第1710号( 2002年3月18日)の内容


<1面>
中東・アジア全域への米帝の戦争放火を許すな
日本の参戦反対! 有事法制定阻止!
宗男喚問の茶番劇にうつつをぬかす社共をのりこえて闘おう

<4〜5面>
リストラ地獄に抗し02年春闘の高揚を!
11万人リストラに加担するNTT労組本部
自動車総連中央の「ベア千円要求」の欺瞞性

<2面>
全学連臨時大会に結集せよ
自衛隊東ティモール派遣阻止に決起
3・3沖縄/3・2北海道


<6面>
石原都当局・教育委による「主幹制度」導入を阻止せよ

Topics 「やま場」を前にした02春闘の現実

<7面>
2・22JR九州列車追突事故
事故の原因はJR九州当局の過密ダイヤと労働強化だ!

<8面>
「The Beginning of the End」を読んで
『黒田寛一のレーベンと為事』を読んで
追体験と実践的立場

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
◆スカートと女の涙
「日本人の誇り」はどこに?
◆上げ底%搆v
「解党」への葬列

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号


  


  

中東・アジア全域への米帝の戦争放火を許すな!

宗男喚問の茶番劇にうつつをぬかす社共をのりこえて闘おう

 今、米軍は、アフガニスタン東部パクティア州の山岳地帯において、昨年十月の対アフガニスタン侵略戦争開始以来最大規模の軍事攻撃をくりひろげている。空からは「サーモバリック」と呼ばれる新型の大型爆弾(洞くつに潜む敵の兵士を熱風と衝撃波で殺すことを目的とする)をも使った猛爆撃をくりひろげ、同時に、地上からも初めて二〇〇〇人規模の正規軍を投入して、アルカーイダとタリバン残存兵士を一兵残らず皆殺しにする作戦にうって出ているのだ。
 カルザイ暫定政権の発足がアフガニスタンに「平和」と「復興」をもたらしつつあるなどという帝国主義権力者どもとその下僕たちの報道や言説が虚構でしかないことが、いまや一点の曇りもなく明らかになっている。カルザイ政権は、カブール周辺を実効支配しているだけであり、アフガニスタン全土ではエスニシティ・宗派を異にする諸部族集団が抗争し内戦を激化させている。そして、タリバン政権崩壊以後も米軍がくりかえしている「タリバン掃討」の名による無差別攻撃や誤爆の数々は、アフガニスタン人民のうちに反米の感情をいやがうえにも燃えあがらせているのだ。アフガニスタンはすでに、アメリカにとっての第二のベトナム≠ニ化しているのである。実際、三月一日からの戦闘において米軍の大型ヘリコプターが撃墜され、米兵八名が死亡している(米軍発表)。
 対タリバン戦争の思いがけない勝利≠ノ有頂天になったブッシュ政権。彼らはみずからのハイテク兵器の威力にのぼせあがり、そして軍需景気を煽ることによってアメリカ経済にカンフル剤を射つという思惑にももとづきながら、宿敵<Cラク・フセイン政権の打倒を到達目標とする侵略戦争にうって出ようとしているのだ。ところが、イラク侵略戦争に突き進もうとしている彼らの足下≠すくうかたちにおいて、壊滅させたはずのタリバンやアルカーイダの残存部隊が再結集し反攻の準備を開始したのだ。これにあわてふためいているのが彼らブッシュ政権にほかならない。
 そうであるからこそ彼らは、焦りに駆りたてられながら対アフガニスタン侵略戦争開始以来で最大規模の空爆を強行するとともに、米兵の戦死を覚悟のうえで米軍を地上戦に投入せざるをえなくなっているのだ。それだけでなく、ブッシュ政権は、世界六十ヵ国にネットワークを持つアルカーイダを追って、中東・アジア・アフリカ諸国に――当該地域の政府・実効支配勢力にたいする恫喝のムチと経済援助のアメを用いつつ――次々と特殊部隊を送り込み・また送り込もうとしているのだ。この一超軍国主義アメリカの焦りに駆られた暴虐は、中洋・イスラム圏諸国人民や権力者のさらなる反逆を呼びおこさずにはいないだろう。第五次中東戦争の、そして第三次世界大戦の勃発の危機がいよいよさし迫っているのだ。
 そして、この戦争放火魔のアフガニスタン侵略戦争への参戦をはたした日本の小泉政権は、ブッシュ政権の「対テロ戦争」に、ひきつづき参戦することを誓約し日米共同の侵略戦争遂行体制をさらに強化するとともに、内にむかっては国家総動員体制を構築することを狙って、有事法制定の攻撃にうってでているのだ。われわれは、全世界のたたかう労働者・人民と連帯し、この日本の地において革命的反戦闘争の炎を、さらにいっそう赤あかと燃えあがらせるのでなければならない。

