第1585号(1999年9月13日)本号の内容
<1面>
「改憲」に唱和し「救国」産報運動に突進する
「連合」中央を弾劾せよ!
<4〜5面>
走狗集団の断末魔とユーゴ反戦闘争の教訓
海外からのメッセージ(その3)
革命的社会主義(イタリア)/ユニオン・パシフィスト(フランス)/ベルギー労働者党
<2面>
沖縄で国際反戦集会(8・1)
早大当局の文連非公認化策動に反撃
<6面>
Topics 完全失業率 7月も4・9%
リポート労働戦線:造船重機労連大会で「日の丸」を掲揚/日共議員が野次に立往生/「日の丸・君が代」実施を強要する地域ボス(北海道・日高)/「不適格教員はクビ」!
<7面>
春闘の埋葬≠ノ狂奔した電機連合中央を許すな!
一時金切り下げに協力する電機労働貴族
<8面>
シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史 S
68年10月
米軍タンク車輸送阻止闘争
<3面>
99万華鏡――情勢の断層を読む
三本の矢でも……
「軍人」の原点
賞味期限切れ
奇怪な事件
「歴史的決断」!?
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
「改憲」に唱和し「救国」産報運動に突進する 「連合」中央を弾劾せよ! ガイドライン関連法、組織犯罪対策法、国旗・国歌法などの反動諸法を<自自公>体制のもとで強引に成立させた小渕沢政権は、いまその最後の目標としての有事法制定・憲法改悪へと突き進むための態勢を着々とうちかためつつある。しかも自民党総裁選および民主党代表選をめぐって、ネオ国家主義者グループおよび保守リベラリスト・グループの双方から「政界再々編」への思惑をこめた新たな蠢きが開始されるとともに、それらをつうじて、民主党右派(鳩山グループ)をも呑み込むかたちでの「改憲」への濁流が大きなうねりとしてつくりだされつつある。 それだけではない。小渕沢政権を支え、「産業再生法」や緊急の公的資金投入などの大企業救済策を要求してきた日本独占資本家階級はいま、こうした政府の救済策に助けられながら第二次リストラの大攻撃を容赦なく労働者階級の頭上にふりおろしている。まさしくこのゆえに失業率は四・九%と史上最高を更新しつづけ、労働者・人民は首切り・労働強化・雇用形態の改悪・賃金カット・「福祉切り捨て」などの諸攻撃に次々に晒されて塗炭の苦しみを強いられているのだ。 このような画歴史的なネオ・ファシズム的反動攻撃と空前絶後のリストラ・首切り攻撃が労働者階級を襲っているまさにこのとき、日本労働運動を支配する「連合」指導部の労働貴族どもは、この政府・支配階級の悪辣な攻撃に反対するどころかむしろ積極的に下支えする新たな「労働運動」の方針をうちだした。「連合」結成十周年を画する「連合」第六回大会(十月十四日〜十五日)にむけて、彼らがうちだした「『政治方針』見直しに関する中間報告」(以下、「『政治方針』見直し案」と略す)や「新運動方針素案」なるものがそれである。これらの方針は、「連合」が明確に「改憲」策動に唱和することを表明するものであり、そしてまた「あらゆるレベルにおける参加」の名において、社会的・産業的・企業的のすべてのレベルにおける「救国」産報運動を展開することを、またそのための労働組合としての「自己革新」をおこなうことを、公然と宣言するものにほかならない。 |
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奇怪な事件 捜査関係者も恐れる「闇の組織」 八月二十四日午前八時半すぎ、千葉県習志野市に在住する女子大生が自宅からわずか数メートルはなれた路上で何者かに拉致され、車で移送されたうえ同夜八時すぎに名古屋市内の愛知県警・中村署の真裏の路上で解放≠ウれる、という奇怪な事件が発生した。 被害にあった女子大生は「松本サリン事件」の犠牲者の妹であり、父親は、同事件の遺族らが東京地裁におこしているオウム真理教団にたいする損害賠償請求裁判の原告団の代表格≠つとめている。――となればこの事件、オウム教団が原告団を脅迫するために拉致した=Aというように見える。そして警察情報をうのみにしたマスコミも、またぞろ一斉に反オウム<Lャンペーンを開始している。 でもこの「事件」、オウムがやった≠ノしては、あまりにできすぎではなかろうか。 そもそも、被害をうけた女子学生の父親じしんが、元新聞記者としての直観にもとづいて「私はオウムがやったとは思っていません」と記者会見の場で明言している。しかも、この父親の発言を報じた写真週刊誌『FLASH』(九月十四日号)では、「オウム犯人説≠ノ否定的な声も多い」として、「仮にオウムの犯行だったら、解放することはありえない」「訴訟そのものだって、教団としては金ですむならさっさとカタをつけたいはず」という「全国紙記者」の声もが紹介されている。このように警察情報を信じこむことが多いマスコミの記者たちのなかでも、さすがに今回の「事件」については疑念が噴出しているようだ。 