第1709号( 2002年3月11日)の内容


<1面>
有事法の制定を断固阻止せよ
祖国防衛主義に転落した社・共系平和運動をのりこえて闘おう!

<4〜5面>
「解党主義」の蔓延に喘ぐブクロ派残党を葬れ!
ブクロ派の内情を曝けだす「3原則」

<2面>
日米雪中演習阻止に起つ(2・17旭川)
「戦時下の日米共同雪中演習阻止!」
陸自第二師団駐屯地に向けて闘う労学が戦闘的デモ
(2月17日、旭川市街)

米英の未臨界核実験に抗議(2・15名古屋)
在沖米軍の廃油ドラム缶投棄弾劾!
青解・山茂派ゲリラ追認≠フ怪

<6面>
全教全国教研集会 「教育委員会との協力」を打ちだした全教本部に批判の嵐
学校給食費未納者が急増!
Topics 賃金1/4カット≠説く電機連合・鈴木

<7面>
民事再生法を活用した「池貝」倒産攻撃
沖縄の労組組織率が半減
「全交」グループの〈9・11〉への悪罵

<8面>
書評 『神戸事件を読む』
『黒田寛一のレーベンと為事』を読んで  闇から闇へ/一度目は悲劇……
うた 火の星

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
ウソつき戦略局
ヒトラーを超えた!
タンゴ・クライシス
地獄からの使者
ブクボ君

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号


  


  

有事法の制定を断固阻止せよ
祖国防衛主義に転落した社・共系平和運動をのりこえて闘おう!

 「戦時下の日米共同雪中演習阻止!」
結集する労働者に闘いの檄をとばす
道共闘の学生(2月17日,石狩川河川敷)
 「テロとの戦いについては、日本は米国と常に共にある」(二月十八日、日米首脳会談)――このようにブッシュ政権に誓約した首相・小泉は今、第二次大戦後初めての本格的参戦を果たした地平にふまえて、日米共同の中東・アジア侵略戦争遂行体制をさらに強化するために狂奔している。「初めに参戦ありき」とばかりに米英帝国主義のアフガニスタン侵略戦争への参戦を強行した小泉政権は、「テロ対策特措法」をタテとして自衛隊艦隊のインド洋への第二次派遣を強行し、今なおアフガニスタン空爆を続行し対イラク侵略戦争の準備をもおこなっている米・英の艦隊への燃料補給などの兵站活動を続けているのだ。そればかりではない。ブッシュ政権が一般教書でイラク・イラン・北朝鮮の三国を「悪の枢軸」とレッテル貼りし・これらの諸国家に侵略戦争を仕掛ける意志をむきだしにしたのに呼応し、これらの戦争に参戦するためにこそ、いまや有事法の整備を急いでいる。小泉政権は、三月末にも「武力攻撃事態への対処に関する法」(「武力攻撃事態法」)という名の有事法を国会に上程し、六月の会期末までに制定するために狂奔しているのだ。
 すべての労働者・学生諸君! 現在、小泉政権は、かの外相・真紀子切り捨て≠機にみずからレイム・ダック状態におちいり、ますます深まりゆく一方の大不況の泥沼に足をすくわれ「聖域なき構造改革」なるものの完全な破産をきたすとともに、経済諸政策上の無策無能をさらけだしている。それでもなお、この小泉政権は、アフガニスタン侵略戦争への参戦をなしとげたことに驕り高ぶり、有事法の制定を、さらには憲法改悪を一気呵成になしとげようと策している。しかも、労働者・人民の反戦・平和運動のいっそうの弱体化のゆえに、小泉政権のこの凶悪な策動が貫徹されかねない危機的状況にある。実際、「テロ根絶」キャンペーンに唱和しアフガン侵略参戦への道を掃き清めたのが社・共既成指導部ではないか。
 いまこそわれわれは、小泉政権が制定しようとしている有事法を「日本防衛のためではない」と非難しているにすぎない日共指導部の祖国防衛主義への転落を弾劾しつつ、アメリカ帝国主義の「対テロ戦争」の中東・アジア全域への拡大に反対し日本国家の参戦・有事法制定を阻止することを焦点的課題とする反戦・反安保闘争の一大爆発をかちとろうではないか!

