第1646号 (2000年11月27日)の内容


<1面>
12・3革共同政治集会に結集せよ
21世紀に向けて反スターリン主義運動の前進を切り拓こう!


<4〜5面>
OPEC諸国を抱きこんだ露(中)の「米帝独覇」への対抗
――原油価格高騰の政治的構図


<2面>
米軍機墜落事故を弾劾(11・14東京)
日米共同統合演習の最中に北海道奧尻島沖で
米軍機(F16)が衝突・墜落事故を引き起こした。
この演習中の事故への怒りに燃えて全学連の
たたかう学生はアメリカ大使館と防衛庁に弾劾の
闘いを貫徹した(11月14日)

饗庭野に演習阻止のうねり(11・5)

「改憲阻止」全道学生マーチ(10・29)
10月29日、北海道のたたかう学生は「日米共同統合
演習阻止」「改憲阻止」を掲げて、札幌市街デモに起った


愛大祭を盛大にかちとる(11・2〜5)

<6面>
Topics「連合総研」の新裁量労働制調査の欺瞞
「連合石川」指導部の裏切りを許さず年末一時金大幅獲得めざして闘おう
全逓本部がラインアップ講座を創設
「『学級崩壊』をどうする?」を読んで

<7面>
JR九州労の大量脱退の真相を怒りをこめて暴露する
――JR労働運動の前進のために総決起せよ

JR総連委員長・小田の埼玉県警への「告発」を
満身の怒りをもって弾劾する


<8面>
「中期事業計画」に全面協力するNTT労組指導部を弾劾せよ

<3面>
万華鏡2000――情勢の断層を読む
「仮面夫婦」の野望
謎の群発地震
IT聖地≠フ路地裏
ゴッドハンド? 生きた化石≠フ利用価値
三度目の不正直
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉



「解放」最新号





  

12・3革共同政治集会に結集せよ
21世紀に向けて反スターリン主義運動の前進を切り拓こう!

 アメリカを中心とするNAFTAとEUの両帝国主義ブロックに挟撃されて日本沈没≠フ危機に直面させられた日本帝国主義の政府・支配階級が、<自自>連立=「国難突破」内閣を成立させて以降二年、そしてこの<自自>連立政権のもとでガイドライン関連法や「日の丸・君が代」の法制化そして組織犯罪対策法などの反動諸法を成立させたことのうえにたって<自公保>連立政権を成立させて以降八ヵ月、二十世紀の最末期の今日、再び三たび自民党内の権力抗争と政界再編が開始された。数々の「失言」とスキャンダル、そして何よりもその無能さのゆえに、諸もろの世論調査で十パーセント台にまで支持率が低落した森内閣にたいして「国民の七五%が反対している内閣をすんなり支持できない」とぶちあげた加藤紘一の決起≠契機にして、自民党の分裂をもはらんだ「ポスト森」をめぐる激烈な権力抗争に一気に突入したのである。〔二十日夜に加藤と山崎が主流派に屈服し、内閣不信任決議案は否決された。だが森政権の「死に体」への転落は決定的になったのだ。〕
衆院での「臨検法」の採決強行を弾劾し、全学連は
国会前での緊急抗議闘争に決起(11月17日)
 二十一世紀における世界独覇をめざしてNMD・TMDシステムの開発・配備に狂奔するアメリカ帝国主義権力者、そしてこのアメリカ帝国主義に対抗してそれぞれに「二十一世紀の超大国」(中国)や「強い国家の復活」(ロシア)をめざして「反覇=反米」の同盟的結束をますます強めつつある中国・ロシアの権力者。この米―中・露の権力者どもの中東・ユーゴスラビア・朝鮮半島をめぐる政治的軍事的角逐の真っ只中において、日本帝国主義・森政権は完全に権威失墜をあらわにしている。そうであるがゆえに日本政府・支配階級は、「アジアの盟主」にのしあがることをめざして、日米共同の戦争遂行体制の構築と国内支配体制の反動的強化へと突進しているのである。だが、まさに右のような基本的方向においては一致しつつも、対外・対内の諸政策の具体化をめぐる政策的・イデオロギー的の対立を根底とする権力抗争にあけくれているのが日本帝国主義の政治エリートどもにほかならない。「ポスト森」をめぐる権力抗争と政界再再編劇は、まさにバブル経済崩壊以降、二十世紀末十年間にわたる日本帝国主義の低迷の惨めな集約的表現であると同時に、二十一世紀に向けて日本帝国主義国家 の危機突破の方途をめぐる政府・支配階級内部の対立の露呈であり、そのようなものとして労働者階級・人民にたいする新たな反動攻勢の号砲にほかならないのだ。
 すべての労働者・学生諸君! わが反スターリニズム運動に課せられた責務はますます重大である。「協力は不信任投票まで」(日本共産党)とか、「(加藤は)新しいものをつくりだす決意をすべきだ」(社民党)とかというように、自民党の権力抗争に淡い期待を抱きつつ無為無策ぶりをしめしているのが社共既成指導部にほかならない。われわれは、既成指導部の闘争放棄を弾劾し、労学両戦線から<改憲反対、一切のネオ・ファシズム的反動化阻止>の闘いを断固として創造しなければならない。二十一世紀に向けて日本反スターリニズム運動の前進をきり拓くために、すべての労働者、学生は、12・3革共同政治集会に結集せよ!
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ゴッドハンド?
生きた化石≠フ利用価値


