第1754号(2003年2月3日)の内容

<1面>
戦争狂どもに労学の怒りの拳 1・19
世界各国の闘いと固く連帯
全学連・反戦委が戦闘的デモ


<4〜5面>
夢物語のプーチン式「ロシア経済再生」策
「チェチェン行政府庁舎」爆破事件
消えたロシア産カニ

<2面>
キティホーク出撃阻止に決起(1・23)
関西の労学がイラク反戦に起つ(1・18)
「WORLD PEACE NOW 1・18」で大情宣
警察権力の五同志起訴・再逮捕、全国一斉不当捜索を弾劾する!

<6面>
全道教研で組合員が熱気あふれる討論
Topics 独占資本家の意を体したJC討論集会

<7面>
自己解体に突進る残存ブクロ派
『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』の感想

<8面>
江戸時代の儒者の勉強のしかたに似ているとは!
『マルクス ルネッサンス』によせて
『新世紀』最新号(第203号)紹介

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
「民主主義的」人種差別
バナナボート
独善家の嗚咽
15年後のリーク

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号

 

















































    

戦争狂どもに労学の怒りの拳 1・19
世界各国の闘いと固く連帯
全学連・反戦委が戦闘的デモ


「イラク侵略阻止!」芝公園を出発しアメリカ大使館
に進撃する労働者・学生(1月19日)
 「アメリカ帝国主義のイラク軍事侵略阻止!」「『新しい帝国』を自称するヤンキー帝国主義の暴虐を打ち砕くぞ!」「日本の参戦策動粉砕!」――一月十九日、首都圏のたたかう労働者・学生たちは、イラク人民にいまにも襲いかかろうとしている戦争狂どもにたいする怒りに燃えて、アメリカ大使館・国会・首相官邸に向けて戦闘的デモンストレーションを敢行した。
 一月十八日、十九日には、世界各地で二〇〇万人もの労働者・人民がブッシュ政権の対イラク攻撃に反対して起ちあがった。日本においても、ANSWERの呼びかけに呼応して市民団体が主催する集会・デモがおこなわれた。
 だが、社・共既成指導部の腐敗のゆえに、日本の反対運動は総じてピンチな状況にある。社民党は、反北朝鮮キャンペーンに完全に屈服し、自己保身のために『日朝問題Q&A』なるパンフレットづくりとその宣伝にいそしんでいる。日共は、「いっせい地方選挙」に向けて、野党外交の有効性≠ネるものの宣伝に埋没し、大衆的闘いの組織化を放棄している。たたかう労働者・学生たちは、これら腐敗した既成指導部を怒りをこめて弾劾し、彼らの翼下の反対運動をのりこえてたたかったのだ。小泉政権の「反北朝鮮」の民族排外主義の鼓吹に抗して。
 わが革命的左翼の闘いに恐怖し憎悪を燃やす国家権力は、五名の同志を不当逮捕・起訴し、一月十七日には解放社本社にたいして、二十一日には解放社地方六支社にたいしてそれぞれ不当捜索を強行し、マスコミを活用して「革マル派=反社会集団」というキャンペーンをおこなっている(二面参照)。たたかう労学は、これらの攻撃にたいする怒りを燃えたぎらせ、国家権力の悪辣な弾圧を敢然とはねのけて、首都中枢を戦闘的デモで席巻したのだ。

以下、見出し
イラク侵略阻止!米大使館・国会へ進撃

既成指導部の腐敗を弾劾
 闘志みなぎる総決起集会 

米帝の暴虐を許すな!日本の参戦を阻止せよ!
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警察権力の五同志起訴・再逮捕 全国一斉不当捜索を弾劾する!

