第1580号(1999年8月2日)本号の内容

<1面>
すべての労学は8・1国際反戦集会へ
  日米共同の戦争遂行体制づくり反対!
  ネオ・ファシズム的反動攻撃粉砕!

7・22国旗・国歌法案の衆院採決弾劾!
全学連が国会デモ

<4面>
労働者を生き地獄に突き落とす第2次リストラ攻撃

<5面>
敦賀原発冷却水漏出事故弾劾

<2面>
国旗・国歌法案の衆院採決に反撃
全学連第68回大会をかちとる
金沢公聴会(国旗・国歌法)阻止に起つ
盗聴法反対6・18大阪府民集会で奮闘

<6面>
Topics 99年版『労働白書』
リポート労働戦線:7・23「日の丸・君が代法制化反対!」大集会で奮闘
女性労働者に過酷な深夜勤務
福教組大会(6・5〜6)

<7面>
青解両派の「相互絶滅戦」を演出する国家権力
新学習指導要領
 教育課程の柱に徳育

<8面>
シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史
67年10・8 第1次羽田闘争

<3面>
99万華鏡――情勢の断層を読む
「永田町の怪談」
渾身の力作?
再びECHELON
歌は世につれ・・・・
ブクロ派分子の居眠り闘争
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉



「解放」最新号


  

すべての労学は8・1国際反戦集会へ

日米共同の戦争遂行体制づくり反対! ネオ・ファシズム的反動攻撃粉砕!

 小渕沢政権は、七月二十二日の衆議院本会議において、「日の丸・君が代」を法制化する国旗・国歌法案を、自民党・自由党・公明党の三党ならびに自由投票に回った民主党の約半数の賛成のもとに採決・可決にもちこんだのだ(賛成四〇三票・反対八六票)。「拙速反対・慎重審議」を弱よわしく要求するにすぎない社民党や共産党の指導部の対応にも助けられながら。
 時あたかもヨーロッパにおいては、アメリカ帝国主義主導のNATO軍の七十八日間にもわたるユーゴスラビア無差別爆撃が停止されたとはいえ、「国際平和維持部隊」(KFOR)という名のNATO同盟諸国軍がユーゴのコソボ自治州を占領している。このKFORの軍事的管轄下におかれたコソボでは、NATO軍の空爆とミロシェビッチ政権の「エスニック・クレンジング(民族浄化)」の強圧的展開によって相互に宗教的=民族的憎悪をいっそうかきたてられてきたセルビア系人民とアルバニア系人民とが血で血を洗う報復合戦を続けてさえいるのだ。
 東アジアにおいても、アメリカ帝国主義権力者が、「テポドンミサイル発射の危機」などと称して北朝鮮の「軍事的脅威」なるものをことさらに煽りたてつつ、米・日・韓の三角軍事同盟の強化を基礎にして、「ならず者国家」とみたてた北朝鮮にたいする戦争放火の機を虎視眈々とうかがっているのだ。しかも、クリントン政権は、中国の江沢民政権をゆさぶるために、台湾の李登輝をつき動かして「中国・台湾の二国家」論をぶちあげさせたり、中国による「ミサイル技術スパイ」疑惑を騒ぎたてたりしているのだ。これにたいして、江沢民指導部は李登輝を声高に非難するのみならず、対米強硬姿勢をもちらつかせているのだ。しかも「国内外の敵対勢力との政治闘争」などと称して、「法輪功」の非合法化措置という国内引き締め策を強化している。まさに中国もまた、アメリカの戦争挑発に警戒心をつのらせて、戦争準備に突入しているのである。
 このような「コソボ和平」成立以降の新たな国際的情勢のもとで、わが小渕沢政権はクリントン政権の戦争放火策動に呼応しながら、中国・北朝鮮を政治的・軍事的に封じこめるために、アメリカ帝国主義国家と共同して侵略戦争遂行体制の構築を急いでいる。そしてそのためにも、今日版国家総動員体制を構築することを目的として、反動諸法案の可決・成立にしゃにむに突進しているのである。実際、<自自公>連立政権=大臣のイスというエサ≠ナ公明を深ぶかと抱きこんだ小渕沢政権は、今国会の終了(八月十三日)までに、国旗・国歌法や組織犯罪対策法の制定および住民基本台帳法改定、さらには労働者派遣法・職業安定法の改悪に続く「産業再生法」の制定などを一挙になしとげようとしているのだ。
 にもかかわらず、日本共産党と社民党の指導部は、日米共同の侵略戦争遂行体制づくりに反対する闘いや一連の反動諸法の制定に反対する闘いを、「憲法=民主的諸権利の擁護」を要求する運動へとねじまげてしまっている。しかも彼らは、「国会内での力関係を変える」ための圧力手段に一切の大衆運動をおとしめているのだ。われわれは社・共既成指導部のもとにある反対運動をのりこえて、<NATO同盟諸国のコソボ軍事占領反対、日米共同の侵略戦争遂行体制づくり反対、「日の丸・君が代」法制化や組対法などの一切の反動諸法の制定粉砕>の闘いをさらに推進するのでなければならない。われわれはこれらの闘いを<ネオ・ファシズム的反動化阻止>の闘いに総集約し、もって小渕沢政権の打倒をめざしてたたかうのでなければならない。
 すべての労働者・学生は、右のような闘いをさらに推進するために、総力をあげて8・1第三十七回国際反戦集会の成功をかちとろうではないか。

