第61回国際反戦集会 海外へのアピール 


米―中・露激突下の核戦争の危機を打ち破る反戦闘争を!


いまこそ<プーチンの戦争>を粉砕せよ!

2023年7月3日 第61回国際反戦集会実行委員会



 全世界の労働者・学生・知識人諸君!
 ロシアの侵略開始から一年四ヵ月、憎むべきプーチン政権と侵略軍は、ウクライナ軍と人民の一致結束した反転攻勢に追いつめられて、ついにその内部から崩壊しはじめた。
 当初は国防相ショイグと参謀総長ゲラシモフの拘束を企てていた民間軍事会社「ワグネル」の頭目プリゴジンは、この目論見が何者かによってFSB(連邦保安庁)にリークされたことを知るや、六月二十三日に配下の武装部隊を率いてロシア軍南部軍管区司令部を占拠し、ショイグらの解任をプーチンに要求した。そしてさらに首都モスクワにむけて進軍しその二〇〇キロメートル手前にまで迫った。プリゴジンは、「NATOの脅威≠ニかネオ・ナチからの防衛≠ニかという特別軍事作戦の理由はウソだ」「官僚主義と汚職に反対する」と叫んだ。ウクライナ侵略の理由≠公然と否定したこの飼い犬=<vリゴジンの反逆≠ノ驚愕し、数千名のワグネル部隊の進軍≠ノ恐怖したプーチンは、首都に非常事態令をしいた。
 プーチンが育ててきた傭兵集団の頭目プリゴジンがひきおこしたこの反乱≠ノよって、いまやFSB強権型支配体制は根底から震撼させられている。
 すべての労働者・学生諸君。今こそ、<プーチンの戦争>を最後的にうち砕こう!
 軍中枢内の対立があらわとなり士気を阻喪したロシア軍にたいして、いまウクライナ軍と領土防衛隊は、「占領地奪還」を合言葉に日々前進している。これにたいしてロシア軍は、キーウやクラマトルシクなどの都市に連日ミサイルをうちこみ住民を無差別に殺戮している。六月はじめには、特殊工作部隊にカホフカダムを爆破させて大洪水をひきおこしたのが、戦争狂プーチンだ。いまや断末魔のプーチンとシロビキは、ザポリージャ原発の爆破に、さらには戦術核兵器の使用にさえ手を染めかねない。
 全世界の労働者・学生・知識人諸君。
 ブチャで、マリウポリで、ウクライナの全土で、人民を血の海に沈めてきたこの二十一世紀のヒトラー≠ェこれ以上の犯罪を重ねることを、われわれは断じて許してはならない。ただちにウクライナ反戦の巨大な闘争を世界中からまきおこそう。
 ロシアのウクライナ侵略を発火点にして、米―中・露が激突する現代世界は、いつ熱核戦争が勃発するやもしれぬ危機に瀕している。
 東アジアでは、台湾併呑の野望をたぎらせる習近平の中国が、台湾を空と海から包囲する威圧的な軍事行動をくりかえしている。これに対抗して、アメリカ・日本さらにNATO諸国の軍は合同で史上最大規模の軍事演習を今まさに展開しつつある。北朝鮮の金正恩政権もまた、ロシアの全面支援をうけて核ミサイルの発射実験に血道をあげている。
 こうした一触即発の激動のなかで、日本帝国主義の岸田政権は、バイデン政権とともに日米軍事同盟を対中・対露のグローバル攻守同盟として強化することに狂奔している。そのためにこの政権は、日本を世界第三の軍事大国へとおしあげる空前の大軍拡と憲法の改悪に突進しているのだ。
 わが全学連・反戦青年委員会および革共同革マル派は、岸田政権の大軍拡・先制攻撃体制構築の策動をうち砕く闘いを、既成反対運動指導部の闘争放棄を弾劾し、日本人民の先頭に立って牽引している。われわれはまた、日本で唯一、「プーチンの戦争粉砕! ウクライナ人民連帯!」の檄を全世界に飛ばし、職場・学園から、ウクライナ反戦闘争のうねりをまきおこしているのだ。
 われわれは、きたる八月六日に第六十一回国際反戦集会を、東京をはじめとする全国七都市で開催する。全世界の労働者・人民は、われわれと共に、核戦争勃発の危機をつきやぶる反戦闘争の雄たけびをとどろかせようではないか!

