第1915号(2006年4月24日)の内容
<1面>
反基地反安保闘争の大爆発を!
破産した日共系の「自治体ぐるみの米軍基地反対」運動をのりこえて闘おう
<4面>
「護憲・格差是正の党」としての復権
―社民党第10回大会―
<2面>
辺野古新基地「V字滑走路案」の合意弾劾(写真へ)
「米軍機訓練場の移転反対!」
小松基地闘争に500名が決起(4・2)(写真へ)
<3面>
教育基本法改悪を阻止せよ
<5面>
改憲翼賛・リストラ協力のUIゼンセン同盟本部を弾劾せよ
セル生産の徹底化でノルマ増
<6面>
労使一体で演出されたトヨタ春闘
富士通「賃上げ1000円」の欺瞞
Topics 老人は病院から出て行け
<8面>
『祖国』を読んで。
◆うた ハンガリア革命50年
<7面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
◆団団、円円
◆「ゆとり」論者の無節操
◆数千の戦術的誤り
◆SOF
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
反基地反安保闘争の大爆発を! 破産した日共系の「自治体ぐるみの米軍基地反対」運動をのりこえて闘おう 小泉政権は、日米外務・防衛審議官級協議(四月十三〜十四日に開催)を前にして、防衛庁長官・額賀を沖縄に派遣し、名護市長・島袋にたいして、辺野古沿岸にV字型滑走路をもつ米軍新基地を建設するという政府の修正案を提示し、ついに受け入れさせた(四月七日)。これを区切りにしてこの政府は「地元との合意はできた」などと傲然と宣言し、沖縄県知事・稲嶺にたいしても政府案に同意するように恫喝をかけている。それとともに、当初予定(三月)よりも大幅に遅れて五月二日に開催される予定の日米安保協議委員会(2プラス2)において米軍再編にかんする「最終報告」を発表し、「日米新安保共同宣言」を謳いあげようとしている。 名護市長・島袋につづいて、「SACO〔日米特別行動委員会〕合意にもとづく一九九九年の海上基地案こそが正当」と主張しつづけてきた沖縄県知事・稲嶺も、いまや小泉政府の強圧に屈し米軍新基地建設案を受け入れる腹づもりを示している。まさにこの事態は、代々木共産党の不破=志位指導部が組織化してきた「米軍基地強化反対の一点での自治体ぐるみのたたかい」という名の「基地の整理・縮小」要求運動の完全な破産を告知したのである。 それにもかかわらず代々木官僚は、この歴然たる破産を取り繕(つくろ)うために、あくまでも「これまでSACO合意に賛成してきた人」(稲嶺・島袋ら)とも一緒になって「島ぐるみで基地強化反対の大同団結をつくる」ためと称して、今度は「巨大化した沿岸案反対の一点」での共同をすすめよと下部党員たちに号令しだしている。なんたる破廉恥! 米日両権力者どもによる在日米軍基地の再編強化に反対し決起している労働者・学生・人民の闘いは、まさにいま正念場を迎えている。わが革命的左翼は、<反安保>を完全に投げ捨てた日共系の「米軍基地機能強化反対」運動をのりこえて、いまこそ<日米新軍事同盟の構築反対・憲法改悪阻止>を掲げて反戦反基地・反安保闘争を断固として推進するのでなければならない。すべての学生は、わが革命的左翼の旗のもとに結集し、首都での4・30米大使館・国会包囲闘争をはじめとする全国各地での全学連の闘いに決起せよ! 以下、見出し 辺野古に巨大軍事基地建設を策す米日権力者 「中国封じこめ」のための日米新軍事同盟の構築 憲法・教育基本法の一挙改悪に突進する小泉政権 <反安保>の戦列を拡大・強化せよ |
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政府・名護市当局による辺野古新基地「V字滑走路案」の合意弾劾 知事尻押し運動をのりこえて闘おう! すべての労働者・市民・学生のみなさん! 三月二十一日以降、政府防衛庁との公式協議を積み重ね、政府案受け入れ公表のタイミングをうかがっていた島袋名護市長は、四月七日、額賀防衛庁長官が提示した「V字滑走路・沿岸案」を受け入れた。そして、金武、恩納、宜野座、東の四町村長も島袋につき従い、政府案を受け入れたのだ。 われわれは、政府防衛庁・名護市当局のこの暴挙を満腔の怒りをもって弾劾する。 |
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教育基本法改悪を断固阻止せよ 日教組中央の「教基法調査会」設置要求運動をのりこえて闘おう! 教育労働者委員会 「愛国心」を盛りこんだ自公の「改正」案 四月十三日、小泉自民党は、「我が国と郷土を愛する態度を養う」と称する「愛国心」規定にかんする玉虫色の表現をもって公明党を妥協=屈服させ、教育基本法改定案を決定・発表した(「与党教育基本法改正に関する協議会・最終報告」)。愛国心教育と教育への国家統制の復活を公然と謳いあげたこの教育基本法改悪案の本質は、日本ナショナリズム=国家主義イデオロギーを青少年たちに付与するための今日版教育勅語≠ノほかならない。 いまや小泉政権と自民党は、「戦争をやれる国」への飛躍をかけて、ブッシュおしつけ憲法の制定(そのための国民投票法の制定)や教育の憲法≠スる教基法改悪、労働法制の憲法≠スる労基法改悪などを、日米新軍事同盟の構築とともに、一気呵成に強行しようとしているのだ。 |
