| ロシアのウクライナ侵略四年 労働者階級の国際的団結で プーチンの暴虐を打ち破れ 2026年2月17日 日本革命的共産主義者同盟・革マル派 (1) ロシアによるウクライナへの軍事侵略の開始から四年――ウクライナの労働者人民はいま、きわめて困難な局面に立たされている。昨二〇二五年八月にトランプとプーチンとが合意したところの・侵略者ロシアを免罪しその要求をほとんど丸呑みした「和平案」なるものを、米露の両権力者によって押しつけられようとしているからである。 軍国主義帝国アメリカの「王」を気取るトランプはいま、ウクライナ政府にたいして、「今年の六月までに和平案を呑め。さもなければ停戦後の安全の保証はしない」と突きつけている。大統領就任一年にして早くもレイムダックと化しつつあるトランプの頭を占めているのは、アメリカ建国二五〇年までに「戦争を止めた偉大な大統領」としてのレガシーを残すことでしかない。 まさにこのゆえに、ロシアの「皇帝」プーチンは、「ウクライナは無条件降伏するか、さもなくば支援が尽きるまで戦うかだ」などとほざき、昨年のクリスマスにも年明けにも、そして現在も、ウクライナの全土にミサイルと無人機を打ち込んでいるのだ。 今、氷点下二五度を記録するここ二十年間で最も厳しい寒さがウクライナを襲っている。そのなかでロシア軍は、電力・ガス・水道などのインフラを破壊しつくし、また学校・病院・旅客列車などを攻撃している。彼らは火力発電の燃料を断つために炭鉱労働者のバスをも攻撃し多くの労働者を殺害した。こうして人口約三五〇万の首都キーウでは、その半数の家庭が停電に見舞われ、何十万の人々がキーウを去らざるをえなくなった。プーチンとその軍隊は、ウクライナ人民に寒さと飢えと暗闇を強制し彼らの抵抗の意志を挫くことを狙って、この国家テロに狂奔しているのだ。 だが、ウクライナ人民は挫けない。彼らは、励ましあい助けあい支えあって、この極限の状況をものりこえようとしている。多くの労働組合が、また戦禍のなかでつくられた様々のコミュニティーが、破壊されたインフラを修理しけが人を救出し一人暮らしのお年寄りを助けているのだ。 (2) ウクライナの労働者人民が侵略者に屈しないのは、プーチンが二〇二二年九月に「ロシアへの併合」を勝手に宣言した東部・南部四州の同胞を見捨てることはできないからにちがいない。 全世界の労働者人民はロシアの占領地の戦慄すべき実態に目を向け、プーチンの悪逆無道への階級的怒りを新たにしなければならない。 ロシアに奪われたのは占領地四州の土地ばかりではない。そこには六〇〇万人のウクライナ人が暮らしているが、ロシアはこの「ニューテリトリー」にロシア人を大量に入植させウクライナ人から没収した住居をあてがっている。 そして学校では、少年少女はロシアの国歌とロシア語を強制され、ロシアの歴史教科書を学ばされている。彼らは近い将来、ロシア兵としてウクライナ人と戦うように教育されているのだ。 住民はロシアのパスポートなしでは街を歩けず、ロシア国籍なしでは病院にもかかれず薬も買えない。不用意なことを言えば逮捕されて十数年の刑に処される。人々は、息を潜めて目だたないように生きるしかない。ロシアに少しでも反抗するものは国家反逆罪で捕らえられ、その数はすでに一万六〇〇〇人に達する。収容所では毎日拷問され、レイプが横行している。 外部から完全に遮断されブラックボックスと化している占領地の実態を密かに調べていて逮捕されたあるフリーの若き女性ジャーナリストは、その眼球をえぐられその脳の一部を切除された遺体となって、捕虜交換で返された。残虐無比な人非人どもは、「何も見ず何も考えない」のが身のためだという見せしめとして、彼女の遺体をわざわざ返したのである。 占領された四州からは、四万六〇〇〇人以上のウクライナ人がロシア兵として徴集され、ウクライナ人と戦うために戦場に送られた。いまウクライナの収容所にいる捕虜の一六%は、ロシア兵として捕らえられたウクライナ人なのである。 プーチンは、誘拐・拉致したすべての子どもを返せ! すべての捕虜を返せ! (3) 今ロシアでは、戦争の終結を望むものが六七%に達し、その継続を支持する二五%を大きく上回りだしている。