第1714号 (2002年4月15日)の内容


<1面>
イスラエルのパレスチナ侵攻弾劾!
闘うパレスチナ・アラブ人民と連帯し米帝の中東侵略戦争阻止に決起せよ


<4〜5面>
「働くルール」の要求を煙幕とした賃金闘争の放棄
リストラ・賃下げ攻撃に屈服する「全労連」ダラ幹を弾劾せよ!

<2面>
有事立法粉砕! 闘う学生が「20労組」と連帯(4・3)
衆院議員会館前で「有事立法粉砕!」の
雄叫びをあげる「20労組」の労働者〔上〕と
たたかう学生〔下〕(4月3日)

賃下げ協力に怒り(3・29「連合」集会)

<6面>
札幌市営バスの民間移譲=廃止攻撃
大阪府が大リストラ攻撃を画策
Topics 警戒せよ 鉄道謀略を!

<7面>
中小労組の春闘をめぐる情勢 リストラと中国進出に賭ける独占資本

<8面>
俺たちとJR労働者の奮闘が実った。闘いはこれからだ… 江部乙事故調査団
「The Beginning of the End」を読んで 「そは魂の叫び!」ほか

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
盲従℃gい
◆戦争狂は拝金狂
◆檻の中の抵抗
◆「3・14」後日談

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号

  





















 











































  


  

イスラエルのパレスチナ侵攻弾劾!

闘うパレスチナ・アラブ人民と連帯し
米帝の中東侵略戦争阻止に決起せよ


イスラエル・シャロン政権によるパレスチナ自治区の
軍事制圧・人民大虐殺への怒りに燃えて
全学連はイスラエル大使館への
断固たる抗議闘争をくりひろげた(4月8日)
 イスラエルのシャロン政権は、「テロとの戦い」の名のもとに、ついにパレスチナ自治政府にたいする<宣戦布告なき戦争>を開始しパレスチナ人民大虐殺にのりだした。彼らはPLOアラファト議長を監禁し、パレスチナ治安警察部隊に総攻撃を加え、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区のほぼ全土を占領した。自治区に侵攻したイスラエル軍は、今このときにも、「テロ容疑者」を見つけ次第に銃殺し、成人男子を片っ端から「過激派シンパ」として拘束し拷問を加えて殺害しているのだ。
 だがこのイスラエル軍の侵略を撃退するべく、パレスチナの人民は壮絶な市街戦を敢行しているのだ。最新鋭戦車メルカバ3や攻撃用ヘリ・アパッチを持つ重武装のイスラエル軍に比すならば徒手空拳にも等しい程度の武装すなわち自動小銃や手投げ弾をもって、そして我が身を武器に代えて、彼らは戦いつづけている。侵攻開始から十日を経てもなおシャロンが「市街地での抵抗が続いていて作戦を終了できない」と語らざるをえないほどまでに、パレスチナ人民は頑強に戦いぬいているのだ。そして、シャロンが「テロ集団」をさっさと*侮Eし早期に作戦を完了することを期待して侵攻作戦GO≠フサインをおくったアメリカ帝国主義ブッシュ政権の思惑をもうち砕いたのである。
 いまや、イスラエルの大虐殺に抗議し・腰ぬけの自国政府を非難する数十万人の大デモが、アラブ・イスラム諸国を席巻しているのだ。足下を揺さぶられたアラブ諸国の権力者たちは、イスラエルの蛮行を容認するブッシュ政権を声高に非難している。戦闘の激烈化と長期化のなかで、欧州各国でも抗議行動がまきおこり、欧州諸国の権力者どももまた停戦仲介にのりださないブッシュへの不満を噴きあげ、みずから調停工作にのりだしてもいる。
 このような国際的非難にさらされ、もはやシャロン政権の大虐殺を放置したままでは対イラク侵略戦争の強行も不可能であることを悟ったブッシュは、いやいやながらパレスチナの停戦仲介にのりだした。ただしイスラエル軍が徹底的な弾圧=大虐殺を完遂しうる時間的猶予をたっぷりとシャロンに与えたうえで。同時にブッシュはイラン、シリア、イラク三国にたいする警告を発した、「パレスチナに介入するな」、と。パレスチナ武装諸組織へのイラン・イラク・シリアの軍事的支援に危機意識を高ぶらせているブッシュ政権は、これら三国にたいする恫喝と軍事的威嚇を一層強めている。すでにシャロンは、レバノンのシーア派武装組織ヒズボラの越境攻撃にはレバノンとシリアへの空爆をもって反撃するとほのめかした。シャロンの冒険主義的な軍事行動は、パレスチナにおける「非対称的戦争」を正真正銘の第五次中東戦争へと転化させるに違いない。まさに事態は切迫しているのである。
 だからこそブッシュは、「テロとの戦いへの協力」を名分にして対イラク・中東侵略戦争への参戦・協力を日本帝国主義小泉政権とイギリス帝国主義ブレア政権に強く要請している。このブッシュの要請に応えて本格的な参戦に突進しようとしているのが、そしてそのための国家総動員体制の構築に突進しているのが小泉政権にほかならない。小泉政権は四月十六日にも有事法案を閣議決定し国会に上程しようとしている。今こそわれわれは、たたかうパレスチナ・アラブ人民と連帯して、イスラエル・シャロン政権によるパレスチナ人民大虐殺に断固たる怒りの声をたたきつけるのでなければならない。そして同時に、「アメリカ帝国主義のアジア・中東全域への戦争放火阻止、イラク侵略阻止」「日本の参戦を許すな、有事法制定阻止」の闘いを断固として組織するのでなければならない。すべての労働者・学生は4・28闘争に起て!