以下、章見出し
泥沼化するアフガニスタン戦争

イラクへの侵略戦争に突進するブッシュ政権

全世界の人民と連帯し国際的反戦闘争の奔流を
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東ティモール自衛隊派遣阻止に決起

全学連北海道・沖縄で連続闘争

千歳基地ゲート前でたたかう全学連道共闘(3月2日)
 アフガニスタン侵略への参戦をはたした小泉政権は、PKF参加凍結解除を盛りこんだPKO法改悪以後初めて、かつPKO派兵としては最大規模の六八〇名の部隊を、三月下旬から四月にかけて東ティモールに送りこもうとしている。これに先だって、陸上自衛隊北部方面隊の先発派遣隊がC130輸送機三機に分乗し、北海道千歳基地から航空自衛隊那覇基地経由で東ティモールに向かった。わが全学連のたたかう学生たちは、小泉政権による東ティモールPKOへの自衛隊派兵を阻止するために、C130輸送機で先発隊を送りだそうとした千歳と那覇の両自衛隊基地にたいして、三月二日、三日と連続的に闘いに決起した。
那覇基地ゲート前でたたかう沖縄県学連(3月3日)
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「日本人の誇り」はどこに?

忠犬「ポチ」公
馬(犬)脚をあらわす


 「新しい歴史教科書をつくる会」がついに空中分解! ことの起こりは、かの<9・11事件>とアフガニスタン戦争の評価をめぐる対立。さあ、お立ち会い! かたや西尾幹二、田久保忠衛ら「ポチ・ホシュ派」。こなた小林よしのり、西(にし)部(べ)邁ら「純粋まっすぐ民族主義派」。
 さぞかし見ものの大一番≠ゥと思いきや、これがとんでもない愚劣、愚劣の泥仕合。「西部は過激派左翼に先祖返り」「小林などしょせん漫画家」(『正論』三月号など)と西尾が罵倒すれば、「〔西尾は〕売れない文学者が政治づいただけ」と西部もまけずに反論(『正論』四月号)。これはもう「思想」も「歴史観」もヘッタクレもない罵倒合戦。遺恨・怨恨のみが昂じて、もはや修復不可能と相成った。
 かのスンナ派ムスリム急進主義者たちが敢行した<9・11ジハード自爆攻撃>、その紅蓮の炎の一切れが飛び火してニッポン極右グループを解体したとは、実に喜ばしいかぎり、日本人民も全能の神アッラーに感謝しなければ……。
 それにしても醜悪なのが西尾・田久保ら、よしリン言うところの「ポチ・ホシュ派」。アメリカに尻尾をふる忠犬よろしく、口が裂けても「反米」を語るべきではない=Aと喚いてやまない。曰く、「わが国はアメリカのあの爆弾(デージーカッター)によって北朝鮮・中国から守られているのです」「アメリカの後ろ支えがあったから近隣諸国〔中国・韓国〕に毅然とした態度がとれる」「世界ではアメリカを中心に大連合が組織されている、日本も一緒に動いていかなければならない」等々と。「極東裁判史観」に異をとなえ、「日本人の誇り」を宣伝していたあの「つくる会教科書」は、いったいどこにいっちゃったのかい。まことに吐き気をもよおす対米屈従のセリフの数々じゃあないか。敗戦直後のその昔に占領軍のジープにたかって「ギブ・ミー・チョコレート」とやっていた、あの白人コンプレックス・乞食根性丸出しだ。「よくも今まで、日本人の誇りだ、なんだと言っていたものよ。おまえたちに、二度とそんなことを言われたくない」(『SAPIO』三月十三日号)とよしリンにまで言われる始末。
