すべての労働者・学生・市民のみなさん!
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米軍ヘリ墜落事故を弾劾する県学連の学生(8月13日) |
8月13日午後2時15分ごろ、宜野湾市宜野湾の沖縄国際大学1号館(本部棟)に、訓練中の米海兵隊ハワイ・カネオヘ基地所属のCH53Dヘリ1機が接触、学内の敷地に墜落し、爆発・炎上するという戦慄すべき軍事事故が発生した。
事故から3日たった現在(8月16日)も、現場は事故当時の恐るべき惨状を露わにしている。
無惨になぎ倒された木々。焼け爛れて散乱した機体の残骸。プロペラでえぐり取られたビルの生々しい傷跡。ヘリの回転翼に直撃され破壊された住宅敷地内のオートバイ・・・。それだけではない。事故直後にフェンスを乗りこえて大学構内に突入し、事故現場周辺を勝手に封鎖して、大学への立ち入りを禁止した(学生だけでなく学長さえ追い出したのだ!)米軍は、いまなお構内にわが物顔で居座り、許し難いことに1号棟への大学関係者の立ち入りを暴力的に阻止してさえいるのだ。一体全体この米軍の横暴を誰が許せようか!
今こそ、闘いに起ち上がろう!
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米軍ヘリ墜落糾弾!連合沖縄集会(8月16日) |
われわれは、全身からこみ上げる激しい怒りと屈辱をバネにして、いまこそ普天間基地を撤去し、海兵隊新基地建設を絶対に阻止するために、職場・学園・地域からねばり強く・創意工夫して、反戦・反安保の闘いを断固としてくり広げようではないか。
すでに、米軍ヘリ墜落・炎上事故弾劾の闘いは、事故直後からの怒りに燃えた沖国大自治会の学生たちによる事故現場のまっただ中における果敢な闘い(それ故に、しかし許し難いことに一切のマスメディアは沖国大自治会を先頭にした県学連の学生たちの不眠不休の連続的闘いを無視抹殺しているのだ!)によって、全県的な大きな闘いへと急速に広がりつつある。この闘いの地平にふまえ、すべてのたたかう労働者・学生・市民は、全県・全国を揺るがす反戦・反安保の歴史的闘いの高揚のために総決起せよ!
米軍ヘリの墜落・炎上事故を絶対に許すな!
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焼けただれ
消化剤で埋まった墜落現場 |
「ヘリの部品が空中でもげ、機体と別々に落ちた・・・ドーンという激しい衝撃音があり、一瞬戦争かと思った」(中学生)「突然、すさまじい音がして飛び起きた。爆発音が何度も響き、窓の外では炎と黒煙が上がっていた。危ないと思い、すぐに子供を抱きかかえ、外に逃げた。玄関にヘリの大きなプロペラが落ちていた」(生後2ヶ月の双子の息子と昼寝をしていた主婦)「ギーンという耳鳴りのようなごう音がしたと思ったら、ドーンという音が1回して、100メートル先の大学内で校舎の高さまで火柱があがった。その後、断続的にパンパンという破裂音がして、黒煙がもうもうと立ちこめた。すんでいるマンションにも破片などが飛んできた」「恐ろしかった。マンションの網戸が爆風で飛んだようだ」(会社員)「事務所の窓ガラスが割れ、炎が20センチくらい中に入ってきた。ショックで、腰を抜かしたが、何とか逃げた。」(大学職員)「女子学生の泣き叫ぶ声もした」(大学職員)――宜野湾市民だけではなく、沖縄のすべての労働者・民衆を恐怖のどん底にたたき込んだ今回の米軍ヘリ墜落・炎上事故。一歩間違えば、かの宮森小ジェット機墜落事故(註)以上の大惨事をひきおこしたであろう今回の米軍事故は、起こるべくして起こった<軍事事故>に他ならない。
しかしそれは、よく言われているように普天間基地が、病院や学校や保育所などの密集する住宅地のど真ん中に存在し、しかもその上空で連日のように戦闘ヘリを投入した市街戦飛行訓練をくりかえしているというような一般的な意味(それ自体大問題である!)においてでは決してない。
CH53Dヘリは、旧型の欠陥機だ!