 〔1〕

 一月十六日に、警察権力は、「光風病院や神戸大学への建造物侵入などの容疑」をデッチ上げて昨二〇〇二年十二月二十六日に不当逮捕した五名のわが同志たちを、起訴しあるいは再逮捕した。そしてこれらの容疑を口実として、一月十七日には解放社本社など二ヵ所を、翌十八日には解放社本社の旧館を、さらに二十一日には解放社の全国六支社(北海道、北陸、東海、関西、九州、沖縄)を、一斉に家宅捜索した。
 すでにわれわれが二〇〇二年十二月二十七日付「革マル派声明」(本紙第一七五一号に掲載)などにおいて完膚なきまでに明らかにしているように、これらの容疑は、神戸小学生惨殺事件(一九九七年)の犯人とされたA少年の供述調書が広く世に流出した事件をあたかも「革マル派の仕業」であるかのように見せかけるために、警察権力がデッチ上げたものにほかならない。
 わが革マル派は、警察権力による五同志の起訴・再逮捕および解放社への全国一斉不当捜索に断固として抗議し弾劾する。

 〔2〕

 わが革マル派は、「現代のヒトラー」ブッシュに率いられたアメリカ帝国主義によるイラク軍事侵略とこれへの日本の参戦を阻止するために、そして「イラク新法」や「有事法」などのウルトラ反動法の制定を阻止するために、全力を挙げてたたかいぬいてきた。北朝鮮スターリニスト権力者がかつて犯した拉致事件を利用した民族排外主義の嵐に抗し、既成左翼の指導下で腐敗の極みに達している反対運動の危機をのりこえつつ……。
 こうした闘いを遂行してきたわが革マル派にたいする国家権力の政治的弾圧のあらわれが、昨年十二月二十六日の札幌での五同志の不当逮捕であり、またこれを口実とした解放社への全国一斉家宅捜索にほかならない。
 警察権力はこんにち、わが革マル派をば「巧みに勢力を拡大しつつある最大最強の過激派組織」と認定すると同時にこれを「反社会的集団」として描きだすために、捜索の現場にマスコミを動員して現場で記者会見をやったり、僅かばかりの「押収物」(それもわが同盟機関紙「解放」や神戸事件関連の本や冊子ばかり)をいくつもの段ボール箱に入れて「警視庁」というハッピを着込んだデカどもが大仰に運び出すシーンを演出し、これをマスコミに撮影させる、というような猿芝居を必死になって演じているのであって(すべてのマスコミ記者の失笑を買っている!)、このことのなかに、わが革マル派への弾圧の政治的・階級的本質は如実に示されているのだ。

 〔3〕

 そもそも一九九七年五月にひきおこされた神戸小学生惨殺事件は、日米新ガイドラインの制定と国内の治安弾圧体制の一挙的強化をなしとげるために、アメリカ諜報機関と日本の警察権力が仕組んだ一大謀略にほかならない。このことを満天下に暴きだしてきたのが、わが革マル派であった。まさにこの闘いに報復するためにこそ、国家権力は、様ざまな容疑をデッチ上げ、五名の同志の不当逮捕をはじめとするわが革マル派への弾圧に狂奔しているのだ。
 そればかりではない。「世界で最も解読困難な無線」と豪語してきたデジタル警察無線をわれわれに解読され、顔面蒼白となったのが警察権力であった。こんにち警察権力がわが同盟への政治的弾圧に血道をあげているのは、これへの報復のためでもあるのだ。
 こんにち警察権力は、「押収」した無線機数台をマスコミむけに陳列して、「革マル派はデジタル警察無線を今も解読し傍受している可能性が高い」と恥も外聞もなく大騒ぎし、もって「今年の四月から六十億円を投入して新型デジタル無線に更新する」などと喧伝している。わが革マル派にたいする警察権力の弾圧のひとつの狙いを、それは明確に示しているのだ。

 〔4〕

 わが革マル派は、このような階級的意図をむき出しにした警察権力による一連の政治的弾圧にたいして、断固として抗議し反撃する。そして、すべての労働者・学生・知識人・市民にたいし、わが革マル派に現在加えられている政治的弾圧は、まさに一切の「反体制勢力」を根絶やしにし、もって日本型ネオ・ファシズム支配体制を盤石のものたらしめようとする国家権力者どもの悪辣な階級的野望にもとづくものであることを鮮明にし、「日本型ネオ・ファシズム粉砕」の旗のもとに団結し反撃することを訴える。
 それとともに、わが革マル派は、「唯一の左翼」たるの矜持と責務にかけて、今まさに軍事的新植民地主義の野望に燃えてイラク人民に襲いかかろうとしているアメリカ帝国主義のこの悪逆を阻止し日本の参戦を阻止する闘いを、また神戸小学生惨殺事件の深層を剔りだしその謀略性を完膚なきまでに暴きだす闘いを、さらに敢然とおしすすめていくことを決意し表明する。
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「民主主義的」人種差別
不平等なもののあいだの平等とは?

