第1776号(2003年7月7日)の内容

<1面>
イラク軍政参加法の衆院採決阻止!
既成反対運動の危機を突き破り7・6国会包囲闘争に決起せよ

<4面>
「一超」帝国への反逆 <仏・独・露枢軸>の形成

<5面>
イスラエル軍の暴圧に抗するパレスチナ人民の闘い
プラグマチスト・プーチンの面目躍如

<2面>
基地撤去! 噴き上る怒り
 6・17沖縄 米兵の女性暴行事件抗議闘争
侵略戦争法反対! 各地で起つ
 5・29福井/6・12東京/6・6大阪
教基法改悪反対を訴える 6・1札幌

<6面>
Topics 労基法改悪を美化する日共
リポート労働戦線 
新たな攻撃に出た道教委
電機独占体で普及する「セル方式」

<7面>
那覇市当局の労働強化攻撃を許すな
吉川さんの生き方に学ぶ

<8面>
イラク開戦と私の転回
祖国防衛主義に抗して (第5回)

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
「セクハラ事態」
出てきたものはウソばかり
黒船襲来!?
闇から闇へ

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号













































 


    


イラク軍政参加法の衆院採決阻止!


既成反対運動の危機を突き破り7・6国会包囲闘争に決起せよ

重武装部隊のイラク派遣に突進する小泉政権

 政府・与党は、六月二十四日の衆院本会議で、民主党の同意のもとに「イラク復興支援特別委員会」を設置し、翌二十五日からただちに「イラク復興支援特別措置法案」の審議を開始した。このアメリカ占領軍政参加法案を、七月二十八日の会期延長期限切れまでになんとしても可決・成立させるために、政府・与党は七月上旬(四日ないし八日)までの衆院通過を至上命令として、審議を急ぎに急いでいるのだ。
 小泉政権は、「態度保留」を当面押しだしながら修正協議に応じるタイミングを見計らっているにすぎない民主党の対応を見透かして、有事法案採決時と同様に民主党を修正協議の土俵にからめとる思惑から、自衛隊を送りこむ対象地域を「非戦闘地域に限定」することを法案に盛りこむという小細工を弄した。
 だが、イラクの地では、いまやムスリム民衆が武器をも手にして反米英の大衆的闘いを推進しているだけではなく、旧バース党・共和国防衛隊の残存勢力が各地で米軍や石油施設を標的にしてゲリラ戦を日に日に拡大している。こうした反撃に直面させられた米英軍は、フセイン軍残党狩り≠ノ狂奔している。このゆえに「非戦闘地域」など、イラクのどこにも存在しない。
 事態のこの急変に窮した小泉政権は、「国または国に準ずるものが相手でなければ治安維持であって戦闘ではない」などというように、イラクの現状についての判断を回避して、「戦闘」という概念の内容の方をすり替える子供だましの詭弁を弄することによって、野党をからめとろうと策している。そうすることによって同時に小泉政権は、イラク全土のどこであろうと、「治安維持支援」の名のもとに、旧バース党・共和国防衛隊残存勢力やムスリム諸勢力にたいして、米英軍との連携のもとに自衛隊に武力を行使させるという国家意志をむきだしにしているのだ。
 イラクのムスリム人民の大衆的反米闘争の拡大と旧バース党・共和国防衛隊残存勢力のゲリラ戦の開始とによって窮地にたたされているアメリカ占領軍政に、自衛隊三軍の投入をもって公然と加担する国家意志をこそ、小泉政府はうち固め、これをイラク軍政参加法として制定しようとしているのだ。
(以下略)

パレスチナ化・アフガン化の泥沼にあえぐ米占領軍政

「有志連合」の結束強化につき進むブッシュ政権

「国連中心の復興支援」を夢想する既成平和運動をのりこえて闘おう

ブッシュ帝国の暴力と死の輸出≠打ち砕け
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「一超」帝国への反逆