以下、章見出し
「武力攻撃事態法」制定に突進する小泉政権

「対テロ戦争」を名分とした米日共同の侵略戦争遂行体制の強化

<有事法制定・改憲阻止、「対テロ戦争」拡大阻止>の広範な戦線を構築せよ!
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地獄からの使者
或るノンフィクション作家の肖像

平和運動フォーラム主催の集会を戦闘的に塗りかえる
(2月17日、石狩川河川敷)
 コケコッコー、とくれば、朝だよ。ホーホケキョ、とくれば、春だねぇ。これ、自分の指を口にくわえて鳥の鳴き声を真似る声帯模写。その名人芸第一人者の江戸家猫八師匠が他界したのは、昨年末のこと。
 この猫八さん、食べ物で鶏の肉だけは口にしなかったのだそうだ。「トリに食わしてもらってんだから」ってね。世ン中には、こういう物事の道理をわきまえた御仁がとんといなくなったねぇ。
 トリを食わない商売があるかと思えば、かたや、人を食った商売ってのがあるもんだ。その最たるものがノンフィクション・ルポライターってぇ商売。人の不幸をメシの種にしているてぇなぐあい。
 高山文彦、この御仁、「酒鬼薔薇聖斗」事件の犯人とされたA少年を、空想小説の主人公にして、クサイ筋にもらった情報をネタにあらぬストーリーを書きなぐって世の中に出てきたノンフィクションならぬデマフィクション・ライター。新潮社とグルになって、犯人に仕立てあげるためA少年をさんざんクイモノにした、その著書のタイトルは『地獄の季節』とか『一四歳の肖像』とかといったっけ。
 この男・高山は、A君がこの春にも社会復帰するという報道がでたとたんにまた騒ぎ始めた。「彼を超えるには彼を殺すしかない」(『女性セブン』)ってさ! これこそ、シャバに出てきたA君を消す≠ニいう神戸事件の真犯人の腹黒いたくらみがスケスケじゃねぇか。
 今度は、「産経新聞」(二月十七日付)の紙上で、こうだ。「頭を下げて謝罪し、償いを誓う勇気がなければ、社会に出てくるな」。アンタねぇ、何様のつもり? 「作家」の肩書きはずして、CIAスポークスマン≠フ札さげてもの言えっての!
 「出所したら被害者や遺族にだけは居所を教えるべきだ。いずれ私は彼に会いに行く。」被害者にだけ教えろという居所に何でアンタが行けるのさ。それもクサイ筋におそわるってぇわけ?
 で、A君に会って「書けとすすめる」んだとよ。「なぜあの酷たらしい殺害の対象が知的発育障害者でなければならなかったのか」を書け、なぁんて言い草には、差別主義者のアンタ自身のウス汚い本性が透けて見えるっちゅうの。A君の父や祖父の出自をストーカーよろしく追っかけ、奄美出身のコンプレックス≠ノ事件の淵源を描きあげてきたのが高山だ。そうやって神戸事件の真相と真犯人を闇の中に葬る、これがこのヤクザな売文家に与えられた仕事ってわけ。
 神戸小学生惨殺事件、このCIAが主導し実行した一大権力犯罪の犯人としてぬれ衣を着せられ獄につながれているA少年をこの春にも出所させるって動きは、いまブッシュ政権がCIAを再編するために、過去にCIAがひきおこした数々の謀略事件を清算するという思惑がからんでいるんや。この辺の話しは、本紙第一七〇六号五面や第一七〇七号五面を読んで下さい。
 神戸事件の犯人にデッチあげられたA君が社会に出てきて本当のことを語り始める、このことを何よりも怖れる者が、A君の出所を是が非でも阻止しようってわけ。その先兵が旧CIA≠フ回し者・高山なのだ。
 オイッ、高山よ、アンタもパトロンに見限られるまえに、テメエの犯罪行為を小説にしたらどうなのさ。ある作家の肖像・地獄からの使者≠ネんてドキュメントはいかが?
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「解党主義」の蔓延に喘ぐ断末魔のブクロ派残党を葬れ!

