新世紀
The Communist 207

2003年11月
定価(本体1200円+税)

革共同 革マル派 機関誌(隔月刊)
発行所 解放社
発売元 有限会社  KK書房


                                  home『新世紀』 最新号

        

《特集》 ヤンキー帝国の大誤算   
断末魔のブッシュ政権
 ―21世紀世界の再編― 
 
 風森 洸

先制攻撃戦略の挫折とイラク反戦闘争の任務
 ―第41回国際反戦中央集会 基調報告―       
 楠田 泰行
 
<ブッシュの戦争>を阻止せよ
 ―第41回国際反戦集会 海外へのアピール― 
 国際反戦集会
 実行委員会
Stop Bush's War!
 Overseas Appeal for the 41st International Antiwar Assembly in Japan
Messages from Foreign Friends to the 41st International Antiwar Assembly   
ネオコンの「思想」とは何か?
―「民主化」を掲げるミリタリズム―            
  片桐 悠
嫌米くそ味噌じゅうたん爆撃
―落語のないまくら噺―
  
 雨田 金太郎



万策つきたブクロ派残党
  
 永田部 厳太

監視国家への突進   竹垣 作蔵
・ユビキタスネットワークの構築をねらうe-Japan戦略U 

アンチ革命の「綱領改定案」
―日共式修正資本主義路線の純化―       
 白嶺 聖

 
  ◆ 国際・国内の階級情勢と革命的左翼の闘い(2003年6月〜2003年7月)


 
シーア派の聖地ナジャフのモスクを、礼拝中の信者もろともに吹き飛ばした8月29日の爆弾テロル。この反イスラーム的凶行は、たとえ激烈な内部抗争を抱えているのだとしても、シーア派ムスリムには絶対にできないことである。このことからして、異宗派たるワッハーブ流(スンナ派原理主義派)の流れをくむアルカーイダや、世俗主義者の旧フセイン軍に疑惑の目が向けられた。
 しかし、宗派間抗争に目を向けさせようとするこのキャンペーン自体が、まったく臭い。爆弾の種類や爆破方法についての捜査結果が発表されてもいない事件翌日に、「サウジアラビア人の逮捕」が報道された。現地ナジャフ州の知事が「外国人逮捕の事実はない」と、即刻これを否定したことからするならば、アルカーイダの「犯行」に見せかけるために米英占領当局が流したガセネタにちがいあるまい。
 ブッシュは事件直後に声明を発表し、「シーア派の聖地を狙った邪悪 なテロだ」と非難してみせた。「十字軍」を口にするこの男がシーア派 を擁護するのはシラジラしいというだけではなく、事件の調査もなしにこう断定すること自体が怪しいのである。
 以上のことからして、ナジャフの爆弾テロは、反米で結束しつつあるシーア派とスンナ派とのあいだに楔を打ちこみ、シーア派をスンナ 派や旧フセイン軍に対抗させることを狙った謀略テロであると断定できる。自爆とは異なるリモコン操作という手口からしても、実行者はCIA(米中央情報局)かDIA(米国防情報局)であろう。
 イラク戦争の大誤算に追いつめられたブッシュのこの窮余の一策も、かえってシーア派の反米感情の火に油を注ぎ、ヤンキー帝国は墓穴を堀ることになる。本号特集は、その必然性を明らかにしている。
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