 「奇妙な(ストレンジ)果実(フルーツ)」という歌をご存知だろうか? 伝説の名歌手ビリー・ホリディが悲哀をこめて、しかし乾いた声で一九三九年に歌ったこの名曲。じつはリンチで殺され木に吊るされた黒人たちの遺体を果実にたとえたいたましい歌。二十世紀初頭には、白人たちの黒人へのリンチ・殺人はおとがめなしの日常茶飯事だった……。
 二十世紀の後半、五〜六〇年代には、ルーサー・キングやマルコムXをはじめとする多くの黒人闘士たちが、文字どおり生命を賭して人種差別撤廃の闘いをくりひろげ、法の下での平等を「公民権法」制定というかたちでかちとった。
 ところが、今、アメリカの歴史の歯車を逆に回そうとしている男がいる。そう、ブッシュ・ジュニアがその人。
 ミシガン大学大学院入試での少数人種優遇制度をめぐる違憲訴訟にかんして、一月十五日にブッシュは、政府見解として次のように語った。「一五〇点満点のところに少数人種だというだけで二〇点もあらかじめ与えるのは、人種だけを理由にした不公正な仕組みで、憲法違反だ」と。
 これまでにも白人保守派から目の敵(かたき)にされ、「自由競争の理念に反する」として違憲訴訟もおこされてきた少数人種優遇策、連邦最高裁では合憲判決が下され(七八年)てきたこの制度に、ブッシュは真っ向から反対の意を示した、というわけ。
 二十一世紀の今日、アメリカ社会の人種差別はなくなるどころか、しっかりと根づいているのは、誰にも否定できない事実。昨年十二月には共和党のロット上院院内総務が過去の人種差別政策を肯定する発言をして更迭されたばかり。社会的には、働き口のない黒人は兵士になったり(前号の本欄参照)、低賃金で労働条件の劣悪な(日本と同様)郵便労働者に集中。郵便労働者はあたかも「黒人の職業」と化している、という具合。
 そもそもアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)とは、たとえ法的・形式的には「平等」が保障されていたとしてもアメリカ社会に歴史的・社会的に厳然と存続している人種的な差別を解消するために、社会的に不利な条件におかれていた非白人と白人とのギャップをわずかでも埋めるために役立てようとして考案されたもの。劣悪な教育しか受けられなかった黒人やヒスパニックの人びとに、入試の際の点数にゲタ≠はかせたり、採用人員の比率を人種別に確保したり、といった方法がとられてきた。
 それじたいは弱者救済%Iな観点からのものではあれ、あらかじめ不平等な人びとに結果の平等≠与えるためにとられてきたこういう制度が、ブッシュをおしたてている共和党保守派の連中にはガマンがならない、というわけだ。「神がつくりたもうた人間」は、その環境・財産・皮膚の色等々すべて天与のもの。持てる力のすべてを使って公平≠ノ競争することが神のおぼしめし。黒人どもに「法の下での平等」を与えてやっているのに、それ以上の優遇措置なんぞもってほか、というのが、キリスト教にも裏うちされ白人貧困層(プワーホワイト)の反発をもとりこんだ白人保守派の信念。〔日本の中教審あたりにたむろする「DNA万能主義者」たちと、まったく同じメンタリティー!〕これはもう、一皮むけばナチスの優生思想と変るところはこれっぽっちもない。
 「男ぶりがよいということは境遇の賜ものだが、読み書きができるということは生れつきだ」とは、シェークスピアの「空騒ぎ」に出てくる言葉。人間は(社会的)環境の産物であることを諷刺的に述べたこうした見方さえ、勝者の権利≠享受することになれしたしんできたアメリカ白人支配層には理解できないのだ。
 「自由・公正」の看板を掲げながら、内にむかっては少数人種の(苦難の闘いをとおしてかちとってきた)権利を容赦なく奪いとり、弱肉強食をほしいままにする。外にむかっては、「攻撃に参加しない国は、戦争の分け前も手にすることはできない」(ラムズフェルド)とうそぶいて、イラク攻撃に反対するEU諸国権力者の横っ面をひっぱたいて開戦に突っ走るヤンキー権力者。これぞまさしく、「民主主義」の仮面をかぶったヒトラーというにふさわしい。
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夢物語のプーチン式「ロシア経済再生」策

