イスラエルのガザ総攻撃弾劾! パレスチナ人民大殺戮を許すな (1) イスラエルのネタニヤフ政権は、いままさに、二二〇万人民が暮らすパレスチナ・ガザ地区にたいして、戦車部隊を先頭にした一〇万余の大軍を突入させようとしている。十月八日いらいの連日にわたる空爆によって破壊しつくしたガザの街において、殺人鬼どもはさらなるパレスチナ人民大虐殺に手を染めようとしているのである。 ガザ地区の北部に暮らす一一〇万の人民にたいしてイスラエル軍は、「ガザ南部に避難しろ。従わない者はハマス戦闘員とみなす」などという通告を発し、南部への「避難ルート」なるものを指示した。だがこれらは、全世界で高まる「人道的危機から市民を救え」という声をかわすためのシオニストどもの詐術にほかならない。見よ、卑劣なイスラエル軍は指示された経路を通行していたガザ人民にミサイルをぶちこんでいるではないか。そもそも老人や病人や乳幼児を抱えた母親たちを含む一〇〇万もの人民が「即刻避難」などできるはずがないのだ。まさしく「ガザ南部への避難勧告」なるものは、イスラエル・シオニスト政権によるパレスチナ人民皆殺しの宣言であり、最後通牒にほかならない。 パレスチナのムスリム組織ハマスによるイスラエル領内への大規模越境攻撃(十月七日)、これに震撼させられたシオニスト・ネタニヤフは、「ハマスを完全に殲滅する」と吠えたて、ガザ地区人民を大虐殺する挙にでたのである。これこそは、イスラエルにたいする抵抗の拠点となっているガザのパレスチナ自治区そのものを人民もろともにこの地上から抹殺せんとする狂気のジェノサイドいがいの何ものでもない。断じて許すな! 十月七日早朝、ハマスを中心とするパレスチナの武装勢力は、三〇〇〇発以上のロケット弾をいっせいにイスラエル領内にむけて発射した。そして同時に、ネタニヤフ政権が造ったガザ地区を囲む全長六〇キロメートルの壁を、まさにその内側にパレスチナ人民を閉じこめてきた「天井のない牢獄」の壁を、上部に設置されていた監視所とハイテク監視システムもろともに粉砕したのだ。これによってイスラエル軍・治安機関の目≠破壊したハマスは、壁を爆破し穴を開け、千数百人以上の武装部隊をイスラエル領内に突入させた。彼らは近郊の町の警察署を占拠し、イスラエル軍の拠点を攻撃した。イスラエル領内に突入したパレスチナ武装部隊は、四日間にわたってイスラエル軍との戦闘を続けたのだ。 こうした大規模攻撃を事前に察知することも予想することもできなかったイスラエル・シオニスト政府は、この越境攻撃に逆上し、ガザ地区にたいする猛空爆を開始した。ネタニヤフは「戦争が始まった」などとほざいて三六万人の予備役をかき集め、この大軍でガザ地区を完全包囲している。そしてガザ地区の人民が生きてゆくために絶対に必要な水と電気と食料と燃料の供給をすべて遮断するという、まさに人民に死を強制する攻撃を強行しているのだ。しかもガザの人民が安全を求めて殺到している国連施設や国連経営の学校や病院を狙い撃ちにして、イスラエル軍は爆撃を強行している。こうしてネタニヤフに率いられたイスラエル軍は、すでに数千人ものパレスチナ・ガザ人民を虐殺しているのである。 イスラエルによるガザ総攻撃・パレスチナ人民大殺戮を絶対に阻止せよ! (2) 10・7の越境攻撃にさいしてハマスは、兵士だけでなく多くの市民をも襲撃した。音楽フェスティバルの会場では多くの市民を殺害し、女性や子どもを含む多数の人民を人質にしてガザに連れ帰った。イスラエルの官憲によって「政治犯」として拉致され投獄されている五〇〇〇人以上のパレスチナ人民を奪いかえすために、あえて「人質」をとる戦術を採ったのである(ハマス指導部はその数を「二〇〇人から二五〇人」と発表している)。また、二つのキブツ(農業共同体)を襲ってそこで働く農民たちを殺し、拉致した市民を斬首する映像をSNSで流した、とも言われている。だが、この後者については「フェイクだ」と言う中東分析の専門家もいる。おそらくは、ハマスを残忍なテロリストとして描きだすためにイスラエルが流した偽動画であろう。 たとえ「パレスチナの大義のためである」と主張したとしても、無辜の人民を無差別に殺害するというやり方は労働者階級の階級的組織化を阻害するものであり、われわれはそれをしも肯定することはできない。 だが、ハマスをしてかかる激烈な闘争へと駆りたてたものこそは、パレスチナ人民を虫けらのように殺戮してきたイスラエル・シオニスト国家の凄まじい暴虐であり、それを公然と支援し擁護してきた帝国主義権力者どもの犯罪でなくてなんであるのか! このハマスによる越境武装闘争は、「天井のない牢獄」に十六年間も閉じこめられ、それに反抗すればシオニストの軍や官憲によって虫けらのように殺されてきたパレスチナ・ガザ人民の積もり積もった憤激に駆られての武装決起にほかならない。 今世紀に入って以降、イスラエルは幾度となくガザへの軍事攻撃を強行し、数多のパレスチナ人民を血の海に沈めてきた。