そもそも、今回事故を引き起こしたCH53Dヘリコプターについて、ほとんどのマスメディアは大型輸送ヘリなどと報じている。けれども、それは単なる大型輸送機ではない。正式名称を、CH53Dシースタリオンと呼び、米海兵隊が所有する最大級の強襲揚陸用ヘリなのである。したがって「直撃すれば建物一棟丸ごと崩壊してもおかしくない」(軍事評論家・江畑謙介)と言われている超重量級ヘリなのだ。(もしも、今回このヘリが1号棟を直撃していたならば、一体全体どうなっていたか? 明らかに、本部棟で働いていた職員や用事で事務所を訪ねていた労働者・市民のすべてが、一瞬のうちに破壊されたビルのコンクリートの瓦礫の山の下敷きになって殺されたのだ!)
しかも驚くべきことに、このような危険きわまりない軍事ヘリそれ自体が、1969年から72年にかけて製造された旧型の老朽機であると同時に、何度も事故を引き起こしている欠陥機(1976年11月、エンジン故障のために渡嘉敷村の海上に墜落・乗員4人全員行方不明)なのだ。
それだけではない。戦争狂ブッシュ政権が世界的規模で強行しているイラク侵略戦争をはじめとした<対テロ戦争>。この侵略戦争に対するイラク人民やアフガン人民などの不屈の抵抗闘争によって、惨めな敗北を強いられているアメリカ・ブシュ政権は、戦争の泥沼化と長期化のゆえに、訓練密度を上げざるを得ないばかりか、その訓練に今回のような旧型機や欠陥機を活用して、経験のない新兵パイロットを投入せざるを得ない状況にまで追いつめられているのだ。(すでに米議会調査局は2年前に、「対テロ戦争による運用増加が、経験不足の兵士を重要任務に就け、事故を増加させた可能性がある」と指摘している。)
まさに、その意味において今回の軍事事故は、「対テロ戦争」という名のイラク侵略戦争を強行し、軍事占領支配のために狂奔しているアメリカブッシュ政権の軍事=戦争政策とこれにもとづく帝国主義侵略戦争の強行のゆえに、そしてこの戦争狂ブッシュ政権に対する日米安保同盟にもとづく在日(沖)米軍基地の永久使用とその再編強化に積極的に手を貸している日本政府小泉政権の対米盲従政策にゆえに必然的に惹き起こされた事態なのだ。
在日・沖米軍基地の「対テロ戦争」の訓練・出撃基地としての強化を許すな!
すべての労働者・学生・市民のみなさん!
沖縄の陸・海・空のすべての領域において、ありとあらゆる軍事演習を連日連夜強行している在沖米4軍。今回の恐るべき軍事事故は、在沖(日)米軍基地が、アメリカブッシュ政権による「対テロ戦争」のための訓練・出撃基地としてフルに機能し、ますます強化されている実態をうきぼりにした。
それだけではない。事故現場=大学構内への米軍(米兵)の突入・占拠と民間地域の道路封鎖。大学関係者の本部棟への立ち入り禁止。消火活動や現場検証にかけつけた宜野湾消防署や宜野湾警察署の署員への米軍による強権的な指揮・統制。県警による現場検証の申し入れに対する強圧的拒否と現場からの機体の暴力的な撤去=軍事機密の保持と証拠隠滅の策動…。
事故発生直後からの沖縄労働者民衆を愚弄した理不尽で横暴きわまりないこのような米軍の一連のふるまいこそは、いったん米軍有事の際には、たとえ民間人に多数の犠牲者がでようとでまいと、いかなる場合であっても米軍にとっては――日米安保条約と地位協定を法的根拠にして――戦後60年も経とうとするいまもなお、まさに日本(沖縄)が、現在のイラクと同様の事実上の“占領地”でしかないことを、またしても露骨に示した。
いまこそすべての労働者・学生・市民は、今回の軍事事故で衝撃的に露わとなったこのような沖縄労働者民衆への米軍権力者による余りにも理不尽で強圧的な軍事的圧政と犠牲の強要に対する積年の怒りをバネにして、かの<1995年の闘い>をも上まわる反戦・反安保の一大闘争を構築するために奮闘しようではないか。
沖縄労働者民衆を恐怖のどん底にたたき込んだ米軍ヘリ墜落・炎上事故を、職場・学園・地域の隅々から徹底的に弾劾せよ。軍事事故の証拠隠滅=米軍による機体の回収・撤去を阻止せよ。「地位協定」を盾にした米軍による日本警察(沖縄県警)の現場検証拒否=事故の真相もみ消しを許すな。
在沖米海兵隊による、宜野湾市民をイラク人民とみたてた宜野湾市上空での市街戦想定ヘリ訓練の再開を絶対に許すな。イラク民衆殺戮のための訓練・出撃基地=普天間基地を即時撤去しよう。在沖米軍によるいっさいの軍事演習反対! 海兵隊新基地建設・都市型戦闘訓練施設建設を許すな!