T石油の大売り出し

 「対イラク武力行使容認」決議賛成への転回

 昨二〇〇二年十一月八日、米英共同提案の「対イラク武力行使容認」決議案が国連安全保障理事会の十五ヵ国の全会一致で採択された。またしても、米英帝国主義の侵略戦争に「国際社会」の名においてお墨付が与えられた。ヤンキー帝国主義のアメとムチのゴリ押しに屈して、シリアと中国、ロシアもまた「賛成」したからである。米英の「イラク攻撃」に否定的な態度をとり「フセインの運命はイラク国民が決めるべきだ」(イワノフ外相)と、少なくとも公的には言っていたその舌の根もかわかぬうちに、ロシアは「決議」賛成の側に寝返った。決議は対イラク武力攻撃を「自動的に容認するものではない」などと強弁しつつ。
 ソ連邦時代からひきつづく、イラクをはじめとする中東諸国との政治的経済的および軍事的の「友好」関係は、今日のロシア政府にとってもけっして看過できないものであったはずだ。湾岸戦争の後も、国連の「石油と食糧交換プログラム」が実施に移されるや、ロシアの石油企業は、ソ連邦時代からの結びつきを利用してイラクと取引関係を結び、国連によって価格を定められているイラク石油を買い付け国際価格で転売することによって膨大な利益を得てきた。ロシア最大の石油企業「ルクオイル」は、九七年には、イラク南部の油田開発権を獲得している。六〇〇億ドルにのぼる長期経済協力協定を締結する交渉を進めていることが、昨年夏の段階で発表されてもいた。
 この「友好国」イラクにたいする軍事攻撃を認める安保理決議に、プーチンのロシアは賛成した。イラク民衆にたいする核兵器の使用さえも公言してはばからない米英帝国主義の戦争を、ロシアは事実上支持した。それはなぜか。
 もちろん、まず第一には、モスクワで劇場を占拠して決起したチェチェン戦士を、二百人ちかいロシア人人質もろとも、毒ガス兵器を使って殺戮した前代未聞の大弾圧を、ブッシュがただちに支持し「テロにたいする毅然たる態度」と称賛してくれたことへの恩返しとして、ロシア権力者は決議に賛成したのである。「ロシア軍はチェチェンから出てゆけ」と要求したチェチェン人ゲリラを即刻処刑したことだけではなく、ロシアへの屈従を拒否してたたかうチェチェン人民にたいするヨリ凄惨な軍事的掃討戦、これを「テロリストとの戦い」として米欧権力者どもに認めてもらうために、プーチンは、アメリカ帝国主義のイラク軍事攻撃を事実上容認したのである。
 それだけではない。ロシアがこれを容認したのは、サダム・フセイン政権打倒後もイラクにおけるロシアの権益を保証する、とブッシュ政権が確約したからである。自国の石油権益の保証と引き換えに、米英帝国主義権力者どもがイラク人民にありとあらゆる爆弾を浴びせることを――もちろん石油施設は回避して――プーチンは容認したのである。なんという恥知らず!
 昨〇二年十月一〜三日の米露初の「エネルギー・サミット」(ルクオイル社長も参加)において、そして同月中旬にロシアを訪問したイギリスのブレア首相との会談をつうじて、この密約はかわされた、といわれる。十月初旬の時点で、ロシアはイラクとの長期経済協力の調印を延期した。ルクオイル社長は「イラクでの契約はフセイン後も有効だとロシア政府から保証された」と語りながら、その後に大急ぎで否定したりしていた。だが、十一月末のサンクトペテルブルグにおけるプーチンとの首脳会談において、ブッシュは「イラクにおけるロシアの経済権益を保証する」となかば公然と語ったのであった。
 イラク政府が憤るのは当然である。ルクオイルとの開発契約の破棄をイラクは通告した。これにたいしてロシア側は何と言ったか。「ロシア・イラク関係の友好的な性格にふさわしくない」(ロシア外務省)、「イラクを支持するための重要な利益の一つがなくなる」(政府筋)というのだ。因と果とをまるで逆にした、なんという鉄面皮な居直りであろうか。

