第1682号( 2001年8月27日)の内容


<1面>
「防災」の名による今日版国家総動員体制の構築反対
9・1八王子・横田基地現地闘争に起て


<4面〜5面>
今日版産業報国会への完全転身の宣言
「21世紀連合ビジョン」の反労働者性

国際反戦集会への海外からのメッセージ

<2面>
首相小泉の靖国神社参拝弾劾!
8・13―15全学連が連続決起、北大生も即座に怒りの抗議

「つくる会」教科書採択阻止に起つ(8・7都庁)
8月10日の米英軍によるイラク空爆を弾劾し
米大使館への抗議闘争に決起した全学連(8月11日)

<3面>
国際反戦集会を成功的に実現(8・5)
北海道集会/東海集会

<6面>
北教組への大量処分攻撃を許すな
Topics 参院選大敗を居直る鷲尾

<7面>
自衛隊機「事故原因」の捏造と居直り
北海道警の不当逮捕・捜索弾劾!

<8面>
「NGOの世紀」の虚妄性 (下)
「グローバル資本主義の矛盾」を突破
する「21世紀の救世主」なのか?

万華鏡は休載し週間日誌は4、5面に掲載します¥()


解放」最新号



  

「防災」の名による今日版国家総動員体制の構築反対
  9・1八王子・横田基地現地闘争に起て

 石原東京都当局は九月一日に「東京都総合防災訓練――ビッグレスキュー東京2001〜首都を救え」を、「七都県市合同防災訓練」の一環として、かつ自衛隊の統合防災演習と連携して実施しようとしている。
 昨年、大災害時には「三国人」が騒擾(そうじょう)事件を起こす≠ネどと民族排外主義を煽りたてつつ、陸海空自衛隊員七一〇〇人を動員して「敗戦後日本で初めて」の「首都を防衛する大演習」などと称して治安出動訓練を強行した石原都当局。彼らは、昨年の「史上最大の防災訓練」なるものによって「大規模な防災訓練のフォーマットは半分できた」(都災害対策参与・志方俊之元陸将)という「総括」にふまえて、今年度は、多摩地域直下の大規模地震を想定し、「(1)区市町村の役割を重視し、地域レベルでの住民参加と防災機関相互の緊密な連携の実現、(2)警察・消防・自衛隊等の総合的な組織力・機動力の活用、(3)空中機動力を活用し、救出・救助、災害応急医療の実践的な展開」を直接的な目的として、「ビッグレスキュー東京」を強行しようとしている。とりわけ今年は、防災訓練では初めて米軍基地を、「人員、物資の広域輸送拠点」(=米軍横田基地)ならびに「都心地区医療機関への移送中継拠点」(=米軍赤坂プレスセンター)として利用することを計画しているのだ。
 そもそも、都知事・石原は、昨年にひきつづいて八月十五日の「終戦の日」に――首相・小泉が八月十三日に「前倒し」したことへの不満もあらわに――靖国神社を公式参拝した。それだけではない。彼は八月七日には、東京都教育委員会に都立養護学校の来年度の歴史・公民教科書として「新しい歴史教科書をつくる会」メンバーが執筆した扶桑社版教科書を採択させたのだ。
 まさに「東京から日本を変える」と豪語する都知事・石原は、「垂直倫理」=「国家への愛着」を備えた「無類な政治家」として尊敬する中曽根康弘と意気投合して、全国の自治体首長の先陣を切って、「新しい災害対策のフォーマット」に手をつけ、戦争賛美・戦争動員のイデオロギーを鼓吹しているのだ。そして、この「東京都総合防災訓練」と自衛隊の統合防災演習を、「危機管理体制」という名の今日版国家総動員体制を確立・強化する要として、首相(内閣官房・内閣府)の一元的統括のもとに遂行することをたくらんでいるのが、小泉ネオ・ファシスト政権にほかならない。
 だが、これにたいして、社共翼下の既成反対運動は、昨年に比しても低迷状況をあらわにしているといわなければならない。とりわけ日共の不破=志位指導部は、都議選と参院選における惨敗にうちのめされ、石原人気≠ニ小泉人気≠タテとした「ビッグレスキュー東京2001」の強行にたいして無対応を決めこんでいるありさまなのだ。われわれは、このような既成反対運動をのりこえて、「東京都総合防災訓練」に名を借りた今日版国家総動員体制の構築・強化の策動に反対してたたかいぬくのでなければならない。