それはなぜか? ロシア兵の戦死者はいまや三五万人をこえ、昨年の後半にその数は急増している。辺境の少数民族からの徴兵が限界にきていることからして、プーチンはいまやアフリカのケニアやソマリアやアジアのインドやスリランカなどから外国人兵士を雇っている。しかもその手口は、SNSで「好待遇の就職口がある」と欺して戦場に送りこむというものである。戦場には戦車も装甲車もなく、兵士は馬とバイクと中古車だけを使っての「肉弾突撃」を強いられている。こうして占領地の拡大はまったくできず、戦死者の数だけが膨大化しているのだ。他国の労働者の兵士化を許すな! 加えてロシアでは今――トランプがウクライナへの軍事援助・財政援助は縮小しつつ同時にロシアにたいしては石油・天然ガスなどの第三国を介しての迂回輸出への制裁を強化していることと相まって――インフレが猛威をふるいはじめている。さらに十数万人の帰還兵の失業と犯罪が社会の荒廃を加速してもいる。 だがプーチンには「前方への逃走」以外に道は残されていない。ソ連邦の崩壊以後に経験した「亡国の悲哀」にうちひしがれてきたロシア人民にたいして、大国意識と被害者意識を注ぎこみ、そうすることによってFSB強権型国家を強化しつつ旧ソ連邦の版図の復活をはかってきたのがプーチンであって、このプーチンは「偉大なロシアの再興」をかかげた戦争によって静かに高まるロシア人民の不満を鎮めるしかないのである。だからこそプーチンは、トランプによる和平の仲介にのるかのようなそぶりを見せながら、「ロシアの兵士が足を踏み入れた土地はロシアのものだ」などとうそぶき、ウクライナを降伏させるための無差別攻撃に狂奔しているのだ――ロシア国内では、たとえば「プーチンの戦争」に異を唱えただけの十四歳の少年をも軍事法廷にかけ五年の拘禁刑に処すといった、まるで狂ったかのような弾圧をおこないながら。 ロシアの労働者人民よ! 今から一一〇年ほど前、あなた方の父祖であるロシアの労働者・農民・兵士は、マルクスの『共産党宣言』の理念と展望にのっとり、「資本主義の弱い環」といわれた帝政ロシアでプロレタリア革命を実現し、世界社会主義に向かう扉を開いた。 だがレーニンの死後にスターリンは、「一国だけで社会主義を建設する」と宣言し、各国のプロレタリア階級闘争を「社会主義の砦」ソ連邦の防衛に従属させて全世界のプロレタリアートの解放という歴史的事業を裏切った。そして国内においては、マルクスが『ゴータ綱領批判』で明らかにした社会主義社会およびそれへの過渡期における経済原則を抹殺して、「スターリン式分配法則」によって官僚だけが膨大な余剰労働を収奪することを正当化し、勤労人民には過酷な「出来高払いノルマ制」を強制した。こうして彼らスターリン主義官僚どもは、労働力の商品化に立脚する資本主義的搾取とは異なる新たな収奪の方式を捏造したのだ。「社会主義」ソ連邦とは、スターリン主義官僚には宮殿を提供し、勤労人民には貧困を強制し、これを維持するために不満分子は「人民の敵」として粛清するという、マルクス主義とは縁もゆかりもない反労働者国家なのである。 そしてまさにこうしたことのゆえにスターリン主義ソ連邦は、第二次世界大戦後の帝国主義との角逐における敗北を外因として内部から崩壊した。 だがソ連邦崩壊以後、恥知らずにもスターリン主義国家=党官僚どもは、貧窮のどん底に突き落とされたロシア人民をかえりみることもなく、己れの地位を利用してあの手この手で国有財産を簒奪し、経済官僚的マフィアに転態した。そして二十一世紀に入るや、彼らは、KGBの小役人プーチンを大統領に据えたFSB強権型支配体制を築くとともに、その経済をFSBがエネルギー産業や軍需産業などのすべてを牛耳る国家資本主義(=疑似資本主義経済)に改造した。こうして「スターリンのソ連邦」と類似した今日の「ロシア帝国」が現出したのである。 ロシアの支配者どもが「大ロシア主義」をかざし「ソ連邦崩壊は二十世紀最大の地政学的大惨事だ」などとほざいてウクライナをロシア連邦のもとに組みこもうとしているのは、まさに彼ら特権官僚の官僚的利害のためでしかないのだ。 