第1758号(2003年3月3日)の内容
<1面>
戦争狂ブッシュに「反戦」の拳を!
Freeze warmonger Bush's blood!
<4〜5面>
ブクロ派の"解散宣言" スパイ通信「1・1アピール」批判
暴かれた北海道警大スキャンダル
<2面>
首都にイラク反戦の炎
2・15米大使館に学生マーチ
2・15「ピースアクション」集会に檄
2・19全国から労働者が決起(日比谷野音)
カデナ基地へ労学が怒りのデモ(1・26沖縄市)
ブルーリッジ寄港阻止に決起(2・8小樽)
<6面>
日教組本部に怒りの嵐 第52次教研集会
Topics 日本経団連の新ビジョン
<7面>
なぜ 〈イスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづいてたちあがれ〉 と呼びかけるのか
◆「ヤンキーダムの終焉の端初」を読んで
<8面>
侘しき解釈 熊野のfür〜をめぐって
<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
古さ(?)自慢
魔女狩りの論理
侘しきキャンドルデモ
米・欧舌戦
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
戦争狂ブッシュに「反戦」の拳を!
Freeze warmonger Bush's blood! 地球を一回りした全世界数千万の「反戦」の叫び。戦争狂ブッシュは、だがこの叫びに挑戦するかのように、いまにもイラク侵略にゴーサインを出そうとしている。いまこそ、決戦のときだ! イスラミック・インターナショナリズムにもとづいてたたかう全世界ムスリム人民と連帯してたたかおう! 全世界労働者人民とスクラムを組んで、「イラク侵略戦争阻止」の国際反戦闘争を大爆発させよう! 日本の対イラク戦争参戦反対! Freeze warmonger Bush's blood! 戦争中毒ブッシュの「運命」 ゲームは終わった! ゲーム・イズ・オーバー!「査察継続か武力行使か」、こんなクダラン討論をいくら続けてもムダだ。国連は役に立たない弁論部みたいなものだ。フランスとドイツの「古い欧州」め、裏切りやがって。まったく、NATOはナットーらん! 国務長官コリン・パウエルも形無しだったな。 査察なんてもはや必要ない。ドン・ラムズフェルド国防長官が言ったように、「証拠の不在は不在の証拠ではない」。証拠がなにもないことは、違反がなにもないことの証拠ではないのだ。 武力行使容認の新決議、これがぎりぎり最後の譲歩だ。これが認められなければ、新決議なしで、われわれはイラクへの武力行使にうってでる。国連決議を無視しているフセインの野郎に新たな決議なんて必要ないのだ。イラク征伐のお供は英国プードル犬ブレアと日本犬ポチの小泉だ。あれ、ずいぶんさびしいな。…… いいのだ、米国単独でもやってやるぞ。昨秋からボクは叫んできた。「サダムよ、武器を捨てろ! さもなければアメリカが武器を捨てちゃうぞ!」とね。あれっ、ちょっとヘンかい? サダムは信用できる男じゃないんだ。ヤツは数々の重大な違反を犯してきた。誰がなんと言おうと大量殺戮兵器を開発し保有しているんだ。クルド人を毒ガスで虐殺した。今回の査察にたいしても非協力、不十分な情報開示、小出しの譲歩。イラクの大量破壊兵器が国際テロ集団の手に渡りでもしたら……。フセイン政権を打倒しないかぎり脅威は永遠に去らないのだ! まあ、いまのはオフィシャルな見解。イラク攻撃のほんとうの理由はじつは別にあるのさ。オイルだ、オイル! イラクの石油埋蔵量は一一二〇億バレル、サウジアラビアに次いで世界で第二位だ。実際はもっとあるにちがいない、二二〇〇億バレルを越えそうだ。ウーン、ヨダレが出る。あの豊かな石油資源をアイツの独り占めにさせてはならない。ゼッタイに親米政権をうちたてなくっちゃあ。だから国連が認知しようがしまいが、イラクに攻め込むのだ! 9・11事件で思い知った。抑止と封じ込めでは「ならず者国家」の危険は防げない。先制攻撃あるのみだ。標的はバグダッド。イケイケドンドン!「多くの市民や子どもが犠牲になる」って? 知ったことか。だってフセインはボクのパパを殺そうとしたんだぞぉ! すべてのテロを撲滅せよ!「対テロ戦争」だ! これはアメリカに課せられた責務だ、使命だ。なに、「ヤンキーこそ世界一のならず者国家」だって? 黙れ、ウルサーイ! 以下、見出し アメリカ・イズ・エンパイア! ブッシュにブーイング |
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解党=変身への道をまさぐる末期ブクロ派を解体しつくせ!