自衛隊大動員による「防災訓練」の策動――「ビッグレスキュー 2001東京」

今日版国家総動員体制の構築・強化を狙う小泉政権

「真の防災対策」を要求する日共の腐敗

〈ネオ・ファシズム的反動化阻止〉の旗幟鮮明に闘おう!
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首相 小泉の靖国神社参拝粉砕に決起
8・13―15 全学連、労働者市民の最先頭で闘う
首相小泉の靖国神社公式参拝への怒りに燃えて全学連は
靖国神社大鳥居前で果敢な抗議闘争を展開(8月13日)
「軍国精神」の鼓吹を許すな! 靖国神社への
戦闘的デモをくりひろげる全学連(8月15日)

 八月十三日、首相・小泉は、当初宣言していた八月十五日を前倒し≠オて、靖国神社への公式参拝を強行した。中国・韓国などのアジア諸国の人民や政府からの激しい反発や日本の労働者・人民の反対の声を傲然と踏みにじった首相・小泉の暴挙にたいして、わが全学連の学生たちは、権力の弾圧と右翼の敵対・挑発を敢然とはねかえして、八月十三、十五日の二度にわたって「参拝粉砕」の抗議行動に怒りに燃えて決起したのである。¥()
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「つくる会」教科書──養護学校での採択阻止に起つ
たたかう学生が都教委会場を包囲
8・7 都庁

「つくる会」教科書の養護学校での採択阻止! 教育労働者と共に「人間の鎖」
で抗議闘争を展開する首都圏の闘う学生(8月7日、都庁)

 八月七日、首都圏のたたかう学生たちは、東京都教育委員会による「つくる会」教科書の養護学校での採択決定を阻止するために起ちあがった。この日、石原都当局の意を受けた反動教育委員どもは、午前九時三十分から予定されていた東京都教育委員会において、都立の養護学校での「つくる会」教科書の採択を決定することをもくろんでいたのだ。

以下、小見出し

追いつめられた石原都当局が暴挙

労働者と連帯して「人間の鎖」
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今日版産業報国会への完全転身の宣言
「21世紀連合ビジョン」の反労働者性

 <新東西冷戦>の傾動強まる現代世界は、民族=宗教的対立ともからみあった戦争の硝煙がただよい、国際金融恐慌の危機が切迫している。内においても、戦争準備の鐘の音が、軍靴の音が鳴りひびいている。この危機の中にあって、「連合」労働貴族どもと高梨昌や正村公宏などの「連合」御用学者どもは、昨二〇〇〇年十月に、笹森「連合」事務局長を主査とする「連合21世紀への挑戦委員会」の指針「21世紀を切り開く連合労働運動」(副題「21世紀連合ビジョン」)を発表した。
 この「21世紀連合ビジョン」(以下「連合ビジョン」と略記)は、第一章「現代と私たちの課題を直視する」、第二章「私たちがめざす社会」、そして第三章「いかに実現するか」の三章で構成されている。だが、あらかじめ結論を先取りするならば、その内実は、「現代の課題を直視する」と称して独占ブルジョアジーの危機意識を共有し、現存するネオ・ファシズム支配秩序の維持・強化を肯定するものでしかない。そのことは、「労働を中心とする福祉型社会」なるものを「連合ビジョン」を貫く基本理念として掲げていることに端的に示されている。
 しかも彼らは、この「連合ビジョン」を「21世紀における労働運動の方向性――その理念、ビジョン、道標を示すものであって、今後、連合およびそれに参加する構成組織、地方組織、単位組合の運動方針として具体化されなければならない」などと称して、「連合」傘下の諸労働組合におしつけようとしている。
 われわれ革命的・戦闘的労働者は、このような労働貴族どもの「21世紀連合ビジョン」の反労働者的本質を暴きだすイデオロギー的=組織的闘いを断固として労働戦線の深部から推進するのでなければならない。
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北海道警の二同志に対する8・8不当逮捕・捜索弾劾!