〈仏・独・露枢軸〉の形成


 六月一日から三日にかけて開かれたエビアン・サミットは、「イラク復興事業」をめぐってのみならずイラク戦後≠フ国際秩序の再編をめぐってのアメリカ・イギリス(日本)とフランス・ドイツ(およびロシア)との鋭角的な対立を浮き彫りにして終わった。
 アメリカ大統領ブッシュは、パレスチナ和平会議を口実に二日目から退席し、今サミットの議長国たるフランスの大統領シラクの政治的面子を丸潰れにした。このことは、ブッシュ政権がG8サミット(主要国首脳会議)を「国連」以上に無駄なものとみなしていることを露骨に示したものにほかならない。
 サミット参加国首脳のすべてがこのアメリカ政府の態度の底にある肚(はら)の内を熟知していたがゆえに、今サミットはかつてなくしらけたものとなった。ブッシュとドイツ首相シュレーダーは不愛想な握手を交わしただけであった。シラクは一応ブッシュとの会談を演出したが、「パレスチナ和平への協力」をうたっただけで、米英のイラク侵略戦争に頑強に反対したことのゆえにもたらされた米仏間の険悪な″痩ニ関係を修復する糸口さえ見いだせなかった。
 このサミットを前にしてフランスのドビルパン外相が五月二十六日に、ブッシュの忌み嫌うPLOアラファト議長とパレスチナ自治区で会談したように、「パレスチナ和平」問題でもフランス政府はブッシュ政権の中東政策に公然と挑戦≠キる姿勢を明示しさえしていた。大統領シラクは、米仏首脳会談直後のインタビューで精一杯胸を張り「多極主義の堅持」を謳いあげてみせた。フランス政府は、「古い欧州」の盟主としての矜持にかけてアメリカ帝国主義の「一超」世界制覇に対抗する姿勢を貫くことを鮮明にしたのだ。(以下略)

以下、見出し
A「欧州防衛同盟」の創設

Bヤンキー帝国の欧州分断・NATO同盟再編策

C〈仏・独・露枢軸〉と米帝との角逐の激化
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基地撤去! 噴き上る怒り  6・17沖縄 米兵の女性暴行事件抗議闘争
六月十七日に、沖縄のたたかう労働者・学生は、沖縄平和運動センターと北部地区労がキャンプ・ハンセン第一ゲート前で開催した米兵の5・25婦女暴行事件にたいする緊急抗議集会に結集して、米兵の凶悪犯罪を弾劾し、容疑者の身柄引き渡しを拒否している米軍当局にたいする抗議行動をくりひろげた。写真は基地ゲート前で弾劾の声をあげる労働者・学生


侵略戦争法反対! 各地で起つ
5・29福井
 五月二十九日、参議院・有事法制特別委員会による福井地方公聴会が福井市で開催された。金沢大学のたたかう学生たちはこれにたいする抗議闘争に勇躍決起した。「有事法制定粉砕!」を力強く訴える(5月29日、福井市)

6・6大阪
関西のたたかう学生は六月六日、有事法案の参院本会議での採決にたいし、怒りに燃えて緊急抗議闘争に決起した。
 この日、大阪市中央区の自民党大阪府連前には大阪府警が待ちかまえ、弾圧の機会をうかがっていた。午後四時三十分、たたかう学生たちはこれをものともせず敢然と登場し、「有事法の参院採決弾劾!」と大書きした横断幕を広げ、ただちに怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。写真は、自民党府連前で抗議の声を轟かす関西の学生たち


教基法改悪反対を訴える 6・1札幌
六月一日、政府・文科省は札幌で「教育改革フォーラム(北海道)」を開催した。このフォーラムは、文科省が「教育改革の推進を図り、教育基本法改正についての国民的論議を深める」と位置づけているように、教基法改悪にむけたキャンペーンの一環として全国五ヵ所で開催しているものにほかならない。わが同盟と「STOPWAR! 北大生の会」のたたかう学生たちは、この「フォーラム」開催に「教基法改悪断固反対」を掲げ雨天を突いて断固として闘いに決起した。「フォーラム」会場前でシュプレヒコール
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労基法の改悪弾劾!

「解雇規制」ならぬ「解雇の自由」

これで「労働者の願いが実った」(「しんぶん赤旗」)のか!?

