第1777号(2003年7月14日)の内容

<1面>
C130輸送機の先行派遣を許すな! イラク軍政参加法制定を阻止せよ

<4面>
〈ブッシュの戦争〉を阻止せよ! 第41回国際反戦集会海外アピール

<5面>
揺らぐ韓国・盧武鉉政権

<2面>
イラク軍政参加法制定阻止の火柱
衆院採決に反撃(7・3〜4、国会前)
労学が戦闘的デモ(6・15、名古屋)

有事法制定阻止に起つ(6・4、愛知県民集会/6・4、6北大生/6・5〜7金沢大生)
合同治安訓練に抗議(6・10、熊本)

<3面>
石原都当局の生活安全条例制定を許すな

<6面>
教基法改悪反対! 熱気のデモ(6・14)
JR西日本 駅員4割を契約社員に
Topics CSRを号令する「連合」中央
北海道の失業率が8・1%に

<8面>
感想
「同志谷川への手紙」
「議会主義との決別」
「RMG―KK通信」
『平和と革命』第1章

<7面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
◆ゲッベルスの再来
◆副官の末路
◆国民洗脳
◆62+1=23
●「太平洋・島サミット」が示したもの
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号

































 










    


C130輸送機の先行派遣を許すな!

イラク軍政参加法制定を阻止せよ

反米闘争を不屈に闘うイラク・中洋人民と連帯し

国際反戦闘争の爆発を


 小泉政権は、七月四日の衆院本会議において、「イラク復興支援特別措置法案」を与党三党の賛成多数で可決させ参議院に送った。
 民主党をはじめとした野党四党は、これに反対票を投じはした。彼らは、「テロ対策特別措置法改正案」の今国会成立を政府・与党が断念することとひきかえに、「徹底抗戦しない」(民主党)ことを宣言して、わずか三週間の審議だけで易やすと採決に応じた。そうすることによって彼らはこの法案の早期可決に手を貸したのだ。
 国連決議にもとづく多国籍軍派遣の要請がなく、イラク政権は崩壊しているがゆえに当事国の要請もなく、ただただ「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上部隊を派遣せよ!)というブッシュ政権の要請にもとづいて、小泉政権は、米英占領軍の「安全確保支援」を名分にして、人民の決死の反米闘争が敢行されているイラクの地に重武装した自衛隊を派遣しようとしているのだ。「米軍や市民に燃料や水を補給する」という形式がおしだされているのだとしても、自衛隊の活動の内実はまさしく、米英の侵略・占領軍を支えこれと一体となってイラク人民を圧伏するものにほかならない。憲法第九条に規定された「武力不行使」の理念をふみにじり、「集団的自衛権の行使」を認めないとしてきた歴代日本政府の見解をも反故にしているのが小泉政権なのだ。
 彼らは、このイラク軍政参加法を、七月二十八日までの国会会期中に、二十三日にも参院本会議において可決・成立させようと企んでいる。われわれは、これを絶対に許してはならない!
闘う労学がイラク新法制定阻止! 7・6国会包囲闘争に起つ
(7月6日東京、詳報次号)

 自衛隊が派遣されようとしているイラクにおいては今、シーア派やスンナ派民衆の非武装の反占領・反米デモに加えて、地下に潜っていたフセイン軍がイラク全土の各部族と連携しつつ、連日、米英軍にたいするゲリラ攻撃をしかけている。サウジアラビアの首都リヤドにおける米民間軍事会社を標的にした自爆攻撃、パレスチナ急進派の反米・反シオニズムの闘いをはじめとして、中洋全域のムスリム人民は、米英軍のイラク占領への怒りを燃えたぎらせて反米の闘いに陸続と起ちあがりつつある。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 社・共は「国連中心の人道・復興支援」の代案を小泉政権のイラク特措法に対置して、イラク戦後復興のあり方をめぐる国会論議にうつつをぬかしている。われわれは、社・共翼下の平和運動をのりこえ、反占領・反米闘争をたたかうイラク・中洋人民と連帯し、イラク軍政参加法制定を阻止する闘いに、自衛隊のイラク派兵を阻止する闘いに断固として起ちあがろうではないか!
 八月三日の第四十一回国際反戦集会に結集せよ!

以下、見出し
「鉤十字(ハーケンクロイツ)同盟」に参集し派兵に突進する小泉政権

燃えあがる反米・反占領闘争

戦争の「大義」の虚構を暴かれ窮地にたつ米英権力者

総選挙準備に没入する社共の闘争放棄弾劾!
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〈ブッシュの戦争〉を阻止せよ!