 自分で埋めておいた石器を、後から発掘≠オて「新発見!」にしてきた某民間考古学者のお話はみなさん御存知のこと。
 で、大阪の西成あたりに、前期旧石器時代ならぬ一九七〇年代の生きた化石≠埋めておいて、それを見つけては大ゲサに騒いでいる考古学者ならぬペテン師どもがいる。そう、生きた化石≠フ「日本赤軍」重信房子とやらを逮捕したと、公安警察は「大てがら」に狂喜してみせているのだが、しかし、これってかの石器ねつ造≠フインチキと同じ類とちゃうやろか。
 大阪府警によると、重信房子は二、三年前から偽造旅券を使って日本に入国、中国を含むアジアと日本を複数回行き来していた、と(「東京新聞」十一月九日付)。あるいは、今年七月、警察に「ある内通者から重信が大阪にいる≠ニいう情報がもたらされた」のだが、公安警察は重信の面前まで行きながらも、当人を重信と特定できないままとり逃したなんていうお話が報道されている(『週刊新潮』十一月二十三日号)。なにやら、重信が日本に帰っていることは警察やそのスパイとか相当の人々が知っていて、ただただ公安警察が重信を「とり逃していた」だけのこと、ということになる。
 それともう一つ。重信がパクられた時に居あわせた「支援者の男性」とやら。報道では「警察が任意同行を求めたが拒否してたち去った」、そうな。フーン、ニッポンの国家権力・公安警察って、こんなに民主的で紳士的なのかいな? たたかう労働者・学生が「任意同行」という名で不当に強制連行されるときの暴力性とは大違い。早い話、「立ち去った男性」とやらが「内通者」だったんではないの?
 それから、逮捕されたあとの当の重信の軽薄なはしゃぎぶりときたら、日本帝国主義国家権力・公安警察にたいする憎悪も怒りもなんにもないことはありあり。おまけに、勾留理由開示公判で当人がしゃべったことはというと「本名で堂々とたたかう条件をつくりたかった」「来春には司直に身をゆだねてもよい準備をしていた」と、日本国家権力の法秩序にたいして従順に遵うというアピールばかり。
 当然マスコミは書きたてている。七〇年代の「世界革命」の夢破れ、革命家が投降≠ニ。でも、この「日本赤軍」の連中ときたら、七〇年代の当時からしてマガイモノ、まるっきり革命家でも左翼でもなかったんではないの。六九年の街頭武闘オンリー主義の妄動がパンクして日本から逃げだし、その後「連合赤軍」残党やアナキスト「狼」グループ残党や左翼でも反権力でもない純然たる刑事事件の受刑者やらの思想性も素性もあやしい連中をかきあつめて、リビアやイラクなどアラブの反米急進諸国家の諜報機関やソ連KGBに操られる「鉄砲玉」として利用されていただけのこと。およそ左翼組織のていもなさぬゴロツキ集団。この連中が口先で「世界同時革命」だの「反米帝」だのとほざくのは、百パーセントのかっこつけ。それ自体が国際階級闘争にたいする許しがたい冒涜。
 ところが、というよりだからこそ、というべきか、このインチキ「革命集団」を、いまでも狂信的テロ≠やりかねない「過激派」として宣伝しているのが日本の公安警察。ありもしない「奪還作戦」を警戒するとか、テメエがわざと逃がした「支援者」とそのグループを追跡するとかと言って、公安警察は、電話盗聴、Nシステム、労組・学生自治会・市民団体への監視・介入などなど、やりたい放題にやろうってんじゃないのか。
 しょせん発掘≠ウれたモノがインチキ「革命家」で、発見・発見と騒いでいる連中もペテン師公安警察。とくるとこの遺跡発見′、かの某民間考古学者がやったこととは比べられないくらいに悪質。でも、この「ゴッドハンド」のインチキが暴かれる日は案外近いのではないだろうか。
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OPEC諸国を抱きこんだ露(中)の「米帝独覇」への対抗
原油価格高騰の政治的構図