昨二〇〇二年、わが革共同革マル派は、国家権力の走狗集団・ブクロ=中核派の残骸を最後的に一掃するためのイデオロギー的=組織的闘いを強力に推進してきた。このわが同盟の闘いに決定的に追いつめられたブクロ派は、もはや、骨組みもバラバラに崩れ消滅寸前のアバラ家と化した。ことここにいたって、残存ブクロ官僚どもは、もはやこれまでという絶望感におしひしがれながら、断末魔のアガキを見せている。 残存ブクロ派の頭目・シミタケこと清水丈夫は、ブクロ派から脱落したスパイ分子=白井朗と角田富夫をあいついで襲撃する挙にうってでた。このかん、白井・角田・小西誠らの脱落スパイ分子どもは、ブクロ派残党にたいして、「中核派は宮崎学氏問題について態度表明しなければならない」「態度表明がない場合は、新たな批判(=暴露)を開始する」などと恫喝≠かけ続けてきた。この恫喝に動揺し焦りに駆られたシミタケは、直接的には、白井・角田・小西らの「口封じ」を狙って連続襲撃を強行したのだ。この事態こそは、白井らを背後から操っている国家権力内謀略グループによってスパイたるおのれが<使い捨て処分>に付されることへの恐怖を募らせたシミタケが、自暴自棄のあげくにみずからの手でブクロ派そのものを解体処分することにのりだした、ということを意味するものにほかならない。ここに、われわれは、わが同盟の<謀略粉砕・走狗一掃>の闘いの完全勝利を誇らしく確認することができる(本紙第一七五四号勝田論文参照)。 ブクロ派最後の議長≠ノなることが確実となったシミタケと無能「書記長」ダメダ(天田三紀夫)に率いられたブクロ派残党は、もはや臨終寸前である。数々の悪行に手を染めてきた権力の走狗にたいしては、われわれは、それにふさわしい死に方を強制するのみである。断末魔の叫びをあげる残存ブクロ派を最後的に解体しつくすために、シミタケによるブクロ派解散宣言≠ニしての意味をもつ「革共同政治局1・1アピール」を壊滅的に批判しつくしてやろうではないか。〔引用は、スパイ通信新年号=第二〇八四号の「1・1アピール」および同第二〇八〇号のダメダ署名「新たな『激動の7ヵ月』へ突入せよ」論文などより〕 以下、見出し 一、ブクロ派の自己解体宣言 絶望感にただよう「1・1アピール」 ドタン場の延命策 二、「国際反戦闘争」の仮象を醸し出すためのペテン 走狗版「国際連帯」のお寒い内実 珍奇な「極限的・特殊的形態」論 三、「新たな『激動の7ヵ月』」をシンボルとした組織内操作 下部活動家を繋ぎとめるための術策 「杉並ぶくろ党」への変身願望 四、「党」の「活動家集団」への改編 「細胞性」の反レーニン主義的強調 「革共同」と「マル青労同」との「組織統一」?! |
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暴かれた北海道警の一大スキャンダル 深層にロシア・コネクション≠フ黒い影 昨年夏、一人の男の告発≠発端にして北海道警察の内部にロシアマフィアの人脈がつくられているという驚くべき事実が発覚した。しかもこれらの徒輩は、暴力団と癒着しながら覚せい剤・拳銃の密売に関与し莫大な利益を得ていたのであった。 この人脈は直接には道警本部生活安全部銃器対策課内部につくられていた。彼らは1995年以降に拳銃摘発(97年のロシア人船員の拳銃不法所持事件、99年のパキスタン人の拳銃不法所持事件など)の成果をあげ、この業績≠評価されて警察庁長官賞をあたえられていた。だが、その背後では、暴力団やロシアマフィアと癒着し覚せい剤と拳銃のロシアからの密売ルートを庇護し育成してきたのである。密輸ルート摘発の成果≠ネるものは、こうしたロシアマフィアと暴力団との癒着をおしかくすための猿芝居≠ナしかなかったということがあきらかになったのだ。 道警組織のおどろくべき腐敗を露わにしたこの一大スキャンダル。