◆総力特集◆ 教育の反動的再編を許すな 新世紀 The Communist 187 2000年7月 定価(本体1200円+税) 革共同 革マル派 機関誌(隔月刊) 発行所 解放社 発売元 有限会社 KK書房 |
◆総力特集◆ 教育の反動的再編を許すな ■公教育のネオ・ファシズム的再編成 大迫 新一 シンキロー政権式「教育改革」批判 ■青少年の人格破壊と教育労働者への犠牲の強制 日暮 雪子 深刻化する「初等・中等教育改革」の矛盾 ■日教組指導部の路線的・イデオロギー的変質 笠置 高男 「セーフティーネットとしての教育」の名による「教育改革」の補完 ■日共式「下からの教育改革」の犯罪性 上杉 鷹志 「本来の教育」理念のブルジョア化 ■血に汚れた「皇国史観」の再興 大瀬 勝也 ネオ・ファシスト流の「歴史教科書」の改ざん 教育の史的唯物論的・経済学的解明(上) 大道正也 教育現場は今 「学級崩壊」をどうする? 堤 若菜 「日の丸・君が代」強制に抗して 野村玄太 エンゲルスの国家意志論(上) 奥野 広史 --『フォイエルバッハ論』の検討を中心として-- 脳梗塞でたおれた〃真空〃総理・小渕の後を継いで、タナボタ的に首相になった森喜朗。小渕以上の〃真空〃とも〃シンキロー〃(蜃気楼)とも揶揄される森は、しかし、就任早々、「教育改革」を己れの使命と謳い、教育基本法改定(=改悪)への意志をむき出しにした。 たしかに、今日の「学級崩壊」や青少年犯罪の多発は異常なものがあり、「教育の荒廃」は広く深く社会を蝕む一方である。でも、これは、八〇年代の中曽根式「教育改革」による「偏差値・輪切り教育」のせいではないのか。「個性重視」の名による徹底した能力主義的選別教育が青少年の「落ちこぼれ」や他者無視の「自己中心主義」や無気力・無関心・無感動の〃没感性化〃などなどの人格破壊・精神的疎外をもたらしたのではないのか。問題の根拠を、「戦後民主教育」の「画一性」に求めるのは、ファシスト流の詭弁ではないか。 しかも、森政権が考えている「教育改革」の方向は、中曽根流のネオ国家主義と新自由主義にもとづく「愛国心教育」と「能力重視」のエリート育成のための能力主義教育でしかない。若者を覆っている電脳的・彩電的疎外や日本社会全体のモラル・ハザードには目をつぶったまま……。これでは、中曽根「改革」の二番煎じとなるのは請け合いである。 だが、警戒せよ。森政権は、<新東西冷戦>と帝国主義的経済的争闘戦下の〃国難〃を、今日版の国家総動員体制の構築をもって突破していくためにこそ、憲法改悪とともに教育基本法の改悪にふみだそうとしているのだ。そのために、今、彼らは、全国の小・中・高校で「日の丸・君が代」を強権的に押しつけている。「文部省のパートナー」と称して文部省の下僕と化している日教組指導部を抱きこみながら。 本号は、自民党文教族のドン=森喜朗の政権が強行しようとしている教育のネオ・ファシズム的再編をいかにうち砕くべきか、をテーマとして重厚な総力特集を組んだ。是非とも活用されたい。 |