第1766号(2003年4月28日)の内容

<1面>
ネオコン一派がたくらむイラク・中東の植民地支配

<4〜5面>
RMA軍による「非対称戦争」の勝利?
「石油のため」なんて「陰謀史観」?/「第2の国連」と化したWTO/ジャーナリストの仮面
個人情報「不」保護法の制定阻止
貴方も盗撮されている

<2面>
イラク侵略反対!有事法制定阻止!
全国で労学が決起

闘う学生が国会前行動(4・16、18)
全道で労働者が反戦行動
(3・12札幌、3・12旭川、3・8帯広)
早大生らが米大使館に抗議(4・12―13)
鹿大生が力強く情宣(3・24)
決意 攻撃されているのは私自身だ


<6面>
全逓本部の03春闘の裏切り弾劾!
市町村合併を強制する小泉政権
Topics 労働基本権なんてどうでもいいの
感想文 3・16政治集会に参加して

<7面>
中国進出を急ぐ鉄鋼諸独占体
「治安出動」合同訓練を許すな

<8面>
書評 インティファーダをつらぬく魂に触れて
恩師に遺影で対面するとは

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
「コミカル・アル」の一人勝ち
炭疽菌の次の手は?
希望の技術?
死の大地
日共版『歴史教科書』

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号

 




























































    

ネオコン一派がたくらむイラク・中東の植民地支配

何が「イラク解放」か!
 「ヤンキー・ヤンキー・ゴーホーム! ヤンキー・ヤンキー・ゴーホーム!」――バグダッドに怒りの声がわきあがる。南部の都市ナシリーヤに、アメリカ政府主催の「暫定統治準備会議」に反対して数万人が起ちあがった。見よ!「侵略者は出ていけ」と大書した横断幕を押したてた大デモを。イラク人民は口ぐちに言う、「なにが『イラクの自由』だ」と。数千・数万のイラク人民を殺戮し、祖国の富を奪い、自分たちの未来まで勝手に決めようとしているアメリカ占領軍にたいする張り裂けんばかりの怒りをこめて。
 アメリカ占領軍は「私たちはみなさんの味方」などとイラク人民に媚びを振りまいている。水や食料や一七億ドルの現金を配ったり、病院に負傷した少年を見舞ったりと必死の人気取りをやってはいる。だが、その偽善性はミエミエだ。米軍はバグダッド占領後に真っ先に石油省ビルを占拠した。アメリカ軍需独占資本の代理人にして極右シオニスト・シャロンの友人たるガーナーは、マフィアのボス然としてイラク人を睥睨(へいげい)している。米軍の操り人形たるチャラビは、米兵に周囲を守られながら詐欺師特有の下卑(げび)た笑いを振りまいている。こういう怪しげな連中の登場を目の当たりにしたイラク人民は、「アメリカは石油を奪いに来たのだ」と怒りに身体をふるわせている。
 見ているがよい、反米デモの大津波が侵略軍を包囲し、モミクチャに踏みしだくのを。北部の都市モスルではデモ隊に追いつめられた米兵の発砲で多数のイラク人民が虐殺された。巨万のイラク人民が全土で侵略軍を叩きだす反米武装闘争に決起する日はそう遠くない。アメリカ帝国主義ブッシュ政権内ネオコン(新保守主義者)一派が提示している「イラク解放」計画は、すでに大破産への急坂を転げ落ち始めているのである。

以下小見出し
むき出しの植民地主義

イスラーム文化の破壊

軍事力物神崇拝の狂気
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RMA軍による「非対称戦争」の勝利?

 「ラムズフェルドとフランクスは、十二年前よりもはるかに少ない兵力で、はるかに困難な任務を達成した」――米副大統領チェイニーは、バグダッドが事実上「陥落」した四月九日に、このように自画自賛した。アメリカの侵略を賛美してやまない「産経新聞」は、四月十七日の朝刊で、「3週間の電撃戦」を可能にした「軍事革命」の意義を絶賛している。

以下、見出し
キレイでスマートな戦争≠ニいう大ウソ

ライオンと、瀕死の猫の跛(ちんば)‐戦(いくさ)
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個人情報「不」保護法の制定を阻止せよ!