石油を武器とした「実利主義」外交

 「フセイン政府を打倒した後もイラクにおけるロシアの石油権益は保証する」というブッシュ政権の確約を取りつけることによって、米英帝国主義が提案した安保理決議案への賛成にまわったロシア政府は、米英帝国主義がイラク軍事侵略を開始し中東全体が戦争状態になり、そうすることによって石油が急騰するのを心待ちにしているかのようにさえ見える。対イラク戦争を射程にいれて中東石油への依存から脱して石油供給源の多様化をはかっているアメリカ政府の動向を見据え、これをチャンスとばかりに、ロシア石油のアメリカ市場でのシェアを拡大してゆくことに、プーチン政権は「ロシア経済再建」のよすがを求めだしているのだからである。昨年の五月二十四日の米露首脳会議で取り決められた「米露エネルギー協力宣言」と「経済分野協力宣言」がその結節点であるといえよう。
 このプーチン政権の意図は、石油輸出国機構(OPEC)にたいする態度の転換としても現われた。二〇〇〇年九月のOPEC首脳会議にロシアはオブザーバーとして参加し、米欧石油資本にたいして結束して対抗する中東をはじめとする産油諸国との協調をうたった(江沢民中国との同盟的結束を基礎に、「一超」アメリカを包囲する国際的陣形をつくりだす、という思惑にもとづいて)。昨〇二年度の開始にあたってのOPECの「減産」要請にたいしては「輸出減」というかたちで応じた。けれども、この「輸出減」も「ロシア企業の利益、ロシアの国益」を理由にして第2四半期をもってロシア政府は打ち切ったのである。
 政府のバックアップを得たロシアの石油企業は、アメリカ市場への進出のための諸方策を次々に発表した。ソ連邦時代には石油ガス工業省高官であったアレクペロフが創設したルクオイルは、すでに二〇〇〇年の時点でアメリカの石油販売会社を買収して、東部でガソリンスタンド網を経営する権利を得ている。また、ロシア第二の石油企業「ユコス」――社長のホドルコフスキーはソ連時代はコムソモール役員であり、コムソモール組織を利用して商業銀行を設立することからはじめ、九五年に、ほんのわずかの金額でロシア石油業界第三位であったユコスを手に入れた――は五人の外国人取締役をむかえ、米国人を最高財務責任者にしている。ルクオイルとユコスとは共同で、バレンツ海の不凍港ムルマンスクに、大規模な米国向け原油輸出基地を建設する予定である。「二〇一〇年までに合衆国への石油輸出を米国内シェアの一〇―一三%にする」と、ルクオイルのアレクぺロフは豪語している。
 ところで、昨年十二月のはじめに、プーチンは中国およびインドを訪問した。米欧諸国と協調姿勢をとりつつも、中国や北朝鮮と密接な関係をつくり、対米欧諸国との関係においてはこのことを切り札にする、というのがプーチン流の「プラグマティックな多角外交」である。今回の訪中にプーチンはルクオイル社長を同行した。ルクオイルと同じく、中国の石油公社はイラクにおける油田開発契約を結んでいることからして、フセイン政権が壊滅させられた後のイラクにおける利権の確保について協議するためであったと推察しうる。江沢民の中国もまた、米英帝国主義のイラク攻撃そのものをやめさせることをではなく、自国の石油利権の行方を第一義にしているのである。
 もちろん、ロシアにとって中国は、武器輸出の重要な相手であるだけではなく、石油や天然ガスの売り込み先でもある。先に触れた「ユコス」は、イギリス系国際石油資本ブリティッシュ・ペトロリアムとの合弁企業を東シベリアに設立する交渉をはじめている。これは、中国市場をにらんでのことである。
 「われわれは、石油生産量で世界第二位の立場に、エネルギー資源貿易で世界第一位に戻った」と、昨〇二年の年次教書でプーチンは強調していた。破産国ロシアの大統領プーチンは、エネルギー資源大国としての地位を武器にして自国経済の再建を果たそうとしているのである。アメリカ帝国主義権力者が言うところの「テロとの戦争」に積極的に協力し加担し、また、核軍縮問題では屈辱的なまでの譲歩をして、ようやくロシアは「主要国首脳会議」の正式メンバーとして迎えてもらった。形式上「大国」の仲間入りをはたした。だが、現有の陳腐化した核兵器の廃棄も維持もままならず、そのための資金援助を受けなければならない経済的破産国としての屈辱を、プーチンはかみしめないわけにはゆかなかったのではないか。こうしてとりつけた米欧帝国主義諸国との「協調」関係を利用してロシア経済再建のための「実利」――債務地獄だけを残した金融的な融資というかたちではなく、ロシアへの技術移転やさまざまな直接投資の獲得――をプーチンは狙っている。そのための手段が、唯一の手段が、北極海やカスピ海、そしてシベリアの広大な地に眠っている原油であり天然ガスなのである。しかし、ロシア石油の大安売りは、はたして、経済の起死回生をもたらす妙薬になるのであろうか。

