国〉への飛躍のための公教育 (0)戦後民主教育理念の全面的否定 (1)「公共=国家・社会のために」が基調 (2)「機会均等」理念の否定 (3)「日本人としての自覚」を涵養するための道徳教育 (4)国・地方自治体の「責務」についての解釈がえ |
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最高裁 早大生らが全面勝訴! 江沢民講演会参加者名簿提供事件訴訟 9・12 九月十二日に最高裁は、早稲田大学が学生らの名簿を無断で警視庁等に提供した事件について、これを「プライバシーの侵害にあたる」と認定し、早大当局にたいして損害賠償を命じる判決を言い渡した。この裁判を四年有余にわたってたたかいぬいてきた早大生たちは、ついに全面勝訴の画期的な判決をかちとったのだ。
最高裁は今回の判決において、たとえ氏名などの「単純な情報」であっても「プライバシーに係わる情報」は「法的保護の対象となる」と明確な判断を下した。そして、早大当局の「国賓の警護・警備のために必要だった」という居直りを明確に否定し、警察権力への名簿提供を違法行為と断じたのだ。 こんにち、小泉反動政府が「有事関連三法」の制定、「個人情報保護法」の制定、住基ネットの強行運用など、「国家的目的の実現のためならば個人の人権が制約されてもやむを得ない」と、日本国憲法に規定された基本的人権をもふみにじって国家総動員体制構築のためのウルトラ反動攻勢を強めている。このようななかで、今回の最高裁判決をかちとったことの意義はきわめて大きい。この大勝利をステップに、われわれはいっさいのネオ・ファシズム的反動攻撃を粉砕し、さし迫る憲法改悪をうち砕くのでなければならない。 (詳細次号) |
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少年事件は日教組のせい=H! 森喜朗の暴言を弾劾せよ 日教組運動への憎悪をむきだしに あの「神の国発言」の森喜朗(前首相)は、去る七月十九日、福井県敦賀市で講演し、沖縄県や長崎県で小中学生が絡んだとされる凶悪事件が起きていることにかこつけて、次のように発言した。 「少年にとって一番大事な親の世代、教師の世代に問題がある。日本の教育の中で最も組合運動が盛んで左翼偏向思想、分かりやすく言えば日教組によりつくられた人格が、親や教師の世代。そこから根本的に改めないといけない。」「国家、地域社会、家族に対すること、責任を持つことを教わらない人が大人になった。そこで生まれ、育てられた子供が悪くなるのはあたりまえだ」と。 このかんのいわゆる少年犯罪事件については政治エリートどもの心ない発言が相次いでいることは周知の事実だ。鴻池(構造改革特区・防災担当大臣)は、「加害者の少年の親を市中引き廻わしにすべきだ」とブルジョア法すらをも無視した江戸時代的な許すべからざることを言い放っている。また、自民党の江藤・亀井派会長の江藤隆美は、七月十二日、やはり福井市内の講演で、こともあろうに「新宿の歌舞伎町見てみなさい。第三国人が支配する無法地帯」と発言して、反中国・反朝鮮の民族排外主義を煽りつつ愛国心教育の必要性を煽動した。 しかし、いわゆる少年犯罪を、全国の教育労働者の結集する日教組のせいに意図的にして、教育基本法改悪を煽るなどというのは、まさしく教育労働者にたいする階級的憎悪ゆえの、ためにする発言にほかならない。 そもそも、現在の中学一年生や二年生の親たちが「もっとも組合運動が盛んだった」時期に教育をうけていたとは年齢的に言えない。「イット革命」のサメ脳・森喜朗のことだから計算できないのは当然といえば当然なのだが。とはいえ、重要なことは、教育基本法改悪にむけて、政府支配階級が、教基法改悪に抵抗する日教組とその傘下のたたかう部分にたいして憎悪をもやして組織破壊の刃を研ぎはじめたということなのだ。六月二十七日の広島県教組事務所にたいする銃撃事件をひきおこした者の背後に森ら極反動分子が存在することを、森発言は、いみじくもしめしたということではないか。 職場から教基法改悪阻止のうねりを この銃撃事件にたいして、日教組本部は、オズオズと「声明」を出した。「目的が何であれ……卑劣な犯行は許されるものではない……教育活動に全力を挙げる」などというように、銃撃事件の担い手とその政治的意図・目的を不問に付し、組織破壊にたいする闘いを回避するものでしかなかった。 けれども森喜朗発言についてはなんの抗議もなされていない。マスコミも地元新聞はともかく、全国的にはほとんど報じられていないのだ。 政府・自民党は、憲法改悪を射程に入れ、教基法の改定案を早急に国会上程することを企んでいる。これにたいして、日教組本部は、与党内の慎重派≠ノ依存しながら、教育労働者の「反対」の声を「国民的合意」なるものに委ねようというのだ。