小泉政権による「公務員制度改革」を粉砕せよ !
 ネオ・ファシズム的「公務員制度改革」を補完する「連合」指導部
 を許さずにたたかおう!


 集会に結集した労働者のみなさん!
 「構造改革の断行」を叫ぶ小泉政権は、「公務員制度改革の大枠(案)」を決定したことにふまえて、いよいよ「基本設計」を策定しようとしている。
 だが、あろうことか自治労本部をはじめとする「連合」官公部門連絡会と「連合」の指導部は、政府・行革推進事務局が“交渉”に応ずる姿勢を示していることに、“改革のパートナー”として認めてもらおうと飛びつき、政府の「公務員制度改革」を丸ごと容認しているのだ。そのうえで、みずから条件を付けた労働基本権や、労使協議制度を与えてくださいと弱々しく要求しているにすぎないのだ。他方、自治労連指導部は、「公務員制度の民主的改革」を掲げて攻撃を補完しているにすぎないのだ。
 情勢はまさに危機的である。われわれは、「身分保障」の廃止や「信賞必罰の人事管理」の導入に屈服する「連合」官公部門連絡会指導部、自治労本部を弾劾し、公務員制度の改悪を阻止するために奮闘しようではないか!

 首相専決の行政システムにふさわしい公務員制度への
 改悪を許すな!


 小泉政権は、中央省庁の再編をつうじて首相専決の政策決定・遂行システムをつくりだしてきたことにふまえて、「行政改革」に「魂を入れる」などといいながら公務員制度の抜本的改悪に突き進んでいる。じっさい、彼らは、「21世紀にふさわしい『この国のかたち』を再構築」するために、「新しい時代に合致したあるべき姿を白紙から構想し実現する」と豪語しているのだ。
 政府・権力者は、「大枠」において、第1に、大臣を「人事管理者」として明確に位置づけた。同時に、「国家的見地からの戦略的な政策立案」をおこなうために、各省庁の枠を超えて、また民間から人材を抜てきして、「国家スタッフ群」や各府省大臣を直接補佐するスタッフを組織することを打ち出したのだ。
 第2に彼らは、行政機構のスリム化=公務労働者を一挙的に削減してゆくために、「最小の税金で最大の効果をあげる組織をめざす」といいながら、「企画と実施の両部門の機能強化」を盛りこんだ。
 第3に、「すぐれた能力を示し、大きな業績をあげた者は高く処遇される一方、組織に安住して職務をまっとうしなかった者は厳しく処遇される信賞必罰の人事制度を確立」することをうちだした。彼らは、「目標管理の徹底」と統一して、政府がうちだした政策にもとづいて業務を忠実に遂行する公務員を育成しようとしているのだ。
 まさしく小泉政権は、「国家的な見地からの戦略的な政策立案」の機能を高度化するとともに、政府各省庁がかかえている特殊法人や公的サービス部門を縮小・統廃合するとともに、業務の徹底した見直し、民間委託などによって公務労働者の一挙的な削減をねらっている。そして、彼らは、公務労働者の意識と行動様式を<国家に奉仕する公務員>へと徹底的につくりかえることを目論んでいるのである。

 政府の公務員制度改革を補完する「連合」官公部門連絡会、
 自治労本部を弾劾せよ!


 小泉政権が、「強い国家・小さな政府」という理念にもとづいて首相専決の行政システムづくりの総仕上げにのりだしているときに、「連合」官公部門連絡会・自治労の指導部は、「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けた私たちの提言」なるものをうちだして、「痛みをともなっても」「改革に背を向けるな」などと組合員に号令してまわっている。彼らは、小泉政権が画策している公務員制度の改悪を下から支え、補完する役割をみずからかってでているのだ。
 じっさい、彼らは、「民主的な公務員制度改革」のためと称して、みずから進んで「内閣のリーダーシップが貫徹するような制度に改める」ことを提言している。それだけではなく、「国家戦略スタッフ群」などは一般職ではなく「政治任用職」として対応すべきであり、不正な行為があった場合には国会による弾劾制度でやめさせるべきだ、などと語っているほどなのだ。
 さらに、彼らは、「身分保障の廃止」については、独占資本が民間労働者の大量解雇を強行する際に正当化する根拠となっている「整理解雇の四要件」を「法制化」せよと要求しているだけなのである。そもそも彼らは、あらかじめ「身分保障の廃止」は容認したうえで、その代替措置をどうするかと問題をたて、労働基本権の回復を、しかも条件つきのそれをみずから要求して恥じないのだ。じっさい、彼らは、あらかじめ「争議権の行使にかんする調整のあり方について検討する」とか、賃金・労働条件の決定について「『民間準拠の原則』を確認し、国会での承認・確認するシステムについて検討する」とかと条件つきで要求しているのだ。そのうえで彼らは、労働基本権の回復について、「行政にたいする内部からのさまざまなチェック機能をつくっていく」と称した「労使協議制の制度化」を要求することに実質上は解消しているにすぎないのである。
 この根拠は、彼らが「日本の社会経済情勢が大きく変化するのに対応して公務員制度を抜本的に改革することは必要」だ、と政府・権力者とまったく同じ土俵の上にたっているからである。また、彼らが、「21世紀の社会にふさわしい公共サービスの担い手として自己改革していくことをめざす」と宣言してさえいるからなのだ。

 ネオ・ファシズム的反動化に反対してたたかおう!

  われわれは、小泉政権による公務員制度改悪を下支えする「連合」官公部門連絡会指導部や自治労本部を弾劾してたたかおうではないか。こんにち政府・権力者が、「公務員制度改革」にのりだしているのは、「行政改革」に「魂を入れる」と称して、「国家的な見地からの戦略的な政策立案」と政策遂行の機能を強化しようとしているだけではなく、財政危機のもとで行政機構のスリム化=公務員の一挙的な削減を目論んでいるからにほかならない。さらに、よりいっそうの労働強化と、落ちこぼれにたいする賃金カット・降格、首切りを準備する「信賞必罰の人事制度」の導入が企まれている。このような反動的なねらいを暴きだしながら、小泉政権による公務員制度の改悪に反対してたたかおうではないか。
 また、靖国神社への公式参拝や集団的自衛権の行使の承認、そして歴代首相の誰もが口にしなかった「憲法改正」などを言い放つ首相・小泉の唱える「この国のかたちの再構築」とは、アメリカと共同した「戦争のできる国」づくりをめざすものにほ
かならない。そして、この政策を遂行するにあたっての中心環が、小泉政権による公務員制度の改悪にほかならない。
 われわれは、公務員制度改革に反対するたたかいを<ネオ・ファシズム反動化阻止>の方向性を鮮明にしつつ、有事法制定・安保強化に反対し、教育基本法の改悪や憲法改悪を阻止するためにたたかおうではないか。

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