 小泉政権はいま、アメリカ帝国主義のイラク軍事占領をもろ手をあげて賛美し、自衛隊のイラク派遣のために「イラク復興新法」制定を企み、かつ「イラクの次は北朝鮮」とキャンペーンしながら、有事法制定に一気に突進している。と同時に、個人情報保護法を何がなんでも、今国会で成立させようとしている。
 われわれは、野党諸党の裏切りを許さず、個人情報「不」保護法の制定を阻止するのでなければならない。

以下、見出し
「個人情報」取扱い者の全面的監視・統制

住基ネットの本格的運用とのリンク

野党の裏切りを許すな

■「個人情報保護」の名による言論統制の強化反対!

■労組・市民団体への監視・統制を許すな!
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イラク侵略反対! 有事法制定阻止! 全国で労学が決起


四月十六日、陸・海・空・港湾労組二十団体などがよびかけた「STOP! 有事法制、やめろ!イラク攻撃 国会前行動」が、多くの労組員・学生・市民の参加のもとにかちとられた。たたかう早大生をはじめとした「首都圏学生ネット」の学生たちは、この集会に参加し、集まった労組員とともにたたかいぬいた。
「陸・海・空・港湾労組20団体」呼びかけの国会前行動に闘う学生が参加し奮闘(4・16)


四月十二日に、アメリカをはじめとする全世界で、米英軍のイラク攻撃を弾劾するデモンストレーションがおこなわれた。この四月十二日と翌十三日に、早大生をはじめとする都内各大学の学生たちは、全世界の人民と連帯して、「米英軍のイラク軍事占領・支配弾劾!」「有事立法粉砕!」「小泉内閣打倒!」を掲げて、アメリカ大使館にたいする連続抗議闘争に起ちあがった。
米大使館にむけて怒りのシュプレヒコール(4月12日)
全道で労働者が反戦行動。
写真は3月8日の「連合十勝」主催の帯広中央公園での集会。
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インティファーダをつらぬく魂に触れて
書評 森沢典子『パレスチナが見たい』

9・11事件……ひとりパレスチナへ

 著者が幼稚園教諭という経歴をもっていることからして、おそらくはパレスチナの子供たちの悲劇を伝えたものだろう、と思って本書を手に取った。先入観はものの見事にはずれた。ここに描かれているのは単なる悲劇の描写ではない。イスラエルのシオニストによる暴虐に反抗し不屈に生き続けるパレスチナ民衆ひとりひとりの逞(たくま)しくも誇り高き闘いのルポルタージュである。
 そのことは著者が表紙の帯に記している一節の文章から感じとることができるだろう。
 「パレスチナの人々は、家を壊され、家族を殺されても、翌日には花を植え、冗談を飛ばし、大声で笑う。武力で脅されても、この土地から動かないこと。そして子どもたちの教育をつづけること。それが私の見たパレスチナの『インティファーダ』だった」と。
 著者はなぜパレスチナに向かおうと思いいたったのか。それは、イスラム原理主義グループが敢行した二〇〇一年の9・11自爆攻撃事件を契機としてのことだった。彼女は言う。「このテロはなぜ起きたのか。報復より先に、自分自身への問いかけが必要だと感じていました」と。「自分たちへの問いかけがなされることなく、事件の犯人探しや復讐が声高に主張され、『テロ撲滅』の名のもとに、戦争そのものが正当化されていく風潮」、「集団的な熱狂が『戦争を放棄』という理念を簡単に無視」する、……こうした事態に、彼女の否定的直観は向けられている。
 「反テロ」「報復」という言葉で埋め尽くされる世間の風潮に疑いをもった著者は、マスコミによって流される出来合いの情報≠ノ疑問を抱き、自分の眼で確かめたいという衝動を強めた。これが単身パレスチナにのりこんだ著者のバネである。
 著者が社会問題に眼を向け始めたのは、七、八年前に幼稚園教諭として母親たちとチェルノブイリ原発事故の放射能被害について勉強会を開いたことがきっかけだった。そこでフォトジャーナリスト広河隆一の『チェルノブイリ報告』に衝撃をうけた。その直後に広河隆一の写真展におもむきパレスチナの現状を知り「自分がまったくこの問題について知らなかったことにショックを受け、倒れそうに」なった、という。中東専門家でもなく、ジャーナリストでもない著者の言葉は素朴だが苦悶に満ち、それゆえに真実味をもって心を打つ。 
 もっとも、パレスチナ人民に苦難を強いているところの、アメリカ帝国主義のダブルスタンダード政策や国家権力者のパワー・ポリティックスそのものにたいして否定的な視線が向けられているわけではない。たとえば、「反テロ戦争」に唱和する日本国家との対比において、フランス国家の対パレスチナ・中東政策の寛容さ≠美化的にとらえている節がある。それは右に見たような彼女のバネの素朴さゆえではあろう。
 けれども、そのような限界≠考慮に入れたとしても、著者が現地での体験をつうじて自己の価値観を見つめ問い直し内省するありさまが、過程的に記されていることに眼を惹きつけられる。先進国のわれわれ労働者・人民が、いかにマスコミからデタラメを吹き込まれているかと、著者が慨嘆し憤慨する姿は、「反テロ」狂騒に洗脳されている日本の少なからぬ労働者・人民の否定性を映し出す鏡となるであろう。