第41回国際反戦集会 海外アピール

第41回国際反戦集会実行委員会
(全学連/反戦青年委員会/革共同・革マル派)




危機にたつイラク軍政

ハーケンクロイツ同盟への飛躍

暗黒の21世紀への転換

国際反戦闘争の炎を燃やせ!

(以上、見だし)

 全世界の労働者人民よ! アメリカの暴虐に抗してたたかう全世界のムスリム人民よ! 現代の怪物たるアメリカによる世界制覇の野望をうち砕くために、今こそ断固として奮闘しよう!
 アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争を阻止するために地球を四周するほどの反戦のデモ津波が全世界の労働者人民によって組織された。けれども、この闘いは全世界的な高揚にもかかわらず、敗北を余儀なくされた。われわれがのりこえるべき現実はこれだ。
 日本の反対運動の指導部を今なお自称している日本共産党の指導部は、国連を無視して強行されたイラクの破壊、この破壊されたイラクの復興にかんして、「国連のもとでのイラク復興」を唱えている。しかも、侵略者米英を主体に加えたところの「国連主体の復興」を要求するとはどういうことなのだ。これこそは、ブッシュと同じように気がふれていることの証左でなくしてなんであろう。
 彼らは、ブッシュの戦争を「無法な戦争」と非難する。裏を返せば「国連憲章の原則」にもとづく戦争を彼らは肯定しているのだ。実際彼らは、日本帝国主義国家の暴力装置たる自衛隊の存続を認め、その自衛隊の有事における活用をも認めるにいたった。それは、「自衛のための戦争」については肯定するという態度にもとづく。それは彼らが「軍事力による平和」という帝国主義者と同様の思想≠ノ染まりきっていることを自己暴露するものいがいのなにものでもない。このことは資本主義の枠内での改革を自己目的化してきた彼らの基本路線の必然的帰結である。
 
 全世界の兄弟たちよ! わが日本の労働者・学生は、このような既成指導部の腐敗と闘いの歪曲をのりこえるために日夜たたかいぬいている。帝国主義ブルジョアジーに奉仕する「連合」指導部による闘争破壊に抗して、既成の労組のナショナルセンターの枠をこえて反戦の共同行動を創造している労働者と学生の団結を強化するために奮闘している。
 今日の先進国の労働者階級は、自国のブルジョア政府と資本家階級に屈服している。開戦前には、自国の戦争政策に反対したアメリカAFL―CIO指導部やイギリスの全英労評指導部も、開始された侵略戦争には断固賛成の立場をとった。これは裏切りの見本ではないか。
 既成労働運動指導部は、各国の支配階級の鼓吹するナショナリズムに呑み込まれ、下部労働者にも戦争を翼賛することを強制した。この屈辱的な事態を先進国の労働者階級はうち破るために奮闘すべきである。
 われわれは、アメリカのAFL―CIOスウィニー指導部の戦争翼賛を弾劾し、反戦闘争を職場深部からねばり強く創造しているアメリカのたたかう労働者と連帯してたたかう決意を表明する。
 われわれは、ヤンキー帝国主義をはじめとする各国帝国主義権力者どもの鼓吹する「テロ根絶」の悪辣なキャンペーンを断じて許さない。アメリカ帝国主義の暴虐に抗してたたかうムスリム人民の闘いに心からの連帯を表明する。イラク人民は、米英占領軍をたたきだすために反米・反占領闘争の炎を燃やせ!「反米・反シオニズム」の旗を高く掲げて対イスラエル抵抗闘争をたたかうパレスチナ人民よ! イスラミック・インター―ナショナリズムにもとづく闘争を組織せよ! アラブ人民は、アメリカ帝国主義に屈服する自国政府を弾劾し、たたかうイラク・パレスチナ人民を支援せよ!


以下、スローガン
一超軍国主義帝国アメリカによる世界制覇 のための侵略戦争を阻止せよ!
今こそ国際反戦闘争の紅蓮の炎を燃やせ!

一 米英帝国主義によるイラク軍事占領反対! アメリカ帝国主義によるイラク・中東の植民地化をうち砕け! アフガニスタン戦争の継続反対!

二 アメリカによる小型核兵器の製造とMDシステムの構築反対!

三 日本帝国主義のイラク出兵阻止! イラク軍政参加法の制定反対!
  米日による対北朝鮮制裁策動を粉砕せよ! 民族排外主義の鼓吹を許すな!