 一九九九年三月に石油輸出国機構(OPEC)が石油減産を合意して以降ジワジワと上昇基調が続いてきた原油価格は、今年九月二十日にはついに一バレル=三七ドル台という湾岸戦争いらい約十年ぶりの最高値を記録した。
 EU統合の条件として環境税(石油製品への高い課税)を導入しているEU諸国では、この原油価格の高騰の影響をうけてガソリン・軽油などの石油製品価格が急騰した。しかも、九月に入るや、これに反発した交運業者や農民の抗議行動がフランスから全欧州に瞬く間に波及し、各国政権を揺るがす一大事態が現出しただけではない。フランス政府が収拾のために燃料税を抜けがけ的に引き下げたことを契機にして、ドイツとフランスとの亀裂もうみだされているのである。
 アメリカのクリントン政権もまた三〇〇〇万バレルの戦略石油備蓄の取り崩しを決定(九月二十二日)せざるをえなくなった。これを機に投機筋の利食い売りから、原油価格はいったんは、一バレル=三〇〜三三ドル台で推移してきた。だが、それも束の間であった。中東・パレスチナ情勢が一挙に緊迫した十月十二日には、三週間ぶりにふたたび一バレル=三七ドルという高値に跳ねあがった。その後には反落したとはいえ、北半球が冬を迎え石油製品の需要が増大しつつある現在でも、一バレル=三二ドル台の高値を持続しているのである(十月三十日)。
 だが、特筆すべきことは、この原油価格の急騰をめぐって、新たな政治的構図が形成されつつあることにほかならない。すなわち、原油高の原因がOPEC加盟国の「共同減産」にこそあると非難するアメリカ帝国主義権力者にたいして、消費国での石油製品の課税やアメリカ系ヘッジファンドによる原油先物取引への投機こそが問題だと反発しているのがOPEC諸国権力者なのである。この対立は、イスラエル政府とパレスチナ自治政府の「中東和平交渉」の行き詰まりともからみあい先鋭化しているのだ。この対立につけこみ、OPEC諸国を「反覇=反米」の包囲網の一翼にくみこむことを策しているのがロシア(中国)である。とりわけ、OPEC総会に産油国としてオブザーバー参加しているのがロシアのプーチン政権なのだ。
 こうして、「世界唯一のスーパーパワー」を自任するアメリカ帝国主義と、その「一超支配」を打破するためにOPEC加盟諸国(対米自立℃u向を高めている権力者ども)との関係を強化しているロシア・中国との角逐が、石油資源争奪ともからみあってますます激化しているのである。
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JR九州労の大量脱退の真相を怒りをこめて暴露する
JR労働運動の前進のために総決起せよ