以下、見出し
ユダヤ難民を受け入れたパレスチナ

見知らぬ訪問者へのもてなし

彼らの目をみて自問する
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あな恐ろしや
さあさ(SARSa)、炭疽菌の次の手は?


 謎の肺炎SARS(=重症急性呼吸器症候群)が日本にも上陸しようとしている。中国・香港を中心に世界二十七ヵ国・地域で大流行の兆しをみせ、WHO(世界保健機関)によると四月十八日現在、患者数三四六一人、うち死者は一七〇人。日に日にその数は増えている。
 インフルエンザのように始まり急速に重い肺炎をおこす。原因も感染ルートも不明、既存の治療法では対処できない。「謎の肺炎」「死の肺炎」と呼ばれるゆえんだ。
 WHOは十六日、ようやくSARSの原因をコロナウイルスと断定し、その名も「SARSウイルス」と命名した。名前がついたからといって、このコロナウイルスの身元がハッキリしたわけではない。わかっているのはSARSにかかっているかどうかの診断方法だけ。治療法の開発は「数ヵ月から数年かかる可能性がある」というからお手上げ状態なのだ。
 原因がコロナウイルスと断定されたことによって、逆に謎は深まるばかり。
 謎その一。中国広東省の農村地帯にいる家畜(ブタやニワトリ)のコロナウイルスがSARSの感染源だと言われているけれど、ここがまずオカシイ。
 ウイルスのまわりに放射状の突起があり太陽のコロナのように見えるというのでコロナウイルスと名前がつけられた。このウイルスは、ヒトの鼻風邪、トリの気管支炎、マウスの肝炎、ブタの胃腸炎をおこすものなどがあるそう。それぞれ決まった動物に感染する。しかし動物からヒトへは感染しない。広東省の農村地帯では、ニワトリとブタと人間がほとんど一緒に暮らしているからといって、家畜のウイルスが人間サマに染(うつ)るということはない。
 謎その二。「コロナウイルスにしては感染力が強い。飛沫感染ではありえない集団感染が出ているので、謎だらけ」と日本の厚労省のお役人も言う。
 もともと動物から人間へは感染しないコロナウイルスが人間に感染したのは、コロナウイルスの突然変異による。つまり、新種のコロナウイルスが出現した。しかも感染力がめっぽう強い新種のウイルスへの突然変異と説明されている。そうすると、SARSウイルスは一つのウイルスだけでなく二つのウイルスが存在しているのではないかという疑問ともなる。
 コロナウイルスに別の感染力のつよいウイルスがかけあわされた、と推定すると右にあげた謎は氷解するそうだ。でもこれって、遺伝子工学の技術を使って二つのウイルスをかけあわせる生物兵器製造の基本原理と同じってこと。あな恐ろし。でもこの推定は妄想とばかり言ってられない。
 〇一年秋、アメリカは炭疽菌の恐怖に揺れた。この事件が、実は米CIAの自作自演だったことはもう周知の事実。事件に使用された炭疽菌が毒性の強い「エームズ株」だということで、足がついた。日本の七三一部隊が中国大陸で強行した人体実験のデータをその研究開発者もろとも丸ごと受けついだアメリカは、生物兵器開発を推進し、炭疽菌の毒性の強い「エームズ株」を研究の中心の一つにすえてきたんだからね。旧ソ連と対抗しつつね。感染力のもっとも強い天然痘ウイルスは、天然痘の撲滅宣言が出されて以降もアメリカ、ロシアは保持してもいるし。
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