以下、見出し
<宣戦布告なき戦争>に突入したシャロン政権

イスラエル国家存亡の危機の軍事的強行突破

「反テロ戦争」のほころびに焦る「戦争狂」ブッシュ

「反テロ戦争」拡大阻止!有事法の制定阻止!国際反戦闘争の大爆発を!
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盲従℃gい
疑惑の薮を突つくとさらに薮(ブッシュ)≠ェ……

 「日本はアメリカ帝国主義に半ば占領された事実上の従属国」といえば、日本共産党がとうの昔に投げすてた「対米従属」規定。この規定は国家論的には完全な誤りだが、最近の日本を見ると、現象論的にはそうともいえるんじゃないか、なんて気になるほど。「対米従属」「対米追随」「対米追従」では到底あきたらず、半ば占領≠ヌころか全面占領¥態というべき「対米盲従」傾向が「復活・強化」している、との声も。なんせ、嫌米・反米≠ェ本来モットーのはずの右翼諸グループにも、近頃では親米∞恋米≠掲げてはばからない徒輩が登場しているほどだから。で、ことは右翼だけのことかといえば、さにあらず。
 とにかく怪奇現象が多い。有事法が国会上程されようとしているおりに、マスコミでは「公設秘書」疑惑ばかりが大騒ぎになっている。ちょっとヘンじゃないか。大悪≠隠すために小悪≠やり玉にあげているというのは巷間の常識。さりながら、建前(タテマエ)社会では不正は不正、「誰でもやってるやんか」と居直るとクビが飛ぶ。でも、ムネオ叩きの急先鋒=社民党にたいする自民党の反撃≠ニいう構図だけでとらえるのはちょっと単純すぎるのでは。もっと大きな仕掛けがあるやもしれん。
 最初にバッシングされたのは、真紀子とバトルを演じた宗男。まあ、出るわ、出るわ。確かに「疑惑の総合商社」だ。とくに注目は、『週刊新潮』の「鈴木宗男研究」。数年間分の調査研究≠フ成果を暴露する機会を狙っていたのがアリアリ。耳目は、国後島などに建設された「ムネオハウス」だの、何だのと、北方四島問題に集中。ムネオは、北方四島一括返還という国益をそこなう国賊とね。結局、自民離党で政治生命も危うい。ロシア・ロビイストの筆頭株の沈没≠ナ、日露関係にもすきま風。
 続いて「日本一の優柔不断男」とさげすまれている元プリンス♂チ藤紘一。加藤事務所代表の脱税、加藤夫妻の公金流用とやらを暴露されノックダウン、自民離党、そして議員辞職。頼みの小泉にも「個人の問題には関与しない」と無視(シカト)され、今やひきこもり≠ニか。ただ、ちょっとヘン。この男、民主党の鳩ボーと組んで日米中の「三角形」関係の構築を持論とするレッキとした保守リベラルの「対米自立」論者。
 お次は社民党の辻元清美。公設秘書の給与ネコババを暴露され、ウソ会見≠フすったもんだの末に議員辞職。加えて、自民党筋からなんだかエゲツない情報がリークされた。「辻元に日本赤軍の影」と再び『週刊新潮』がセンセーショナルに暴露。内縁の夫*k川某(元赤軍派)の「あやつり人形」とまでやり玉にあげられ、ついにダウン・入院。もうアカン。
 だが、なぜ今、「日本赤軍」か。ここが怪しい。実は、辻元は元ピースボート日本代表で、北朝鮮との交流も長く、社民党内の北朝鮮コネクション。外務省の某高官が「(拉致疑惑の)十人のせいで、日朝関係が冷えるのはどうか」と言ったとかで袋叩きにされるご時勢。不審船撃沈事件の勃発、ブッシュの「悪の枢軸」発言、赤軍派・北朝鮮工作員による「日本人拉致」の暴露。で辻元の疑惑暴露。なんともグッド・タイミング!
 さらにさらに、秘書給与の扱いを指南したのが土井たか子の筆頭秘書・五島女史、という暴露。党首の責任問題にまで発展し、女性の党・社民党は、もう解党寸前の危機にまで追いつめられている。と思っていたら、とうとう真紀子に飛び火、公設秘書の給与をピンハネしていたと『週刊文春』。「もはや議員辞職は免れない」と同誌は図にのっている。女ばかりを攻めるのは卑怯とは巷間のオバサンの声。だが……。
 真紀子といえば、資源自立・対米自立の元祖=角栄の遺志をひきついだ中国コネクション。外相在任中も嫌米#ュ言をくりかえしていたことはつとに有名。つい先日も、父が植えた桜を見に中国を訪問し熱烈歓迎を受けたほどの親中派。
 してみると、疑惑暴露の出所を突っつくと、意外にヘンな薮の中にはいってしまう。アナコンダがいるのかしらん。叩かれているのは、「対米自立」志向のリベラル派、ロシア、中国・北朝鮮コネクション。ある面から見ると、みんな「テロ支援勢力」に見えるやも(!?)。叩いているのは、対米盲従の右派雑誌、それらに情報をリークする自民党内タカ派。タカといっても、小泉を見ればわかるように、最近の連中は「対米盲従」分子ばかりだ。もちろん、猛獣≠ネらぬ「盲従」ライオン丸を操っているのは、ブッシュにちがいない。薮を突ついたら、また薮(ブッシュ)がでてきたぞ。
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「働くルール」の要求を煙幕とした賃金闘争の放棄