すでに事件に関与したとされる二名の重要人物が昨年に謎の死を遂げている。にもかかわらず昨年末に発表された道警幹部への大甘処分=B警察・検察権力どもはこれを完全に闇に葬り去ろうとしている。 一方で犯罪組織との癒着を深めながら、他方で労働者人民への弾圧に狂奔する国家暴力装置の腐敗した実態。われわれはその一切のもみけし策動を許さず、断固として暴露するのでなければならない。 以下、見出し アリバイ的処分による幕引き 不可解な自首=c…そして爆弾発言 五年前の事件の蒸し返し 鍵≠握る二人の怪死 暴露されたロシアマフィアとの癒着 暴露の狙いはなにか |
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侘しき解釈 熊野のfür〜をめぐって 〔一〕 存在論的解釈学は、いやしくもこれが哲学の領野にぞくするかぎり、現象学的解剖学の手段に切りちぢめられてはならぬ。ましていわんや、行為結果を悟性主義的かつ静態的に解釈するアメリカ式「科学」の手法に貶められてはならないのである。いかに悟性を働かせ数学的に微分的手法を駆使して緻密に展開されたとしても、こうした解釈はただそれだけのものでしかないと言えるだろう。 それだけではない。ヘーゲル哲学体系の全体像から切断して『精神現象学』をあげつらうのは、まさに哲学屋的好事家の閑仕事としか言えまい。直接的には、エンチクロペディーという学的体系への「予備門」たるの位置を基本的にないがしろにして、ヘーゲル『精神現象学』の、しかもその「緒論」をあげつらうのは、おのが問題意識の先進性の証左となりうるのだとはいえ、傍目にはすこぶる奇異の感を生ぜしむるのである。 そもそも<意識の経験の学>が、絶対的なるものにむかって上昇してゆく意識の遍歴の叙述であるとはいえ、この遍歴過程は同時に背後から、絶対的なるものからの逆規定をうけるものとして、それ自体が円環構造をなしている。しかのみならず、かかる「意識の」経験の発展過程の叙述は、存在論的論理学ないし論理学的存在論への「梯」であると位置づけられている。 この意味において、<意識の経験の学>の叙述に着目して、これを「意識と意識の対象との関係の存在論である」と結論的に特徴づけるのは、誤りであろう。むしろ「意識の」経験的事実の深まりの認識過程にかかわる「予備門」的学とみなすべきではないか。『精神現象学』の中に「当事主体(経験する主体)と反省主体(知的経験を吟味する主体)」(熊野純彦『ヘーゲル』二四頁)を垣間見て、広松渉のfur esとfur unsを投射して解釈するのは、的はずれというべきであろう。むしろ「誰のものでもなく誰にも帰属する認識論的主観」なるものをこそ、ヘーゲル『精神現象学』の根底にあり意識の上昇を導いているfur unsとしての神(理念)と類比して捉えるべきではないのか。 とにかく、『精神現象学』の体系的位置を問おうとしないこの手法は、――『論理学』の始元と『精神現象学』の端初との差異を没却していたのと同様に――『論理学』第二部にみられる本質論の「反照(反省)の論理」を、理解に役立つと称して、ほぼ冒頭に引用するところにあらわれている。これは姑息なやり口ではないだろうか。なぜなら、反照関係の存在論的論理と、主観の反省(ないし主体的反省)の論理とは次元が異なるのだからである。前者が存在論であるのにたいして、後者は言うなれば認識論の領野にぞくするのだからである。 とはいえ、「意識とその対象の存在論」が予め前提にされているかぎり、存在論と認識論との異なりなどは、問題の埒外におかれるのである。あるいは、認識論の存在論的=学的展開と存在論そのものとの異同などは、予め考慮の埒外におかれているからだ、とも言えよう。問題意識の展開のしかたそのものに違和感を覚える。 |