 ポチ・ホシュの連中がアメリカべったりになる理由の一つ、それはブッシュ政権が世界各国のタカ派的保守・極右派にたいして優しい≠ゥら。実際、ブッシュは日本にきて、わざわざ明治神宮に参拝してくれたじゃないか、と。つまるところ、日本右翼は、見えすいたブッシュのパフォーマンスに感謝感激、雨あられというわけだ。で、感激のあまり、「ポチうれしい!」と尻尾を振って、曰く、「ブッシュ政権は日本の独立性を高めたいと考えているのです」「拉致事件の解決にも協力すると言っている」「『不審船』を教えてくれたのもアメリカ」「集団的自衛権の行使もどうぞご自由にと言っている、憲法改正しちゃいかんなんて言ってない」……とまで言いだすほど。
 おやおや。偉大なアメリカ国家は世界を正しく導くために神によって選ばれた唯一の国=Aというアメリカ版八紘一宇神話を本気で信じているブッシュが、どうして「日本の独立性を高める」のかね。「ひ弱な花、日本はアメリカの保護国」という五年前のブレジンスキーのセリフこそがヤンキーの本音ではないの。どうみてもポチ・ホシュ連中は、ブッシュ政権から鼻薬をかがされたにちがいない。こういう手合いを、売国奴と言うのではないのかね。
 もともと、西尾にせよ田久保にせよ、政治的には強いものの顔色を見て尻尾を振る性根卑しい連中で、内面は西洋コンプレックス≠フ塊り。こういう輩が「日本の文化」だの「国民の道徳」だのと高尚な<}ントを着込んできただけのこと。これまでは、すぐムカツク・キレル大衆を反共・反民主主義≠ニ皇国史観≠ナ洗脳するために、「ゴーマンかましてよかですか」のよしリンの擬似革命性≠利用してきた。この利用してきた連中が、こんにち「日本人の誇り」を拠点にしてアメリカに悪罵を投げかけるやいなや、手のひらを返したように「しょせん漫画家ふぜいが」「思想と政治の区別もできない」と切り捨てにでたということ。
 それにしても、「わしをさんざん利用しておいて、自分の都合の悪いことを描き出したら『漫画』のせいにする」というゴーマン野郎の被害者ヅラにもへどがでる。これまで西尾や田久保らに喜んで「利用」され、「生長の家」に本を買い上げてもらい、フジ産経グループにおだてられ右派マスメディアの寵児≠ニしてふるまってきた小林よしのりが、はたして、どこまで「思想」とやらに殉じてつっぱれるものなのか。これは見ものというもの。
 だけど、このスッタモンダ、もとはと言えば、天皇制イデオロギーの宣伝と、戦後のアメリカベッタリズムの肯定という、「つくる会教科書」のかかえる矛盾が、<9・11>に直撃されて、噴出したものじゃぁないのかね。
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「解党」への葬列

