特集1
  変質する護憲イデオロギー

 特集2
  宗教・民族と戦争への挽歌


  新世紀
  The Communist 188


2000年9月 定価(本体1200円+税)
    革共同 革マル派  機関誌(隔月刊)

   発行所 解放社
   発売元 有限会社 KK書房

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 特集1
  変質する護憲イデオロギー

 ■〈反安保ぬきの日共式「護憲」論           神長 徹
   「保守層との共同」の名による安保・自衛隊容認への旋回

 ■「護憲の党」=社民党の無惨な”死”         芦田 重雄
   のしかかる<自社さ>連立政権の”負の遺産”

 ■「連合」指導部の「改憲」肯定論           宇都宮 研
   今日版「産業報国会」化の帰結


 特集2
  宗教・民族と戦争への挽歌
 ■<コソボ和平>一周年−−平和は訪れたか?  黒江 龍行

 ■「文明の衝突」論への転回              中郷 登志男
   思想難民化した岩田昌征の暗中模索

 ■「啓蒙的理性」のパラドックス             近藤 学


 教育の史的唯物論的・経済学的解明(下) 大道 正也

 
 総選挙で議席を六十も喪い実質上の敗北を喫したにもかかわらず、連立与党三党は、「自公保連立が信任された」などと居直り、森政権続投への強行突破をはかっている。「神国日本」の再来と憲法改悪・教育基本法改悪の文字しか詰まっていない”鮫の頭脳”と”体育会的”単細胞と”汚職まみれ”体質をしか持ちあわせていないシンキローの続投は、経済的没落に端ぎ国際的・政治的権威など地に墜ちきっている現在の日本国家にふさわしい象徴ではあっても、労働者・勤労大衆にとって耐えがたい屈辱ではないか。
 この森政権は、これまで以上にネオ国家主義者としての毒牙をむき出しにして、憲法改悪や教育基本法改悪に突進するのはまちがいない。実際、見よ。皇太后の死が「神国日本」の精神高揚のために大々的に活用されようとしているではないか。
 こういう今だからこそ、われわれは改めて問わなければならない。今日の既成「護憲」運動は、果たして改憲攻撃を打ち砕けるのか?と。社民党の土井たか子は改憲に反対してはいるが、実は「ダメなものはダメ」の気概も喪失し安保・自衛隊を「平和の礎」と認めてしまっているではないか。代々木共産党にいたっては「自衛の戦争」を認めている始末である。戦後日本の反対運動を導いてきた「護憲」の理念それじたいが、もはや大きく変質し空洞化させられてしまっているのだ。
 また、戦後初めてNATO同盟諸国が域外のユーゴに侵略し「コソポ和平協定」がとりかわされてから、ちょうど一年。だが、コソボ・ユーゴ内の宗教的=民族的諸対立の火はくすぶり続け、むしろバルカン半島全域をおおう戦争への転化の危機が高まっているほどなのだ。「社会主義」ソ連邦の崩壊以後、世界各地で噴出している宗教的対立と結びついた民族的・エスニック的の諸対立−−この新しい形態の紛争の性格・本質をどうとらえるべきなのか。そして、これらの紛争への帝国主義諸国や中・露両国の介入の犯罪性を暴きだすと同時に、これを根本から止揚していく闘いの方向こそが追求されなければならない。
 本号の二大特集(<変質する「護憲」イデオロギー>と<宗教・民族と戦争への挽歌>)は、日本国家の戦争への突進と世界的戦乱を断つ道を求める読者の期待に応えうるであろう。


 

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