第1756号(2003年2月17日)の内容

<1面>
イラク侵略阻止! 日本の参戦阻止!
「一超」軍国主義帝国の焦燥と苦悶
―ブッシュ「一般教書演説」

<4〜5面>
竹中式「金融再生プラン」の悪辣な企み
増殖する不良債権と金融システム破綻


<2面>
イラク侵略阻止! 平和運動センター集会(1・21沖縄)
日本の参戦許すな! 金大生が市街デモ(1・23金沢)
「もんじゅ」裁判逆転勝訴
 ―高裁判決の特徴と意味

<6面>
Topics 「多様就業型」ワークシェアリングの政労使合意
リポート労働戦線
 教研集会に闘いの檄
 日教組(1・25奈良)/「全教」(1・12岐阜)
 処分と恫喝を乱発する郵政事業庁

<7面>
郵政事業庁の人事・賃金制度改悪を粉砕せよ

<8面>
寝首かく政治主義者に死を
 「RMG―KK通信」を読んで
生身の黒田氏に出会えるとは!
 『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』を読んで

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
予言%I中!?
「最先端」の楽屋裏
自由の代価?
超大国の根負け
困った走狗の紙だのみ

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号

 























































    

イラク侵略阻止! 日本の参戦阻止!
「一超」軍国主義帝国の焦燥と苦悶
―ブッシュ「一般教書演説」

 「米国は増え続けている支援国とともに、みずからを守り、イラクを武装解除するために必要な行動をとる」「ゲームは終わりだ」――二月六日、アメリカ大統領ブッシュは、居丈高にもこのように叫びたてた。その前日に国務長官パウエルは、国連安全保障理事会の会合において、数枚の衛星写真とイラク当局者の電話回線の「盗聴記録」なるものを、イラク政府による「国連安保理決議違反」の「決定的証拠」と称して公開した。これにふまえてブッシュは、イラク大統領フセインにたいして最後通牒を突きつけたのだ。
 フランスおよびドイツ権力者は、ブッシュ政権の強硬姿勢にたいして、「武力行使は最後の手段であり、査察を強化するべき」(仏外相ドビルパン)「平和解決を模索するべき」(独外相フィッシャー)というように軒並み猛反発をしめした。中国とロシアの権力者も一様に「査察の継続」を要求し、プーチンは急きょ独仏首脳との会談を設定した。とはいえ、ブッシュ政権はすでに、安保理事会構成十五ヵ国のうち、パキスタン、カメルーン、アンゴラなどの権力者を経済支援などをエサとして切り崩しつつある。パウエルが今回エシュロンを駆使した盗聴やスパイ衛星による盗撮の威力の一端をあえて開陳して見せたのは、「お前たちも手のひらだ」と各国権力者どもを恫喝するためでもあるのだ。
 すべての労働者・学生諸君! 情勢はいよいよ風雲急を告げている。ブッシュ政権は、パウエル報告をもってイラクを「国連決議違反」と断罪しEU諸国権力者を「説得」=ねじふせ、なんとしても三月中旬にも対イラク侵略戦争の火ぶたを切ろうとしている。この戦争は、イラク人民の頭上に開戦後四十八時間のあいだに「三〇〇〇発」もの精密誘導弾・ミサイルを降り注ぐ(湾岸戦争の最初の二日間で使用したミサイルの十倍!)という作戦計画にもとづく、文字どおりの皆殺し戦争にほかならない。日本の小泉政権は「同盟国として責任ある対応をとる」などと称して、早ばやとブッシュ政権のイラク侵略を全面支持する姿勢をアピールしてみせた。
労働者総決起集会が圧倒的に成功
(2月9日、練馬文化センター 詳報次号)

 いまこそわれわれは、社・共既成平和運動指導部による国連依存主義的歪曲をのりこえ、イラク侵略反対・日本の参戦阻止を課題とする反戦・反安保闘争の革命的奔流を創造し,これを国際的に波及せしめるために奮闘するのでなければならない。二月十五日にはイギリスの労働者・学生・人民が国際統一行動を全世界に向けて呼びかけている。この呼びかけに呼応しつつ、日本の地から革命的反戦闘争の大爆発をかちとろうではないか。

以下、見出し

経済無策の糊塗と宗教的使命の宣揚

 ユニラテラリズムの弥縫

国際的孤立化と経済危機の深刻化

危機の正面突破を賭けた対イラク開戦への突進
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予言%I中!?
「テロじゃない!」神罰≠ゥも?