パレスチナ人民が反シオニスト闘争を敢行すれば、ただちにそれを数層倍するミサイルや空爆の報復≠ナ人民が虐殺され、食糧封鎖・エネルギー封鎖が仕掛けられてきた。今年の五月にはエルサレムにあるイスラームの聖地アルアクサ・モスクが極右シオニスト集団によって蹂躙され、これに抗議したパレスチナ人民が治安部隊によって虐殺された。ヨルダン川西岸では武装したシオニストどもが「入植」と称してパレスチナ人居住区に侵入し、銃や棍棒で人民を追いだし殺戮している。それは「入植」という名の軍事占領いがいの何ものでもない。パレスチナ自治政府の管理地域はこの暴力的な「入植」によって次々に削り取られているのだ。 しかも、これらのシオニスト国家の凄惨な弾圧と暴虐を、口を開けば「人権と民主主義」を唱えている米・欧などの帝国主義権力者はことごとく容認し支援してきたのだ。 それだけではない。「アラブの大義」を謳い、「パレスチナ国家独立」を支援してきたはずのアラブ諸国家の権力者たちもまた、いまやハイテクやカネに目がくらんで、次々にイスラエルと妥協し癒着しはじめた。エジプトやヨルダンにはじまり、UAE(アラブ首長国連邦)やバーレーン、そしてついに「アラブの盟主」を自任してきたサウジアラビアまでもが「国交交渉」を開始した。「アラブの大義」を投げ捨てたこれらアラブ諸国権力者どもの裏切りに憤激するとともに、このままではパレスチナは世界から見捨てられる、独立国家樹立の道そのものが無きものにされる≠ニいう危機意識を募らせてきたのが、ガザを拠点とするハマス指導部なのだ。 これほどまでに絶望的な状況のなかで堪えに堪えながら怒りにうち震えてきたガザ人民とその指導部たるハマスが、いまや座して死を待つよりは撃って出ん≠フ精神で越境攻撃を決行したのだ。全世界の労働者階級・人民は、たとえ誤謬にまとわりつかれたものであったとしても、今回のハマスとパレスチナ人民のこの決死の武装闘争を世界はパレスチナを忘れるな∞シオニスト国家の暴虐を許すな≠ニいう悲痛な叫びとして受けとめ、いまこそ奮起し闘いに起ちあがるのでなければならない。 (3) すべての労働者・学生諸君! イスラエルのシオニスト権力者は、明日にも、ガザ地区にたいして地上部隊を突入させようとしている。もはや一刻の猶予もない。いまこそ、われわれは、日本の地において<ネタニヤフ政権のパレスチナ総殲滅戦を許すな! 人民大虐殺弾劾!>の闘いを創造しようではないか。 アメリカのバイデン政権は二個の空母打撃群を東地中海に急派し、イスラエルを軍事的にバックアップしている。この政権は、ハマスの後ろ盾とみなしたイランにたいする軍事的威嚇を強化しているのだ。アメリカ帝国主義の軍事介入を断じて許すな! そして中洋・イスラーム圏のムスリム人民にわれわれは呼びかける。イスラエル軍のガザ総攻撃を阻止する闘いに決起せよ! イスラエルに軍事占領されたシナイ半島、ゴラン高原の奪還をかけて、エジプト、シリアが軍事攻撃にうって出た第四次中東戦争(一九七三年十月)、それからちょうど五十年のこんにち、ハマスはイスラエル・シオニスト権力にたいする一大武装闘争を敢行した。まさにそれは、アラブ諸国権力者の多くが「アラブの大義」を投げ捨てシオニスト権力者と手を結ぼうとしていることへの反抗にほかならない。パレスチナ人民を蹂躙しつづけるシオニスト権力と癒着するアラブ諸国権力者を弾劾せよ! われわれはイスラエルの労働者・人民に呼びかける。ネタニヤフ政権によるパレスチナ人民皆殺し戦争を阻止し、この政権を打倒する闘いに起て! この闘いと同時にわれわれは、日本の地において、ウクライナ反戦闘争の巨大な前進を切り拓くために奮闘しようではないか。 プーチン・ロシアによるウクライナ侵略の開始から一年八ヵ月を経たこんにち、ロシアの侵略軍をウクライナの地から叩きだすためのウクライナ人民の戦いは、大きな困難に直面している。 アメリカのバイデン民主党政権にたいして、トランプ派が主導する共和党が「ウクライナへの軍事支援の停止」要求をゴリ押ししている。この圧力をうけたバイデン政権は、「イスラエルへの軍事支援強化」を錦の御旗としてウクライナ軍事支援の削減・打ち切りへと舵を切ろうとしているにちがいない。 このアメリカの動きをまえにして、「米欧の支援が止まればウクライナは一週間しかもたない」などとほくそ笑んでいるのがプーチンのロシアなのだ。 プーチン・ロシアの侵略を打ち砕くためのウクライナ人民の闘いは正念場を迎えている。いまこそ全世界から、イスラエルのパレスチナ侵略弾劾の闘いとともに、ウクライナ反戦闘争の炎を燃えあがらせようではないか。 すべての労働者・学生諸君! いまこのときにもイスラエルのネタニヤフ政権は、パレスチナ人民の大虐殺を強行しつづけている。このシオニスト政権のジェノサイドを断じて許すな! 全世界で反戦の闘いを巻き起こそうではないか! (二〇二三年十月十六日) |