全世界からウクライナ反戦闘争のうねりをまきおこせ

 迫りくるウクライナ軍の攻勢をまえにして、前線のロシア軍は次々に塹壕から逃げだし、地雷をいたるところにしかけながら敗走している。ウクライナ軍と領土防衛隊は、占領されてきた町や村をひとつまたひとつと着実に奪いかえしつつあるのだ。
 前線からの退却を強いられつつあるロシア軍はいま、キーウ・ドニプロ・クリビイリフ・クラマトルシクなどの主要都市にミサイルとドローンによる攻撃をあびせて数多の住民を虐殺している。ウクライナ軍の対空ミサイルを都市にくぎづけにすることを狙って、前線から離れた人口密集地を狙い撃ちにしているのである。この無差別殺戮を許すな!
 ウクライナ大統領ゼレンスキーは、このミサイル攻撃をうち砕く強力な防空システムや反転攻勢のためのさらなる武器援助を米欧諸国に求めている。だが、米欧帝国主義権力者どもは、彼の求める規模とテンポにはるかにおよばない支援しかおこなってはいない。帝国主義権力者どもは、プーチンによる自国への反撃を招かないように、あくまでもウクライナに勝たせすぎない≠謔、な武器援助をおこなっているにすぎないのだ。いやむしろ「停戦後の復興特需」をみこんでの利権争いに狂奔しているのが、帝国主義権力者どもなのだ。
 このようななかで、ウクライナ軍と人民は、あくまでも占領された領土を奪還するために、圧倒的な兵力差をものともせず果敢に抵抗し、次々に侵略軍を撃退してきたのだ。そしてついにいま、彼らは、プーチンを頭目とするFSB強権型支配体制をして公然たる内部分解へと追いこんだのだ。
 世界の労働者・学生・知識人諸君。
 プーチンのロシアが一年以上にわたってウクライナ人民に悪逆きわまる蛮行をつづけ、いまや核攻撃の脅しさえかけているにもかかわらず、自称「左翼」の少なからぬ人々が今も弾劾の声ひとつあげないのは、何と許しがたいことか!
 「今すぐ停戦交渉を」などと叫ぶ自称「左翼」がいる。それは、ウクライナ人民にたいして「占領地をロシアに明け渡せ」と迫ることをしか意味しない。だが、もしも「左翼」を自称するのであれば、まずもって、侵略軍にたいして命がけで戦っている人民の側に立つべきではないのか。
 この戦争は「NATOとロシアの代理戦争」であって「どっちもどっちだ」と言う者もいる。こうした言辞を弄する者たちは、侵略者はプーチン・ロシアであり、この侵略とたたかっているのはウクライナの労働者・人民である、という現実さえも直視していないではないか。
 彼ら自称「左翼」は、「かつて社会主義であったロシアの方が帝国主義よりマシ」であるかのような感覚に陥っている。それは、根本的には、「社会主義」を自称してきたスターリニスト・ソ連邦のたび重なる反労働者的な犯罪との対決を彼らが一貫して放棄してきたがゆえなのだ。
 もとよりこの戦争は、ウクライナという国家と民族を丸ごと地上から抹殺しロシア連邦にくみこむことを狙って、スターリンの末裔≠スるプーチンがしかけた侵略戦争にほかならない。ウクライナ人民にとって、この侵略に屈することは、スターリンのソ連邦のような圧政と貧困のもとに再びつきおとされることを意味するのであって、だからこそ彼らはいま命がけのレジスタンスに決起しているのだ。
 「社会主義ソ連邦」という名のスターリニスト官僚専制国家は、勤労人民に凄まじい圧政と収奪を強制してきたことのゆえに、その憎悪と怒りの的となって一九九一年に自己崩壊をとげた。この事態を、ただただ「二十世紀最大の地政学的惨事」と嘆き、旧ソ連邦の版図(同時にロシア帝国の版図でもあったそれ)を復興するという野望をたぎらせてこの侵略を開始したのが、プーチンなのだ。まさしく、この戦争は、スターリンの末裔≠ノして現代のツァーリ≠スるこの大ロシア主義者が強行した世紀の大犯罪にほかならない。
 ロシア侵略軍をたたきだすために不屈に戦っているウクライナ人民と、われわれは連帯してたたかう。
 われわれは、ロシアの労働者・人民によびかける。今こそ、<反戦―FSB強権型支配体制打倒!>の闘いに起ちあがれ!
 そして全世界の労働者・人民に、われわれは訴える。ウクライナ反戦闘争を世界各国からまきおこし、労働者・人民の闘いの巨大なうねりで、殺戮にあけくれる侵略者プーチンを包囲せよ。今こそ<プーチンの戦争>を最後的にうち砕け!

対中・対露のグローバル核軍事同盟反対!
中国の威嚇的軍事行動反対!