以下、見出し
U 経済は回復しつつあるのか?
  一過性の「経済成長」
  経済の奇形性・跛行性の拡大

V ガイダール=チュバイス式「自由化・民営化」の再生産
  オリガルヒどもの統制・利用
  「競争力ある市場経済」の戯画
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自己解体に突進する残存ブクロ
権力内謀略グループにテコ入れされ脱落スパイ分子=白井・角田を襲撃


 わが同盟は、このかん、国家権力の走狗集団を解体する闘いを断固として推進し、ブクロ=中核派を日本階級闘争場裏から一掃して最期的に解体しつくす寸前にまで闘いをおしあげてきた。このわれわれの闘いによって崖っぷちにおいつめられ組織的存立基盤の一切合財を失った清水丈夫らブクロ官僚残党どもは、飼い主から見放され、使い捨て処分に付された。清丈一派は、もはや走狗としての延命すら許されないことへの焦燥感にかられ、ついに最後の盲動に突っ走りはじめた。

以下、見出し

脱落スパイ分子への連続襲撃
 謀略部隊とブクロ派との混成部隊

絶滅寸前のスパイ集団の断末魔

自暴自棄のあげくの解党宣言
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新世紀
The Communist
第203号
2003年3月
最新号紹介

ヤンキー「新帝国」の暴虐を阻止せよ!
場所的認識とは何か?を考究

 ◆「暴れる象(アメリカ)に足枷をはめることができないのでみんなで象の背中に乗った」とまで評された、イラク査察決議の国連安保理全会一致での採択。これによって横暴な査察が強行され、米英のイラク侵略は秒読みに突入している。『新世紀』最新刊、第二〇三号の巻頭論文「『新しい帝国』を呼号するヤンキー帝国主義の暴虐をうち砕け!」は、核先制攻撃さえもがさし迫る今日の危機に警鐘を打ち鳴らし、決起を呼びかける熱烈な檄である。
 とりわけ、アメリカ帝国主義の軍事的暴走のイデオロギー的根拠を、この論文では鮮明につきだした。軍事的にアメリカに対抗する国家の存在を許さず、超国家的テロにたいしては先制攻撃をもってセン滅するというアメリカの戦略、これを神に与えられた「詔命(しょうめい)」(calling)として理解するキリスト教原理主義がブッシュ政権のバックボーンであること。この政権は現代のナチスであること。まさに今日、全世界の労働者・人民が大きな岐路に立たされていることを明らかにし、歴史的な闘争への決起を呼びかける。
 「戦争狂≠フ新たな世界軍事支配戦略」は、「アメリカの国家安全保障戦略」(二〇〇二年九月二十日)に即して、その世界支配戦略の軍事力万能主義的本質を明らかにしている。他方、「国際テロリズムへの対応」の名においてブッシュの戦争に全面的に参戦しようとしているのが小泉政権である。「イラク侵略戦争への日本の参戦を許すな!」をテーマにした二論文が、その犯罪性を具体的に明らかにする。「参戦のための有事法『修正案』」では、「テロ」や「不審船」への対応をも盛りこんだ有事法の改悪内容が、「〇二年版『防衛白書』の犯罪性」では、「国際貢献」の内容が「テロとの戦いへの貢献」にとって代えられていることが、それぞれ衝撃的につきだされている。