「四人組」を衝立てにしたJR九州労破壊の真相

 JR総連一部ダラ幹とJR労研中央事務局の一部指導部が結託して仕組んだ今回の九州労破壊を、われわれは満腔の怒りをこめて弾劾する。この前代未聞の労働組合組織破壊が、驚くべきことにJR総連委員長・小田、同書記長・山下、JR九州労委員長・北、JR労研中央事務局の一部指導部(代表・大方、事務局長・南雲、黒潮、飛田)の七人が仕組んだものであることを、われわれは断固暴露する。
 わが党は、全国のJR総連組合員に、そしてJR労働運動の中核部隊としてたたかいぬいているJR各単組の労研の諸君にたいして、破壊された労働組合組織の再建の闘いに、そして腐敗し変質したJR労研中央事務局の一部指導部をのりこえJR労研の再創造の闘いに敢然と決起することを訴える。
 明るみにだされた九州労からの大量脱退=JR総連破壊の真相は次の点にあるといえる。
 (1)七月に開かれた九州労研の場で、次のような条件のもとで「養殖組合との統一」という方針を腹あわせした。
 (a)「今後、組合員は分割・民営化時に匹敵する攻撃をうける。」そうなると、かつてのような「広域移動」での「解決」はできない。また、「組合員は、攻撃に耐えられる水準にない。」他方、「労研メンバーの組合主義的傾向」という問題もある。
 (b)いわゆる「平成採用」の組合員は、これまで二〇〇〇人中わずか九人しか獲得できていない。
 (c)こうして、「五年後には組合員が半減する」という状況のもとでは、今後を展望すると「養殖組合との統一」が最善の策である。
 (2)九月上旬に、JR総連委員長・小田、同書記長・山下、JR九州労委員長・北、労研中央事務局の指導部の大方、南雲、黒潮、飛田らが密談して「養殖潜り込み」という方針の最後的腹構えを決めた。だが、九月中旬には、この「潜り込み」方針を急きょ、「養殖へのなだれ込み」という方針に転換した。
 (3)ところで、九州労からの大量脱退事件の決定的問題は、次のような現実に端的に示されている。
 九月二十日ごろ、鹿児島地本前副委員長の平野幸敏(七月に退任)は、JR九州会社幹部である実兄(平野一美、現在、鹿児島支社事業開発課長)にたいして、鹿児島地本組合員の一定部分を「養殖」に潜り込ませるという意向を打診した。だが、この実兄は、弟である平野のこの「潜り込み」要請を拒否したうえで、あらためて会社上層部や「養殖」幹部の意向を体現しながら、「大量の人数を集めろ! 宮崎の組合員も入れろ!」などという逆提案をしてきた。(この逆提案は、本年三月頃よりJR九州労の一部のダラ幹どもによって試みられていた「養殖と九州労との統一」という陰謀と画策を原因とした、ひとつの結果にほかならない。)
 この逆提案を大方、南雲、黒潮、飛田らは、九月中旬にもたれたJR労研中央事務局の秘密会議で、「統一方針からなだれ込み方針」への「戦術転換」を具体化するものとしてうけとったのだ。実際、労研残存事務局メンバーは、会社経営陣のこの逆提案をば、自分たちの方針(=「なだれ込み戦術」)が受け入れられたものと錯覚して飛びついたというわけなのだ。「統一戦術から、なだれ込み戦術への転換」などと称しつつ。
 この「転換」を決定的区切りとして、九州労からの組合員の脱退は、全地本へと雪崩をうって拡大したのだ。(「なだれ込み戦術」に動員する組合員の数は当初「三十人程度」であったが、十月五日の六五一人から十月十七日には七三七人となった。)九州労委員長・北、副委員長・狩生らのダラ幹どもが、この「なだれ込み戦術」を直接的に指揮したのである。実際、九州労委員長・北は、九月二十日から九州労本部事務所から姿を消して、かの「四人組」をはじめとした各地本のボスどもの恫喝オルグに駆けずりまわっていたのであった。したがって、裏切り「四人組」は、七月以来密談をくりかえしてきた九州労委員長・北や一部労研事務局メンバーらの衝立てにすぎない。いいかえるならば、密談をくりかえしてきたものどもを隠蔽するために「四人組」を表にたてたにすぎない。
 だが、九州労組合員の脱退は、JR労研中央事務局の一部指導部と一地本前役員と会社経営陣とによって仕組まれたということだけではない。「養殖」=九州労組書記長・舩津の指揮の下におこなわれているのだ。事実、舩津は「脱退届を提出した組合員でも、尾っぽを振ってくるヤツは入れるが、そうでないヤツは入れない」などと公然とうそぶいているのだ。「加入届」の「留保」=宙づり≠ニいう事態はこの舩津の意向を端的に示している。こうした舩津の対応は、JR東海社長・葛西の尖兵としてJR総連破壊のために「養殖」組合「JR連合」に送り込まれた明石(「養殖」本部事務局長)の直接的指示にもとづくものなのだ。(ちなみに、舩津は、明石のもとで九四年から九六年までの二年間にわたって「養殖」本部企画・組織部長を務め、その後、九州労の破壊のために里帰り≠オた札付き男である。)
 この悲惨な現実は小田・山下・北らのJR総連のダラ幹と大方・南雲・飛田らの一部労研中央事務局メンバーが、葛西とその手先でもある「養殖」幹部・明石らネオ民同とからなる「統一司令部」の策略に、まんまとのせられたということにほかならない。まさにこれを「葛西の下女」になりさがったものどもの惨めきわまりない姿といわずしてなんといえようか。
 (4)そうすることによって北・杉山・狩生らの九州労のダラ幹どもは、十月一日から六日にかけて脱退四人組指導部(小椿、谷川、内川、一万田)をつくりだし、基本的に九州労の全組合員を「養殖組合」に「なだれ込ませる」という前代未聞の反労働者的行為をやってのけたのである。その際に彼らは、一〜二年後には定年退職するメンバーや、特定のメンバーおよび残存執行部を九州労に残し、残務処理にあたらせるということをも、脱退劇の陰謀・策略を隠蔽するという観点から実行したのだ。
 (5)右のことについて、九州労のOB会には、事の真相を「伝えない」、ということをも、北らの残存執行部は決めていたのである。
 このような実体的構造からして、小田・山下・北らのJR総連のダラ幹と大方・南雲・黒潮・飛田らの一部労研中央事務局メンバーが、九州労を崩壊させようとしてきた中心人物であることは歴然としているのだ。それだけではなく、九州会社会長・石井および「養殖」九州労組委員長・安井と、九州労委員長・北との密談があったことも確かな事実なのである。
(以下本紙参照)
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JR総連委員長・小田の埼玉県警への「告発」を満身の怒りをもって弾劾する