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「永田町の怪談」
お望みなら、あなたについて申し上げることは……

 「学校の怪談」という映画があったが、それより恐い≠フが「永田町の怪談」、とは政界雀たちのもっぱらのうわさだが、これは、実は「怪談」というよりも、怪しげ≠ネ話。盗聴法の成立に血眼になっている小渕内閣の官房長官が盗聴疑惑≠ナ追求されて、「盗聴などしていない」と気色ばんで弁明するという一幕が国会で演じられた。
 ことの発端は「野中VS石井」の「大ゲンカ」。七月十四日の衆院予算委員会。民主党の石井一が「自自公連立」を槍玉にあげて、官房長官・野中広務に「亡国の独裁者とまで批判した小沢一郎と連立を組んだのは変節だ。厚顔無恥だ!」と迫った。これにたいして野中が、「自民→新進→民主」と渡り歩いた石井の経歴をとらえて「あなたほど変節ではない」と逆襲。加えて「お望みなら、あなたについて申し上げることはたくさんある」と凄みをきかせた。この言葉に激昂した石井が「脅迫だ!」と詰めよった。
 議場は騒然。ヤジと怒号のなかで、かつて自民党竹下派に属した者同士の、近親憎悪≠゙きだしの応酬となった。ここまでが前哨戦。
 それから一日おいて十六日、この「ケンカ騒動」が意外な方向に発展≠オた。
 雇用問題で質問にたった民主党・平田健二が、突然、話を転じて十四日の野中の発言をとりあげた。FBI長官フーバーが盗聴で政敵の弱みを握っていたことを引き合いに出して、盗聴しているだろう≠ニいわんばかりに、「権力にあるものが『お前のことは何でも知っている。いらんこというな』という危険性があるのが盗聴法だ」「国会の場で脅迫まがいの発言をすることは許されない」と追及。
 ドンズバ核心を突かれた野中がうろたえながらも気をとり直して「通信傍受などで石井議員の何かを言おうとしたのではない」と言い返す。危機意識にかられて国家公安委員長・野田毅(自由党)が「官房長官の発言と通信傍受法案は関係がない。関連があるかのように言うのは聞き捨てならない!」と気色ばむ。平田は、したり、とばかりに「権力の中枢にある人、捜査当局の人は、法案などなくても何でも盗聴できる。そうでしょう!」と、さらに追及……。
 かくして、国会の場で、時の政府の中枢・内閣官房長官が追及されて「盗聴するだろう」いや「しない」とやりあうという、異例の大激論となった。
 「野中VS石井バトル」から突然「閣僚の盗聴」問題に飛躍して、政府の要人たちがムキになって反論しはじめたものだから、テレビ中継を見ていた「善良な国民」は、これはいったい何事か、と思ったかもしれない。だが実は、当の国会議員たちにとっては、これは何ら驚くことではなかったのだ。
 「警察官」を名乗る「告発」投書に端を発したかの「保坂議員盗聴問題」で、自民党は、「国会内自民党記者クラブのテレビ朝日の電話」が盗聴されたというテレビ朝日の発表に、「自民党が関与しているかのような誤解を与える」と、あわてて抗議した。そして民主党は「衆院の各会派控室や議員会館、議員宿舎などの電話が盗聴されていないかどうかを調査する」ことを衆院議院運営委員会に要求したという。
 何のことはない。陰謀うずまく国会の中では、いつでも、どこでも「盗聴」されるのだということを、一番よく知っているのが、当の国会議員だということ。元はといえば自民党員であり、その手口を熟知している石井一の疑心暗鬼ぶりは想像できるというものだ。こう考えると、かの「ケンカ」の顛末も納得がいく。
 「野中VS石井」を発端にしてくり広げられた官房長官追及劇は、はからずも、「自自公連立」をめぐる政界再編の陰謀と自民党・権力者たちのダーティーな手口を、テレビ画面をつうじて「国民」の前に露わにしたというわけだ。
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労働者を生き地獄に突き落とす第二次リストラ攻撃