榊原委員長は大会挨拶でつぎのようにのべた。 「私たちのたたかいや、与党の中で公明党が極めて慎重なこともあり、今通常国会での見直し案の上程は見送られました。……もっとも重要なことは教育は国民全体の協同事業であることから、教育基本法問題について国民的な議論が大きく盛り上がることです」と。そして日教組本部は、教育基本法にかんする「調査会」の設置を要求するという代案を提起して敗北の道をひた走っている。 全国の教育労働者のみなさん! 森発言を弾劾せよ! 沈黙する日教組本部を弾劾せよ! 日教組本部の「調査会設置」要求運動をのりこえ、職場深部から「教育基本法改悪反対!」の大きな反対運動のうねりを創り出そう! |
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毒まんじゅう たかが派閥抗争 されど……警戒せよ 親米・純米≠フ現首相・小泉は、ブッシュ政権の絶大なる支持を受けて、九月二十日の自民党総裁選の投票日を待たずして早くも勝った気になって大天狗。 この風向きに業を煮やした橋本派のドン・野中広務が、九月九日、「最後の戦い」にうって出た。小泉を「独裁者」と烙印するこの党人は、引退を表明したうえで大見得を切った――「みずからの退路を断って、我戦うべしという決意をした」「私が持つ情熱と志を、小泉内閣を否定するための最大の戦いに燃焼し尽くしたい」と。 なぜこんなに怒っているのかって? それは当然。 その一。青木と村岡の裏切り。こともあろうに郵政・道路公団の民営化を掲げる小泉のもとに、この郵政と道路建設の利権・人脈を最大の基盤にしている旧竹下派=橋本派の幹部二人が走ったとは。これでは故竹下センセイへの義理が立ちません! 旧竹下派こそが日本保守政治の大黒柱≠ニ信じる野中としてみれば、わが派が小泉とつるんだ青木・村岡によってつぶされる≠アとに大激怒したのは当然。 小泉の「毒まんじゅう」に手を出した輩には、なんとも腹の虫が収まらない。――「長い盟友だった青木氏が首相の推薦人になっていることに愕然とした」「村岡氏の態度は政治家として許すことはできない」と裏声でいきり立った。「最後の戦い」とは、青木、村岡への自爆″U撃だ。でも、いまひとつ、かつて小沢一郎に決戦をいどんだ時(九四年)ほどの迫力がない。結局、橋本派じたいが地盤沈下したんじゃないか。 その二。あの「独裁者」小泉は亡国の士≠ナあって、救国の士≠ナはない。八月、北京を訪問した野中は言った。「小泉首相ではこの国は『衰退国』になっていく。経済政策は郵政と道路があるだけだ」と。小泉の経済構造改革にたいする、郵政族のボスとしての恨み・つらみも重なった強烈なパンチだ。「小泉改革を続けると、今後三年間で日本経済は『焼け野原』にされてしまう」と嘆くエコノミスト(UFJ総研・森永卓郎)もいるほど。これは、反小泉三候補の共通認識でもある。 その三。いわばブッシュべったりの軍国主義者≠ヘ大嫌い。ここのところがこれまでも青木とはソリが合わなかった。青木がタカ派で、中国や北朝鮮、ロシアとのパイプとは縁遠い位置にいるのにたいして、野中は、対米自立・親中・親朝・親露の保守リベラル・イデオロギーを護持している。有事法にたいして「戦前の国家総動員体制を思い出す」「憲法第九条は守れ」と言って採決時に退席したのは周知のとおり。イラク特措法にたいしても「他国に軍隊を送るのは認めがたい」と反対。民主党より護憲・平和≠ナあることはもちろん、戦中の兵役体験を基礎にしているだけに日共の不破や志位よりも迫力があった。 れっきとした反共保守のドンが「護憲・平和」に見えるというのは、それだけ変人軍国主義者や民族排外主義者・石原や日本版ネオコンが幅を利かせ、民主党がタカ派に乗っ取られ、日共がふにゃふにゃだから。 さてさて、今後はどうなるのだろう? 野中の自爆″U撃は、「変人政治」に終止符を打つインパクトになるか?? どう見ても形勢不利。 自民党内抗争は、しょせん保守政治家どうしのサル山のボス争い≠ノ違いないとはいえ、この争いの深層に動く力を見すごしてはならない。野中が形勢不利なのは、本来は政策上・イデオロギー上で野中の側に居たはずの加藤紘一や鈴木宗男や田中真紀子ら保守リベラリストや親中・親露派が、エシュロン帝国の毒牙にかかって次々と失脚させられてきたこの二〜三年の政治力学の結果なんだから。 保守リベラルのドンが仕掛けた「最後の戦い」、これが不発に終ると、国会内の最強の護憲勢力≠ェ消滅し、「変人」率いるポチ保守の改憲勢力=先軍政治$ィ力がますます勢いづくことになる。警戒せよ! |
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