 小泉政権の参戦を阻止する闘いに、いま大きな壁が立ちはだかっている。「日本人拉致事件」を逆用しての反北朝鮮の排外主義の嵐に、日本の労働者・人民の多くがまきこまれているという事態がそれである。この現実を根底からくつがえすために、また在日朝鮮人・在日韓国人との階級的連帯をかちとるために、革共同革マル派のアピール「在日朝鮮人民同胞に訴える!」を掲載した。ハングル訳も同時掲載!

よみがえったマルクス 現代を喝破

 ◆「ジハード元年のマルクス」はSFタッチのファンタジー。想像力のパワーで復活したマルクスが、レーニンとともに地球を所狭しと飛び回る。9・11事件にはじまる大事件にふれて彼は感動し、怒り、悲しみ、また冥想にふける。戦争や民族や貧困や環境など、現代のもっともアクチュアルな問題を片っぱしからとりあげ、怠慢な自称マルクス主義者に烈火のごとき恫喝を下す。かと思えば、その思索は、宗教・科学・芸術から生死や人類愛の問題、はては宇宙と超宇宙にまで飛翔してとどまるところを知らない。本文の理解を助けるオリジナル傍註つき。
 ◆ブッシュ政権のもっとも恥ずべき共犯者・プーチンのロシア(旧ソ連邦)に関連する三論文も、本号に収めた。「プーチン政権のチェチェン弾圧弾劾!」は、チェチェンのゲリラ戦士たちが敢行したモスクワの劇場占拠闘争にたいする、プーチン政権の毒ガスを用いた血の弾圧を弾劾している。チェチェン独立を掲げ、命をかけてたたかい、「対テロ」の神聖同盟をブッシュ政権と結ぶプーチン政権の犯罪性をもつきだしたムスリム戦士たちの闘争の意義を、同時に明らかにしている。
 「ソ連崩壊前夜の老いたる石堂清倫」は、「スターリン批判三十周年」シンポジウムにおける日本左翼知識人の思想的崩壊状況を、その時点でつきだした先駆的な論文である。「ポドシチェコルジンの思い出」は、『ゴルバチョフの夢』ロシア語訳の秘話の数々、そして故人となった翻訳者との心あたたまる交流を描きつくした佳作。
 ◆最後に、情勢のとらえ方や認識方法そのものを深く省察した意欲作二本が、本号をしめくくる。「歴史存在論からの決裂」は、「イスラム復興主義の超克」(『新世紀』第一九六号所収)の筆者じしんが当該論文の歴史主義的な誤謬をみずからのりこえていく、苦闘のプロセスを刻む。他方、「認識論の存在論的展開の克服とは?」は、『革命的マルクス主義とは何か?』の英文改訳において日本語原文の存在論主義的限界の克服がめざされていることを知った筆者の驚愕、そしてそれをバネとした徹底的な追究の過程をまとめた労作である。場所的認識の困難さに直面している仲間にとって、おおいにはげみとなるであろう。
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キティホーク出撃阻止に決起。
全学連が横須賀現地で奮闘
(1月23日)
「イラク侵略阻止! 日本の参戦阻止!」
関西の労学が自民党大阪府連・米総領事館に怒りのデモ
(1月18日)
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