 いま、日本の諸独占体は、メガ・コンペティション時代における生き残り≠かけて、「大不況からの脱出」と「高コスト体質の打破」「競争力の強化」のためと称しつつ、第二次リストラ大攻勢をかけている。だが、「高コスト体質」とは、バブル経済期に諸独占体が金融投機と野放図な設備投資拡大・多角経営化に走ってきたことの必然的帰結ではないか! そして長期大不況も、諸独占体が「減量リストラ」の名による大量首切り・低賃金攻撃を強行してきたことを最大の要因としているのではないのか! それにもかかわらず独占資本家どもは、みずからのビヘイビアが招いた破綻のツケを労働者におしつけ、これまでにもまして過酷な犠牲を強制し、労働者を生き地獄に突き落とそうとしているのだ。今こそ第二次リストラ攻撃を打ち破り労働者の階級的団結を打ち固める闘いを創造しようではないか!
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青解両派の「相互絶滅戦」を演出する国家権力

 権力の走狗・青解派が千木良派と山茂派に分裂し激烈な抗争をつづけているなかで、両派それぞれの中心人物どもが何者かに襲われ、死亡あるいは重傷を負うという事件が相次いでいる。六月四日に山茂派の頭目・山田茂樹が何者かに襲われて重傷。七月二日に千木良派の長田佳比古(旧姓荻野)が襲われて死亡(ほぼ即死)。七月二十一日には山茂派の相川一郎が襲われて二日後に死亡。
 これらの襲撃事件は、あたかも青解両派の抗争がついに殺り合い≠ノ発展したものであるかのようにマスコミによって宣伝されている。だが、青解両派のイザコザが各地で生起しているのは事実であるとしても、先のような殺人襲撃は、青解派特有の直情的にして散発的なイザコザとは、その手口がまったく異なる。移動中のターゲット≠的確に捕捉し、白昼公然・衆人環視のもとで確実に殺害するというこの手口は、まさしく殺しのプロ≠フものであり、全国からかき集めても三十数名の千木良派や、同じく五十名程度の山茂派などにはとうていなしうることではない。
 明らかに、これらの殺人襲撃事件は、青解両派じしんが重々承知しているとおり、権力内謀略グループの手兵が手を下したものにほかならない。権力内謀略グループは、すでに走狗として使いものにならなくなった青解両派を最後的に使い捨てるための解体的再編を狙って、両派の抗争を煽りたてようとしているのだ。それだけではない。このような青解両派の抗争という装いをとって、謀略グループとのつながりをもち謀略の構造の一端を知っているスパイ分子どもを、用済みのスパイ≠ノたいする当然の措置として処分≠オようとしているのである。
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