リストラ・賃下げ攻撃に屈服する「全労連」ダラ幹を弾劾せよ!

 二〇〇二年春闘は、金属産業大手労使が軒並み「ベースアップ・ゼロ」で妥結することによって、また電機などの諸独占体経営陣が矢継ぎ早に「賃金カット」「定期昇給凍結」の逆提案≠おこない、それらの諸労組の労働貴族どもがこぞってこれをうけいれることによって、空前の賃下げ貫徹の儀式と化した。
 独占資本家どもと「連合」・JC労働貴族との腹あわせにもとづいてつくりだされたこの<賃下げ逆春闘>の流れのなかに、日本共産党直属のナショナルセンター=「全労連」もまた完全に呑みこまれてしまっている。たしかに、「全労連」指導部は、〇二春闘を「国民総ぐるみ」とか「『国民一揆』型のたたかい」とかと命名し、四月十二日を国民ストライキの日と設定してとりくんでいる。「全労連」傘下の労組の職場集会などにとどまらず、中小企業や民商傘下の商店などがシャッターをおろして休業にするなどの、全国一斉のとりくみをおこなう、という。だが、その内実は、「広範な共同の条件を」確保するためには「労働者だけの利益を考えるべきではない」などとうそぶきながら、闘争課題から賃金問題を削って、「医療改悪反対」に絞りあげるといったものなのだ。
 独占ブルジョアどもの大リストラ・賃金切り下げ攻撃は、それに全面的に協力する「連合」労働貴族どもとこの労働貴族ども支配下の「連合」との「共同」を追い求めることによって反撃の闘いを放棄している「全労連」指導部のこの犯罪的指導のゆえに、やすやすと貫徹されているのだ。このような「全労連」指導部の〇二春闘へのとりくみを決定したものが、二〇〇二年版『国民春闘白書』(以下『白書』と略す)に示される春闘方針なのである。

以下、小見出し
A「働くルールの確立」をおしだす「国民春闘白書」

B激動する情勢への対応不能

C「連合」労働貴族の補完勢力への転落
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警戒せよ 鉄道謀略を!
 JR東日本管内で三百件を超える列車妨害
 線路上に石油ストーブ 駅売店のパンに縫い針