日本革命的共産主義者同盟・全国委員会   


(一)
 十一月十六日にJR総連本部は、執行委員長・小田裕司の名をもって「革マル派の犯行」を埼玉県警に告発したことを記者会見で発表した。「坂入充さんは政治党派革マル派構成員により連れ去られ監禁されているものと推測されます」などというそれじたい妄想でしかない「推測」を唯一の根拠として。だがたとえ小田が錯乱に満ちた「推測」にもとづいてではあれ、警察権力のもとにかけこみ革命的左翼を権力に売り渡すという常軌を逸した行動にふみだしたことを、われわれ革共同革マル派は絶対に許すわけにはいかない。われわれは、革共同革マル派にたいしてありもしない中傷を浴びせたばかりでなく、警察権力に屈服し哀願して革マル派への組織的弾圧をひきだした行為を徹底的に弾劾し、告発を撤回することを、JR総連委員長の小田に要求する。そして今日のJR総連の一部の幹部が動労型労働運動の伝統を泥まみれにさせた今回の行為の一切の責任をとることを要求する。

(二)
 小田裕司の「告発」の内実は、JR総連の一部の幹部どもがつくりだした妄想にもとづく虚構の物語以上でも以下でもない。じっさい、「以下記載する事実により……監禁されているものと推察されます」と称して列挙している三点の「事実」なるものは、いずれも坂入充さんの「監禁」を証明するどころか、逆にそのような「推測」を否定する「事実」ばかりなのである。
 たとえば、「一一月一一日に坂入充さん直筆の速達が自宅へ届きました。『捜索願いを即座に取り下げること』『総連、自然と人間事務局の関係各位によろしくお伝え下さい』などと記載されています」と、小田は紹介している。にもかかわらず、彼は何らの根拠も論証もなく、「このたびのことは『拉致』ではなく『自ら来た』ことを強調する隠蔽工作のようです。」という恣意的な彼の「判断」なるものを前述のことから導きだすのである。「のようです」というように、自信なげにつぶやきながら。坂入充さん当人の意志と意見を十分に承知していながら、これとは一八〇度逆さまの妄想を吹聴する小田をはじめとするJR総連の腐敗した幹部の言動は、倫理的にも、政治的にも、法律上も絶対に許されるものではない。