あくまでも普天間基地の県内移設=海兵隊新基地建設の既定方針に固執し、反動的対応(普天間基地の「閉鎖」は要求せずに、「移設」が完了するまでは、その機能を「分散移転」する方針に示されるそれ)に終始する稲嶺県当局を弾劾せよ!
そして、この稲嶺県当局の「分散移転」方針に、現実的解決の展望を見出し、その実現のために労働者・学生・市民の闘うエネルギーを収斂させようとする反対運動内部からのいっさいの策動を許すことなく、軍事基地撤去・安保破棄をめざして、反戦・反安保闘争として戦闘的・大衆的に実現しようではないか。
アメリカブッシュ政権は、「民兵掃討」という名においてイラク・ナジャフへの総攻撃=イラク民衆の皆殺し作戦を強行している。そのイラク人民殺戮の突撃部隊が在沖米海兵隊に他ならない。まさに在沖米海兵隊は、そのためにこそこの普天間基地(在日米軍基地)でイラク民衆殺戮のための軍事訓練をくり返しているのだ。
われわれは、反米・反占領の不屈の闘いをくり広げているイラク人民に対する米軍の攻撃=皆殺しを絶対に許さないために、まさに今回の軍事事故弾劾! 一切の軍事訓練反対! の闘いをイラク人民と連帯する闘いとしてたたかうのでなければならない。
アメリカブッシュ政権によるイラク軍事占領・支配を許すな! 多国籍軍に参加し、イラク人民に銃口をむける米軍の共犯者=日本国軍を許すな! 「米軍のトランスフォーメイション」計画にもとづいて在日米軍基地を「対テロ戦争」の拠点として再編強化するブッシュ政権とこれに全面協力加担し、改憲に突進する小泉政権を打倒せよ!
◆<対テロ戦争>のための一切の軍事演習反対!
都市型戦闘訓練施設建設阻止!
◆占領軍然とした米兵の大学構内の占拠・民間地封鎖を許すな!
軍事事故の証拠隠滅=米軍による機体の回収・撤去を許すな!
◆「民兵掃討」を口実にした米軍によるナジャフ総攻撃=イラク民衆皆殺し作戦を絶対に許すな!
沖縄からの米軍のイラク出撃阻止!
◆<反米・反占領>を不屈に闘うイラク民衆と連帯し、職場・学園・地域から反戦・反安保闘争の一大高揚をかちとろう!
(註)1959年6月30日に、米空軍第44戦闘機中隊所属のF-100ジェット戦闘機が石川市立宮森小学校(沖縄県中部に位置する石川市在)に墜落・炎上。17名死亡(うち児童11名)、負傷212名(児童156、職員2、地域住民54名)、小学校の教室3教室、公民館1棟、民家17棟が全焼、2教室、民家8棟が半焼した軍事事故。 |