全東共の学生が米英の未臨界核実験を弾劾し、
両領事館への緊急抗議闘争に起つ
(2月15日、名古屋)
 国家権力の走狗集団・ブクロ=中核派がついに臨終の時を迎えている。いまこそ悶死寸前の走狗集団に止どめを刺すために、すべての同志諸君、勇躍決起せよ!
 わが同盟は、<9・11>事件の「評価」をめぐってイデオロギー的大混乱におちいり内部対立を招いた残存ブクロ派にイデオロギー的鉄槌を下すとともに、米CIAおよび公安調査庁のエージェントである宮崎学に骨の髄までしゃぶりつくされたスパイ集団=ブクロ派の反革命的正体と惨状を全社会的に暴露するイデオロギー的=組織的闘いを徹底的におしすすめてきた。わが同盟のこの闘いに完全に打ちのめされ組織倒壊のガケッ縁に追いつめられた残存ブクロ官僚どもは、ついに大錯乱をきたし、走狗のシンボルたる「日帝のアジア侵略を内乱へ」という党是を掲げることさえもできなくなったのだ。それだけではない。わが革命的左翼の走狗解体闘争に脅えに脅えたブクロ派残党は、まさに沈没寸前のボロ船からネズミがいち早く逃げ出すように手配師どもや下部活動家が続々と逃散したり、さらには残存ブクロ官僚に反旗を翻したりするような、文字通り阿鼻叫喚の地獄に突き落とされているのだ。スパイ通信こと「前進」の二〇〇二年新年号以来、ブクロ官僚どもが「解党主義的傾向との非妥協的闘争」を絶叫せざるをえなくなっていることに、右のことは如実にしめされているではないか。
 わが同盟への恐怖心にかられ組織崩壊への危機感におしひしがれている残存ブクロ官僚どもは、いまや、頓死間際の錯乱・譫妄(せんもう)よろしく、ブクロ派のアバラ屋内に「解党主義的傾向」がはびこっていることへの繰り言と呪詛をメタンガスのように噴きあげている。ブクロ長屋を震撼させた<9・11>事件の「評価」をめぐる大混乱と内部対立を、もはや恥も外聞もなくスパイ通信紙上で自己暴露しているだけではない。さらには、「党三原則の貫徹を」とか「財政思想の後退をゆるすな」とかと絶叫し、いまや機関紙発行体制を維持するための財政的支えすらもが決定的にピンチになっていることを自己暴露している始末なのだ。そしてまた、ブクロ派のこの崩壊ぶりの凄まじさのゆえに走狗集団の使い捨て≠ノ走りだした御主人=国家権力内謀略グループの意図、これを直感せざるをえなくなったがゆえに、この使い捨て≠フために動員されているブクロ派脱落分子=真正スパイの白井朗や小西誠にたいする呪詛を喚き立てている有様なのだ。
 そのうえさらに、かの<9・11事件>を「支持」するのか否かをめぐって生みだされたブクロ派残党内の大混乱・内部対立、その本質を完膚なきまでに暴きだしたわが同盟のイデオロギー的闘いに直撃されて、その内部対立はいよいよ収拾不可能なものに立ち至っている。スパイ通信新年号「政治局アピール」なるもので清水=天田「指導部」が混乱収拾のための窮余の一策としてうちだした「イスラム諸国人民と連帯し、アフガン・中東侵略戦争を国際的内乱に転化せよ」という「新たなスローガン」、これをめぐってブクロ派内の末期的対立が一段と拡大しているのだ。最近のスパイ通信第二〇四三号の第一面論文をはじめとした諸雑文・駄文のすべてにおいて、この「新スローガン」が何ひとつ掲げられていないことに、その大混乱ぶりが端的にさらけだされているではないか。
 まさしくわが同盟は、ブクロ派残党の最後の突っかい棒を真っ二つにへし折ったのである。七十八名ものかけがえのない同志・仲間たちの生命を奪われながらも二十八年間にわたってたたかいぬいてきた謀略粉砕=走狗解体闘争の最終的勝利を画すために、まさに最後のダメ押しの一打を叩きこむ時を、われわれはついに迎えたのである。本稿では、本紙第一七〇六号の久松論文につづくスパイ通信新年号「政治局アピール」批判の第二弾として、ブクロ官僚がうちだした「イスラム人民と連帯して国際的内乱へ」などという新=珍テーゼを完膚無きまでに批判しつくすとともに、ブクロ派残党の惨状とその本質を余すところなく暴露してやろうではないか。

以下、章見出し

〈9・11〉評価をめぐる内部対立と大混乱

路線的破産の自白

「解党」の危機にのたうつブクロ派残党に最後の鉄槌を!
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書評 熊谷英彦著 「神戸事件を読む―酒鬼薔薇は本当に少年Aなのか?」

闇の底に届かぬ光にもかかわらず
 表紙にかけてある帯のキャッチコピーに、これは世紀の大謀略だ!! 「少年A」は無実だ!!≠ニある。この言葉に端的にしめされているように、この本は、「神戸事件」の犯人とされたA少年は冤罪であり、これは大謀略事件であるということを、真っ向から論じている。
 世間を震撼させ、A少年逮捕であっけなく幕を引かれてしまったかのような「神戸事件」。それから四年半余を経た今日、A少年の「釈放」が近いことがマスコミによって報じられている(本紙第一七〇七号参照)。わが革命的左翼とその働きかけに心を動かされた各界の多くの人びとが、いまや神戸事件の真相究明を求めて起ちあがりつつある。神戸事件を覆ってきた闇が、ついに溶けつつある! そうであるからこそ、「釈放」に抵抗するとともに、彼の抹殺を予告する言動をふりまく部分もが立ちあらわれているのだ。
 このようななかで、われわれは、昨年五月に発行されていた『神戸事件を読む……』というこの本に注目する。というのも、A少年を犯人と断定した兵庫県警の捜査や神戸家裁の判決にたいする疑問を提起したり、これをさまざまな角度から告発する本が次々と発刊され続けてきたとはいえ、この本のようにA少年=犯人説を正面きって否定したもの、権力の謀略だと断定したものは、そう多いとは言えないからである。

以下、章見出し
これは世紀の大謀略だ!=\「究明する会」の暴露に依拠して

グリコ・森永事件、キツネ目の男との関連にも言及
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