 ここ東アジアでもいま、米・日―中・露の激突が、緊迫の度を高めている。
 ネオ・スターリン主義国家中国の習近平政権は、「核心的利益中の核心」と位置づける台湾併呑(彼らいうところの「祖国統一」)を強行するための軍事体制の構築・強化に突進している。この政権は、アメリカの軍事介入を阻止するために台湾にむかって中距離ミサイル網を槍ぶすまのように張りめぐらしている。台湾上陸の予行演習をはじめとする中国軍の威嚇行動は、台湾人民にたいして統一か、さもなければ戦争か≠ニ脅す恫喝いがいの何ものでもない!
 これにたいして、台湾独立を希求する蔡英文の民進党現政権を軍事的・政治的に支援しているバイデン政権は、「航行の自由」と称して米軍艦船を台湾海峡に頻繁に突入させている。この米軍艦の鼻先を中国艦がつっきって横断するという、まさに一触即発の事態が、台湾周辺ではうみだされているのだ。
 習近平政権は、二〇四九年までにアメリカを凌駕する「社会主義現代化強国」を建設するという国家目標を実現するために、軍事的・政治的・経済的・技術的のあらゆる面で対米挑戦を強めている。
 この中国をもはや単独では抑えることができないがゆえに、没落帝国主義アメリカのバイデン政権は、米日韓の三角軍事同盟および米英豪の軍事同盟AUKUSをNATOと一体化させ、対中・対露の地球大的規模の核軍事同盟を構築することに躍起になっている。
 五月に日本の広島で開かれたG7サミットは、帝国主義権力者どもが対中・対露のグローバル核軍事同盟の構築を確認する場となった。被爆地・広島の地で、核の使用を防ぐためには核が必要だ≠ニ傲然と宣言したG7諸国権力者どもを、われわれは怒りをこめて弾劾する!
 このグローバル軍事同盟を構築する先導役をつとめているのが、サミット議長をつとめた日本の首相・岸田文雄にほかならない。岸田は、NATO連絡事務所を東京に設置するよう要請している。日本の支配階級・権力者は、アメリカ帝国主義権力者の要求に積極的に応えて、対中(対露)の戦争を実際になしうる軍事強国をつくりだすために、五年で四三兆円を投じて世界第三の軍事大国に日本をおしあげる大軍拡に突進している。沖縄・南西諸島では、辺野古新基地などの米軍の巨大基地建設や日本軍のミサイル配備を、人民の反対運動を警察部隊の暴力で踏みにじって強行している。そして、「交戦権放棄」「戦力不保持」を定めた憲法第九条を破棄し、ナチスの全権委任法と同様の「緊急事態条項」を新設する日本国憲法の大改悪に突進している。これらは、戦後七十八年にわたって歴代自民党政権がなしえなかったことを一挙に強行する一大反動攻撃にほかならない。
 この岸田政権の大軍拡と改憲をはじめとする極反動諸攻撃に、ナショナルセンター「連合」を牛耳る労働貴族はいまや公然と手を貸している。「日本共産党」を名のる転向スターリン主義党の中央指導部は、反戦闘争の大衆的組織化を完全に放棄している。この既成指導部の許しがたい腐敗を弾劾し、唯一、わが革命的左翼のみが、大軍拡に反対し、岸田ネオ・ファシズム政権打倒をめざしてたたかいぬいているのである。
 世界の労働者・人民は、日本でたたかうわれわれと共に、米―中・露激突下の核戦争の危機をつきやぶる反戦闘争を力強くまきおこそう!
 対中・対露のグローバル核軍事同盟の構築に反対しよう!
 中国習近平政権の威嚇的軍事行動に反対しよう!

戦争と抑圧と貧困と環境破壊の強制を許すな!

 いまこのときにも、シリア、パレスチナ、ミャンマー、スーダンをはじめとして、世界のいたるところで労働者・人民が戦火にたたきこまれ、ミニ・ヒトラー≠ニもいうべき強権的権力者の血の弾圧によって虐殺されている。
 多くの発展途上国・新興国においては、米・欧・日の帝国主義ブルジョアジーによる搾取と収奪のゆえに、またネオ・スターリン主義中国のこれに輪をかけたように悪辣な収奪――各国権力者を札束をエサに「一帯一路」経済圏に囲いこんで支配する中国版新植民地主義≠ニいうべきそれ――のゆえに、何億人もの人民が貧窮にあえぎ餓死線上につきおとされている。夥しい経済難民がうみだされ、また森林伐採や乱開発などの環境破壊、気候変動にともなう干ばつ・大洪水にみまわれ居住地を離れざるをえない環境難民がうみだされている。――これら全世界で一億人を超える難民を、米・欧・日の権力者や極右ファシストどもは、「治安維持」と「自国ファースト」を叫んで排斥する挙にでているのだ。
 そればかりではない。世界のあらゆる国の勤労大衆が、ロシアのウクライナ侵略を引き金としてひきおこされた猛烈な物価高騰による生活苦にあえいでいる。
 フランスで、イギリスその他で、労働者階級は賃上げを要求し、また年金その他の社会福祉の切り捨てに反対し、ストライキをも武器にたたかっている。これを、帝国主義諸国権力者は、強権的弾圧をもって圧殺せんとしている。
 習近平の中国は、貧窮にあえぐ労働者・農民工・農民をネオ・スターリン主義官僚専制支配のもとにくみしき、またウイグルや香港の人民にたいしては仮借ない血の弾圧を加えている。
 米・欧・日の帝国主義権力者、そして中国ネオ・スターリン主義権力者およびFSB強権型国家ロシアの権力者は、自国の人民を貧困のどん底につきおとし、人民を強権で弾圧しながら、外にむかっては核軍事力の強化と新たな侵略戦争にうってでようとしているのである。追いつめられたプーチンのロシアは、いまにも原発を爆破し、核のボタン≠ノ手をかけようとさえしている。
 全世界の労働者・学生・知識人諸君。
 米―中・露が激突する現代世界は、まさしく熱核戦争勃発の瀬戸際に立たされているのだ。今こそ国境をこえて団結し、米―中・露激突下の熱核戦争の危機をつきやぶる巨大な反戦闘争をまきおこそうではないか!