破綻した「A少年犯人説」の弥縫に狂奔する
国家権力・悪質マスコミ・日共系弁護士をさらに追撃せよ!

     −文藝春秋社発行『「少年A」この子を生んで……』について


 4月2日、文藝春秋社より、『「少年A」この子を生んで……』と題する「A少年両親の手記」なるものが発行された。
 これは、「手記」などと銘打っているものの、森下某という文藝春秋社の恐ろしく無能な一記者が、両親からの一定の聞き取りを交えつつ、権力から貰い受けた種々の捜査資料等を基礎に、数々の事実の捏造・歪曲を意図的にちりばめてでっち上げたものにほかならない。
 まさにそれは、その虚構性があらわとなってしまった「A少年犯人説」を何としてもとり繕ろおうとする国家権力の意を体し、文藝春秋社と神戸事件旧弁護団内の日本共産党系一部悪質分子とが結託して、A少年の両親を利用したものにほかならない。A少年を「犯人」と断定して両親側に一億余円の賠償金の支払いを命じたかの民事訴訟判決に相呼応し、その直後にこの本が刊行されたということのなかにも、このことは示されている。
 わが同盟・革マル派により神戸事件の謀略性を満天下に暴かれてしまった国家権力。また、反戦反安保の闘いや一切のネオ・ファシズム的反動化を粉砕する闘いなどをつうじて、わが革マル派が労働者階級の唯一の前衛党としての地位を着実に固めつつあることに、恐怖と憎悪をつのらせてきた彼ら。そしてまさにそうであるがゆえに、一方では「A少年犯人説」を大々的に流布し、他方ではわが革マル派を「人心を惑わす反社会的集団」などと描き出すために悪辣きわまりないフレ−ムアップ・でっち上げ逮捕の攻撃に狂奔してきた彼ら。−−にもかかわらず、われわれの的確にして果敢な反撃によって、それらのすべてを打ち砕かれ、追いつめられてしまったのが、国家権力である。今回の「手記」発刊こそは、この彼らの焦りを浮き彫りにするものである。それは、彼らの最後のあがきとしての意義をもつものなのである。
 だが、「手記」発行にかけた彼らの階級的目論見は、すでに破綻が運命づけられている。「息子が酒鬼薔薇とはまったく気づいていなかった両親の、悔恨の手記」などと脚色するためにゴ−ストライタ−の森下が書き加えた部分、これを除き、両親が事実を語っている部分・真情を吐露している部分を一読するならば、警察・検察がどのようにしてA少年を犯人にでっち上げていったかということが、そしてまた弁護団が保護者たる両親には何一つ知らせることもせずにいかに弁護活動を裏切っていったかということが、実にリアルかつ詳細に浮かび上がってくるのだからである。公刊されたこの「手記」こそはまさに、これの発行をプロモ−トしたものの意図とは全く逆に、「A少年犯人説」の最後的瓦解をもたらすものなのだ。
 わが同盟は、文藝春秋社発行の「手記」の意味するものを全人民のまえに完膚なきまでに明らかにし、浮足だった権力者どもと御用マスコミを、そして自己保身の塊となった日共系弁護士を、さらに徹底的に追撃していくことを宣言するものである。

4月5日 

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