 八月八日に北海道警察本部公安三課と旭川・函館両方面本部は、わが同志二名を解放社北海道支社内において不当逮捕し、かつ支社社屋と同志たちの自宅の三ヵ所を不当にも捜索した。
 「免状不実記載」なる微罪ともいえない容疑をデッチあげ、解放社北海道支社社屋では実に六時間にもおよぶ不当捜索を強行したのだ。だが、わが同盟はこの逮捕・家宅捜索の不当性を暴きだす闘いを現場において断固としてくりひろげた。さらに記者会見をつうじてそれを明らかにするや、検察は、あわてふためいて二同志を翌日には釈放せざるをえなかったのである。
 それだけではない。道警は捜索現場において捜索に必要な物品を忘れたままほうほうの体で立ち去るという醜態をもさらした。そして、いまだに「忘れ物はしていない」と強弁し自己保身に汲々としているのだ。
 このような今回のきわめて政治的報復弾圧いがいのなにものでもない不当逮捕・不当捜索を、わが同盟は満腔の怒りをこめて弾劾するものである。

「つくる会」教科書・自衛隊機砲撃弾劾!
戦闘的闘いの高揚に対する報復的弾圧


 今回の「免状不実記載」なる「容疑」をデッチあげて国家権力・道警公安三課がしかけてきた弾圧は、とりもなおさず今年の春から夏にかけてわが同盟が北海道において、反戦闘争・教科書問題などいっさいの闘いを領導し巨大な運動上と組織上の前進をかちとってきていることにたいする、階級的・政治的な報復弾圧いがいのなにものでもない。
 すなわち、第一に、われわれは、教育改革三法粉砕の闘いや、アジア侵略戦争を「大東亜聖戦」と賛美する「つくる会」の教科書を不採択においこむ闘いを、わが同盟のもてる力を最大限に発揮し、全道のたたかう労働者・学生・市民とともにたたかってきた。そして、すでに周知のとおり北海道においてネオ・ファシスト中川昭一とタカ派文教族の町村信孝らの自民党代議士が主導する「歴史教科書」「公民教科書」の採択攻撃を完全に粉砕したのだ。
 第二に、われわれは、空自最精鋭の第三〇二飛行隊のF4戦闘機による北広島のリハビリセンターへの砲撃事件の真相を、労働者・人民のまえに暴きつくしたのだ。政府・防衛庁・空幕は「誤電流」物語でなんとかフタをしようとしたが、これをわれわれは許さなかった。現地調査を基礎に、それが「事故」ではなく、F4戦闘機二機がリハビリセンターを標的とした「砲撃」訓練をしているただなかでひき起こした事態であることを暴きだしたのだ(本紙第一六八〇号七面論文参照)。
 日米共同の戦争遂行体制をつくりあげるためにいかに反人民的な訓練をくりひろげているのかの実態の一端をもわが同盟に暴きだされた政府・防衛庁幹部は、顔面蒼白となりパニックに陥ったのだ。それだけではない。われわれは、小泉首相の靖国神社への公式参拝の強行を阻止するための闘いをつくりだしてきた。このような闘いをわが革マル派が、つねに労働者・人民の先頭に立って切り拓いてきているがゆえに、国家権力・道警公安三課は、わが同盟への階級的憎悪をたぎらせて組織破壊の報復的弾圧にうって出てきたのだ。
 不当逮捕された二名の同志はいま、道警本部長、そして道警を統括する堀道知事、さらに法務大臣・森山真弓らにたいして逮捕・捜索の不当性・不法性を明らかにし断固として抗議と追及の闘いを開始している。
 また、「忘れもの」を隠蔽している道警公安三課にたいしては、「忘れもの」を認めかつ不当逮捕・不当捜索を謝罪しないかぎり、「忘れもの」を返還しないと通告している。
 全国のすべての仲間たち!
 いわゆる「小泉ムード」なるもののネオ・ファシズム的本質を見ぬき暴きだし、日本労働運動の戦闘的再生と革命的学生運動の前進をかちとるために、わが同盟は、日本国家権力の一切の組織破壊攻撃を粉砕してたたかうのでなければならない。
 ともにたたかわん。
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