 ◆昨年の暮れ以来、首都圏(とりわけJR高崎支社管内)を中心にして、何者かが列車妨害事件を頻繁にひき起こしている。
 昨年十二月二十三日に、高崎線のさいたま市宮原一丁目の踏切の線路上にこぶし大のコンクリート片が置かれてあるのを、運転士が発見した。その五十五分後には、さいたま市別所町を走行中の列車が線路上に置かれた石を踏みつぶしている。ふたつの現場は三・五キロ離れている(「埼玉新聞」)。
 十二月三十日に、武蔵野線の東所沢と新座駅の間の線路上に工事用のカラーコーンが置かれていた。走行中の運転士が発見し急停車したが間に合わず、跳ねとばした(同前)。
 本年二月二十六日には、高崎線の本庄と神保原の間の下り線路上に、高さ四五aの石油ストーブ(灯油満タン)が置かれ、貨物列車が接触した(「産経新聞」)。近くの場所に、三月十四日にはテレビが置かれ、列車が跳ねとばした(「埼玉新聞」)。
 三月十六日の夕方に、宇都宮線の雀宮―宇都宮間を走行中の列車に投石。後ろから二両目の左右の窓ガラス計三枚が割れ、乗客が頭にけが。石の大きさはゴルフボール大(「東京新聞」)。
 ◆原因不明のトラブルや事故も首都全域で多発している。
 昨年十二月十六日に、市ヶ谷駅付近を走行中の中央線快速電車の床に落ちていた電池(カメラ用リチウム電池)から白い煙が上がり、電車は急停車した(「毎日新聞」)。一月十八日には、品川駅車庫から東京駅に向かう回送列車が、機械系統の故障のために発車できなくなった(「読売新聞」)。
 一月二十五日に、中央線八王子駅構内で下り線路のポイントが切り替わらなくなった。原因は不明(「読売新聞」)。二月十二日に、北新宿のJR東中野変電所にある送電ケーブルから出火。四四本のケーブルが九〇bにわたって焼けた。中央線・総武線あわせて八本が運休(「毎日新聞」)。同じ日に、中央線国分寺駅構内で、通勤快速電車の車両床下からドア開閉のためのエアーの抜ける音がしたため、運行をうち切った(「読売新聞」)。
 三月九日に、武蔵野線西国分寺駅構内で信号機のトラブル(「読売新聞」)。
 三月十日には、高崎駅構内の架線を流れる電流が突然止まり、高崎線・上越線・両毛線・吾妻線など計六線で電車の発着ができなくなった。原因は不明(「毎日新聞」)。
 ◆東海道・山陽新幹線、上越新幹線においても、原因が不明の様ざまな落下℃膜潤Aまた電気・ブレーキ系統の異常事態が連続的に起きている。
 一月四日に、山口県下関市の山陽新幹線の高架橋の吸音板が落下。JR西日本広島支社が緊急の総点検を実施。「他に異常は認められなかった」(「西日本新聞」)。一月五日には、宮城県白石市の東北新幹線の高架橋で防音用の箱(一片六〇a)九個が市道に落下。一月十八日に、東海道・山陽新幹線の車両からボルト(長さ一七a、直径二・七a)が落下したり、床下点検口のフタ(七三×六一a)が外れたりする原因不明の事故が発生(「読売新聞」)。一月二十日には、上越新幹線の高崎と上毛高原の間の黒岩トンネルの外壁コンクリート(三〇×四五×三〜六a)が崩落(「毎日新聞」ほか)。さらに、三月一日には、広島の新幹線車両基地で七〇〇系車両(のぞみ)のブレーキデスクの取りつけボルト一本が抜かれていたことが発見(「読売新聞」ほか)。
 一月十二日には、東海道新幹線・のぞみ八三号が三河安城と名古屋駅の間で緊急ブレーキ装置が作動して急停車。原因不明(「読売新聞」)。
 一月二十六日に、神奈川県平塚市北豊田の東海道新幹線線路脇の土手で枯れ草が燃え上がった。原因不明(「朝日新聞」)。
 ◆さらに、三月十七日には、東京駅構内の売店のおにぎりやサンドイッチ、クロワッサン・サンドイッチなどに、何者かが、縫い針(三〜四a)三本を突き刺す、という事件が起きている(「毎日新聞」「朝日新聞」)。
 過去三ヵ月間に、JR東日本会社管内だけで三百件を超える列車妨害や不可解な「事故」が起きている。ここに列記したものは、代表的なものであり、氷山の一角にすぎない。
 アフガン難民支援の闘いの広がり、憲法第九条を守り広げる闘い、昨年十二月二十四日の国労から分裂した「ジェイアール東日本ユニオン」の結成を契機にしたJR東労組を破壊するための包囲網の強化、――これらと軌を一にして仕掛けられてきている謀略的列車妨害や「事故」にたいして、すべてのJR労働者は警戒心を高め、謀略を許さずたたかおう!
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