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魔女狩りの論理 毒物カレー事件判決に学べ?! 反動を地で行くコラム「産経抄」(二月七日付)曰く、「和歌山・毒物カレー事件の裁判は林真須美被告に死刑判決を下した。彼女は黙秘を続け、供述なし、目撃者なし、これといった直接証拠もなし。しかし検察は状況証拠を緻密に積み上げて『犯人は林被告以外にあり得ない』ことを立証した」と。 日頃から「人権」を毛嫌いする「産経」が、この判決を賛美するのは、さすがネオ・ファシストならではというところ。 もっとも、同紙が言いたいことは、その少し先にある。イラクにたいする国連の査察も同じことなのだって。 ――「国連の査察が入るとわかっていて」イラクが「手がかりとなる直接証拠なぞ残しておくはずがない」。だから「直接証拠」なんぞ見つからなくとも一向に気にすることはない。かの毒物カレー事件の判決を見ならって、「国際社会」がイラクを「クロと断定するしかない」と「認めれば」、もはや十分だ、というわけ。これはまた、ブッシュ政権のホンネを、なんと乱暴に基礎づけ代弁したことか。 「産経抄」がかように苦しまぎれのレトリックをもちだしたのは、もちろん二月五日の米国務長官パウエルの国連安保理での報告があまりにお粗末だったから。 イラクの国連決議違反を立証するという鳴り物入り≠フパウエル報告は、本人じしんが決定的証拠ではない、と予防線を張らねばならなかったほどのもの。イラク軍兵士の交信記録の盗聴テープなどはいくらでも偽造できるし、トラックを偽装したとされる十八台の「移動実験室」の映像は写真でさえなかった。スパイ衛星から撮影した写真の説明も「ロケットの発射台や弾頭は広大なヤシの木の林に隠されている」とか「ミサイルの部品を運び出す準備をしているトラックが見える」という程度のもの。大体がそこまでスパイ衛星で監視しているのなら、「ヤシの木の林」の中や、トラックが部品を持ちだした先を査察し摘発した方がよほど手っ取り早いのに、なぜかそれはできない……。 そもそも、アメリカが盗聴したテープやスパイ衛星で盗撮した写真を、国連安保理の場に証拠≠ニして提出すること自体がいかがなものなのか。沖縄では一米兵が盗撮したことで立派な犯罪となった。ならば国家ぐるみの盗聴・盗撮は果たして犯罪ではないのか?――エシュロンをつうじてアメリカだけが独占できる情報をもって、各国にイラク攻撃への協力を押しつけようというのだから、仏・独の権力者が反発したのも当然のこと。こうして二月十四日のブリクスの追加報告では、パウエル報告の「証拠」にたいする疑問が提起されるというオマケまでついてしまった。 全世界の反戦の声に包囲されてもはやブッシュ政権は決定的に孤立し、内部対立も激化の一途。焦った「産経抄」が「直接証拠」なんぞ関係ない、「クロと断定するしかない」と絶叫したのも、当然といえば当然。 その昔、中世の時代の魔女狩りに貫かれた論理は、次のようなものであったという(中公新書『詭弁論理学』より)。まず魔女と見なされた女性には徹底した拷問が加えられる。ほとんどの女性は拷問に耐えられなくなり、魔女です≠ニ無理矢理に「自白」させられ、この「自白」が魔女であることの証拠とされた。他方、あくまでも「自白」しなかった女性は、これだけの拷問に耐えられるのは普通ではない≠ニいうことを証拠≠ノして、魔女とされた。証拠が見つからないことこそ最大の証拠だという――ブリクス報告から「産経抄」にいたるまで異口同音にふりまわされている――この論理こそは、中世の魔女狩りの論理の現代版ではあるまいか。 このような論理をふりまわすブッシュこそは、現代のヒトラー。エッ、証拠をしめせ、だって? そういう弁解こそが、現代のヒトラーであることの証拠だ、ってね。 |
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