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『祖国』を読んで。 飽食の時代と言われている現代日本における国民の精神的頽廃にたいして、激しい憤りを迸(ほとばし)らせる福島泰樹。 それに共感しつつ、日本民族が培って来た「歌と物語」の心を現代に蘇らせることの意義を説く岡野弘彦。 この二大歌人の対談は私に新しい境地を切り拓いてくれた。 |
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団団、円円 海峡を越えられなかった熊猫 一年間にわたってくりひろげられてきた、中国から台湾への二頭の熊猫(パンダ)「贈呈」をめぐるスッタモンダ。三月三十一日に、陳水扁は、中国・胡錦濤にパンダ受け入れ拒否を意思表明。これで「パンダ贈呈騒動」は大団円? 政争の具にされたパンダにしてみればいい迷惑。ことの発端は、野党・国民党の連戦が訪中(昨年五月)した際に、胡錦濤が「国共合作」の象徴として、パンダを台湾に「贈呈」すると申し出たこと。中国が外国にパンダを贈る際には、ふつうは希少動物の国際取引を禁じた「ワシントン条約」にもとづいて、貸与という形式を取る。今回胡政権があえて台湾に「贈呈」することにしたのは、「一つの中国」を認めない陳水扁を揺さぶる思惑を込めてのこと。中台間のパンダの取引は、あくまでも「国内取引」の枠内であって、条約には抵触しないというわけだ。 しかも二頭の名前は、離散した肉親が再会するという意味の中国語「団円」にちなんで、「団団」と「円円」と名付けられたのだから、「(中国は)ワシントン条約を遵守しろ」と陳水扁がパンダの受け入れを断固拒絶したのもさもありなん。 春節(旧正月・一月二十九日)の総統演説において陳水扁が掲げた「今年の三大目標」。それは、@「国家統一綱領」の廃止、A台湾名での国連加盟、B新憲法の制定。これにもとづいて、「国家統一綱領」を事実上廃止(二月二十八日)。また与党・民進党は、新憲法制定にむけて四月から党草案の検討に入ったり、台湾海峡危機(一九九六年三月)から十周年にあたって、「(中国への)併合反対」「民主主義擁護」を掲げた官製デモを組織。胡錦濤政権からの「台湾独立綱領」の放棄を条件にした対話の提案にたいしては、「中国と台湾は『一辺一国』(別々の国)だ、台湾に、ああしろこうしろというのは誠意に欠けている」とニベもなく突っぱねた。 この陳政権・民進党にたいして、中国政府は「独立勢力と独立活動に断固反対し、これを抑えこむ」(賈慶林、三月三日、人民政治協商会議)とか、「祖国統一はすべての中国人の共通の願いだ」(首相・温家宝、三月五日、全人代)とかと恫喝をもって応えた。 陳水扁が中国からの独立指向を今日ことさらに強調し、「一つの中国」を標榜する国民党との違いをおしだしているのは、直接的には二〇〇八年の総統選をひかえて、高支持率を得ている馬英九の国民党に政権を奪取されることを恐れているからだ〔国民党はすでに立法院(国会)の過半数の議席をおさえている〕。そしてなによりも、台湾併呑を企む北京官僚が、この国民党と連携しつつ、次々に仕掛けてくるアメ≠ニムチ≠フ攻勢に焦っているからなのだ。 このかん中国政府は、陳政権を揺さぶるためにあえて国民党との協議を重ね、そこで「約束」したものという形式をとって、台湾産の果物についての「輸入ゼロ関税」措置をとったり(二〇〇五年八月)、台湾企業の対中国投資をさらに拡大・促進するために、台湾の対岸に位置する福建省に「経済特区」を建設する構想をブチあげたりしてきた。これらは、経済をテコに統一を促進するという意味の「以商囲政」政策の一環なのだ。そして同時に中国政府は、台湾有事に備えて人民解放軍の現代化・ハイテク化を着々と進めている。 こうした中国政府による台湾併呑のための権謀術数に、いらだちを強めているのがブッシュ政権。彼らはこの三月に、馬英九・国民党主席をワシントンに異例の厚遇で迎え、米製最新兵器の購入を公約させた。ブッシュ政権は兵器をエサに馬をひきつけ、国民党内の米製兵器購入に反対する部分と馬との間に亀裂を入れることを策している。もって中国政府との関係強化をすすめる国民党を弱体化させることを狙っているのだ。 「一つの中国」をかかげて台湾併呑を企む中国政府と、「中国のライバル化阻止」に躍起のブッシュ政権。「大団円」などは夢のまた夢≠ニいうべきか。 |
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「V字沿岸案合意弾劾!」4・11労学住民が決起(名護市役所前) |
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「島袋の裏切りを許さない!」名護市役所前に結集した労・学(4・5) | |
「米軍機訓練場の移転反対!」 労働者・市民500が怒りの決起 小松基地前でシュプレヒコールをおこなう労働者・市民(4・2) |
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