「3・14」なんてクソくらえ!


 オオッ! おいらが解体してきた国家権力の走狗ブクロ派が、ついに分解だっ! スパイ通信こと「前進」(第二〇四四号)で、残存中央官僚が呼びかける「三・一四復讐戦貫徹・カクマル完全打倒」の古看板を掲げた「三・一七政治集会」。なんと、これに対抗して、「関西反戦共同行動委員会」を名のる連中の「三・一七関西反戦闘争」の呼びかけなるものが並んで載ってるゾ。
 ――ん、どれどれ。ホッホウ、肩書きは「関西」なんて言いながら、「全国のみなさん。有事立法・改憲阻止闘争の号砲を全国に打ち鳴らそう。すべての同志、闘う仲間の三・一七闘争への決起を訴える」なーんて、「全国」の活動家に向かって呼びかけてるなあ。おまけによ、ことさらに「重大情勢」だの「方針の決定的意義」だのと叫んでる。まるで、三・一四復讐戦なんて意味のない集会、いいかげんにやめちまえ≠ニ言わんばかりじゃないか。――
 ハハーン、これが先頃、「前進」(第二〇四〇号)で残存ブクロ官僚が、恥も外聞もなく喚いていた「(ブクロ派内に蔓延する)解党主義的傾向」ってやつだな。中央官僚の言うことなんか誰も聞かなくなり、下部はみんな会議に出ない、機関紙を読まない、金を払わない≠チていうんで、「機関紙財政危機、党財政危機」なんて悲鳴を上げ、「解党主義を粉砕せよ」なんて恫喝をくわえていたっけな。ところが、その連中の主張が公々然と「前進」に載っかってるってわけだ。そういえば、第二面にはダバの中野洋の写真がデッカクのってるなァ。まるで党首扱いじゃないか。
 ――本当に断末魔さ。走狗ブクロ派恒例の「ポンタ追悼」の儀式に、公然と「関西反戦闘争」なるものをぶつけるくらいだからナァ。「反共委」の活動家連中にとって、「解党主義」なんて烙印・恫喝は痛くも痒くもない。だいたい、「革共同・中核派」なんていう看板は、オイラの暴露によって権力の走狗≠フ代名詞として周(あまね)く知られておる。だから、「反共委」の連中としては引き降ろしたいというのが本音。「大衆運動」にとって桎梏になるとばかりに、ブクロ派の「解党」を志向してるってことだな。――
 そうそう、三月二日の土曜の午後に、新宿で信号待ちの時、「東京反共委」のデモを見たぜ。あの連中が、官僚から「解党主義」って非難されてる奴らなのかい。
 ――そうよ。それはいまどき、珍しいものを見たなあ。で、どうだったか?――
 いやあ、生彩ないのなんのって。みんな目が虚ろだからどこかの葬儀の列かと思ったら、「東京反共委」のデモだと。
 ――まあ、走狗の葬列には違いないけども……。――
 どいつもこいつも声が小さくて、よく聞こえなかったけど、何やら「有事立法反対」とか言ってたようだったなぁ。デモといっても、薄汚い六十歳前後のオジサン・オバサンがたった四十人で、信号が変わる前に、目の前をトボトボ通り抜けて行っちまった。くさーい臭いだけ残して。女子高生が鼻つまんでたっけ……。もっとも、「東京反共委」といっても、「代表」とされる三角忠はいなかったなあ。
 ――オイラが、公安調査庁とCIAのスパイ・小野田猛史と密通していたことを、密会場面の写真つきで暴露した野郎な。アレは痛快だったなあ、うん。ブクロ官僚の体面を取り繕うためだけに奴さんを「代表」においてるかぎり、「反共委」の運動は先細りするばかりだというんで、引っ込めたんだろうな。オイラの闘いの勝利ってもんよ。――
 ――そうさ。走狗ブクロ派の最期だ。いまこそ、金欠と「解党」の危機に気息奄々の、走狗の死に水をとるときだ。――
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2・22JR九州列車追突事故

事故の原因はJR九州当局の過密ダイヤと労働強化だ!
当局による運転士への責任転嫁を許すな


 二月二十二日二十一時三十分頃に、JR鹿児島本線の小倉―博多間の下り線(教育大前駅―海老津駅間、城山トンネル先付近)で、緊急停車中の普通列車に後続の快速列車が追突し、乗客百十数名が負傷するという重大事故が発生した。
 JR九州会社はこの事故の原因について、「追突した快速列車の運転士の信号勘違いという初歩的ミスである」と社会的に発表した。だが、運転士個人の責任をうんぬんする以前に、なぜ指令室は普通列車の緊急停車を後続列車に無線連絡で指令しなかったのか? そもそも、後続列車のATSが作動し一分間停車したにもかかわらず、指令室からの指令もうけずに再出発できるマニュアルで指導してきたのは、JR九州会社当局ではなかったのか! しかも、九七年八月にJR東海道線沼津で、同様の事故が発生した際に、JR東日本が旧マニュアルを変更したにもかかわらず、JR九州はこのマニュアルの見直しに手をつけなかったではないか!――これら数々の疑惑と不信が、JR九州当局にたいしていま社会的に渦巻いているのだ。
 鉄面皮なことに、社会的非難の盛りあがりを恐れた当局は、一方では「運転士の初歩的ミス」と弁明しながら、その他方で「運転取扱いの一部見直し」と称して、マニュアルを変更することを開始した。しかも、三月一日からの実施という泥縄式の転換をなしとげるために、運転士や車掌との真剣な反省協議も安全運転教育もろくすっぽおこなわずに。
 われわれは、今回の大事故の原因を社会的に隠蔽し、運転士の個人責任に転嫁するJR九州当局の欺瞞的発表を弾劾する。そして、一片の通達でマニュアルを変更した当局の欺瞞的のりきりと対決し、この当局を実質上擁護しているJR九州労組(JR連合加盟の「養殖労組」)と国労を弾劾して、安全運転の確保・合理化反対の闘いをおしすすめなければならない。

以下、章見出し
欺瞞に満ちた当局の事故発表

過密ダイヤの「厳守」を至上命題とする当局を弾劾せよ
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