 六月二十七日に労働基準法の改悪案が、政府原案を一部修正のうえ、与党三党と民主党、自由党の賛成で参院で可決・成立した。
 今回の労基法の大改悪は、@使用者による解雇権にかかわる規定が(権利の濫用は無効という表現に修正されて)はじめて明記される、A有期労働契約期間上限の延長(一年から三年に)、B裁量労働制の適用範囲の拡大と手続きの簡素化、をその骨子としている。すでに六月六日には、この労基法改悪と一体のものとしての労働者派遣法および職業安定法の改悪案が参院本会議で野党の反対にもかかわらず可決・成立させられた。こうして、労働法制の全面的改悪がいま一挙になしとげられつつある。――全産業的に強行されてきた苛酷きわまりないリストラ(その帰結としての史上かつてない失業率の高まり)の基礎のうえに。
 この政府原案には野党の修正案の一部がとりいれられた。――@原案の「使用者は労働者を解雇することができる」という表現を削除し、これを「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と修正、A有期雇用契約期間の延長はそのままに認めたうえで、「一年を経過した日以降において、労働者はいつでも退職することができる」という文言を附則に付加、の二点。このことをもって野党四党も「連合」や「全労連」中央も有頂天になり、「労働者の権利と利益が守られた」かのごとくに吹聴しているありさまなのだ。
 とりわけたちの悪いのが日共なのだ。「しんぶん赤旗」にいわく「一九九八年の労基法改悪いらい、労働者・国民にかけられてきた攻撃をはねかえし、労働者が長年求めてきた解雇ルールを労基法に初めて明記させたもの」で、「今回の修正で労働者の願いが実り、労働者の雇用を守るうえで大きな手段を手にすることになった」、これは「幅広い国民運動と野党四党の共同による成果」だ、と。
 日共は、労基法改定案のなかの「解雇」規定にかんする修正がうけいれられたことをとりあげ、「解雇権の乱用禁止」ルールが初めて法律に明記されたと賛美している。だが、厚労省の官僚は、野党の修正要求をとりいれても、経営側に「解雇権」があるという「実体」はなんらかわらないと言い放っている。修正された「解雇規定」なるものは、「首切り法案」を労働者にのませるためのオブラートでしかない。にもかかわらず、「解雇」攻撃に歯止めがかかったかのようにいいくるめて労働者を欺瞞する役割りをみずからかってでているのが、日共官僚どもなのだ。
 そもそも、「解雇のルールの法制化」と称されているものそれじたいが、まやかしものなのだ。「連合」や「全労連」の中央が「解雇規制」のためのルールづくりを要求したことを逆手にとって、「解雇権」は使用者にあることを明記し、「解雇の自由」のための法制化にのりだしたのが政府・厚労省であったのだ。
 「労働者保護法」制定(その目玉としての「解雇ルールの法制化」)を代案として掲げ、その実現のために「野党の共同」なるものを自己目的的に追い求めてきたがゆえに、現に職場で荒れ狂っているリストラ・首切りの攻撃をはねかえす闘いの組織化を放棄し闘いに敵対してきたのが、日共官僚である。
 彼らはいま、みずからの念願がかなったとばかりに欣喜雀躍している。心ある労働者は(日共の下部労働者党員も含めて)、こうした代々木官僚どもをネオ・ファシスト小泉政権の労基法改悪・労働法制改悪の加担者・共犯者として弾劾する闘いを開始している。
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イラク開戦と私の転回

爆撃開始――敗北感に震えた私
 三月十五日にワシントン・ホワイトハウス包囲行動をアメリカの労働者・学生とともにたたかった後、ブッシュ大統領がフセイン政権にたいし、開戦にむけた「最後通牒」演説(実質上の宣戦布告)をするのではないかというマスコミ報道が流れた。絶対にイラク戦争の強行を許さないぞという怒りと、いよいよくるものが来たといった複雑な緊迫感に包まれて、私たちはニューヨークに入った。
 国連安全保障理事会で第二決議可決に必要な過半数が確保できないとなるや、突然ブッシュは、「サダム・フセインは四十八時間以内に亡命せよ」という「最後通牒」をフセインに突きつけた。……
 ブッシュの「最後通牒」演説を皆でTVで見た。ブッシュはすでにイラク人民の頭上にハイテク殺人兵器を打ち込み、アメリカがイラクを軍事占領するための侵略戦争を強行することを決断していた。悔しかった。
 翌三月十八日、そして「タイムリミット」の十九日、と連続してアメリカの労働者・学生・市民は起ちあがった。“No War”を掲げて。高校生たちは授業をボイコットして集会に集まった。だが、次々とマイクを握る彼らのなかに、このブッシュの「最後通牒」に触れる者はいない。自分はなぜ戦争に反対なのかとか、世界中で反戦運動が盛り上がっているとか、「最後通牒」以前と同様の発言がくりかえされるのだ。そうしたなかで私たち全学連派遣団は、次のような呼びかけの発言をかちとった。「日本では全学連の学生たちが、米大使館前でブッシュのこの実質上の宣戦布告を弾劾する闘いをおこなっている! いまこそイラク侵略戦争に突進するブッシュ政権を打倒しよう!」そして緊急につくったビラを配った。吸い込まれるように、次々と手を伸ばしてその場に集まった人々は受け取る――あっという間に三〇〇枚のコピーがなくなった。……(以下略)
以下、見出し
闘いを通じて学びとったもの