四 「テロ根絶」の名におけるイスラエルによるパレスチナ軍事攻撃とアメリカによるシリア・イランへの戦争放火に反対し、プロレタリア・インターナショナリズムにもとづいて反戦闘争を断固推進せよ!
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切迫する戦争的危機下で揺らぐ韓国・盧武鉉

政権


 ブッシュ政権はついに、北朝鮮での軽水炉建設を中止し九四年の「米朝合意」を実質的に破棄する、という意志を固めた。彼らは金正日専制下の北朝鮮国家そのものを倒壊に追いこむ野望を公然とむきだしにしたのだ。このブッシュ政権の意を汲んで、小泉政権は、朝鮮有事≠ノ備えるためであるかのようにおしだしつつ有事法の制定を強行した。そのうえさらに、北朝鮮貨客船にたいする臨検・日本寄港妨害などの政治的および経済的の制裁を強行している。これにたいして反発を強めている金正日政権は、核・ミサイル開発をタテとした戦争瀬戸際$ュ策をとっている。
 こうした情勢のもとで、韓国第十六代大統領・盧武鉉(ノムヒョン)は、就任六ヵ月もたたずしていま、最初にして最大の試練にたたされている。「私は妻を愛しているが、不満な点がないわけではない」――大統領就任直前にブッシュ政権のユニラテラリズムについて尋ねられたとき、このように豪語してみせた威勢などは、もはや全然ない。五月中旬に初訪米した盧武鉉は、ブッシュを前にして対イラク戦争の戦勝≠称賛してみせ、「朝鮮戦争で米国が助けてくれなかったら、私はいまごろ政治犯収容所に入っていたかもしれない」などと卑屈なまでのお追従を述べたほどなのである。
 盧武鉉政権はいま、ブッシュ政権および小泉政権の北朝鮮にたいする強硬策の展開に内心では憤怒を燃やしながらも、共同歩調≠フ体裁をなんとかとり繕うために、彼らにすり寄ってみせているのだ。前・金大中政権の「包容政策」の継承を謳い「平和繁栄政策」を掲げている盧武鉉政権は、米・日両政府から対北朝鮮政策において共同歩調≠とることを強硬に迫られ、己れの基本政策を貫徹しえない危機に直面させられている。

以下、見だし

A 四面楚歌状態への陥没

B 「平和繁栄政策」展開上 の試行錯誤

C 米・日と北朝鮮(中・露)の角逐下で高まる戦争的危機
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イラク軍政参加法制定阻止の火柱
衆院採決に反撃(7・3〜4、国会前)
 七月三、四日の両日、「首都圏学生ネット」のたたかう学生たちは、「イラク復興支援特措法」案の衆議院委員会採決・本会議採決を阻止するために国会前闘争に連続決起した。
 写真は7月3日、衆院議員会館前でたたかう学生たち

労学が戦闘的デモ(6・15、名古屋)
 六月十五日、全学連東海地方共闘会議と反戦青年委員会は、有事法の制定とイラク新法の国会上程にたいする怒りに燃えて、名古屋米領事館と自民党愛知県連に断固たる戦闘的デモを敢行した。
 写真は、米領事館前でシュプレヒコールをあげる労働者・学生


有事法制定阻止に起つ
 六月四日と六日、北海道大学のたたかう学生たちは、有事関連三法の参議院での可決=成立を弾劾する抗議闘争にたちあがった。
 写真は、自民党北海道連合前でシュプレヒコールをたたきつける学生たち(六月六日)
 金沢大学のたたかう学生たちは、小泉ネオ・ファシスト政府が有事関連三法案の参院採決強行・成立をはかったことにたいして、怒りに燃えて弾劾闘争に連続的にたちあがった。自民党石川県連に弾劾の拳(6・6)、金沢市中心部で熱烈に街宣(6・5)、座り込みの労働者・市民と連帯しデモ(6・7)。
 写真は、デモで進撃する学生たち(6月7日、香林坊)


合同治安訓練に抗議(6・10、熊本)
六月十日、陸上自衛隊西部方面隊と熊本県警が「治安出動」共同図上訓練を強行した。社・共が完全に闘争放棄をきめこむなかで全学連九州地方共闘会議のたたかう学生は、これに抗議する闘いに唯一起ちあがった。
 訓練会場である熊本県警本部前でたたかう学生たち――写真 
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石原都当局の「生活安全条例」制定を許すな