(三)
 深刻なことは、小田をはじめとするJR総連の一部の幹部が、今まさにJR総連を解体するための包囲網を国家権力―JR経営陣―養殖組合・国労などが張りめぐらしている厳しい情勢のもとにあって、警察権力に膝を屈し権力にとりすがってわが革マル派への弾圧を哀願するという前代未聞の反階級的行為に突進しはじめたことである。わが革マル派の原則的につづけてきた党内思想闘争をつうじて、九州労組合員の大量脱退問題の真相が明るみにだされることを、彼ら腐敗幹部どもが恐怖し自己保身に駆られたからといって、彼らの反階級的行為は永久に許されるものではない。ましてや、革マル派を警察権力に告発することによって、みずからは革マル派とは無縁であることを証明したいという思惑につき動かされた行為は、すでに破産を宣告されているではないか。
 二〇〇〇年十月七日の東日本旅客鉄道労働組合の声明を想起せよ。「組織破壊者どもよ、覚えておくがいい! 権力者に屈服と忠誠を誓う者に未来などない。戦争推進集団とともに暗黒の闇に沈むだけである!」
 小田をはじめとするJR総連の腐敗した幹部どもは、権力者の流布する反革マル・キャンペーンに屈服していることを行動をもってしめした。彼らはそうすることによって、このJR東労組の声明を踏みにじり、その精神にあきらかに叛旗をひるがえしているのである。
 にもかかわらず、彼らダラ幹どもはショボケた面をさらけだして、十一月十六日に「埼玉県警への告発を支持する」集会なるものを細ぼそと開催した。こうした行為はまさにJR総連の組合員を困惑させ意気消沈のどん底につきおとしたにすぎなかったといえる。事実、彼ら下部活動家たちは首をうなだれショボくれて、重い足を引きずっていたのだった。こうすることによって、彼らは組合員たちに国家権力への屈服を強制したのであった。このことは、憲法改悪に突進している権力の攻撃、ならびにJR九州労を発端として開始されたJR総連傘下の地方諸組織を解体するための総攻撃に断固として対決するという組合員の精神的武装を、内側からうち壊すことを意味するのである。
 いまや小田らのJR総連執行部は、「統一司令部」のドス黒い意図のもとに蠢くネオ「民主化同盟」にたいして、公然と塩を送っているのは明らかである。じっさい、JR連合の輩は「革マル疑惑の渦中にあるJR総連の恥部をわざわざ記者会見したり、連合の執行委員会の場で発言するのか」と、JR総連の分解を眼前にしてほくそ笑みあざわらっているほどなのである。いや、さらに、JR東日本労組の松戸支部や長野地本に襲いかかった警察権力は、小田らダラ幹どもの告発を絶好の餌食にしようとして、組合員たちを丸裸にする事情聴取をおし進めているではないか。
 JR九州労脱退劇を――鹿児島地本の前副委員長・平野幸敏とJR九州会社の鹿児島支社事業開発課長であるその実兄・平野一美の口車にのせられた――北委員長と結託しておし進めたのは、ほかでもないお前、小田裕司なのだ。この事実を歴史から抹殺することは決してできないのだ。JR総連の全組織を奈落に突き落としはじめた小田執行部は、今ただちに自己解体せよ。
 二十世紀末の厳しい内外情勢のもとで、敵を見誤ることによって、動労型労働運動の推進を内側から破壊する愚を直ちにやめよ。
 権力の謀略によって尊い生命を奪われた国鉄労働者たちの血の教訓を胸に刻め。戦後三大謀略を許した日本労働運動の悲劇的教訓を生きたものとせよ。警察権力に屈伏し哀願するダラ幹としてのおのれの行為を徹底的に恥じよ。
 小田は今ただちに告発を撤回せよ。JR総連傘下の単組のすべての執行委員はJR総連労働運動の破壊の責任をとれ。
 革命的マルクス主義の旗のもとに、二十一世紀の労働運動を断固としてきりひらけ! この闘いの先頭にJR総連はたて!

 二〇〇〇年十一月十六日
日本革命的共産主義者同盟・全国委員会
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