祖国防衛主義に抗して
 1914年のレーニンに学ぶ

連載第5回 第三インターナショナルの創設をめざして

連載第1回 イラク侵略戦争を弾劾する! 一九一二年の平和運動の高揚(第一七七一号)
連載第2回 第一次世界大戦の勃発と第二インターナショナルの崩壊(第一七七二号)
連載第3回 第二インターに死を宣告(第一七七三号)
連載第4回 帝国主義戦争と革命的敗北主義(第一七七四号)
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「セクハラ事態」

「胸おどるロマン」のゆくえは?

 二十一世紀の新たな時代にむけて党の綱領改定案を採択した七中総、その討議が終わった翌日の六月二十四日。日本共産党の市田書記局長は、筆坂秀世参議院議員の中央委員罷免と議員辞職、そして党のあらゆる役職からの解任を発表した。なんでも、筆坂センセイが「酒席」で「セクハラ行為」をはたらいた、セクハラは「社会的にも、わが党の規約にてらしても、許されない」というのが、その理由。
 筆坂といえば党の常任幹部会委員にして政策委員長。市田が病気の時は書記局長代行も務めて、不破の訪中にも同行。不破の茶坊主よろしくTVの討論会などで日共の政策をペラペラとまくしたてるのが取り柄の、党にとっては大事な顔≠フ一人。つい最近も、イラク復興支援の常任幹部会声明の発表に尽力していたところ(本紙第一七六九号五面参照)。はてさて、これはまったく、どうしたことやら。
 推論その1。「酒席」にいたとされる女性は実は公安のスパイで、日頃から女グセの悪い筆坂のスキを狙っていたが、ついに筆坂が色仕掛けの作戦にはまってしまった。党中央としては、なんとかこの女性のシッポをつかもうとしたが確たる証拠がなく、筆坂じしんが犯行≠認めたので、やむをえず処分に踏みきった……。
 推論その2。新たな綱領改定案の採択をめぐって、旧所感派などの生き残りが反発した。革命の最後的放棄にむけてあくまでも綱領改定を強行しようとする不破の中央にたいして、小林栄三らが、すでに日常茶飯事となっていた筆坂のセクハラをも槍玉にあげて抵抗。そこで不破は、綱領改定案を押しとおすことと引き換えに筆坂のクビを切ることで、古参官僚の妥協をとりつけた……。
 推論その3。本来ならば友党としてふるまうべき日本共産党が先頭になって「北朝鮮の脅威」を煽りたてていることに頭にきた金正日が、ひそかに喜び組≠フ一員を日共内部におくりこんで筆坂を手玉にとった。さすがに恥ずかしくてそこまでは公表できない日共中央は、女性の「プライバシー」の擁護を盾にして、すべてを隠蔽している。党内では、政策委員長の誤りを「克服」するために、ただいまセクハラ防止政策を検討中……。
 しかし、記者会見の時の志位委員長や市田書記局長の表情を見ていると、もうまったく元気がなくほとんど死人のよう。「セクハラ」といっても、その具体性を何も公表しないものだから、記者からは「国民の知る権利はどうなる!」「国民への説明責任は?」と突っこまれていよいよ立ち往生。どうやら、さまざまの条件はあるにせよ、党外からの「挑発」にひっかかったというより、事の直接性はもっと単純明快、ひときわ俗人的で質の低い自滅型≠フ不祥事、ということ。この筆坂の「セクハラ事態」は、日共中央にとって、まったく「予測」も「おそれ」も察知できなかった、というところ。(以下略)
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