実際、犯人は拉致した女子大生を自動車に乗せて連れ去ったものの、「裁判から手を引け」などとおどし文句≠ひとこと口にしただけで十二時間後の同夜八時すぎには早ばやと彼女を解放≠オている。しかも、犯人は警察に通報しろ≠ニいわんばかりに、あえてこの女子大生を警察署の真裏の路地に放置した(犯人は車内から携帯電話で外部の者と連絡をとり、「ここでいいですか」と場所を確認していた、といわれている)。犯人グループの意図がはじめから警察沙汰≠引きおこすことにあったことがミエミエともいえる。 それどころか、先の『FLASH』記事では、「オウム捜査関係者」の声として、あからさまに「オウムを利用する闇の組織≠フ犯行」を示唆する見解が掲載されている。いわく「〔捜査関係者はみな〕国松狙撃事件を思い出して、不気味さを感じている」が「闇の組織の影を感じて、口に出せない」と。そして同記事の執筆者はこの発言を受けるかたちで、「公安の自作自演では」という記者の声を紹介している。 この「捜査関係者」じしんは「闇の組織」なるものを「ロシア・北朝鮮の特殊部隊」を指すものとしてカムフラージュしながら説明しているが、日本の権力機構の担い手が「ロシア・北朝鮮の特殊部隊」を「口に出せない」ほど恐れているなどというのはとうてい信じられない話。ここまで言えばこの闇の組織≠ネるものがCIAとも結びついた日本の謀略組織をさすことは、十二分に読みとれる。 今春期国会において組織犯罪対策法が成立したことをうけて、警察権力は、次はいよいよ破壊活動防止法の改定(適用条件の緩和)をなしとげることを狙っている。おりしもこの事件と同日に、オウム教団の破産管財人が教団にたいして「オウム真理教」の教団名やロゴマークの使用を禁ずる通告を発した。関東一円の各自治体当局がオウム信者の転入うけ入れを拒否する挙に出はじめ、官房長官・野中がこれを「超法規的措置」として容認する見解をしめしている。――これらのことから、今回の拉致事件の真犯人が何者であり、その意図がどこにあるのかは、おのずと見えてくるというものだ。 |
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8・1第37回国際反戦集会中央集会 特別報告 走狗集団の断末魔とユーゴ反戦闘争の教訓 欧州の社民党系諸政権をひき従がえ、七十八日間のユーゴスラビアへの空爆によってミロシェビッチ政権を屈伏させ、コソボ軍事占領にのりだしたアメリカ帝国主義権力者は、今これにつづいて東アジアにおいて新たな戦争放火の策動をくりひろげている。「テポドン再発射が間近い」という情報を流して騒動を演出しながら、日本海に空母コンステレーションを展開させ、佐世保にはイージス・ミサイル巡洋艦やミサイル追跡艦を入港させて、軍事的緊張を煽りたてている。この米軍の動きにあい呼応して、自衛隊も「北朝鮮攻撃の極秘研究の存在」をほのめかしているのだ。そればかりではない。クリントン政権は、江沢民の中国にも戦争挑発をしかけている。背後でCIAが組織化しているといわれている気功集団「法輪功」に反政府のデモンストレーションをおこなわせたり、台湾の李登輝をして「大陸中国と台湾は一つの民族のあいだの二つの国家関係」という挑発的発言をさせたりしたことにそれはしめされている。 クリントン政権の東アジアにおけるこの動きにあい呼応して、小渕沢政権は米日共同の戦争遂行体制を着々とつくりだすと同時に、今日版国家総動員体制を構築するために<自・自・公連立>を基礎にして、「日の丸・君が代」法案・組織犯罪対策三法案・改定住民基本台帳法案などを一気に八月上旬に参院で強行採決しようとしているのである。 だが、「議会内での力関係を変える」ために「野党共闘を拡大する」ことを最大の目標としている日共中央は、このために、民主党議員たちの御機嫌をうかがいながら「超党派の闘い」なるものを謳い文句にして、軍事大国化のための反動諸法案制定の策動に反対する闘いを「市民のプライバシー擁護」などの「憲法に保障された民主的権利」の擁護運動に歪曲・一面化しているのだ。このことにしめされているように、既成左翼は進展する米日共同の戦争遂行体制づくりにたいする危機意識を完全に欠如した平和ボケを呈している。われわれはこのような議会主義ボケ・平和主義ボケした既成反対運動をのりこえて、東アジアにおける米日の戦争準備に反対する反戦闘争を、憲法調査会の設置反対などのネオ・ファシズム的反動化に反対するもろもろの闘いと結合して、推進するのでなければならない。 しかも、国家権力の走狗集団・ブクロ派と青解派は市民団体の衣を被って反対運動のなかに潜りこんできたが、いまや走狗集団の飼い主どもの意向にも規定されて、解体的再編のまっただなかにおかれ、断末魔にあえいでいる。この権力の走狗集団=ブクロ派・青解派の最後的解体をかちとることも、わが革命的左翼の一つの任務なのである。 |
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