 新年劈頭、本紙のSF卓上大活劇「ジハード元年のマルクス」では、こう予言≠ウれていた。――「おお、次々とスパイ衛星が撃破されてゆく。F18もB2も、宇宙空間には飛んでこないし、スペースシャトルを打ちあげたって、間に合いやしない。衛星防衛ミサイルシステムも未だつくっていないので、赤子の手をひねるようだなあ。もうこれで、MDもエシュロンも、使いものにはなるまい。アメリカの権力者も、万全の防衛などというのは冗談にすぎない、と今度こそ思い知ったろう」と。
 このよみがえったマルクスの、予言≠オたものの到来を思わせるかのような事態が……。そう、二月一日、米スペースシャトル「コロンビア」が帰還の大気圏突入時に空中爆発を惹き起こし、木端微塵に砕け散ってしまった。この事件の発生に一瞬、すわっ、テロか! <9・11>の再来か! という恐怖と動揺が全米に走った。
 このスペースシャトルは、各種の人工衛星や宇宙ステーションの機材を大気圏外に運ぶことを目的としている。衛星には軍事衛星が含まれていることはまちがいない。宇宙ステーション上でおこなわれる微重力を利用しての高品質の半導体や合金などの新素材の製造は、軍事転用を目的にしたものが多く、最新軍需技術開発の一環といってよい。
 そもそも「宇宙開発」なるものは、米ソの核軍拡競争時代における核ミサイル開発競争に端を発しているのであって、歴史的にも現在的にも根本的に軍事的性格を刻印されている。一九八一年に初飛行したスペースシャトルも、八〇年代半ばに米レーガン政権がうちだしたスターウォーズ計画のなかで、宇宙空間にレーザー兵器やレールガンやキラー衛星などを配備するための運搬手段として位置づけられていたのだ。
 レーガン政権のスターウォーズ計画をソ連邦崩壊後十年を経て現在的に復活させたものが、ブッシュ政権のMD(ミサイル防衛)構想。この構想を実現するための手段として、スペースシャトルが重要な位置づけを与えられているのはいうまでもない。だからこのスペースシャトルが「テロ」の標的になっても、なんら不思議ではないわけだ。
 それにしても偶然とはいえ、事件が起きたタイミングは、いろんなモメントが絡んでいるように見えてしかたがない。犠牲になった乗組員には、一九八一年のイラクの原子力発電所爆撃や八二年のレバノン侵攻に参加したイスラエル軍人も含まれていた。極悪分子≠ヨの「報い」だと言ったら言い過ぎだろうか。
 いやいや、ブッシュじしんが、一般教書演説をぶちあげ、イラク攻撃のために、二月五日に査察違反にまつわる新証拠=$Vたなナンクセをつけてやるとうちあげた(一月二十八日)。そのうえ、ブレアを招きイラク侵攻のタイミングで動揺するこのブレアのネジを巻き直そうと図ったのがブッシュ(同三十一日)。
 ブッシュがなにがなんでもイラク侵略にうって出るぞという姿勢をむきだしにしたこの直後に、かのスペースシャトルの空中分解事故。これすなわち、マルクスの予言≠フ的中・天罰ではないのかねえ。イラクの民衆も、いみじくも言い放った。「神の報復だ」と。
 こういうわけで、つね日ごろ「対テロ戦」を叫んできたブッシュは、米国民の事件へのショック・テロ不安の拡がりをかき消すのに大わらわになり、これはテロじゃない、テロじゃない≠ニ叫びまわらざるをえなかったのだ。
 だが、NASAは、シャトル計画の無期限凍結に追いこまれた。これによってアメリカの国家的威信は地に墜ちた。NASAからの受注を受けてきたボーイング、ロッキード・マーチンをはじめとした諸独占体、つまりブッシュ政権を支える西南部系金融独占資本も新たな危機に直面することになるのだ。
 宇宙開発の分野においても、アメリカのBeginning of the Endがはっきりと示されたのだ。
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竹中式「金融再生プラン」の悪辣な企み
増殖する不良債権と金融システム破綻  <上>

 デフレ・スパイラルに呑みこまれますます深刻化する経済不況、処理が進まず増え続ける金融諸機関の不良債権とこの重圧のゆえに機能不全を露わにする金融システム、そしてGDPの一・四倍にまで膨れあがった政府債務をかかえて危殆に瀕する国家財政。――「失われた十年」のトラウマに苛(さいな)まれ展望なきあがきを重ねたあげくの果てに、いま日本経済は長期大不況と金融危機と財政破綻の<三重苦>にあえぎ、断末摩の形相を顕している。金融担当大臣の座を手にした竹中平蔵がぶちあげた不良債権処理加速の強硬方針、株価の竹中ショック*\落をひきおこしたこの「金融再生プラン」の提示とこれを引き金とした政府・支配階級内の抗争の激化は、日本帝国主義経済の八方塞がりの危機と金融・経済政策のダッチロール的迷走を明か明かと照らしだしたものにほかならない。

以下、章見出し

A 不良債権処理をめぐる崖っぷちの攻防

B 深刻化する金融システムの機能不全
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イラク侵略阻止!平和運動センター集会に結集(1・21沖縄)
「イラク侵略阻止!」の声高く700名の労働者・学生が平和運動センター主催の緊急集会に結集
(1月21日、那覇市)
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日本の参戦許すな! 金大生が市街デモ(1・23金沢)
金沢大生が金沢市街中心部で反戦の訴え
(1月23日)
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