ロシアの労働者人民よ! プーチンの圧政にたいして良心にもとづく静かな抵抗をしてきた心ある人々よ! FSB強権型支配体制の打倒をめざして前進せよ! (4) 世界はいま、米・中・露の核大国が、力で己れの勢力圏を排他的に拡張する時代に突入した。 アメリカのトランプ政権が年明けと同時に「反米・親中露国家」ベネズエラの政府を軍事的に攻撃し暴力的に転覆し、みずからの意に従う政権の樹立と石油の強奪を強行したこと――このトランプのネオ・モンロー主義をむきだしにした暴挙は、世界の暗黒化を一挙に深刻なものとしたのである。 トランプの「アメリカを再び偉大にする」ための新戦略は、南北アメリカの両大陸からなる西半球からは中国やロシアの政治的軍事的経済的な一切の影響力を排除する、というものである。そしてその反面、ユーラシア大陸の東半分はロシアの、東南アジアは中国の勢力圏として認め、いわば棲み分けるということでもある。トランプは言う――「他国の内政や外交がわれわれの関心事となるのは、それらの行動がわれわれの利益を直接脅かす場合に限られる」と。まさにこのような観点からトランプは、ウクライナにたいしてかの米露合作の和平案を押しつけようとしているのだ。 だが没落帝国主義アメリカのこの新たな国家戦略をまえにして、中国とロシアはその同盟的結託を強化しつつ、かつみずからの核戦力を増強しつつ、対米挑戦をますます強化している。このゆえに現代世界は今、第三次世界大戦の前夜というべき危機を日々深めているのだ。 そしてこのような「弱肉強食の時代」に世界が暗転するその転回点となったのはいうまでもなく、今から四年前にプーチンが号令したウクライナへの軍事侵略にほかならない。 ウクライナの労働者人民が侵略軍との不屈の戦いを続けているのは、暗く陰惨なあのソ連邦には絶対に戻りたくないという揺らぐことのない思いからにちがいない。彼らには、ウクライナにソビエト権力を樹立して(一九二二年)ロシアのプロレタリア革命に合流したにもかかわらず、スターリンが「ウクライナのロシア化」のための大粛清をおこなったこと、「農業集団化」に反対したウクライナの農民にたいしてスターリンが過酷な穀物徴発ノルマを課し六〇〇万人もの人民を故意に餓死に追いやったこと(ホロドモール)、チョルノービリ原発の爆発事故を十日間も隠蔽しウクライナを核浸しにしたこと、などのソ連官僚の悪業が今も語り継がれているにちがいない。 ちなみに、こうしたウクライナ人民の苦悩に想いをはせることもなく、「ウクライナ戦争は米露代理戦争だ」とか、「悪いのはロシアを追いつめたNATOの方だ」とか、「ウクライナには支援すべきレジスタンスなどない」とか、「自国の人民に貧困をもたらすウクライナ支援反対」とかとさえずってきたインチキ左翼ども――とくに「陣営主義」に転落した欧州のエセ国際主義者や、ウクライナの現実とはまったく無縁なエセ平和主義者など――は、今ではすっかり沈黙してしまったかのごとくである。 われわれは、世界の労働者人民にたいして、再び声を大にして訴える。プーチンの戦争に反対せず、ウクライナの労働者人民の偉大な闘いを拱手傍観する者は、日に日に高まる第三次世界大戦の危機に、熱核戦争による人類滅亡の危機に、みずから棹さすことになることを自覚せよ、と。 ロシアの侵略開始四年にあたって、世界の各地で労働組合が起ちあがり、ウクライナへの連帯行動をくりひろげようとしている。そしてわれわれ日本の革命的左翼もこうした世界のたたかう仲間と連帯して、来る二月二十二〜三日に全国各地でウクライナ連帯統一行動をくりひろげる。 暗黒の二十一世紀の闇は深い。だが、資本主義の終わりはすでに始まっている。戦争と貧困と圧政と地球の荒廃など、その悪があらゆる場面でむきだしになっているからである。この「終わりの始まり」を「現実の終わり」に転化し、今世紀を新たな社会を創造するその出発点たらしめること――それが「鉄鎖の他に失うべきなにものをももたない」疎外され虐げられ蔑まれた賃金奴隷としてのプロレタリアートの歴史的使命なのである。 万国の労働者よ、団結せよ! ウクライナは世界のために! 世界はウクライナの兄弟のために! |