「防犯」の名による予防弾圧体制の構築を粉砕

せよ


 今年四月に東京都知事への再選を果たした石原慎太郎は、現職の警察官僚・竹花豊を新たに治安担当の副知事に就任させるという前代未聞の人事を六月二十四日の都議会において承認させた。
 副知事の竹花豊は、警視庁生活安全部長や広島県警本部長を務め、広島県では生活安全条例の制定に狂奔した経歴をもつ警察官僚である。石原は、警察庁生活安全局と一体となって、首都東京における治安弾圧体制を飛躍的に強化するために、生活安全部門のエキスパートの竹花をみずからの参謀役に就任させたのだ。
 この石原都当局が、「東京都安全・安心まちづくり条例案」(以下東京都条例案と略す)を、六月二十四日開会の都議会定例会に提出した。この東京都条例案の反動性はどこにあるか。

以下、見だし
防犯活動への参加・協力が「都民の責務」

「治安回復」を叫ぶ石原

自衛自警の精神≠フ再興

今日版「隣組」の組織化

基本的人権の制限=予防弾圧

監視カメラ設置の義務づけ

東京都条例の制定を許すな!
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ゲッベルスの再来


revisionist historians(歴史修正主義者)とは誰か


 いやあ驚いたのなんのって。オイラ、ブッシュが「修正主義者」を弾劾したって聞いた時、本当にぶっ飛んでしまったよ。
 時は六月十六日、ブッシュはニュージャージー州へ遊説に行ったんだとさ。そこで、民主党に矛先を向けて、イラクに大量破壊兵器(WMD)がなかったと言うのは「修正主義者」だと毒づいたらしい。次の日も、バージニア州で同じように息巻いてみせたのだそうだ。
 一体、ブッシュが言う「修正主義者」って何だろう? ブッシュはrevisionist historians(修正主義者の歴史家たち)とか、rewrite history(歴史の書き換え)とかと言ったらしい。このrevisionistというのは、「ナチスによるユダヤ人虐殺は作り話だと主張する人」を指す語なんだってさ(六月十九日付「毎日新聞」)。
 つまり日本でいえば「新しい歴史教科書をつくる会」の西尾幹二や藤岡信勝のような連中のこと。彼らは口をそろえて言ったものだ。「南京大虐殺などは存在しなかった」「朝鮮人強制連行というのは事実ではない」「従軍慰安婦なんて作り話だ」……と。
 だからおそらく、「イスラモファシズム」との「革命戦争」を呼号するネオコン一派のイデオローグが、ブッシュに入れ智恵したわけだ。つまり、サダム・フセインこそがヒトラーなのであり、イラクの大量破壊兵器製造こそはユダヤ人虐殺にも匹敵する戦争犯罪。イラクには大量破壊兵器はなかった≠ネどという民主党こそ「歴史修正主義」だ、とね。なんにも知らなかったブッシュは、つい有頂天になってあちらこちらの遊説先で何度も同じことをブッているってわけ。
 まったく、ここまで鉄面皮なのが今ヒトラー=Eブッシュの真骨頂。国連の査察をさえ一方的にうち切り、強引に圧力をかけて「修正」したCIA情報を元にして、イラクに大量破壊兵器が存在する≠ニ強弁してきたのが「一超」帝国のアメリカだ。つまり、この場合は、無理矢理に戦争に突入するために、イラクのWMDの保有疑惑をデッチあげたことそのものが、「歴史修正主義」の手口だったということ。大体、大量破壊兵器の最大の保有者は当のアメリカだ。それを百も承知の上で、ただ形式論理だけを駆使して白を黒と言いくるめ、イラクにはWMDが存在しない≠ニいう民主党こそ「歴史修正主義だ」などと相手を非難攻撃する。かつて「嘘も百回くりかえせば真理となる」と言ったのはナチス宣伝部長のゲッベルス。この手口を地でいってるのが、今日の戦争狂政権だってことだ。
 ブッシュがこの演説をぶったのは、アメリカの上下両院の情報特別委員会が六月十八日に開かれることになっていた前日と前々日だった。ブッシュ政権によるWMDについての「情報操作」、とくに副大統領チェイニーによるCIAへの圧力――こういう追及には、とにかくオモテヅラだけは取りつくろわなくちゃならねえ。そのために、ああだこうだと騒ぐ民主党に、八つ当たりしたってわけだ。だけど、ブッシュが何を言おうと、もう誰も信用なんかしやしない。
 ――ああそうだ、ついでの話だけど、ブッシュの忠犬コイズミも、とんだお笑いぐさだぜ。党首討論の場でWMD問題を追及されて、「フセイン大統領が見つかっていないから、フセインがいなかったことになるのか」と絶叫して満場の失笑を買ったんだとよ。これはラムズフェルドの口真似らしいが、もうほとんど論理的大破綻の支離滅裂、自暴自棄の大錯乱。ブッシュにしろ、忠犬コイズミやプードル・ブレアにしろ、WMD問題で、まさに進退窮(きわ)まれり!

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